小川町から東武東上線の線路と並走し、右方向に分岐したのちに再び東上線の線路をアンダークロスして到着するのが竹沢である。

 埼玉県で唯一の非電化区間を持つ八高線。ここ竹沢の駅周辺はとりわけひなびた山村の風景が残る駅だ。ディーゼルカー、駅舎、周辺の民家が近代的にはなっているが、大都市東京の近郊ということを考えると、ローカル線ということばに相応しい駅である。

 駅から歩いて10分くらいの所に東武東上線の東武竹沢がある。こちらは電化されていて隣の小川町からは電車一本で池袋に行けるという環境下にある影響で、ここは乗車人員を把握できる駅としては埼玉県内で最も少ない駅ということになっている。

 利用者は少ないながらも竹沢は長年有人駅として頑張ってきたが、2012年の3月にとうとう無人化されてしまった。

 竹沢でもっとも注目すべきポイントは駅舎内の待合室にある蔵書であろう。本の一部には色あせた背の所に駅で所有しているというシールが貼られていて、昔からやっているサービスだということがわかる。読むのは当然だが借りるのも自由というのも大きな点ではなかろうか。

 高麗川〜高崎間を走る八高線のディーゼルカーの車内にある路線案内図を見ると駅員の有無が一目でわかる仕様になっている。久々に非電化区間の八高線に乗った時、無人化された駅が増えていて何か物悲しくなった。

                                                           (2014.1.9)
竹沢
コンクリート造りに建て替えられた竹沢の駅舎
八高線内でとりわけ田舎を感じさせる竹沢の駅周辺の風景
古い駅名標が残る竹沢の対抗式ホーム
有人駅時代から存在する竹沢の本棚
Takezawa


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