Ticket Museum 1982

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Marty Balin 82.1.11
中野サンプラザ

元ジェファーソン・エアプレイン(スターシップ)のヴォーカリスト、マーティン・ベイリンのソロ・コンサート。
"Hearts"がヒットした後での来日なので、観客はロマンティックでアダルトなコンサートを期待していたようだ。(もちろん、そういう曲もあったけど)しかし、ステージ演奏されていたのはスペイシーなロックでした。彼は昔とは違う今の自分を見て欲しかったんだと思う。元ジェファーソンと言う肩書がプレッシャーだったに違いない。でもそれは、あまり成功しているようには見えなかった。
マーティはジェファーソンの中で綺麗なメロディを書く人で、声もロック的ではなく、マイルドで優しい感じでした。ロック的なグレース・スリックやポール・カントナーらとの対比のバランスがバンドの魅力でもあった。
ソロになったらロック的な部分は切り捨てて、ポップ・ヴォーカリストになってもよかったのでは?バンドもタイトな4人編成ではなく、大編成でやるような。
アンコールでスターシップ時代の"Miracles"をやってくれたのは嬉しかったけど。(←これがいけないんだよ!)

Roberta Flack 82.2.22
厚生年金会館

実はあまり印象がないコンサートでした。僕自信が中途半端な気持ちで行ったのかもしれないけど、ロバータもまた迷いがあったように思う。
ダニーを失ってから、方向が定まらなかったような気がする。この時、ロバータは分岐点に立っていた。ディナーショー的なエンターテイナーになるか、アーティステックなシンガーになるか。結局、彼女は後者を選んだようだ。この以降に出されたアルバムはクォリティの高い物ばかりでした。

Air Supply 82.4.19
中野サンプラザホール

ミーハーと思わないで下さい。確かに夏・海・ドライブと言えばエア・サプライが陳腐なほど定番でした。僕もそんなに期待してなかったけど、ライブはなかなかよかった。演奏はドライブ感があってまとまってるし、ハーモニーもばっちり。アンコールでは観客が総立ち。へたなロック・コンサートより盛り上がってました。

Madness / Bow Wow Wow 82.5.24
中野サンプラザ

こんなおもしろい組み合わせのコンサートがありました。いわゆるニュー・ウエイブのバンドなんだけど、ニュー・ウエイブ(あるいはパンク)は新しい音楽の聴き方を僕に教えてくれたような気がします。
ジャングル・ビートに乗せて、モヒカンの女の子(名前ど忘れ)が歌うバウ・ワウ・ワウ。見た目はアバンギャルド、音楽はポップ。
続いて、マッドネスの登場。
同じ頃、スカブームを作ったスペシャルズとよく並べられるけど、マッドネスの方はエンターテーメントたっぷりの楽しいステージ。ホンダ・シティのCMでお馴染みのムカデダンスも披露。(って知らない人の方が多いよね)めちゃくちゃ盛り上がりました。

Patti Austin 82.5.31 郵便貯金ホール
クインシー・プロデュースの"Every Home Should Have One"のヒットでジャズ・フュージョン・ファン以外にも広く知れわたったパティ・オースティン。特に"Do You Love Me"はダンス・チャートでもヒット。
この日は最初から全員総立ち。会場はディスコ状態。パティの歌は文句なくいい。スタジオでの仕事が多かった彼女だけど、ライブでもその実力を発揮していました。

Larsen Feiton Band 82.6.7 中野サンプラザ
以前からコンビを組む事が多かったニール・ラーセンとバズ・フェイトン。R&Bベースの演奏は、派手ではないけれど安定してて素晴らしい。正に職人技。ただ、バズのヴォーカルはね・・・

Sneaker 82.9.27
中野サンプラザ

西海岸からさわやかバンドの来日。秋の始まりにふさわしい落ち着いたコンサートでした。
アンコールには、プロデューサーのジェフ・バクスターも加わってファンを喜ばせていました。
8ドル・コンサートと銘打ってるけど、つまり、1ドル=250円だったんですね。

「歌えば愉し」 ヒカシュー & ゲルニカ 82.12.31
新宿スタジオ・アルタ

一年の終わりを二つの超個性的なバンドのジョイントで。スタートはお昼の1時、終わっても外は明るい。なんか不思議な感じでした。
最後に全員でやった「モスラのテーマ」がよかった。

YOKOHAMA 本牧ジャズ祭 83.8.28
横浜本牧市民公園野球場

これだけ83年のチケット。
今でも続いている本牧ジャズ祭。毎年夏の終わりの日曜日に行われています。これは第3回目。主催の実行委員は横浜市内のジャズ・ファンで構成されていて、ほとんどボランティア。後援も横浜市中区役所になってる。だから区役所でチケットが買えてしまうのです。やってくれます、ヨコハマ。
会場は草野球の試合をやるような野球場。ビールを売ってるお兄さんも公務員の方なんですよ。主催者側の暖かい気持ちが伝わってくる、素敵なコンサートでした。観客も思い思いの場所にビニール・シート(もちろん無料貸し出し!)を敷いて、ピクニック気分で楽しんでいました。
出演はジャズ・バンドだけでなく、ブルースやタンゴのグループもあってバラエティに富んでいました。
そして、トリに登場したのが、向井滋春と古澤良二郎のレゲエ・バンド"MU-FU Reggae Band"(なんて安易な名前なんだ)。ゲストには山岸潤士。レゲエ・バンドでジミヘンが弾いてるみたいだった。
帰りは、市が臨時バスを最寄りの駅まで走らせるという配慮のよさ。最後まで快い一日でした。

以上が、当ミュージアムの出展物です。最後まで見て頂いてありがとう。
やはり、なくなってしまったチケットが沢山ありますね。特にコレクションしてた訳ではないので仕方ないけど。思い出すだけでも、コスモス・ファクトリーのフリー・コンサート、早稲田講堂で見たジェシ・コリン・ヤング、ロフトで見たシナロケ、TOTOは毎回行ったはず、ピアノ・トリオをバックに歌ったマイケル・フランクス。などなど・・・他にもあると思います。
こうやって並べてみると、自分の音楽の趣味の変化がよくわかります。(「変化」ではなく「幅を広げた」と考えてるんですけどね)気が付いたのは、段々、レコードやCDで買う音楽とコンサートに行く音楽が違ってきたという事です。全部という事ではないけど、家で聴くべき物とライブがいい物とを考えるようになったのかもしれません。
いろいろなコンサートに行って楽しんできたわけですが、今ではそういう「現場」に居合わせた事に喜びを感じます。
最近のコンサートについてはCCで書いていこうと思います。良かったらのぞいてみてください。
99.3.3


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