外国為替証拠金取引(FX)とは



外国為替証拠金とは


 外国為替証拠金(保証金)取引はFX(Foreign Exchangeの略)とも呼ばれ、
株式の信用取引や先物取引と同じ手法を用いて通貨を売買する方法です。
売り買いのレートの差(スプレッドといいます)や手数料が外貨預金など比べて安くなっており、
用意するお金(証拠金・保証金)の10倍以上の外貨を扱うことができる、などの特徴があります。

 簡単に例えれば、1ドルが120円の時に1万ドル購入する為には通常120万円が必要です。
翌日1ドルが121円になった時に売却すれば1万円の利益が得られます。
ですが個人で100万超のお金をホイホイ動かせる人ばかりいませんので、現実的にはなかなか難しかったのですが、
それをFXでは2〜10万円程度の証拠金を預けることにより、
まったく同じ取引が可能になります。

 また感覚的にはちょっと理解しにくいですが、上記とは逆に「ドルを売って円を買う」といった取引もできます。
これにより相場が円高・円安どちらに動いていても利益を出すことが可能となります。


スワップ金利について


 外国為替証拠金取引は基本的には上記のような売買差益を狙うものですが、
もうひとつ大きな特徴があります。それがスワップ金利です。
現在の米ドルの金利は5.25%、日本円は0.25%ですが、
例として米ドルを1万ドル購入したケースで考えます。
120万円×(5.25−0.25)%=6万円(1年)、一日あたり6万円÷365日=約160円が
米ドルを保有している限り貰えるわけです。

 もちろんこの金利の差はどんどん変動していきますが、日本の金利はどう考えても
上がって行くようには思えないので、まだまだスワップ金利はおいしい時代が続くと思います。
ただし逆にドルを売って円を買った場合には、金利を支払うようになりますので要注意です。


外貨預金との違い


 外貨預金は主に銀行等で取り扱いをしていますが、FXとの大きな違いは必要資金が
大きくならざるを得ない事以外、売り買いのレートの差があります。
某大手銀行の米ドルの売り買いのレートの差は約2円、豪ドルはなんと4円(!)もあります。
高金利の謳い文句に引かれて豪ドルを1万ドル購入(約90万円)した場合、
翌日解約したら86万しか戻ってきません。4万円は銀行の儲けとなります。
豪ドルが4円以上上がるまで待って解約しないと大損です。

 同じ取引をFXでした場合、売り買いのレートの差は約10銭です。
同じように翌日解約しても1千円の損失で済みます、もし1円上がっていれば9千円の利益が得られます。この差は大きいですね。


外国為替証拠金のリスク


 為替リスクは売買する外貨の金額に比例しますから、この点は外貨預金と同じです。
すなわち1万米ドルを購入したが、急に円高となって1ドル120円が115円になってしまった場合、
この時点で売却すれば5万円の損失となってしまいます。
ただし外国為替証拠金取引の場合は、実際に売買する金額の10分の1以下の証拠金で
取引できるわけですから、投下資金に対するリターンもリスクも大きくなります。

 株式などでは市場に出回っている量に限りがあるため、価格が暴騰・暴落した時に
買いたくても買えない、売りたくても売れない状態になります。(ストップ高・安)これを流動性リスクと言います。
これに対し為替の場合、メジャー通貨ならば市場に十分な量が出回っていますから、
上記のような状態になることはありません。
ただし一部のマイナー通貨の場合は流動性リスクが問題となることがあります。

 さて外国為替証拠金取引の場合、取扱い業者に起因するリスクが問題となります。
まず業者が倒産した場合、預けてある証拠金を取り返せなくなる事が考えられます。
信頼できる業者は万一に備えて、分別保管をして顧客の資産を保全していますので参考にすべきでしょう。
また業者の処理能力(サーバーや通信回線)に問題があって一時的に取引ができなくなり、
取引機会を逸することもあります。さらに業者が示す為替レートに問題があり、注文を出してもレートが変動して不利なレートが再提示されることもあります。このように業者に起因するリスクは取引の安全性に直結しますから、広い意味で信用できる業者を選ぶ必要があります。

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