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根付ギャラリー 疑惑根付 その3 (H18.6編集)



京都・吉長の猿回し根付のフェイク。
顔が典型的なチャイナ顔で見分けやすい。
ロンドンの有名な根付ディーラーが発行したカタログからコピーしたもの。
本物であれば数百万円はする。
根付自体は悪いものではないが、銘が後銘。
彫銘は京都・正直を真似ているようであるが、作品のスタイルも
字体も異なっている。
鈴木東谷の有名な作品・大黒天をコピーしたもの。
顔が典型的なチャイナ顔。紐通し穴の位置もおかしい。
同じく鈴木東谷の有名な作品・寿老人と鶴をコピーしたもの。
この写真は海外の某オークションで出品されたときのもの。
本歌であれば200〜300万円の価値があるが注意したい。
上と同様の大量生産のコピー品。背中の円形のマークが
典型的なチャイナ製品であることを物語っている。
同様のマークはこちらでも解説している。
”東谷”の銘が入った犬根付。
東谷の作風と全く異なり、彫銘の字体も異なる。
紐通し穴の位置もおかしい。分かりやすいフェイク。
良くできた陳楠仙人であるが、展示会のカタログなどで
写真が掲載されている有名な作品をコピーしたもの。
黒いひび割れが数本入っているが、時代の経過に
よるものではなく、人工的に作られたものであろう。
これは悪質。作品は道成寺の木刻であるが、彫刻が
甘く時代も若い。裏面には、あたかも以前にどこかの博物館
で所蔵されていたかのような赤字の”整理番号”が付けられて
いるが来歴を偽装するためのニセであろう。

彫刻が甘く時代も若い。チャイナ系の顔をしている。
彫刻が甘く時代も若い。鍾馗としての形がなっていない。
剣を持つ手は普通ならば逆手となる。
大量生産の安物。
有名な現代根付師の昔の作品からコピーしたもの。
顔が典型的なチャイナ顔で見分けやすい。
有名な京都・正直の「兎を抱えるオランダ人」の
作品をコピーしたもの。
本歌であれば数千万円の価値がある。
根付の雑誌に掲載された写真から起こしたコピー。
顔が典型的なチャイナ顔で見分けやすい。
衣装のマークも典型的なチャイナ系。
中村雅俊の有名な歌舞伎根付からコピーしたもの。
顔が典型的なチャイナ顔で見分けやすいが、技術的には
良くできており、うっかりすると初心者は間違える可能性がある。
古い京都の根付師の作品にみえるが、時代は若い。
毛彫りはきちんと入れられているが、紐通し穴の位置が
不自然なことにお尻の部分にあけられていて、実用性は
配慮されていない。本歌の根付でこのような位置の
紐通し穴は私は見たことがない。
子供の虎の顔の表情がディズニー映画のキャラクターのようである。
「友忠」の銘が入った狼と亀の根付であるが、フェイク。
よくできており、毛彫りもシッカリ彫られているので間違えやすいが、
凄みにかける。彫銘もおかしい。
本歌であれば100−200万円はする。
京都・正直の有名な横たわる馬根付をコピーしたもの。
銘は「岷江」と彫られている。まったくメチャクチャな根付。
京都正直の本歌であれば約1000万円の価値がある。
饅頭根付であるが、顔が典型的なチャイナ顔で見分けやすい。
本歌の根付を写したものである。
作品自体は良くできており、中国においてロクロ引きの手法による
饅頭タイプのフェイクを生産する設備を有していることが分かる。
芝山象眼細工に似せた中国製の製品。
意匠に品性が感じられない。
最近、この手の芝山風の製品をよく見かけるので要注意。
以前の裏ギャラリーでも紹介したが、別のフェイクの
バージョンを2種見つけた。
岷江(みんこう)と銘が彫られているが、作品に動きが感じられない。
素材はプラスチックの可能性もある。
岷江の狸のフェイク製品は沢山出回っているので要注意。
顔が典型的なチャイナ顔で見分けやすい。
顔が典型的なチャイナ顔で見分けやすい。
「友政」と銘が入った「命の洗濯女」のフェイク。
数多く出回っている。
同じく友政のフェイク製品(その2)
こちらもフェイク作品(その3)。
その2とは別物で彫銘の位置が微妙に異なる。
岡友の銘が入っているが、彫刻が甘く時代も若い。
彫銘の字体や紐通し穴の形状がおかしい。
懐玉齋の銘が入ったフェイク。
染めのスタイルや彫銘の字体が本歌と異なる。手間を
かけて作られており、明治以降に国内で作られたフェイクであろう。
名前だけで判断すると騙されるニセモノの典型。
本歌であれば1〜2千万円程度の価値があるのではないか。
藻己の有名な作品を写したもの。
拡大してみると花弁の中の細工が不完全で甘い。
この手の作品は注意した方がよい。
一見したところ、紐通し穴の位置はきちんとしていて、
勢いがあり、表情も面白いが、ディテールが全然ダメ。
巻き毛が直線的な六角形に彫られていて、お粗末。
材質は象牙ではない可能性もある。
一番騙されやすいタイプの製品。
骨格も浮き出ているし、毛彫りが非常に細かく彫られていて
18世紀の京都スクールの作品にみえるが、最近の製品。
顔の表情がディズニー映画のキャラクターのようである。
親子の臥牛であるが、最近の製品。手に持つと痛そうだ。
おそらく本歌の根付を写して、中国あたりで作られているのであろう。
良くできた面根付であるが、おそらく現代の製品。
面根付は、幕末明治期に東京の根付師が得意とした作品で
作者は白雲齋や菊川派などに限られている。
難易度の高い作品。
非常に古い18世紀以前の京都か大阪の根付師による
作品(獏)に見える。
しかし、ディテールを観察すれば、彫刻が甘く、染めも若い。
わざと古びた慣れを擦って演出している。
この手の作品は何度か見かけている。



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