いまのこびん(あとがき)
 この詩は卒業生のための会でなんとなく思ったことからつくりました。会の中に卒業生1人ひとりがが語る場面があるんです。静かな音楽とともにちょっとした笑い話から、涙の出そうなやさしいメッセージ。たくさんのありがとう。そんな想いでいっぱいの時間です。

 そんな話を聞いてじ〜んとしながら、私もいつかはあそこに立ってライトをあびながら「実は何も考えてきてません」とうるうるしながら話をはじめるんだろうか…と思いました。でも、たぶんそうやってたった今まで話を聞いていたのに、気がついたらしゃべりはじめてるんでしょうね。そして、さっきまであそこに座ってたのに…と思うことでしょう。

 そう思うと、「いつか」っていうのは「いま」になるまでぼんやりしてて、過ぎ去った後で刻まれるんだなぁと思ったんです。そう思うと「いつか」というおぼろげな未来はすぐ隣りにいて、「いま」を追い続ける私たちをゆっくりと見守っているのかなぁとも思います。大事な「いま」ということについて考えてつくった詩です。


いま を追いかけ続けるすべての人へ