school life ex
introduction  kiriban5000hit special♪for  kazuki sama


5限の終わりだった。
大石に借りてた英和辞書を返して、教室に戻ってきたら不二のところに、どっかで見たことのある
女の子が来てた。

んーどこでみたんだっけにゃー。うーん。
机に座ったままの不二に、彼女は何か話してたみたいにゃんだけど、オレの姿をみると早足で
逃げちゃった。

「なになに?どしたの」

んーって唸ったまま、不二は何も言わない。…っとにもう秘密主義にゃんだからさぁ。
読みかけだったらしい本を鞄にしまうと、不二はかったるそうな溜息をついた。

「英二。今日さ、部活先に行ってていいよ」
「へ?いいけど…どしたの?」
「ちょっとね」
「ふーん。いいよ。遅れそう?手塚にいっといたほうがいい?」
「んーどうかなぁ…平気だと思うけど」
「一緒にグラウンド30周とかいわれんの、ヤだかんね」
「はいはい」


5限の古文はなんか修行みたいだ。眠たくて、眠たくて〜〜〜〜。
壁掛け時計の秒針がサクサク進むのをみながら、ついでっかいアクビがでちゃう。ねみ〜!
黒板が鳴らすチョークの足音も、どっかで枕草子読んでるみたいな先生の声もたるいよ。
あーもうあと15分じゃん。早くおわんないかな〜。
だってさ、古文って、どうやったって眠いんだもん。こんなの午後にもってくるなって。寝るに決まってるじゃん。
コツコツ大石に試験前に教えて貰ったほうが楽だもん。結局はヤマ賭けても貰って、救われるんだけどねん。
空気入れて、なんとか気分変えようと思って、うっすく窓を開ける。
ひゅっと、春のだるーい風が窓の隙間から音を鳴らして入ってくる。
結構、風強いなぁ…これじゃ、桜が散っちゃうなあ。
そんなこと思って、校庭の端にある桜を見ていたら、ぽんぽーんっと木の根元にボールが転がってきた。
んん??
グラウンドをみると……あり?手塚がいる。なんだ、手塚たち、体育かぁ…。
いいなあ…体育♪

今日の授業はサッカーだった。
いつも見ている、青学テニス部のレギュラージャージじゃない。
あったりまえなんだけどすっごく見慣れない一般ジャージを着てるのが、似合わないな。
しかも手にラケットじゃなくて、走って足でサッカーボールを蹴っている我らが手塚部長〜♪
いつもの冷静沈着な顔のまま、白黒のサッカーボールを蹴っている。何してても表情ださないなぁ。
でも、ちょっとパスミスしたボールを拾いに行く後ろ姿なんかは、部活じゃちょっと拝めないよん。
その姿になんでか笑っちゃう。
なんだか長い足が邪魔そーなんだよね。あ、また変な方向に飛んでいっちゃったよ。
手塚って…サッカー苦手なのかな?


「不二…不二」
「ん?


前席の不二の背中をシャープでつつくと、不二は手をとめて、ちらっと振り返る。
ちょいちょいって、窓の外を指差す。

「あれあれ♪」
「…手塚でしょ?あんまりサッカーうまくないよね」
「ねー♪」


いつも微笑みで、不二はすぐに前みちゃった。
笑っちゃ悪いんだけど、やっぱりボールをどっかに向かって蹴っ飛ばしちゃってる手塚をみて、楽しんじゃう。
ふっ飛ばした本人はどうとでもない顔してんのに、周りだけが妙に焦ってるのがオカシクて…!


……ん?

あれ?

オレがつんつんしただけで手塚のことだって、よく判ったなあ…不二。
何時の間に、外みてたのかな?

「ねーねーよく判ったね、手塚のことだってさ」
「え、そりゃあ…


キンコンカンコーン♪

不二の答えが鐘の音にかぶっちゃった。
声は消えちゃったけど、でもでも唇の動きははっきり見えてた。
見えてたけど、けど、ほんとにそう言ったのかにゃ?
そういっちゃったの?
唇の端が綺麗につりあがるように微笑む不二をみながら、オレは何度もパチパチと瞬きしてた。


「聞こえた?」
「んにゃ。けど、口でたぶん判ったと思う…けど…?ええ?…えっと…?」
「ふふ…」

いつもの意味深な笑みを浮かべた不二は、鞄に教科書を詰めると、ひらひらと手をふって教室を
出て行ってしまった。

先に行くはずのオレが1人残されて、ぽつーん。
疑問も、ぽっつーんって感じ。
あれって、どういう意味なのかなぁ?


『そりゃあ、いつも手塚のことをみてるからだよ』


そう動いてた、と思う不二の唇。

え、それってさぁ…
ねえ…



そんな目に入ってくるほど、手塚のサッカーが……ヘタだったって事をいいたのかにゃ?



オレの頭の中いっぱいに???????疑問符???????が貼り付けられた5限目がようやく終った。

なんかよくわかんないから、あとで大石にでもきいてみよっと♪大石なら、きっとわかるよね♪
ね?


end


and more…
              

                                                 
そして、ここからが多分kazukiさまからのリクエストに該当する内容になります。
なんか前フリがどうしても必要だった。
こんなキリバン、あまりみた事ないなぁ…でもいいの!書くもん!

以下次号…!って、ぶっとばされるな!ちゃんと続くらからね(^_^;)