右手に別名「日本ライン」と呼ばれる木曽川の景勝地を眺めた後に到着するのが難読駅名で知られる坂祝で、読みは「さかほぎ」である。駅前に「クルマのまち」と強調されている案内板があるが、これは駅から美濃太田寄りにある工場、パジェロ製造の影響が大きい。坂祝はかつては町の税収の3分の1がパジェロ製造による時代もあったので、「パジェロの町」という別名もうなずける。

 坂祝の駅裏にはセメント工場が控えており、かつては構内からセメント列車の発着やバラストの積出駅として栄え、駅の業務もJR貨物に委託され、みどりの窓口も開設されていた。

 しかし、2004年に駅は無人化され、主力だった貨物輸送も2007年に廃止となって、旅客のみの駅になってしまった。駅裏の構内跡地には今でも線路は残されているものの、レールは本線から寸断されており、坂祝で貨物営業が行われることはもうないという印象を受けた。

                                                            (2020.1.13)

坂祝の駅前にある町の案内板。パジェロ製造が盛んだったため、クルマのまちをアピールしている。
坂祝の駅舎。駅構内にセメント工場があり、かつてはセメント輸送の拠点となっていた駅である。


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坂祝の駅構内。本線と貨物用の側線跡との線路は完全に分断されている。
坂祝の駅構内。セメント輸送が無くなった今は駅裏の側線跡も寂れている。
Sakahogi
坂祝