南からの旅人

 

いつの日か歌い忘られた

懐かしさだけの歌たち

風船みたいに消えてった

いつしかの海の貝のようだ

いつの日か歌われるときが来るんだろう

少年は夢をつぶやいていた

アタシは歌うたい

歌ってることが性に合ってるね

ふるさとはどこでもいいよね

住み慣れた街ならなおさら

街はいつも上機嫌

はじけたものは何だったんだ

アタシはしがない歌うたい

さすらうことが性に合ってるね

忘れた心取り戻そうと

南から北へ 北へ

 

いつの日か歩き忘れた

少年は胸をつまらせて

置き去りの夢の夢の夢

抱えたギターケースが重い

ここは沖縄の果てなのか

たどり着いた島は徳之島

夜の街はカラオケばやりで

焼酎片手に夜はふけてく

何もかもが二昔の沖縄だ

忘れてた何かがよみがえる

アタシは通りすがりの旅人

生まれた島は沖縄

アタシはしがない歌うたい

さすらうことが性に合ってるね

いつの日か訪れることはあるだろうか

南から 南の果てから


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