昭和初期に建てられた駅舎が今も残り近くには硫黄山がある駅、川湯温泉。この駅はかつて平成11(1999)年の夏の青春18きっぷのポスターに登場した駅で、待合室からホーム側を眺めると道東の美しい景色が広がっているというシチュエーションだった。

 待合室には横綱力士の土俵入りの写真が飾られているのが印象に残る。この力士はこの川湯温泉がゆかりの地で昭和30年代の流行語、「巨人・大鵬・玉子焼き」と当時の子供たちの人気を集めた大横綱、大鵬である。

 また2003年には駅舎の隣に「あし湯」が開設され、無料で足湯が体験できる。しかしお湯が若干熱めだったので足を出したり入れたりして浸からないと入れない状態だった。

 川湯温泉の駅舎の目玉といえばやはり釧網本線に多い駅併設の喫茶店であろう。喫茶店の名前は「オーチャードグラス」と言いクラシカルな内部に1960〜70年代のアメリカのポスターが見事に馴染んで実に落ち着いた雰囲気である。マスターもとても気さくな方で店内の撮影も気軽に許可していただいた上にいちばん奥の部屋も教えてくれました。

 このお店のコーヒーの水は摩周湖の伏流水で淹れているのが大きな特徴である。また「北海道列車の旅」の著者である矢野直美氏の話によればビーフシチューがおすすめだという。私もそのビーフシチューを食べてみたかったが10時の開店に対して乗る予定の列車が10時34分だったため、さすがにコーヒーだけにとどめておいた。ビーフシチューは注文してから少し時間がかかり、食べる時間も考えるとやはり1時間くらいの余裕を持ったほうが良いと思う。

 中には車でやって来る人もいると思うが、車を持っていれば温泉だけでなく、摩周湖や屈斜路湖といった観光ポイントにも手軽に行くことができる。

                                                           (2004.2.29)
川湯温泉の駅構内にある「あし湯」
川湯温泉のホーム
Kawayuonsen
「オーチャードグラス」の店内
川湯温泉の駅舎内のカフェ「オーチャードグラス」の入口
川湯温泉の駅舎


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