“爽やかなエンターテーメント・スポコン青春映画!”
胸が熱くなる!爽やかな夏と共にやってきたエンターテーメントなスポコン青春映画。松本太洋氏原作の傑作漫画「ピンポン」(小学館/全5巻)が遂に、「青い春」(松田龍平・主演)と共に映画化された。監督にはハリウッド映画「タイタニック」のVFX参加でも知られる曽利氏による初監督。そして5巻のストーリーを松本太洋の世界観を少しも損なうことなく、一本の作品に収めた「GO」の宮藤官九朗氏の脚本。音楽は、ピンポンというスピード感と、スポコンながら爽やかな演出に思わぬ効果を生んだテクノ・ポップ。まさに才能あふれるコラボレが集結した。
高校卓球界を舞台に、「この星の1等賞になる」と卓球にたけては天才的で天真爛漫な主人公・ペコ〔窪塚洋介〕と、「卓球なんて死ぬまでの暇つぶし」と“笑わない”幼馴染のスマイル〔ARATA〕という二人の少年。太陽のようなペコをしたうスマイルは、居心地の良い月のようなポジションに甘んじ、カットマンとしての実力を秘めながらもペコを相手に無意識のうちに“抜いた”弾を撃つ癖がついてしまう。そんなヒーロー・ペコも、上海卓球界への復活をかけるエリート留学生チャイナに完敗し、インターハイ予選では劣等感から血のにじむ努力で這い上がってきた同じく幼馴染のアクマにもあっけなく負けてしまう。挫折感を味わうペコ、そして自分の意思にかかわらず、コーチに才能を見出されたスマイルの挑戦が始まった。そこに立ちはだかるのは、名門校の威信を背負い勝つ事を宿命付けられたドラゴンの存在。・・・そして彼らの熱い夏がやってきた。・・・
それぞれが思い描く夢に向かい、憧れや嫉妬が交差し、努力・挫折といった心の葛藤を通して、それぞれの未来に向かってゆく。“夢ぎわラスト・ボーイ”とは、主題歌に出てくるフレーズだ。“才能”という個々のフィルターを通して、現実と夢の狭間で悩み傷つきながらも、大人になる1歩手前で揺れながら成長してゆく姿は、ファンのみならずきっと胸が熱くなるだろう。そんな彼らの姿はキラキラと輝いている。
それぞれのキャラクターは、まるで漫画からそのまま抜け出したように原作が絵コンテとなり、原作の重要な要素を少しも削がず、かつおどけたコミカルなテイストは宮藤氏ならではの脚本のとても面白いところが存分に生かされている。ラストに向かっていく高揚感も鮮度が褪めることがない、観客満足度“満点!”な映画。この映画はまた、海外公開第一弾としては同年10月に香港で公開され、台湾・シンガポールなどが予定されているそうだ。
ファンにとっても熱い夏
撮影は2001年の暑い夏。一般からエキストラが参加し、茨城県水海道市民体育館での撮影は、忘れられない思い出となったファンも多いはず。映画ではおかっぱのウィッグを使用しているが、この時初めてファンの前にさっぱりと長髪を刈った姿を見せたことも衝撃的だった。
ファンにとって何より嬉しかったのは、TBS系ドラマ「池袋ウエストゲートパーク」「ストロベリー・オンザ・ショートケーキ」という、彼の爆発的人気を博した作品に参加された曽利監督が、彼の良さを最大限に理解し、余すところなく映画に投影してくださったことを挙げておきたい。彼のとっておきの笑顔がとても眩しい!。
シネコンという新しいスタイルでの全国上映となり、リピーター割引などもあって、今までにないほど多くのリピーターを動員した。そして期間限定ペコカフェが登場、ペコフィギア人形の製作や、キャプテン太田を主演に「ティンポン」なる外伝も製作されている(DVDに収録との事)。ピンポンの熱い爽やかな夏は、今も尚、心地よく心に残っている。
“信じた未来はやってくる!”
留まることを知らない勢いのある彼が、瞳を輝かせて語っていた言葉でもある。暗いニュースの続く昨今、深刻な現実から目をそむけることは出来ないながらも、私達それぞれが未来への夢や希望を思い描く心を、失うことなく持ち続けてなくてはと思う。それこそが、未来を切り開く原動力に他ならないのだから。
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【ピンポン・DVD】 |
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©アスミックエース(DVD)
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原作「ピンポン」
(全5巻)松本 大洋 (著) |
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「ピンポン・シナリオブック」
宮藤 官九郎 (著) |
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本編シナリオの他に、キャプテン太田が主演の外伝「ティンポン」のシナリオが収録されています。そしてj準備稿“ピンボツ”(ボツになったシーン)が、なんと袋とじで付いています!これは必見! |
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「ピンポンビジュアルシネブック」
松本太洋・ピンポン製作委員会 (著) |
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