直別、尺別、音別と3つ「別」がつく駅名続く根室本線。北海道内には至るところに「別」のつく駅名や地名が印象に残るが、これはアイヌ語で「川」という意味を持ち、直別の場合はアイヌ語で「秋の川」という語源から、その名がついた駅名である。

 ログハウス風の比較的新しい駅舎をもつが、これは2003年の十勝沖地震で先代の駅舎が倒壊したために急遽建て替えられたものだ。小さな建物の中に待合室とトイレを備えつけた影響で、待合室内のベンチは2人がやっと座れるくらいのスペースしか設けられていないため中は非常に狭い。

 駅の周囲は民家が数軒あるくらいで、それ以外は直別原野という手つかずの大自然が広がる。特に駅前広場のところにはキナシベツ湿原訪問を歓迎する看板や案内板があるものの、雪が積もった冬場は観光客は不在でがらんとしていた。

 近年のJR北海道において、利用者がほとんどいない駅の廃止の方針を打ち出し、やむを得ず了承した自治体の駅を段階的に廃止しているが、原野に囲まれて周辺人口が希薄な直別も2019年3月のダイヤ改正で廃止が決定されてしまった。駅は釧路市に位置していながらも、市の中心部まで約50キロも離れているのも大きな要因だったかも知れない。

 直別で最初で最後の訪問を済ませ、次の目的地に向かう列車に乗った時、私と入れ替わるようにして3人の鉄道ファンが直別の駅を降りて行った。

                                                       (2019.2.10)

 
右側が待合室、左側はトイレの入り口。駅舎が小さい為、待合室の中は狭い。


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直別に到着する、根室本線のディーゼルカー。来月には駅が廃止されるため、この光景もあとわずかだ。
直別の周辺は民家が数軒あるだけで、それ以外は原野だ。
直別の駅舎と跨線橋。十勝沖地震の影響で、駅舎はログハウス風の建物に建て替えられた。
Chokubetsu
直別