伊勢志摩観光のアクセスは名古屋や大阪から近鉄に乗るのがオーソドックスな方法である。かつて存在していたプロ野球チーム、近鉄バファローズがチーム創設時には近鉄パールスと名乗っていたように、昔から伊勢志摩に目をつけていたことがうかがえる。

 そんな近鉄に負けじと国鉄時代から参宮線を走らせ、その終着駅となったのが鳥羽である。真珠や水族館といった海による観光資源が豊富な場所ではあるが、電化されている近鉄に対して参宮線は未だ非電化のローカル線。昔から利用客は圧倒的に近鉄の方が多かった。

 それでも参宮線側の鳥羽は市街地側に立地し、鳥羽市の代表駅としてみどりの窓口も設置され、近鉄のホームへの行き来も自由にできた。

 しかし2020年3月にJRと近鉄の自由通路が閉鎖され、JR側に自動券売機と指定席券売機の導入をきっかけにしてJR駅も無人化、駅舎の2階には「鳥羽駅名店街」といういくつか店舗が入居しているが、コンビニや松阪牛関連のフードや伊勢うどんの売店があり、待合ロビーの広い近鉄には太刀打ちできていない印象を受けた。

 近鉄と並走しながらも境遇は国鉄時代から負け続けていた参宮線。ICカードに対応している近鉄に対して、参宮線内の駅は未だに非対応。昔からあった格差が令和になったら駅員の有無にも影響される結果となった。

                                                        (2021.3.15)

向かって左がJR、右が近鉄の駅舎。鳥羽は昔から近鉄に押されていた。
参宮線の終点、鳥羽の駅舎。2回には店舗が入る複合型の駅舎である。


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Toba
参宮線の鳥羽の改札口。無人化されてひっそりとしている。
有人駅時代は近鉄のホームへの行き来が可能だったが、今ではその階段は閉鎖されている。
折り返しで鳥羽で発車を待つ快速みえ
鳥羽のホーム。鳥羽市の代表駅のため、非常に長いホームを持っている。
鳥羽