郡山を出た磐越東線の列車は最初、中通り最大の都市を象徴するかのように町や住宅地を駆け抜けていくが、阿武隈川を渡ると景色が一変し、ローカルムードに切り替わる。そんなローカルな雰囲気の中に交換可能な2面2線のホームを有する駅が舞木である。駅周辺に新興住宅地があるため、位置づけとしては郡山の郊外と言う感じで、列車が到着した時は必ずと言っていいほど乗降客が存在する。

 舞木の駅周辺には桜の木が植えられていて、時期になると夜にはライトアップも行われるようで、磐越東線内でも有名な桜の名所となっている。私が訪れたのは3月下旬で、東京では既に桜が咲いていたが、東北南部と言えどもまだまだ桜が開花するような積算気温に達していなかったせいか、蕾すら出ていなく、訪問するには時期尚早のようだった。

 桜の名所の一つとなっている舞木だが、今回訪問した目的はテレビ東京系で放送されている人気ドラマ「孤独のグルメ」にも登場した「舞木ドライブイン」で食事をすることだった。

 ドラマの中では松重豊演じる井之頭五郎が郡山出張を終わらせて、舞木で列車を待っていたら、毎度おなじみの空腹モードに陥ってしまい、どこか食事ができるところを探していたら、駅から歩いて2~3分の所にある「舞木ドライブイン」にたどり着いて、人気の焼肉定食を堪能するという放送回だった。

 私も五郎と同じく焼肉定食を注文したが、メインの肉のみならず、ご飯や味噌さらに漬物までもが大盛で運ばれてくる。業者がお店のために特別に用意してくれた豚肉に濃い目のタレがマッチするため、ご飯が進み完食することができた。列車の本数が少ない磐越東線ではあるが、大盛好きの旅行者には途中下車してでも食べに来てほしい、おすすめのスポットである。

 五郎は焼肉定食のみならず、和風オイル焼肉単品を追加注文し食後に店のもう一つの名物であるぞうりパンを購入してペロリと平らげていたが、私は焼肉定食だけで満腹になってしまい、この日はこれ以上何も食べる気が起きなかった。

                                                            (2022.3.28)

 
舞木の駅構内は桜の名所となっているが3月下旬の郡山はまだ桜が咲いていなかった。
対抗式のホーム。五郎が待っていたホームが使われるのは最終の郡山行きの列車のみとなっている。
磐越東線の舞木駅、「孤独のグルメ」で井之頭五郎が郡山出張を終えて列車を待っていた駅である。


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Mogi
「孤独のグルメ」に登場した舞木ドライブインの焼肉定食。色々と量が半端ない大盛好きにはたまらないお店である。
簡易駅舎となっている舞木。郡山の隣ということもあって地元の利用客が普通にいる駅だ。
舞木