ステロイド使用について
特発性視神経炎は、自然治癒傾向のある疾患だが、
治療としては、通常パルス療法が行われる。
パルス療法とは、ステロイド薬を短期間に大量投与する治療法のことである。
1クール=メチルプレドニゾロン1g/日を3日間
4日目からプレドニン30mg/日より漸減し、
10〜14日目までに中止。
を発症初期(遅くとも1ヶ月以内まで)に投与し、
改善がみられない場合には、もう1クールを追加する。
1ヶ月以上を経た慢性期のものには、積極的な投与はしない。
4日目以降に行う後療法には、いろいろな変法がある。
しかし、アメリカと日本でトライアルを行ったところ
パルス療法とその対照郡
(プレドニゾロンの偽薬投与とメチルコバラミンの点滴投与)では
最終視機能は変わらないという結果であった。
これにより、安易にステロイドパルス療法をすべきでないという見解もある。
以下にステロイド使用の長所と短所を示す。
長所
・消炎作用がある
・免疫抑制作用を有する可能性がある
・初期の回復速度を上げる
・2年後までのMSへの移行率が少ない(アメリカ)
・中心フリッカー値を指標にした場合、有意に有効(日本)
短所
・内服のみの治療は再発率を上げる
・副作用がでることがある(高血糖、大腿骨頭壊死など)
・ステロイドに対して危険因子のある患者には、投与できない