国鉄の分割・民営化によって仮乗降場から昇格した無人駅、東雲。駅前に農家が1軒ある以外、周囲は農地が広がり、民家はポツンポツンと点在しているくらいだ。

 かつてはブロック塀で造られた待合室があったが、まるで目の前の家の所有物と間違えそうな物置が現在の東雲の待合室になっている。物置の待合室として代表的な駅に糠南がある。しかし東雲は物置の待合室として後発ながらも、糠南のものよりも、傷みが激しく感じられた。

 私的に東雲と言ってかすかに印象に残っているのは、斉藤由貴が主演したフジテレビ系のドラマ「LUCKY 天使、都へ行く」のロケ地として使われていたことだ。ドラマの目立った特徴は、アライグマが喋ることくらいではあるが、当時アイドルとして人気だった彼女が雪の北海道の無人駅に降り立った姿、さらにその駅の当時のホーム端には「東雲」と大きく表示されていたのを記憶している。

 石北本線内の駅にも利用客が少ない駅の廃止が検討されている。東雲もその中の一つとして挙げられている。訪問するなら早いうちにしておいた方がいいかも知れない。

                                                            (2020.2.25)

国道側から撮った東雲のホーム。駅前の第4種踏切が雪で通行止めのため、少々遠回りすることとなった。
東雲の待合室。ブロック塀造りのものから、物置を再利用したものに置き換えられた。
Toun
東雲の駅全景。駅前に民家が1軒あるくらいで、後は農地が広がる駅である。


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東雲
東雲のホームと駅名標。かつてはホームの端っこに「東雲」と書かれた大きな標示板があった。
東雲のホームと待合室と踏切の位置関係。それぞれが微妙に距離を置いている。