◇三風神器・トレーニングについて◇
〜トライアスロンのトレーニングで行われていることを少し紹介します〜

トライアスロンは、ご存じのとおり3つの種目が複合した競技です。
よって当然、トレーニングはこれら3種目を中心としたものとなります。

基本的に、スイムは競泳、バイクは自転車競技、ランは陸上競技と同じような練習を行います。
しかし1日に3種目行うのは大変です。
そこで、種目間のトレーニングにメリハリをつけて3種目行ったり、
2種目、1種目と種目の数自体を減らして集中的なトレーニングを行ったりします。

トレーニング方法は、3種目とも大きくわけて
「インターバル形式」「レペティション形式」「エンデュランス形式」「スキル練習」
の4つが軸となっています。
これは、スピードとスタミナをつける効果的なトレーニング法として、
現在確立されているもので、
競泳や自転車競技、陸上競技の単独種目においても取り入れられています。

(1)インターバルトレーニング
インターバルとは、"interval"、「(時間または場所的な)間隔」という意味です。
あらかじめ定められた距離を、ある一定の時間的サイクルに従って何度も反復してこなす練習方法です。
スピードはあまり速くすることはなく、1本1本を確実にこなします。
スタミナの養成に適した練習方法です。
この練習方法の最大の特徴は、
「体力が完全に回復する前に次の負荷を与えること」であり、
正しく行えば持久力がとくに発達します。

具体的な練習メニューとしては、以下のようになります。

(スイムパート)
「20×50(1'00"C)」
「15×100(2'00"C)」
上の場合は、「50mを20本、1分サイクルで回す」という意味です。
下の場合は、「100mを15本、2分サイクルで回す」という意味です。
「20×50(1'00C)」の場合、
1本目がスタートしてから1分後に2本目がスタート、
2本目がスタートしてから1分後に3本目がスタート、
...こういった流れになります。
よって、スタートしてから1分以内に50m泳がなければなりません。
間の間隔(インターバル)はいくら短くとも10秒はとりたいです。
よって、50mを50秒で余裕を持って泳げる泳力がないと、このサイクルでは回せません。
つまり、サイクルの時間間隔をもっと長くとる必要があります。

(バイクパート)
バイクでのインターバル練習は制約が多く、場所を選ぶ必要があります。
競輪場が使えればベストですが、そうでない場合は、
ロードの短めの上り坂を使ったり、平地の直線部分を使ったりします。
基本的な方法はスイムと少し違います。
たとえば競輪場を使う場合、1000mを何本とか設定しますが、
インターバルはスイムのように止まって休養するわけではなく、
軽く流しながら休養を行います。
よって、メニューを立てるときは、
「10×3000m(600mつなぎ)」
というように、時間ではなく距離でインターバルを設定することが多いです。
ロードの上り坂を使う場合は、非常に強度が上がるので、
インターバルの距離を長くしたりするとよいでしょう。
平地の直線部分を使う場合は、スピードが出過ぎてしまうので、
「フロントギアはインナーのみ」など自己規制を加えたりします。
何にしても、全力よりもスピードは抑えていきます。

(ランパート)
ランのインターバルトレーニングは、主に陸上競技場で行います。
方法は、バイクの時とまったく同じと考えてください。
「15×400m(100mつなぎ)」
「10×1000m(400mつなぎ)」
のように設定します。
ペースもある程度、あらかじめ設定しておきます。
バイクとランでとくに重要でよく用いられるのが、HR(心拍数)です。
HRモニターを使用することにより、自分にかかる運動強度を客観的に見ることができます。
メニューを決める際に、指標になります。

(2)レペティショントレーニング
レペティションとは、"repetition"、「繰り返し・反復」という意味です。
略して「レペ」と言ったりもします。
「繰り返し反復」という意味ではインターバルトレーニングもそうですが、
最大の相違点は、その目的にあります。
インターバルトレーニングがスタミナの養成を目的としているのに対し、
レペティショントレーニングは「スピードの養成」を目的としています。
よって、トレーニングは全力で行います。
間に設けられた回復時間では「完全休養」をとり、比較的長く時間をとります。

(スイムパート)
スイムでは「スプリント」と呼ばれることがあります。
「5×100m(10'rest)」などのように行います。
本数はあまり多くなく、1本1本の質の高さに重点が置かれています。
10分間隔で100mタイムトライアルを5回行う、という感じです。

(バイクパート)
方法的には、インターバルトレーニングと似ていますが、
全力で行き、本数を減らし、回復時間では完全休養を取り入れます。
「5×2000m(10'rest)」という具合です。
ロードで行うときも、コンセプトは同じです。

(ランパート)
やはり陸上競技場で行います。
「5×1000m(5'rest)」のように行います。
1本1本を全力Maxで、走り抜けます。
回復は完全休養といっても、急に運動を始めたり止まったりするのは危険なので、
走る前や走ったあとの簡単な準備と処置を必ず行います。
ジョグしたり歩いたり、軽く快調走を入れたりします。


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