頭に「新」がつく駅名は数多くあるが、この旧白滝は頭に「旧」がつく珍しい駅である。開拓団が白滝地区に最初に入植したのがこの地だった事に由来しているが、すぐに中心地を今の白滝に移してしまったと言う。

 土盛のホームと木造の待合室の駅で、元々は仮乗降場だったが国鉄が分割・民営化される直前に正式な駅として昇格された。だが待合室の外にある建物財産票を見てみると、昭和27(1954)年と書かれており、駅が造られて少なくとも50年以上もの年月が流れていることが分かる。

 駅の周囲は畑と牧草地でホームから見える民家は2〜3軒くらいしか見えない。また目の前には国道が通っていて、車がビュンビュン通り過ぎていく。話によるとこの国道は時速100キロで走る車が少なくないという。

 旧白滝の駅に下車して真っ先に目に付くのが、「旧白滝墓地」という看板だろう。国道を横切って畑の先の山の斜面に造られたお墓で、そこまで行くと駅周囲の景色が見られるかも知れないが、国道から墓地に通じる砂利道に入った途端にセンサーが作動して鳥のさえずりのような警告音が鳴り出すので、お墓の方まで行くのは避けた方がいいと思う。

 駅から遠軽方面を望むと、高速道路を造っている光景が見られる。現在この辺りでは旭川紋別自動車道の建設が進められていて、事実、石北本線沿線でも不自然に真新しい道路が目につく。高速道路ができると旧白滝の谷間の農村の景観が少し損なわれてしまうかも知れない。

                                                                (2006.6.9)
旧白滝のホームと待合室
旧白滝の駅名標
Kyu-shirataki
旧白滝
旧白滝の駅全景


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