次も「閑吟集」から。
世の中は ちろりに過ぐる ちろり ちろり
我が恋は 水に燃えたつ蛍 蛍 物言はで 笑止の蛍
思へど思はぬ振りをして しやっとしておりやるこそ底は深けれ
ただ人は情けあれ 夢の夢の夢の
昨日は今日のいにしへ 今日は明日の昔
憂きも一時 嬉しきも 思ひ覚ませば夢候よ