仙台から仙山線の電車に乗った時、宮城県最後の駅となるのが、この奥新川である。駅前は小さな食堂と1軒の民家があるだけで、西側は奥羽山脈を控えているだけに山の中の駅といった趣が強い。

 それでも仙山線が所属している市は仙台市と山形市の2つだけで、当然奥新川も所在地は仙台市内にあり、新幹線で仙台までのきっぷを買った場合、この駅まで乗り越しの代金を払わずに行くことができる。

 駅からたった1本しかない道路を歩いてすぐの所に市営のキャンプ場、さらにその先を歩いてはみたが見つけた民家は1軒、さらに奥の方へ行ってみたが、数軒の廃屋を見つけただけで後は森の中を進んでいくといった状況であり、奥新川が秘境駅として認識される理由が頷ける。

 奥新川の駅周辺はハイキングコースとなっており、駅舎内にもキャンプ場とその周辺図の案内の紙が置いてある。秘境駅は利用価値や存在価値が疑問視されるのが大半ではあるが、この奥新川に関して言えば仙台および山形から電車1本で簡単に行ける観光型の秘境駅という感じである。

 かつて隣には八ツ森という臨時駅が存在し、その周辺に「クマ出没」を注意する看板が存在したが、奥新川もクマ出没地帯のようである。しかしもっと注意が必要なのは駅前の食堂をうろつくと、放し飼いにされている犬にまとわりつかれることだろう。その犬の行動範囲は車の展開が可能なスペースのみだが、犬が苦手な人はこの辺をちょっと注意する必要がある。

 かつて奥新川からは八ツ森へ抜けるハイキングコースも設定されてはいたが、現在は通行止となっているようである。八ツ森の駅が廃止されてしまった理由がなんとなく分かった気がした。

                                                              (2015.9.4)
 
交換可能な奥新川のホーム
周辺の渓谷美の写真でアピールをする奥新川の駅名板
Oku-Nikkawa
奥新川
コンクリート製の奥新川の駅舎


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車道から駅へ行くには未舗装の道を上がる。この地域はクマ出没地帯のようである。
奥新川の唯一の車道