日豊本線の終点、鹿児島の一つ手前にある竜ヶ水は錦江湾のきり立った山沿いに造られた駅で駅からは桜島が見え、鹿児島の象徴とも言える光景を垣間見る事が出来る。
 
 駅の所在地は鹿児島県の県都、鹿児島市に属しているのだが背後に山が迫っている為に民家が少なく、利用者がほとんどいない。駅より低い位置に九州の東海岸の最重要幹線道路である国道10号線が通っており非常に車通りが多い。利用者がほとんど望めない事もあってこの駅は普通列車の半数以上は通過してしまう駅である。この駅に停車する理由は路線が単線区間であるがゆえに列車との行き違いをするのでついでに停車しておこうと言った感じで、ほとんど信号場的な役割しか持っていないと言ってもいい。

 そんな竜ヶ水の駅が全国紙に載るほど有名になった事がある。それは平成5年の夏に鹿児島地方では例年にない長雨と大雨が重なって甲突川が氾濫し市内は水浸しになり鉄道、道路共に寸断される被害を受けた。この時に竜ヶ水では大規模な土石流が流れ駅に停車していた列車を巻き添えにするほどだった。だが事前に運転士が300人以上の乗客を避難させて幸いにも死傷者が出なかった。

 この土石流で日豊本線は一時期不通になったが、作業員の昼夜に及ぶ復旧作業の末、9月19日、実に44日ぶりに運転が再開が出来るまでに復旧した。竜ヶ水のホームには実際に土石流で流れてきた石で造った記念碑が建てられており土台は9トン、文字が書かれている石は5トンあり、このクラスの石が大量に山の斜面から流れて来たと思うと恐ろしいものを感じた。

 竜ヶ水のホームにある記念碑は自然の災害がどんなに恐ろしいものか、そして決して忘れないで後の世に伝えていこうと言う想いが込められている。今年の夏はあの豪雨から10年が過ぎようとしている。

                                                               (2003.6.15)
 
ホーム側から撮った竜ヶ水の駅舎と駅名標
竜ヶ水の駅舎
Ryugamizu
竜ヶ水
竜ヶ水の駅と錦江湾と桜島
ホームにある土石流災害の復旧記念碑
竜ヶ水のホーム


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