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ZERO CITY -AQI-

2001.9.28 神戸こくさいホール

 

< 曲 目>

老人登場
ZERO CITY TEAM 〜ナレーション〜
AQIオープニングテーマ

TRAUMA
FOXY
〜危険な恋〜
新曲

MC

天使の標的
予感

マリーザの<籠の妖精>

※超勝手なタイトルです


小芝居

Far away

コータローの<モニター野郎>
※超勝手なタイトルです


AFFECTION
浪漫飛行

小芝居

インストゥルメンタル

DISCO KING
BOOGIE DEEP IN LOVE
OH MY ANGEL
我意

MC

遠くへ…

<エンジェル・ショータイム>
追いかけて

<プレミアム・ショータイム>
Shake Hip! Hip Shake
壮絶夜酒家

カーテンコール
生サンキュー

壮絶夜酒舞家


1.オープニング

私にとっては初のAQI。この日は米友チャコとびゅー友ごま嬢とともに3並びで参戦。3人で見るのは初めてだったのでとっても楽しかった〜。
さらには名古屋から駆けつけたお方もあり、ちゃっかり神戸観光も楽しんだ模様。
いいなぁ。こっちは仕事が忙しくて、直前までドキドキだったのですが、なんとか開演に間に合うことができた。グッズを買うヒマがない。一足先に来ていたチャコと落ち合い、仕事で途中入場となるもう1人の連れ、ごま嬢の早い到着を祈りつつ席へついた。席は1F 19列目のややマリーザ寄り。ステージも全体を見渡せてとても見やすい。
中へ入るとHALと同じ白地に "ZERO CITY"と書かれたどん帳が張られている。

始まりは風の音── 。
それに合わせてどん帳がヒラヒラと揺れ始めた。細かい演出だわ。
もの悲しいオルゴールの音色が静かに流れ、どん帳の中央が持ち上がった。すかさずチャコが、「(どん帳を)手で揺らしてるよ」 と私に囁いた。なぜにそんなところまでチェックできるのだろう(笑)。
出てきたのは、翼がついた杖を持った一人の背中の曲がった小さな老人(小峰マネでしょうか)。スターウォーズのヨーダのようないでたち。甲高い声。
時は未来。無帝国主義を謳い、多大な犠牲をはらって勝利を勝ち取ったZERO CITY。そのダンス戦争(HALで起こった戦いをこう呼ぶらしい:笑)から30年後の物語。堕落したZERO CITY に待ち受ける運命とはいかに? 、
不気味な老人の語り…呪文めいた謎の言葉…。そして、「コスップレチンキョ」のあいさつでZEROのセレモニーの幕が開けられた〜。

老人が再びどん帳の中へ消えると、HALに引き続き仙台放送 佐々木アナのナレーションが流れる。重々しいZERO CITYのテーマに乗せて映画のナレーションのような佐々木アナの語りはだいたいこんな内容だった…と思う(笑)。
あのダンス戦争から30年の時が流れ、平和を謳歌するあまり、人々は堕落しきっていた。そんなZERO CITYに新たな危機が迫っていた。そこに現われた予言者「サウス・ハルオ」。」彼の予言はその的中率で人々から恐れられていた。彼の予言が再びZEROの人々を恐怖の淵に陥れていた。──
どん帳には、ブルーで「AQI」の文字が浮かび上がる。(このときはブルーだと思ったけど、実は緑だったかも知れない……) 前回のツアーからの流れがあっていいなぁ、この演出。
静かにどん帳が上がると、そのセットが姿を現した。HALと似ていながら、やや都会的なシャープな印象。遺跡のような石の壁に丸い飾りがついていて(多分これが光るんだろう:笑)、両サイドには三角形の灯篭のようなオブジェがある。 中央に長く伸びている階段の先には、HAL同様2本のオベリスクが。そのオベリスクにも1個ずつ丸い飾りが。
この長い階段が演出上の重要な効果を発揮しておりました。1人宝塚を自称するだけあって、階段できたか〜(笑)。
ドラスレメンバーの配置は、右手上段にパワフルなビートでチームをリードする、実は<はにかみ屋?>ドラムスのケニー。左上段に今回マリちゃんに代わって参加の強力パーカッショニスト、大儀見さん。その下にキーボード渡辺さん。右手の下にはもうひとつのリズム隊の要、ベースのスナフキン竹田さん。そしてギターのテラシーとサックス金ちゃん。左手下に前回怪我でお休みだったギターコンダくんと、過激コーラス、ハルミ嬢。
ドラスレメンバーが奏でるメロディは、ジャングルの奥地のような、はたまた恐竜の世界のような不思議な音楽。動物の甲高い鳴き声が入り、不安感を掻き立てる。

やがて曲調が変わり、スモークとともに階段の最上段にせり上がって来たのは、大きな顔のオブジェ。そして、ダンサーを従えたわれらがびゅーちー!出で立ちはミリタリー調、裾長のスーツ。もちろん色は紺。ダンサーも同じミリタリー調の衣装。
1曲目は予想外「トラウマ」でした。 季節を意識したニュアンスのある選曲です。実はそれほど好きな曲ではなかったのですが、サビの部分のカッコよさに大満足。
身体を斜めに構えた歌い方がカッコいい。身振りで客席にアピールするというより、ストンと落とした腕と体の線で思いっきりセクシーなラインを作り出しているようです。

そして、2曲目でいきなりの米曲!ファンサイトでご本人により告知されていた「FOXY〜危険な恋〜」。金ちゃんのサックスがシブイ。アレンジも少し変わっていて少し重めの感じ。踊りも勿論変わっていたけれど、米時代の動きもさりげなく取り入れられている。個人的好みを言えばホーンの厚みが欲しいところ……。

次はタイトルがまだ明かされていない新曲。この曲がイイ!聞きながら何となく「ONLY AS A FRIEND」を思い出してました。といっても今はもうメロディを思い出せないのですが、── とにかくイイと思ったことだけは確か(笑)。
切なく力強く……びゅーの熱唱が心に熱く響く……。


2.MC

第一声が、「カール・ビューチー・テツでーーーす!」(爆)
ありゃりゃ〜、それまでの展開をあっさり覆す、素っ頓狂な声に大笑い。
昨日から神戸に入られていたようで、「夜景がきれいですねぇ」とか「21世紀に残したい町」とか「神戸のために作ったメニュー」だとか、ヨイショの連続でした〜(笑)。

そしていきなり、
びゅー:「正面〜!」
何だ?この唐突なフリは〜(笑)。
通常は、二階席、後ろ、両端をいじってから、正面に来ると相場が決まっていたので、不意をつかれて──きょとん……(笑)。そんな客席をびゅーちーは楽しそうにいじっておられる。
挙句の果てには「5万人のお調子モノ」発言。
《5万人てぇ、どこにそんなに……(笑)。》

そして、──
びゅー:「じゃあここでメンバー紹介をしたいと思います。」
今日の客席の私的ツボは、このとき沸き起こった拍手があったかかったこと。
そして、そこで「ありがとう」を言うびゅーも素敵なのよね〜。

びゅー:「さて、世界的な話題と言えば……ペットブームねっ(爆)」
あれぇぇ、アメリカ同時多発テロの話とちゃうんかい〜(笑)。<東金でも言っておられたらしいですけどネ^^>
びゅー:「僕は、フラットなんとかレトリバー(←犬の種類には疎いのデス)ていう犬を飼ってるんですけどね。金持ちしか飼えない犬(笑)…、大きいんです。6メーターくらいあるんです(爆)。あ、ウソですよ〜」
── って、分かっとう〜(by神戸弁)。
それから、アート君をお散歩につれていくときの苦労話をひとくさり。黒い犬は威圧感があってあまり人が寄り付かないのだが、かがんで○ンコを拾おうとしてるときに限って、後ろから、「石井さん〜」 なんて声をかけられるとか(笑)。
びゅー:「この状態の時に、声かけられるでしょ。そうすると、こうやって振り向かなきゃならない……」
身振りがつくから可笑しいのなんのって。
金ちゃんもさかんに身振りで突っ込みを入れておられました。

<そうこうしているうち、仕事帰りのごま様ご到着〜>

そして、彼独自のムチャクチャなペット観を<立て板に水>とばかりまくし立てるのでありました〜(笑)。
<注:お食事中の方は読まないでくださいまし(笑)。>
なんでも、大きい犬を飼っている人は人間が出来ている。小さな犬を飼っている人は人間が出来ていない。
「ネコを飼っている人〜? ── クソがクサイんです(爆)」
「トリを飼っている人〜? ── 飼い甲斐がないんですよね〜(爆)。芸するわけでもないし……、も〜う クソ、ペッペペッペするしなぁ(笑)」
「ハムスター飼っている人〜? ── すぐ死ぬんだこれが…(爆)」
そんなボー言の度に必ず、「冗談ですよ」を入れるびゅーがお茶目です。
「ハムスターは一年しか生きない」というびゅーの言葉に、客席のあちこちからすかさず「三年やでぇ」という突っ込みが。
「ウソだろ」というびゅーに対して、口々に
「ホンマ!」
この突っ込みはやはり関西ならでは(笑)。
さらに、彼はハムスターを「ハムちゃん」と命名し、「ハムちゃ〜ん」と呼んでは踏んづける(蹴飛ばしていたかも〜)という一人遊び状態に入っていって……(爆) もう誰もついて行けない……(笑)。
ふと我に帰って「すんいません」(爆)
ドラスレメンバーを振り返って謝るびゅーのかわいいこと(笑)。
そして、客席に「僕をひとりにしないで〜。一緒にバカになりましょう」(笑)。
それを言うならこっちも、「ひとりでイッちゃわないでぇ〜」

びゅーは客席を座らせ、ここからシリアス系を歌うという……。
びゅー:「あちこちの街には天使がいる。(あ、あの曲ね)……僕にはその天使が見えるんです。若い頃はよく天使を追いかけたもんです。『よっ、ねーちゃん!』なんて(爆)。」
一番場の雰囲気を分かってないのはびゅーご自身(笑)。
びゅー:「ここからはシリアスなんですよ。(お尻を突き出し)尻、アスッ なんちゃって!」
《あ〜あぁ、ホントにもォ〜(爆爆)》


3.「天使の標的」より

次はそんな曲。もちろん「天使の標的」。
こちらもアンニュイな感じの、秋にはもってこいの曲。アートヌードでも良く歌っている……。金ちゃんはサックスをスティックに持ち替え、ガムランを演奏。そっか、オープニングはこれを弾いてたのかな?
さらに、アートヌードでおなじみのあの名曲。 この曲のファン、かなり多い。びゅーちーが妹ミナコちゃんのために書き下ろしたという「予感」です。金ちゃんのソプラノサックスがメロウな夢を奏でる。
この曲では、各フレーズの処理の仕方が変わっていたような……。アートヌードでの歌い方とは違っていたように思う。
なんて言えばいいのだろう。ちょっと鼻に抜いた声で、声を転がすように
♪とても思えないからぁ〜ぁぁ〜♪
という感じで収めるのです。
また照明も綺麗で、この曲の時だったか、客席をなめるようにライトがやってきて、静止したときに綺麗なオレンジの輪を会場の壁面に映し出した。なんて素敵なのでしょう……。それまでのお調子トークはどこへやら、あっという間に会場を引き込んでいく。やがて、歌いながらゆっくりと階段を上がっていくびゅーちー。ごま様注目のその背中の美しさ……。

再び老人が登場。不気味に笑うその表情、ちょっとした仕草にまで石井氏の細やかな演技指導がうかがえる(笑)。
ステージには大きな鳥かごが運ばれてきた。もの悲しい音楽が流れ、ゆっくりと動く白い影。それは籠に閉じ込められた美女、マリーザでした。籠の中でしなやか動きの美しいこと。そして何を言ってるのかサッパリ分からないながらに美しいそのVOICE。こういうときに英語力のなさが悲しい。マリーザが演じるもの。それは何かの象徴なんでしょう。人形のようにも見え、天使か妖精のようにも見え──せめて歌詞が聞き取れたら分かる部分もあるのでしょうが……。閉じ込められた心、思いやり、愛 ──みたいなものか。
籠を覆っていた白い布が静かに上へ引き上げられ、天使の羽のようになる。これが例の「魅せられて」かぁ〜(笑)。なるほど凝った演出です。

勇壮な音楽が流れ、オベリスクの背後に大きな地球が映し出される。その地球を背に颯爽と登場したのは、予言者サウス・ハルオであった〜(笑)。派手な友禅風の衣装の裾をなびかせて、ゆっくりと演台の方へ降りてくる。
いやぁ〜整った顔立ちがなんともクールな独裁者風の雰囲気。
演台に立つなり、外見に似つかわしくない、演歌歌手真っ青のこの挨拶──。
「わたくしが、サ・ウ・ス・ハ・ル・オでございます〜」
どひゃ〜〜、やはりきたかぁ〜(笑)。
サウス:「わたくしが今日ここへ来たのはほかでもありません。新たな予言の告白です!」
《予言の告白って??予言は告白するものなのか…(笑)》 なんてどうでもいいようなことをイチイチ突っ込みたくなる困ったファン心理…。
彼の口から出た予言は、この3ヶ月以内に ZERO CITY に核爆弾が落とされるという衝撃的内容だった〜!
ZERO の群集に大きな動揺が走る。自分で自分の言葉にエコーをつけたりなかなか芸が細かいサウス氏です。
真の平和をそして愛を説こうとするサウスに対し、目先の危機を取り除くことしか考える余裕のない刹那的な民衆がまっこうから対立する。浴びせかけられる批判がやがて罵倒へと変わっていく……。
物語はシリアスな展開へとなだれ込んでいくのでありますが、台詞を噛んだりして、わざと言い直すびゅーに笑いが起こる。
また、ときおり演台に目を落すびゅーに、「さては下に台詞を書いてあるな…」と、意地悪な見方をしてしまった〜。あるとき演説台から離れて喋っていて、台に戻るまでの間が不自然に開いてしまい、……演台下に目を落としつつ再びセリフがスタート。会場からはクスクス笑いが。私も笑ってしまった。ゴメン、びゅーちー(笑)。
世相が世相なだけにその言葉はとても意味深いものがある。おそらく彼の本音が込められているのでしょう。
どんどん力が入ってくるびゅーちーに、ただ圧倒されてしまった〜。細かいところは覚えていないながら、「目先の安全ということにばかり囚われず、自分たちが無くしてしまった ZERO の心を取り戻そう……というような呼びかけだったように思う。
結局、彼の呼びかけは受け入れられず、予言者サウス・ハルオは囚われの身になってしまうのでした。

暗転。
そして照明が灯り、静かに曲が流れ始める。
それは新曲「Far away」。日本調の叙情的な調べ。サウス・ハルオの悲しみが伝わってくるかのようです。切々と歌うびゅーの歌声が心に染みる。

またもやステージに箱が運ばれてくる。それは巨大モニターだった〜。そして、コータローの顔のアップが……。すぐにコータローご本人も登場し、そこからはモニターの分身と遊ぶコータローのコーナー。モニターの中のコータローにもてあそばれるホンモノコータロー。ほのぼのとコミカルなやり取りが面白い。
モニターの上に乗って一緒に踊るので、間違ったら一発で分かってしまう。これは何とも自殺行為といいますか、自分を追い詰めたプログラムですなー。ミスなく踊りきったコータロー、さすがです(笑)。
最後は、こちらに背を向けて腕枕でモニター上に寝転がった姿勢で、スタッフに運ばれていきました。モニターには「by KOTARO」の文字。なんとも粋な感じがした。

代わってびゅーちー登場。
階段には大きなソファーにもたれかかったマリーザ。
曲は幻の「AFFECTION」。ソロになって初めて行ったライブハウスでのライブで披露して、根強い人気があった曲。
いや〜カッコいいのなんのって!びゅーが歌う背後でゆっくりと階段を下りてくる美女。紺のドレスに身を包み、妖しい身のこなし、斜めに切り込む足の運びどれをとってもため息がでる美しさ……。
そして、びゅーはというとこれまたヨダレがでそうなほどのいい男……(笑)。
間奏で、引いたところからWoo〜〜と入ってくるところがゾクゾクする。「光」以来この歌い方が気に入ってしまいました。自由自在なびゅーの歌唱が素晴らしい。ますます上手くなっている。


4.小芝居(2人劇)より

さて、ここからがいよいよ二人芝居。
ZERO CITY を追われた、サウス・ハルオ は弟子のノースアイランド・サブローとともに、デス・デザート(死の砂漠)とよばれるところを彷徨っていた。
背中には翼がついた水色の雫のオブジェを担いでいる。これは一体何の意味?
涙クンなのかな。

間一髪のところを弟子ノースアイランド・サブローによって救われ、二人はZEROからの逃亡を続けていた。サブローがしきりにハルオをなじる。その会話の中で、ハルオは脱出のドタバタの中自分の頭を殴ったヤツがサブローではないか、という疑念をぶつけるのでありますが……。
この芝居かなり凝ってまして、HAL同様セリフは録音なんですが、ボソボソと呟き声のセリフまわしが、録音ならではのイイ味だしてました〜。いや〜やってくれたね〜。
しかし、ナレーションが聞き取れなくて、二人の運命が果たしてどうなったのやら、実は分かってなかったりする…(爆)

謎のインストゥルメンタルの後は、ダンスタイムの幕開け〜。
トップバッターはTRANS以来の「DISCO KING」。
この曲大好きなのよ〜!間奏のステップなんてさり気なくイイし……。
そしてお次は「BOOGIE DEEP IN LOVE」。
こちらは前回から引き続きの登場。びゅーちーのディスコサウンドもかなり充実してる。だって今回あの「HI TENSION LOVE 」も「 ゴルシル」もなしなのに物足りなさは全然ない。
次の曲が嬉しかった!
OPERA BLUE 以来の 「OH! MY ANGEL」 やっちゅうねん!(笑) いやぁ驚きました! わたくしの動きはいきなりタテのジャンプに変わるのでありました〜。躍りはさすがにうろ覚え。コータロー&シンジのハツカネズミダンスがお気に入りだったので、一応やってみました~(笑)。
さて、今回「OH MY ANGEL!」とシャウトするところで花火はでるのか…?などと期待してたら、階段を上っていくびゅーちー。踊り場でこちらを向いて膝をつくと(多分、膝ついてたと思う)、爆弾でも落とされたような目もくらむような照明で演出されておりました。
そして、休むことを許さず、「我意」でたたみかける。
この曲の重みが好きだったりする。いやいやいや~ちょっとォ、エエやん。シャウトしっぱなしのびゅーちー、力強い歌い方が最高にカッコいい!


5.「遠くへ…」

音がピタリと止んで、びゅーちーをスポットが照らし出す。
びゅー:「お楽しみいただいてますでしょうか? 次は最後の曲です……。」
おさだまりの「え〜〜」という声を
「親戚でもないのに気ィ遣ってもらっちゃって」で受けて、MCはつづく。噛み締めるようにとつとつと語りだした言葉はだいたい次のような内容でした。

この曲は、7月頃に作ってたんですけど、とても壮大な感じの曲で、こいういう曲もそろそろ出しとうかと思って……。
実は僕のオヤジの弟……つまり叔父さんですね(笑)、その叔父さんは俺が米米やるっていうときに親戚中反対してた中でただ1人だけ、『若いんだからやってみろよ』って応援してくれたんです。こういう商売やってるといろいろ壁にぶつかるじゃないですか。そういうとき、ことあるごとにその叔父さんのところに行って話を聞いてもらってて、俺にとっては東京のオヤジみたいな人だったんです。
その叔父さんが癌で入院したっていうことを、親戚中誰も聞いてなかったです。ある時病院から電話がかかってきて、もう危ないってことで……こういうときに、この商売はヤですね。僕は行けなかったんですけど、後で親父とお袋に聞いたら、泣きながら、『誰も中へ入れてくれなかったのよ』って……。
── その叔父さんは結局親戚も子供も誰も病室に入れなかったらしいんです。たった一人奥さんだけ中に入れて、それで二人だけで息を引き取ったんです。二人はもう2年くらい別居してたんですけど、男と女って…… 他人なんだけどそれを乗り越える瞬間ってあるんだと思いましたね。俺その話を聞いて久々にワンワン泣いたんですよ。その時、『ああ、俺久々にこんなに泣いたなぁ』って思って、その日に書き上げた曲です。この曲は自分の中ではすごく大切な曲になりそうな気がします。
人は生まれることも大変なことだけど死ぬってことも大変なことだと思いますね。うちのおじいちゃんはとても頑固な人で、老衰で死んでったんですけど、やはり死ぬときにおばあちゃんの手を握って『ありがとよ』って。そしてお袋には『いろいろすまなかったね』って旅だったんですけど、その時お袋は『あの一言で私の苦労はいっぺんに報われた気がしたよ』って言ってましたね。
おじいちゃんのときもそうだったんですけど、人が死ぬってことはただ悲しいだけではなくて、本当はとても荘厳なことだという気がするんですよね……。
それでは聞いてください。──「遠くへ……」

私の知り合いの中にも肉親を亡くされた方が何人かいて、そのうちのお一人から『最後は涙で石井さんの顔が見えなくなった』とのコメントをいただきました。
後ろのスクリーンには月が映し出される。美しい──。
これは次に発売されるマキシシングル「遠くへ……」という曲。このな誕生秘話があったとは知りませんでした。
チラっと聞いたことはあったけど、通しで聞くのはもちろん初めて。やっぱり生はいい。びゅーの思いが切々と伝わってくるようです。

とても雄大な感じの曲で、高音域の伸びがすばらしい。何よりMCのあとだけに感慨ひとしお。
改めてライブで聞くと、歳を重ねてますます人としての幅や厚みを増していく <石井竜也>を感じることができました。

歌い終わって深々と頭を下げるびゅーちーに、いつまでも拍手が鳴りつづけてました。


6.エンジェル・ショータイム

びゅーに対する拍手がアンコールの手拍子に変わり、その手拍子があっという間にひとつに揃う。あとは3,000人の気持ちがひとつに揃ってびゅーの登場を待つのみ……。

やがて、いつもの音楽。エンジェル・ショータイムの幕開けです。
懐中電灯を手にしたドラスレメンバーが暗転の中各ポジションにつく。
やってきました、びゅーちーさん。やはり羽は健在(笑)。
やっぱりアノ曲歌うのね。イントロが流れて歌いだしは……
♪追〜いか〜けて〜♪ だわァ〜!
くぅぅぅぅぅ、ニクイねこのぉ〜。会報でのネタバレがなければここで「うわぁ〜」と喜びの歓声が沸き起こるところ…。なんで事前に発表したのかなぁ。
しかし、……泣かせた後にこの歌はイケマセン。もうもうもう、ホントにアナタ……そんな切なく歌い上げないでぇ(笑)。バラードの中のバラードと言ってもいいでしょう。この曲は是非とも生で聞かなくちゃという曲。
歌い方といい声の伸びといい完璧だ〜。
── 酔いしれました。
伴奏が消え、びゅーの声だけが会場に響きわたると、その声があまりに美しくて思わず息を飲んだ。

この日のツボは、最後の方で伴奏がなくなるところで、

フッと聞えたびゅーの息……。

うっわぁぁぁぁぁ〜〜、そんなぁ、どうしましょう(笑)。世界一、宇宙一の罪作りなお方です。

そして、ここまでみんなを酔わせておいて、引っ込みはいつもの三枚目(爆)。── 斜めになってドドドっと引っ込むびゅー様。
そんなアナタが<大〜〜いスキ!!> なんだけど、ここは一応文句言っておこうか(笑)。


7.プレミアム・ショータイム

さて、またもやアンコールの手拍子が沸き起こる。

お次はもちろん、プレミアム・ショータイム。
「始まっちゃんだよ〜ん」なんていう、お茶目な佐々木アナの紹介に乗せて、次々と姿を現すドラスレメンバーたち。極めつけはこの男。
あるときは石井・ビューティー
またあるときはサウス・ハルオ
またあるときはカール・ビューチー・テツ
そしてまたあるときは、小泉純一郎(爆)
階段の上に現われたソファーにカッコつけまくりで座っている色男──。

東金はここでハッピ・バースディを歌ったのよねっ(笑)。なんて思いつつ次の曲を待つ。
おお!「Shake Hip!」だ〜。途端に会場はダンスタイム!と思ったら途中で「Hip Shake」に切り替わる。
そして締めくくりは「ソーゼツ」。
ダンスナンバーは無条件に楽しい。びゅーもノリノリで煽ってました。最後は「神戸大好き〜!」の言葉も飛び出して大盛況のうちに幕となりました。
最後は寝転んでどん帳がしまるまで手を振ってくれたびゅー。このサービス精神が大好き〜。

興奮した客の拍手はつづき、HAL同様にZERO CITY の勇壮なテーマとともにどん帳が上がると、階段い整列したメンバーたち。一番上のびゅーがゆっくりと階段を下りてくる。そして、上手、下手、まん中に礼。

再び老人の声でのナレーション。
ZERO CITY では、核爆弾の恐怖から人々が街を離れ、文字通り人口ゼロのゼロシティになってしまったということでした。

鳴り止まぬ拍手の中すぐにどん帳が少しだけ開いて、びゅーが出てくる。
おお!うれしい。
やや仰け反りながから、手でメガホンを作って「サンキューーーー!」 と叫んでくれました。

びゅーが消えても、音楽に合わせてなおも手拍子。実はコード進行が「どうにもとまらない」と一緒だったりしないだろうか(笑)。リズミカルな音楽に合わせて、手拍子することを楽しんでいるような客席の雰囲気が何ともいい。生サンキューもあったし、もう出てきてはくれないだろうと思いつつ、手拍子を続けていたら、──
♪オ〜ィオ〜ィオ〜オ〜オ〜♪
と、いきなり「ソーゼツ」のイントロ!

びゅーが叫ぶ。(今度はマイクで^^)
「そんなに聞きたいかぁ〜〜!!」

キャーーーーーー!!

するすると緞帳が上がっていく。
またもや怒涛のこの曲で、ムチャクチャに盛り上がってわたくしもノックダウンでした〜。びゅーは途中何度も「大阪で会おう!」と言っていた。
もっちろん行くからね〜〜!!


.あったかくて、カッコよくて、セクシーで、楽しくて……。
びゅーのよさがいっぱい詰まったコンサート。
それに今回は音声が良かったのかダンスナンバーになっても歌詞がちゃんと聞えていたのが嬉しかった。びゅーちーの歌はさらに磨きがかかっている。
セットや細かい段取り、そして、インストゥルメンタルにいたるまで、本当に手が込んでいる。
あらためて、贅沢なものを見せてもらってるなぁと実感。

今回のキーワードはやはり「感動」かな……。

以 上

Thanks to

レポートにあたり、お力をお借りしたみなさま。(50音順)

ごまさま
チャコさま
桃チュウさま
その他のみなさま

どうもありがとうございました。


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