たま‐かずら【玉葛】‥カヅラ _
_名_つる草の美称。万二「―実ならぬ樹には」

__枕_葛の茎の長く延びることから、「はふ」「ながし」「たゆ」「たえぬ」「繰る」にかかる。万一○「―絶えぬものから」

たま‐かずら【玉鬘】‥カヅラ
_多くの玉を緒に通し、頭にかけた装具。

_髪やかもじの美称。源蓬生「たゆまじき筋を頼みし―思ひのほかにかけ離れぬる」

_華鬘(ケマン)に同じ。

__枕_「かく」「かげ」にかかる。万一二「―懸けぬ時なく恋ふれども」

たまかずら【玉鬘】‥カヅラ
_源氏物語の巻名。また、その女主人公の名。頭中将と夕顔との間に生れ、筑紫に流離。源氏の君に育てられ髯黒大将に嫁した。

_能の一。金春禅竹作。源氏物語によって玉鬘(玉葛)が九州から逃れ出た物語を脚色、その死後の妄執を描く。

[  巻  ]  内十九巻
[季  節]  秋
[番組順]  四番(略式三番)
[太  鼓]  無
[稽古順]  第三
[  面  ]  前:小面 後:小面