停留睾丸(ていりゅうこうがん)
雄犬の睾丸は生まれた時はお腹の中にあり、しばらくするといわゆる袋の所へ降りてくるという仕組みだそうです。2〜3ヶ月になっても片方または両方降りてきていない状態を停留睾丸というそうで、停留睾丸自体は病気ではないのですが、将来この睾丸が腫瘍化する可能性が通常の状態の雄犬に比べて高くなる事、そして腫瘍化した睾丸がさまざまな病気を引き起こす可能性が大きいという事が怖いところです。素人なので詳しく書けませんが「停留睾丸」で検索するとたくさんの情報が引き出せます

 2003年3月:アッシュ停留睾丸発覚する
   アッシュは7ヶ月になったけどタマがないねぇ、いつ頃できてくるんだろう?
   ふとした疑問が浮かんだ。男の子のコーギー友達に聞いてみる事に。。。
   すると、2〜3ヶ月の時からちゃんとタマは確認できるそうで、7ヶ月でナイなんてそんなバカな!
   まずはネットで情報収集を・・・するとアッシュはどう考えても停留睾丸だ。認めたくない現実。
   そんな病気があったなんて全然知らなかった・・・。ゴメンねアッシュ。もっと早ければいいてだてが
   あったかもしれないのに。あわてて獣医さんで診断をうけることに。

 O獣医さんの診断
   いつもお世話になっているO獣医さんで診てもらった。診断結果は予想通り停留睾丸だった。
   ただ、このままで全然問題なく将来腫瘍化する確率が上がるのは数%だけ、手術するにはお腹を
   左右2箇所切りどこにあるかわからない睾丸を探さないといけなくて、アッシュにかかる負担も大きい
   のでそんな手術はしないとの事だった。
   ココには20年以上お世話になっている。昔飼っていたリキの睾丸腫瘍の手術もココでしてもらった。
   とても良心的な獣医さんで私はとても信頼しているんだけど・・・・
   自然派主義がここの院長先生の方針なんだと思う。今絶対必要な手術しかしないという事でしょう。
   今回ばかりは納得ができないので、他にも診断を受けることにする。
   何が正しいのかはわからないけどリキが睾丸腫瘍になった経験を思うとやっぱりこのままにはして
   おけないという気持ちが大きい。

 N獣医さんの診断

   意外にも近所に「獣医腫瘍科認定医」という資格を持った先生がいる獣医さんを発見した。
   がん等の腫瘍に強い先生なのだ。これはたよりになるかもと期待し、早速診てもらう事に。
   触診・エコー等で睾丸の位置を探る。「う〜ん、わからないな〜。でも大丈夫、膀胱の裏あたり
   から管が袋につながっているので、たどればどこにあるかわかるからね!」
   診断結果はO獣医さんと同じ事を言われた。これは病気じゃないのでこの子の個性と思ってね・・・と。
   でも腫瘍に関する診断はまったく違っていた。
    ・睾丸がお腹に残ると腫瘍化する確率は何倍も上がる。
    ・腫瘍化しても転移しないのでそれからの手術でもいいけど、腫瘍化した睾丸はいろんな
     ホルモンを分泌するので脊髄等に影響を及ぼし死に至る事もある。
    ・腫瘍化した睾丸は細胞がもろくなっていて摘出が難しくなる。
   そういう理由で若く体力がある内に摘出する方が手術に対するリスクも少ないのでお勧めする。
   という事だった。

 手術をするぞ!
   どっちが正しいのかなんて分からないけど、やはり腫瘍化する事を考えると怖い。
   手術しよう!と決めた。手術は1時間程度のものだそうです。
   手術の前の検査として心臓や肺の聴診をしました。
   それとアッシュはまだフィラリアの薬を1度も飲んでいないので、血液をとってフィラリアの検査をします。
   細かいフィラリアが血中に少しでもいると麻酔をかけた時に危険だそうです。
   アッシュは大丈夫だったので後は手術を待つだけです。
   4月早々に予約を入れました。頑張ろうね、アッシュ。

 ちょっと躊躇・・・
   手術を決めたばかりなのにいきなり躊躇するような出来事が!
   アッシュがお友達の女の子のコギに恋をした。追いかけまわして遊んでいる内に男として目覚めて
   しまったみたいで・・・家に帰ってきた時、アッシュのおちんちんの付け根あたりに丸くて堅いものが
   盛り上がってパンパンになっている!これは・・・・絶対睾丸だよね!ハオも私も大喜び♪
   でもやがてその丸いものはどこかへ消えてしまった。。。。
   睾丸がここまで降りているのならまだ自然におりる可能性もある!もう少し様子をみようかな・・・・
   
と思った矢先、なんとこれは睾丸ではないらしい。ガーン!
   興奮した雄犬にある現象なんだって。。。トホホ。。。これも全然知らなかった。
   このまま手術だね・・・アッシュ。

 オカマの日(4/4)
   4/4手術日当日。何の因果かオカマの日に手術!
   昨夜0時以降はお水以外何も与えてはいけない。午前中に病院へ連れて行き、午後1時から手術。
   夕方お迎え・・・のはずが、どうやら日帰りできるのは普通の去勢手術の時の話だったみたい。
   1泊して明日お迎えということになった。
   アッシュはキョトンとした顔で先生に抱かれて奥の部屋へと消えていった。何も知らずに・・・・と思うと
   涙がこみあげてきてしまった。いかん、いかん、先生を信じてお任せするしかないんだ!
   手術自体は1時間くらいのもので、まずは恐怖心を抱かせないように睡眠薬のようなものを注射して
   眠らせ、マスクのようなものを付け吸引麻酔をかけ手術に臨むそうです。早ければ夕方には覚醒する
   のでどうしても連れて帰りたいならば迎えに来てもいいらしいけど、1泊して様子を見たほうが安心なの
   で1晩預けることにした。傷も想像では15cmくらい切るのかと思っていたけどそんなに切らないらしい。
   傷跡にはバンソコ〜のようなものをはるだけだから、そんなに気にしないと思うからエリザベスカラーも
   基本的には着けないけど、極端に気にする子だったら着けます。と言っていた。
   がんばるんだぞ、アッシュ。心で思いながら診察室を後にした。
   「承諾書」にサインをして病院を出た。
   午後1〜4時頃までドキドキ。緊急の時は携帯にTELしますねと言われていたので携帯が鳴らないかと
   嫌な気分だったけど5時になってやっと落ち着いた。無事に終わったんだな〜〜と。
   はやく迎えに行きたいな・・・今日はやけに家が静かに感じる。

 アッシュをお迎えに♪(4/5)
   10時半。待ちに待ったアッシュお迎えの時間。ドキドキした・・・・ぐったりしてるのかなと思った。
   ところが信じられないくらい元気モリモリ。「よ〜!久しぶり〜♪」って感じで現れた。ごくフツ〜に。
   ある意味予想通りなんだけど
、まるで1泊の外泊を楽しんできたかのようだ。
   先生に昨日の様子を聞いてみたら、夜も朝もご飯モリモリ食べて元気でしたよ〜って。やっぱりな〜。
   何より元気で良かった!安心した。こんなに普段と変わらないなんて犬って強い!
◆アッシュの術後(翌日)◆
 こんなにキレイなもんでした。2ヶ所切ると思っていたら、1ヶ所だけ
 でした。チンチン周辺がキレイな5厘刈りになって恥ずかしい〜☆
 取り出した睾丸2個も見せてもらった。ただのタマが2コかと思ったら
 理科室に置いてありそうな・・・ちゃんとした臓器が2コだったので、
 ちょっとグロかった。でもいいもの見せてもらった。勉強になった。
 アッシュは傷口を気にする様子もないので、エリザベスカラーなしで
 退院しました。
 
 10日後に抜糸をする予定です。

◆アッシュの術後(4日経過)◆
 今日はばんそこ〜をはがした。このはがす作業が一番痛そう!
 さすがのアッシュも大暴れ。ドキドキしながら傷跡を見たら・・・
 あらま〜、なんてキレイな縫い目。ここの先生はお裁縫上手かも〜♪
 傷ももっと痛々しいものかと思っていたけど全然そんな事ない。
 だいたい10cm弱の切り口で10針縫合してあります。
 ただこの赤くなっている所はカミソリ負けにばんそこ〜でただれた
 感じに見える。傷よりこっちが気になっているアッシュです。
 傷跡を舐める事をまったくしないのでおお助かり。この分なら早く
 傷もいえる事でしょう。でも消毒をとても嫌がります。
 ムリヤリ抱え込んで消毒しております。しみるのかな?

◆アッシュの術後(7日経過)◆
 手術から1週間が経過した。アッシュは傷を気にする様子はまったくない
 けど、散歩後の消毒を異常に嫌がる。暴れまくるのだ。
 こんな事で抜糸は大丈夫なんだろうか・・・と心配していたけど、1週間
 が経過した途端消毒しても平気になった。やっぱりいままではしみていた
 ようだ。そろそろ傷もくっついたのかもしれない。
 
 抜糸の日(4/14)
   手術から10日が経ち今日はいよいよ抜糸の日。もう痛みはないようだけど、見た目的には↑上の写真
   と変わらない状態。これでちゃんとくっついているのか多少不安が残りつつ病院へ・・・。
 先生「元気にしてましたか〜?」  私「死ぬほど・・・笑」
 そんな会話のまま、抜糸が始まっていた。抱え込むんだと思っていたら
 アッシュは自然に診察台の上でステイ状態で立ったまま。パチンパチン
 と糸を切る音が響いた。これはアッシュだからできることなのか?普通の
 ワンちゃんも抜糸ってこんな感じなんだろうか?
 なんだか信じられない光景。イヴならこんな具合にはいかないよ〜。
 抜糸後の傷跡はこんな感じでキレイにくっついていました。どうやらくっつ
 いていないように見えたのは、ダブッていた皮の部分で、本当の傷口は
 奥のほうに隠れていたみたいです。
 これでアッシュの去勢手術は無事に終了という事になりました。
 心の重荷も完全に取れてなんだか嬉しくなりました。
 術後の変化について
 ◆4/14現在◆
   性格・食欲・行動・排泄・・・今までとまったく変化ナシ。少しは大人しくなるかと思ったけど全く変わらず。
   マーキングもそれなりに普通にチョコチョコやってるように見えます。

 〜お礼&感想〜
 停留睾丸発覚から手術まで、あっという間の事でした。無知でオタオタしていた私に大勢の方から体験談・
 情報・励ましの言葉をいただいたおかげで乗り切ることができました。本当にありがとうございました。
 きっとみなさんの協力なければ、今でも私はアッシュが停留睾丸という事に気付かずにいたと思います。
 これからはもっとイヴ&アッシュのささいな変化も見逃さないようにしなくちゃ!と大反省です。
 最初恐かった手術ですが、今はやって良かったと思っています。
 どこの獣医さんを選ぶにしても手術が無事終わるまでは常に不安で頭がいっぱいです。
 しなくてもいいけどしておいた方がいい・・・という手術が一番悩みます。最悪の事態も考えながら手術を
 決意するのって辛いです。でも1番辛かったのはアッシュのいなかった1晩でした〜。
 今回アッシュは全てが順調に進んでくれたので術後の苦労もなく回復してくれて助かりました。
 先生が「これで今後の病気の心配がなくなりましたね。この手術でデメリットがあるとすれば子供ができなく
 なる事だけですよ。」と言ってくれました。うん、そ〜だ。やっぱり良かったんだ!