代表で海本兄と宮本を同時に見たい
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フル代表初キャップで、退場となった海本兄ちゃんですが、F3のセンスは充分だったと思います。まず、中田浩二のように真ん中に寄らないポジショニング。オフサイドラインに対する明確な意識がある(開始3分のプレーによる:日本がアジアカップでオフサイドがとれないのは、アジアの審判のレベルが低いからと言うよりは、レギュラーの日本選手が下手だから。松田はフランスのPSG戦でもオフサイドがとれませんが、海本(兄)はアジアカップで出てきてすぐにとれます。宮本がいないとほとんどオフサイドがとれないのは、他の日本選手のゾーン感覚の低さが原因ではないかどうかよく考えてみる必要がありそうです。)。そして何よりもカタール戦はオリンピック以降、私がテレビで見る限りもっともラインが真っ直ぐで高い位置に有りました。(相手との力関係も検討する必要はあるのですが。)海本(兄)のゾーン感覚の高さを感じてしまいます。
森岡が低い位置でしかディフェンスラインを敷けないのは、森岡だけのせいではなく、いままでの相方に問題があったのか検討する必要を感じました。(余談ですが、テレビで見る限りカタール戦前半はディフェンスに関しては予選リーグでもっとも良かったと思います。セットプレーのマークのズレもあまり感じなかったし。)

しかし、海本兄は惜しいかな、右足が利き足で左では良いキックが蹴れないみたいで、左CBの起用は厳しい条件でのデビュー戦でした。しかも、カタールは明らかに右サイドからの攻撃を得意としていて、右サイド偏重の攻撃練習をしていたことが推測されました。このため海本のサイドがガンガン攻められていたような印象をもった人も多いでしょうが、セットプレーとセットプレーをするためのファウルのもらい方を含めてカタール側のチーム方針が、海本側からの攻撃過多の原因だと思います。

J関西4球団ならスタジアム観戦の機会が多いので、海本兄ちゃんは以前から注目していました。「知らない者を悪く言うな」で書いていたとおり、トルシエが彼をフル代表に召集する前から「海本を代表に!」という運動ならささやかながら荷担していました。かねてから海本のヘディングの強さや一対一の強さを目の前で見ていたからです。また、昨年今年のオールスターでF3に対する適性を示していましたので、実好−宮本−海本のラインを代表で見てみたいという密やかな野望を私は持っています。

そして待ちに待った海本兄ちゃんのデビュー戦です。ウズベク戦に比べると幾分引いたカメラワークのおかげで、ラインの確認の機会はウズベク戦に比べると多かった。さてデビュー戦のできやいかに?

1)ラインのポジションニングはブラボー!
 TVで見る限りでは松田、中田浩二、森岡、服部が左サイドを務めるときよりもはるかに真っ直ぐに並んでいます。上げ下げのベクトルも狂い無く、前に出た後、守備ラインに戻るときのセンスはなかなかです。前半3分のオフサイドラインに対する意識をご覧あれ。
宮本抜きの代表ではついぞ見ることの出来なかった絶妙のオフサイドトラップ。

2)一対一とヘディング
 ヘディングで競り負けたシーンや森岡みたいにあっさり抜かれたシーンは皆無です。逆に森岡が抜かれたあとのケアに走り込んだりしていましたし、カバーリングも含めて守備面の総合力の高さはかいま見えたと思います

3)フィードと攻撃
 これは現代表のDFでは重要な要素です。しかし、残念ながらほとんど右足でしか良いキックがけれないようで、左から右に持ち替えて時間がかかったケースが何度もありました。ただ、左を使えるようにならないといけないという意識は散見されました。通らなかった左足からのパスが目に付きましたが、今後の精進を期待しています。左足も使えるようになるというのは、複数ポジションをこなせるというメリットだけでなく、プレーの選択肢を増やすのと早い攻めを実現できる武器になります。
 攻撃については、良いクロスも上げていました。しかし攻撃の起点となるような正確なフィードは少なく、要改善。Jの試合から推測するに海本のヘッドは攻撃のセットプレーで武器になると思いますが、これは今後のお楽しみというところでしょうか。

出場時間が短くて、普段の海本の良いところがたくさん見られたわけではありません。しかし、試合直後のネット上でのヒステリックに批判されたほど悪いプレーはないと思います。むしろ私は、やっぱり海本はF3に向いている、宮本と一緒に代表戦でプレーするところを見たいと思いました。

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