1983年に塩嶺トンネルのルートが開業したことによって、信濃川島の運命は大きく変わることとなる。元々本線だっただけに、ホームは長く、単線ながらも特急が通過するために交換設備も設けられていた。塩嶺トンネル開通によって特急は通らなくなったものの、定期夜行急行「アルプス」が夜中に通過していたが、2002年に「アルプス」は廃止され現在は普通列車しか通らない駅になってしまった。

 日中は塩尻~辰野間を往復するだけのダイヤということもあって、片方のホームが撤去され、信濃川島は中央本線内では唯一の棒線駅となった。反対側のホームは跡形もなくなっているが、ホームが横川川を跨ぐときに橋の遺構があるのは、信濃川島に交換設備があった名残だ。

 国道側にあるホームに対して、まるで離れのような場所に駅舎がポツンと置かれている。ホームからは一旦ガードをくぐって、また階段を上るという労力を要するが、駅舎内の待合室には綺麗なケースの中に駅ノートが保管されている。管理人さんもノートには非常に関心を持っている方ということもあって、用意されているノートも綺麗である。

 元々岡谷~塩尻間を遠回りするようなルート上にある駅だったため、短絡線が出来たことによってローカル線の駅に転じてしまうのは自明の理だったかも知れない。だが今は駅ノートの設置によってファンに守られ、そして繋がれている駅である。

                                                      (2019.12.11)

ホームの離れにある信濃川島の駅舎


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2種類設置されている信濃川島の駅名標
Shinano-Kawashima
信濃川島に到着する中央本線の電車
信濃川島の駅ノート
信濃川島の駅構内にある鉄橋の遺構
中央本線唯一の棒線駅である信濃川島のホーム
信濃川島