山林の法面に位置し、その麓には小さな集落が存在する乙原。その立地関係は木路原と似ているものがあるが、ここ乙原の集落の特徴としては、江津の名産品である石州瓦の赤い屋根の家が多く、景色に美しい彩りをもたらしてくれている。

 駅の階段を下りたら、不自然に整備された駅前広場と、その脇に駐輪場がポツンと置かれている。しかし乙原の待合室内にある駅ノートをチェックしてみたら、昔は広場の所に駅舎が建てられていて、駅員も存在していたという書き込みがあった。この書き込みを見て、駅前広場が設けられている意味を解釈した。

 ローカル線の大事な乗客として、免許証のない中高生が挙げられるのだが、乙原の集落からは石見川本にある島根中央高校へ行くスクールバスの便があるようで、早朝に乙原の駅周辺を散策していたら、地元の子がそのスクールバスを待っている反面、列車が来る時間帯にも関わらず地元の人は一人も来なかった。自然災害で長い間運休しているうちに代替輸送が整備されている結果が顕著に表れていた。

                                                      (2017.10.17)

乙原のホームと駅周辺の集落。江津の名産である石州瓦の赤い屋根が映える。
乙原の駅入口。駅前広場には、昔駅舎があったという。


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Ombara
乙原の神楽の愛称は「帯舞」
山際の高台に造られた乙原の駅の雰囲気と立地は木路原と似ている。
乙原