日本語には月を表すことばがたくさんあります。
ここでは読みかじり聞きかじりの中から、
さまざまな月の名称、異称をまとめていきたいと思います。
陰暦と月の名称 2002.8.17更新
季節と月 2002.8.17更新
さまざまな月の名称 2002.8.17追加
陰暦と月の名称
昔日本では月の満ち欠けにより月日を数える太陰暦を採用していましたが、それぞれの日に情緒ある月の名称がつけられていました。
陰暦 | 月の名称 | 解 説 |
1日 | 一日月、新月 | 太陽と同じ方角にあるため月が見えない時期を過ぎようやく細く見え始めた月 |
2日 | 二日月 | 陰暦二日に見える月。茜色の空に細い月が透き通るような光を放っている。宵の明星と一緒に現われることもある。夕方この月に出会うととても嬉しい。 |
3日 | 三日月 | 「三日月」は旧暦3日の月に限らず、ほっそりした月をさして言うことが多い。 私は "カリカリmoon" と呼んでいる(爆)。 大抵の人がイメージしている三日月よりずっと細い。最近では2002年7月12日 「MOON」最終日が三日月だった。開演前の西の空には刃物で切り目を入れたような細い月が見えていた。 夏場はまだ明るい西の空にこの月が見えなかなか面白い眺めになる。 また、三日月を三ヶ月続けて見ると幸運に恵まれるという。 |
4日 | 四日月 | 冬のコンサートで会場入りの前、よく二日、三日、四日月の頃のお月さまに出会ったものです。ちょうど米米のDECADENCEツアーの頃は、マチコちゃんの「ガラスの月」にハマっていて、入場前に見える月に心躍らせていました。。。 |
5日 | 五日月 | 溶けかけた氷の破片のようだった月がみるみる厚みを増していくのには驚かされる。 |
6日 | 六日月 | 夕暮れに見える月が徐々に高くなっていく。月のお客さまを迎えて、宵の空も楽しげになっていく。 |
7日 | 七日月 | |
8日 | 八日月 上弦の月 | 半月
右半分が輝いている月。日没に南中して真夜中に弓の弦を上にして沈むところからついた名称。正午頃昇り深夜0時頃に沈する。
半月の別名を「弦月」「弓張り月」ともいうが、特に上弦の月のことを「上つ弓張(かみつゆみはり)」「上の弓張(上のゆみはり)」という。 |
9日 | 九日月 | この頃から月が丸みを帯び始める。それにつれて以降夜空が次第に明るさを増していく。 |
10日 | 十日月 | 東日本では陰暦10月10日に十日夜(とおかんや)といって収穫の祝い田の神が山に帰るのを見送る風習があったとのこと。 |
11日 | 十一日月 | この頃、午後に白い月が見える。 まさに「WHITE MOON IN THE SKY」 の世界…… |
12日 | 十二日月 | |
13日 | 十三夜(じゅうさんや) | 満月の丸くなりきる手前の月。 明るさもありやがて満月を向かえる期待感がある。そのためかこの月は縁起がいいものとされている。また、特に九月の十三夜のことをさすこともある。 |
14日 | 十四夜 | 月の出る夜を良夜という。まさにこの時期は月が明るく輝く良夜です。 |
15日 | 十五夜(じゅうごや) | 陰暦15日の月。特に中秋の名月である8月15日をさすこともある。満月(望)のことも多く観月の好機とされている。 陰暦8月15日のことを「三五夜」、その月を「三五の月」ともいう。 この日に満月になることが多いが月の地球を回る周期等により必ずしも一定ではない。 満月のことを「望」「望月(もちづき)」「天満月(あまみつづき)」とも言う。 |
16日 | 十六夜(いざよい) | 十五夜の次の月。またその月がでている夜をさす。 「いざよう」という言葉には「ためらう」の意味があり、十五夜よりも約50分遅くためらい)がら上がることからそう呼ばれた。 別名として「既望」とも言われる。これはすでに満月が終わり望がかなったたという意味。 |
17日 | 立待月(たちまちづき) | 日没後立って待っているうちに月が上がることから名付けられた。 立待(たちまち)には「眠らないでことが成る」という意味がある。 |
18日 | 居待月(いまちづき) | 十五夜より1時間ちかく出るのが遅く、ゆっくり待っていられた。 また、十五夜を過ぎると早朝、西の空に白く輝く残月を望むことができる。朝、この月に出会うのも通勤時の大きな楽しみ。 |
19日 | 臥待月(ふしまちづき) 寝待月(ねまちづき) |
寝所に入って臥して月の出を待ったことに由来している。 少しずつ月は細くなってくる。そして朝残っている月も次第に高く、長くなっていく。 |
20日 | 更待月(ふけまちづき) | 更に出るのが遅くなり、一眠りしてから夜更けにやっと見ることができることからこの名称がついた。時刻にして夜10時ごろに上がる月。 |
21日 | 二十一夜 | 時々、夜中に東の空に出るオレンジの月に出会うことがある。半月をややふっくらさせた感じ。上の方が欠けていてしかも大きい。なんとなく不気味な感じもする月です。 |
22日 | 二十ニ夜 | |
23日 | 二十三夜 | 子の刻(夜12時ごろ)に上がる月。 この日、夜半過ぎに月待ちをすると願いごとがかなうといわれている。 |
24日 | 二十四夜、下弦の月 | 真夜中に上がり夜明けに南中する半月。 月が沈むとき、弓の弦が下向きなることからついた名前。「下つ弓張(しもつゆみはり)」「下の弓張(しもの弓張り)」ともいう。 |
25日 | 二十五夜 | 夜遅く出た細い月は夜明けとともにその姿を隠すようになる。太陽と月の周期が出が次第に重なって、月が顔を出す時間はどんどん短くなっていく。 |
26日 | 二十六夜 | 月の出はさらに遅くなり夜明け近くに細い月が立ち上るようになる。 |
27日 | 二十七夜 | この頃になると針のように細い月が朝焼けにわずかに見ることができる。細さは三日月と同じくらい。 |
28日 | 二十八夜 | |
29日 | 二十九夜 | 月の出ない夜。月がこもり隠れることから晦(つきごもり)という。晦日というのはここからきている。「朔(さく)」ともいう。 |
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季節と月 2002.8.17更新
四季それぞれに月は趣を変える。
歌の世界では月は秋の季語なので、単に「月」といえば秋のことになる。
春の月
春の夜の月は大気中の湿度が増すことから霞んで見えることが多い。 秋の澄み切った月とは違ってほのぼのとした艶がある。 「朧月」というのは春の月 |
夏の月
夏の夜の月。夏の短い夜が明けやすい儚さと関連して、古来歌に多く詠まれている。 また、夏の月が地面を照らして、白々と霜を置いたように様を「夏の霜」という。 |
冬の月
冬の夜空に見える、寒々と澄み切った月。凄惨な美しさを持っている。 「寒月」「月冴ゆる」「月氷る」という表現も使う。 「月天心」と言えば冬の満月を指す。 |
有明の月
明け方まだ沈まずに残っている月で、よく歌に詠まれることが多い。
冴えわびて覚むる枕に影見れば霜深き夜の有明の月(藤原俊成女)
名残の月
明け方の空に残っている月のこと。十五夜を過ぎた頃から二十七夜くらいまでの月。
「残月」「朝月夜(あさづくよ)」「有明の月」とも言う。
暁月夜(あかつきづくよ、あかときづくよ)
「有明の月」と同様、明け方に残っている月のこと。
夕月
夕方の日没前後に西の空に見える月のこと。
三日月を過ぎた頃から見えることが多い。
宵月(よいづき)
宵の間だけ出ている月のことで、主に新月から七日ぐらいまでの月をさす。
黄昏月
黄昏時に西の空に見える細い月。三日月、四日月頃の月をいう。
月の頃
満月の前後の月の眺めのよい時期をいう。
「夏は夜
月の頃はさらなり」という、清少納言「枕草子」の一節が有名。