函館本線の長万部〜小樽間は通称山線と呼ばれ、本線とは名ばかりの定期の特急が走らない寂れたローカル線に転じてしまった。長万部と黒松内の町境の近くにある蕨岱は五十音順に読むとJR線では最後に登場する駅として鉄道ファンに知られている駅だ。

 駅前には国道5号線が通るため、それなりに車が通るために道路の横断には注意がいる。目の前に鳥居があるが、最近は参道の手入れを行っていないせいか、草が生い茂っていて神社に向かうことは困難な状況だった。

 神社脇の廃屋の奥に人が住んでいそうな民家が辛うじて1軒と少し離れたところに集会所があるだけで、その他にこれといった建造物がなく、どことない秘境ムードが漂う駅である。

 片面ホームの駅だが、ホームは長く、駅出入線時におけるシケイン風のカーブを見ると、かつては交換設備があって本線として重宝されていたのが偲ばれる。

 貨車を改造した待合室の中はきれいに掃除されていて、灰皿は外に設置して分煙を促しているためにタバコ臭さがないので快適な室内空間が保たれている。また駅ノートや漫画が置いてあるので途中下車をして次の列車が来るまで長時間待っていても多少の暇つぶしができるのではないかと思う。

                                                        (2015.6.16)

今は棒線駅となった蕨岱の駅構内


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Warabitai
蕨岱
蕨岱の貨車改造の待合室の中。きれいな上にタバコ臭くないので案外室内は快適だ。
蕨岱の駅前の様子。神社の参道は草が生い茂っていて上まで行けなかった。