トラベルに戻る 旅のよもやま話
カナダのライアン君の希望の旅
「ライアンの井戸」というこの物語は7月25日放送されたアンビリバボーのなかで紹介されたものです。
カナダ・オンタリオ州で生まれたライアン君は警察官である父親マークに「困った人がいたら助けてあげるのだよ。人はお互い助け合って生きていくものだから」と、いつも聞いていた6歳のライアン君です。
ある日、学校で先生がアフリカの一部の地域では、井戸もなく、人々は泥水や汚染された水を飲むしかなく多くの人や子供が病気で亡くなっている、しかも井戸を掘る資金すらないという話を聞き驚きます。ライアンはアフリカで井戸を掘るにはいくらかかるのかを質問し、先生は、70(カナダ)ドルはかかると答えます。
それから彼はその日の夕食時に家族にも頼んでみた。親も、70ドルは大金だから協力は出来ないと話し、そして、ライアンが家の手伝いをして自分でお金を稼ぐという提案をしたのです。部屋の掃除や窓ふき、庭の掃除などの一つの手伝いで2ドルをもらうことになった。多くの困っているアフリカの人達のために井戸を作りたいという思いで、ライアンは毎日手伝いをして、なんと4ヶ月で70ドルをためたのです。

知り合いから聞いたウオーター・カンという組織に、これでアフリカに井戸を作ってほしいと寄付に両親といきますが、そこで実際に堀るには2000ドルも掛かると聞かされます。先生の情報は間違っていたのです。でもライアン君はあきらめません。またお手伝いをはじめます。隣の夫婦などはライアンが働くのをみていぶかるのですが、ライアンはお手伝いを続けます。このことがウオーター・カンの機関紙に載り、このこと知った人たちからの寄付もあって目標の2000ドルが集ります。

ウォーター・カンに送られたその募金によってウガンダ共和国北部にあるアンゴラ小学校の近くにライアンの井戸は掘られることになるのですが、ライアンが「井戸は何時出来るの」と質問します。すると、ただ、ドリルがあればもっと早く完成するのだという言葉に、ライアンは「ドリルはいくらなの」と聞きます。2万5千ドルという答えがかえってきます。2000ドルでも大金だったのに、ライアンには途方もない額です。ウガンダでは井戸を作るには道具も十分ではないので多くの人手が必要で、ほとんどが人件費となり、完成するにはどのくらいかかるかわからないというのだ。ここでもライアンはあきらめませんでした。「僕がドリルのお金も集めます」というこの懸命な息子の姿に、両親も何かをせずにはいられず、募金活動に協力します。
ライアンが新たな目標に向かってお手伝いを続けていると、このことを知ったマスコミがこのことを大きく取り上げカナダ中の多くの人々の心を動かしたライアンの募金は1年もしないうちに目標額を達成し、瞬く間に4万5千ドルもの大金が集まります。そしてアンゴラ小学校の近くにはライアンの名前が刻まれた井戸が掘られたのです。

今までライアンのお手伝いをずっと不思議に見ていた隣のご夫婦が新聞でそのお手伝いの意味を知り、ライアンにクリスマスプレゼントとして、アフリカ行きの航空券を贈ります。2000年夏、ライアンは念願のアフリカウガンダの地に両親と共に降り立ったのです。アンゴラ小学校に近づくと、そこには沿道に何千人という子供達が拍手でライアンを迎える姿がありました。お礼の手紙をくれたジミーとの対面も果たし、ライアンは「ライアンの井戸」の水を飲んのです。この井戸は、綺麗な水だけではなく人々に健康をもたらし、ジミ―という友人との友情も地球の裏側に運んだのです。ライアンの井戸が完成し3年、購入されたドリルによって周辺にはすでに30個以上の井戸が完成しているとのこと。
最初から2万5千ドル掛かると言われたら、ライアンもあきらめたかもしれませんが、小さなことから、積み重ねていけば大きなことが出来る、決してあきらめない努力が大切と教えてくれた、ライアンの次の旅は、ウガンダで弁護士になりたいと勉強に励むジミーの応援をすることです。こうしてライアンの希望の旅は、思い続ければ必ず、きっと叶うという思いで、まだまだ続くのです。
トラベル(旅のよもやま話)へ戻る