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TATUYA ISHII and ASATO SHIZUKI
SPECIAL PROJECT CONCERT TOUR 2002
MOON

2002. 7.10 大阪フェスティバルホール



★メニュー★



<1>
MOON のテーマ

劇「
MOON

ガラスの月(
by hizuki
WHITE MOON IN THE BLUE SKYby Ishii
神話(
by Ishii

劇「
MOON

月の雫(
by hizuki
フラストレーション(
by Ishii
MOMENTby Ishii

劇「
MOON

浪漫飛行(
by Ishii
熱愛(
by Ishii

劇「
MOON


<2>

ムーンリバー+君の瞳に恋してる(
by Ishii&Shizuki
MOON DANCERby Ishii&Shizuki

MCby Ishii

ケ・セラ・セラ(
by Ishii


<アンコール>

ENCORE
by Ishii&Shizuki


MCby Ishii&Shizuki

愛と青春の旅立ち

カーテンコール1


この日は台風6号の襲来により開演時間が1時間遅れるというハプニングに見舞われた。
何でも事情を説明するため、まだメイク前のびゅーちーが会場に現われ異例の前説を行った〜。

休みを取るのを断念した私は、半ばこの日は諦めていた。
開演時刻19:00になったときは会社で打ち合わせの真っ最中。
遅れるということは連れのチャコに連絡を入れたものの、気になって携帯をポケットに入れていた。
打ち合わせの間、その携帯には電話はかかる。メールは来る。
その度にブルブル振動する携帯に、上司に突っ込まれる突っ込まれる(笑)。
「君の友達はそんなにビールが待ちきれへんのんか〜?」
「ビールを前にしてお預けくらってるんとちゃうか?」
「君が来ないと始められへんって、すごいよなぁ」
などなど……(爆)

それは、びゅー友からのメールであろうことなど口が裂けても言えないわ(笑)。

後で見てみると、どうやらまだ始まってないらしい(爆)。
「今、テッペイちゃんが前説してるよ。」
「早くおいで〜!」

と、打ち難いのにわざわざ何度もメールを入れてくれたのでした。
この場をお借りして本当にありがとうございました〜!


その頃、フェスティバルホールでは──。
19:00頃 会場へ大きな一輪のバラの花を持ち、
びゅーちーが開演前のステージに姿を現していた。
ごく普通の黒のスーツ。
最初、予定の演出かと思ったらしい。
メンバー(だったか)スタッフ(だったか)も台風で入りが遅れているそうで、
開演をしばらく遅らせるという。

「みなさん台風で大変だったでしょう?
遠くからきた方いますか?」

会場から手が上がる。

「どのくらいかかりました?」

会場から「17時間……」という答えが。

「あ〜、そうですか17時間も〜?!
それだけ待ったんならあと5〜6時間待っても大丈夫でしょう。(笑)
私もこれからメイクをしてきますから、それまで、あと5時間ほど待っていてください。(爆)」

そして、手に持ったバラを、床に書かれた「MOON」のロゴの
「M」の部分にそっと置いて消えていったらしい。


さて、そんなことはつゆ知らず、結局打ち合わせが終ったのは19:30。
そこから片づけをして、会場へ急ぐ。

電車に乗った20:00頃に、1時間遅れでスタートしたようだった。
どうやら、少しの遅れで到着できそう。
ハプニングがあると余計にワクワクと気持ちが盛り上がってきた。

結局会場へ着いたのは約30分遅れの20:30頃だった。
丁度劇の真っ最中。
後で分かったけど、初めてアサート(姿月)が登場するところからだった。
大きな月を背にして、なにやら話している姿月さんがいた。

<全体の構成、流れについては、7月11日 のレポをご参照ください。>

ステージには、懐かしい小野ちゃんの姿もある。
戦時中のようないでたち。
お米時代、どっかで見たことあるスタイルなんだけど……^^(思い出せない)。

席は、FF列。やや下手より。
ボックス席の少し後ろあたり。後ろ側が段差がついていて一段と高く作られているので大変観やすい。
途中参加のため、物語の世界に没頭するのに少し時間がかかる。
役者のセリフはなんのことやらチンプンカンプンだし、曲が始まっても、
「ふ〜ん……」
という感じで観ていた。
姿月さんの曲、「月の雫」。
歌い方、踊りの雰囲気がまさに宝塚〜^^。
ミュートをつけたトランペットのソロに、「おやっ、ステキ。」と思う。
その時はまだ、フッシーだと気付いてなかったのでした。

階段を上がる、姿月さんと降りてくるびゅーがすれ違う。
カッコいい演出。

「フラストレーション」
「MOMENT」

びゅーちーは、今までの公演で、「喉、使ってきました」って感じの声に思った。
黒いロングのジャケット?コート?
フリフリのブラウスが胸元に揺れている。
そして、黒い大きい貴公子のような帽子。
遠目だとほっそりとスマートな姿月さんに対して、頭が大きく見えるかも〜(爆)。

2曲聞きながら、まだ私はコンサートの世界に入り込めていない……。
曲を聴きながら、セットの鑑賞。
どこかで見たことのあるオブジェがいっぱい〜^^
「フラストレーション」はその歌詞が、「MOON」のテーマを含んでいる感じ。
ラップのようにメロディに対して歌詞がたくさん当て込まれていて、
音域がそれほど高音域に行かないのでどうしても地味な印象があった。
そして、「MOMENT」は、ファンからもチラホラ要望のあった曲で、、
『ここでこの曲を持ってきたのか〜。』と、新鮮な驚きがあった。
いい曲だし、歌詞もテッペイちゃんの思いがこもっているのだけど、
歌い方も地味に感じ、
(フェイクが少なかったのかなぁ……、特に姿月さんの曲の後だったので)
こちらも、少し大人しい気がして、
『これはART NUDE 向けなんじゃ〜?』
と思う。

すると隣でチャコが、
「フッシーがキーボード弾いてる〜。」
「うそ? フッシーって?」
チャコは、ニコッと笑いつつ、「見てみ」と双眼鏡を渡す。
覗いてみても、……分からない(爆)。
最初は、キーボードの光田さんを一生懸命見ていた。
……違うか……。
その隣の横を向いた人かな?
……分からない。えらく、丸あるい感じ(笑)。
ずっと、覗いていて、ようやくフッシーと分かる。
やっぱり、元米米メンバーの参加はとっても嬉しい。

バイオリンソロが、一気に会場を神秘的な雰囲気に変えていく。
とんがり鼻をつけた白い仮面を被ったびゅーが、それに合わせて弾きマネ。
彼の役柄を知らない私は、始めて見た STONE ANGEL が面白かった。
このバイオリン、とっても気に入りました。
びゅーの当て振りもよい。

月光を浴びながらの食事シーン。
「今夜は月が異常だ……。」
「月が降って来るようだ……。」
音楽といい、セリフといい、摩訶不思議な世界。

劇は佳境へと入っていく。
裏切り、仲間割れが起こり、人が殺される。
緊迫感が一気に高まる。
姿月さんのセリフは、今まで宝塚を好きじゃなかった私にも
十分魅力的だった。
二枚目というものを知り尽くしたような姿月さんのカッコよさ……。
さらには、壌さんの低く、凄みのある声に魅了された。
この人、何てカッコ良いんでしょう!
ある時は、腹から力を入れて恫喝するように叫び、
ある時は、乾いた喉から絞り上げるように声を発する。
そりゃあ、もう味がありました。

各出演者のセリフは、紛れもなくテッペイちゃんの言葉だと思い
とても面白かった。
ちょっとした言葉の使い方とか、セリフそのものにテッペイちゃんの
思いが込められている感じ。
こういうのも面白いと思った。
劇が本格的なので、見ていて安心感がある。
HALの時に感じた、気恥ずかしさはない。
これは、プロの俳優を使って正解だと思った。
そして、シリアスでありながら、決して重くはない演出がよ〜く練られていて素晴らしかった。
今回のコンサートは純粋に石井さんを見たい人には物足りない部分があると聞いていたけれど、
どうして私はとても素晴らしいと思った。これもあまのじゃくゆえかも知れない。


「浪漫飛行」
「熱愛」

2曲のあと、再び劇。
壌さん演じるスマイルと小野ちゃん、そして姿月さんが、緊迫した場面へと突入していく。
パックン龍も登場(笑)。
脅されて石を盗ろうとした、ゼウス(小野ちゃん)が、さらにはスマイルが、
パックン龍の餌食になる。
最後に生き残ったのは、欲望に打ち勝った姿月さん演じるアサート(実はアサトア)だった。

幕。

人の運命や人格をも破壊してしまう『欲望』──、テロップに流れる言葉にテッペイちゃんの哲学を感じるフィナーレだった。

第二部。

「ムーンリバー+君の瞳に恋してる」
「MOON DANCER」


MC:

「サンキュー!今日は台風の中よく来ていただきました!
これからわたしの一人宝塚が始まりますので、帰らないように、ひとつ……(笑)。
外は今大荒れです。帰ろうったって帰れませんので(笑)。」

「みなさん、今日のコンサートいかがでしたでしょうか〜?!」

客:「サイコーーー!」

「ありがとう!みなさんの拍手喝采タイヘン嬉しいですけど、中には??
って方もいらっしゃったかも知れません。ちょっと変わったコンサートです
ので……」

そして、メンバー紹介など絡めつつ、──
「しかし人生なるようにしかなりませんね。
貯金できない人は金使った方がいいですよ。
それが日本にためですよ。
最近円高になりましたね〜。
1ドル130円のときはどうなるんだろう?と思いましたけれど、今は…117円くらいですか?
これは日本にとってはいいことなのか悪いことなのかどっちなんでしょうね〜。」

客席から含み笑い。

「わたくしの場合、メルヘンから急に生々しい話になるんです。
こういう話をしたくらいで丁度いいんですよ。そうやってバランス取ってるんです。
普通のコンサートだともっと早い段階から、40分50分喋るんですけどもね。
これだけ喋るのはさだまさしと私くらいのモンですから(笑)。

その割に、話が途切れるといきなり「イェーー」を連呼(笑)。
話がなくなると飛び出すお定まりのコール&レスを散りばめつつ、トークは続く。
「私の場合、『イェー』は逃げですから…(笑)」

「今日のお客さまは目の光が違う! 公家の出かな?と思うくらい。
東京のお客さんは、こんなカンジでしたからね。(ぼーーとした表情^^)。
やはり、今日は嵐の中駆けつけていただいたということで、心がけが違う!
明日の日本を背負って立つ素晴らしいお客さまでございます〜!!」

客席「イェーーー!!」

「ワタクシ今日は燃えております! なんかヘンな燃え方……
やっぱりお天気のせいでしょうか?」

僕は、台風って以外と好きなんですよ。
すごい嵐のときに部屋で"じーーっ"と外を見て、"にやーーーっ"としてるのが
好きですね〜(笑)。」

客席 「笑」

「日本は雨があるのがいいですね。
ロサンジェルスに行くとね、毎日晴ればかりなんです。
でもいやに自殺者が多いんですってね。
やっぱり、暗〜いときに、ピカーっと晴れてられると余計落ち込むんでしょうかね。
ときどき雨が降るからいいんです。梅雨があるのはいいですよ。
暗〜いときに、は雨がしとしと〜〜(幽霊っぽいポーズ)と降ったくらいの方がいいですね。
……それが、いいんですよ(爆)。」

「でも暑いのは嫌ですね〜。こう暑いと寝れないでしょう。
みなさん、クーラーつけっぱなしで寝てるって人います?」

(たくさんの手が挙がる……。)

「あ〜〜、アタマ悪くなるらしいですよ(爆)。ヒッヒッヒ〜!」

《オイ……》

「さて、石井竜也のコンサート初めての方っていますか?
ああ、いますねぇ。今まで何を見てたんでしょ。バカですねぇ。」

客席 「笑」

「あ、うそうそ。お母さん……うそですよ。(前列下手の客に向って言う。姿月ファンか?)

今日は姿月あさとさんと共演で、いかがでしたしょうかね。
宝塚のトップスターですから、あの方をヘンな風にしちゃいけないってんで
私くし相当気を使ったんです。それで歌詞間違っちゃったんですけどね(爆)。

……さて、息も整ってきたところで、曲へ行きたいと思いますが(笑)。」

と、次の曲紹介。
60年前のフランスの歌で、ウンヌンカンヌン……。

「QUE SERA, SERA」
イントロ──
前足に体重をかけ、手を横に広げつつ、胸を大きく広げる、
「WHITE MOON IN THE BLUE SKY」 冒頭部分で見せたような振りを
3回繰り返す。
イイ!イイ! 妖しげな、エセ・バレリーナって感じ(爆)。

♪What will be, will be♪の腰キュッキュ。
前へキックキック。
などさまざまな振りのバリエーションで会場を楽しませる。
間奏では、
「踏み台昇降」
「反復横跳び」
「芸者さん」
の3連発〜!

この曲をこの路線でやるとは、予想外だった……
曲の最後の♪ウォ〜ォ〜ウォ〜オ〜ォ〜 オ〜オ〜(フォルセット)♪
がとってもステキ。
目を閉じて聞いたら、ものすごくイイ曲だったろう(笑)。

アンコール

バラバラだった手拍子がひとつになっていく。
いい感じ。

幕が開いて、華やかに「ENCORE」。

そのあと、姿月さんとのトーク。
びゅー:「やっと二人っきりになれたね。」
姿月:「あ〜は〜は〜は〜」
すごい笑いだわ(笑)。
びゅー:
「こんなにステージと普段が違うひとも珍しいですよ。
とくに朝とかは、どちらかというとボケ〜〜〜っと
してますからね。
ところが、いざ練習が始まるとビシ〜〜っとして、ビリビリビリ〜とシビレ
ちまう。
私も初めて宝塚ギャルとご一緒させていただきましたけど、…
《ちゃうちゃう、それはタカラジェンヌ 笑》
トップさんは違いますね。
もう近づけないんですよ。オーラがあり過ぎて。ここに境界線があるんです。
だからホラ、こんなに間を空けてしまう……。」

姿月:「私の方だって、石井さん尊敬してますから、私が石井さんに近づけないですよ。」

びゅー:「僕たち仲悪いんでしょうかね〜?(爆)」

姿月:「でも、石井さんのファンの方は、私が石井さんにピッタリ近づくと
やっぱり、イヤでしょう。」

びゅー:「そんなことないですよ。みんな姿月さんのこと男だと思ってますから!(爆)」

客席: 拍手〜!!

ここのびゅーの切り替えしは『さすが!』と思いましたわ^^

びゅー:
「実はこの台本は半年前から作っていたんですけど、
その間企画が二転三転したんです。で、その度に書き直しをしなきゃならなくて
大分変わったんですよ。
で、最後にお相手が姿月さんに決まったって聞いたときは、すっごい嬉しかったんですよ。」

姿月:「うそー!、知らなかったくせに!(爆)」

びゅー:「いやいや、小躍りしましたもん、僕!」
(と、踊る……)

びゅーは、これでもかと言うくらいに姿月さんを褒め称える。
姿月さんの反応も素朴で面白い。
トークのテンポ、間ともに決して噛みあってないんだけど、
逆に噛みあってないからこそ出る面白さ。
そして、もしかしたら、実は噛み合ってるんじゃないかとも思えてくる。
びゅーと同じテンポだと、お互い機関銃のようなトークになるところを
うまい具合にのんびりさせていく姿月さんのテンポがイイ

びゅー:「さ、それじゃあ最後の曲に……」

客席:「え゛〜〜〜〜〜」

石井:
「嬉しいですねぇ。「えーーーー」なんて。
でも、みなさんちゃんと帰ることも考えてますか〜?(笑)」

「今日は5曲もカットしてお贈りしましたが……(笑)。ウソウソ。
最後の曲は、………。天童さんとデュエットして………。
今回日本語でお届けします。実は歌詞を僕が書きまして……。」

ということで、最後の曲は、
「愛と青春の旅立ち」

歌い終わって礼。
緞帳下りてくる。
二人、階段を上がっていく。

緞帳アップ
カーテンコール。階段に整列したメンバー全員がゆっくりステージへ。
上手、下手、まん中へ礼。

再び幕

初日ということもあり、帰りの電車が気になることもあり、ここで終幕。


テッペイちゃんは、参観日の子供がおかあさんの目を意識して舞い上がってるような感じがした。
いつものトークに慣れていたので、横に姿月さんがいて、役者さんたちがいて、
という状況で、客席に100%のエネルギーを注ぐというのではなく、横に並んだ人たち、
後ろに控えている人たちに気を注いでいる感じがして、特にトークのときなどは、
エネルギーのベクトルが通常のコンサートとは違って2分されているような……。
それが、客席で今回のコンサートを初めて観た私にとっては少々物足りない気持ちがしたのは事実。
反面、コラボレーションだからこそ味わえる面白さもありました。

実は今回あまり期待はしてなかったんだけど、全体的にはとてもいい内容だと思いました。
思う存分踊って、熱狂して痺れるライブとは趣を異にするけれど、
単なる教訓的な話としてでなく、ZERO CITY からの流れを思い起こし、
彼の日頃の真摯な言動を思い、今回のシナリオを新鮮に受け止めている自分がいたようです。

Thanks to

レポートにあたり、お力をお借りしたみなさま。(50音順)

銀恋さま
ごまさま
チャコさま
チョビさま

どうもありがとうございました。

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