ツールド山陽・第4ステージ
2002年3月6日
広島市安佐南区〜倉敷市中庄



8:40 マキシ邸出発。






雨は上がっている! よかった、もう雨の中はイヤだった!
寒い。今日は初めからサランラップを巻いていこう。
バイクジャージの下にも1枚Tシャツを着込んだ。



(←マキシ邸前にて、スタート直前。
  モスグリーンのマリノが目印)





んんん、体中が痛い。
踏み出しが鈍いし、力入らないし、スピードでないし。
き、厳しい...これでこの先、大丈夫なのか!?

きのうの夜に教えてもらった道を行く。
途中のデイリーストアで朝飯。と同時に、雨が落ちてきた!
マジかよ〜もう雨は勘弁してくれよ〜!!
しかたなく、サイクルコンピュータが濡れないようにサランラップで包む。

アストラムラインに沿って、国道53号線を広島市内へ。
太田川の橋を渡る。この太田川は、本流と放水路に分かれる前の、上流のものだと思う。
橋を渡りきったあたりで、後輪のタイヤがリムに当たったような感触がした。
信号待ちで後輪を指で押してみる。
すると...ぺしゃんこじゃなかったけど、かなり空気が抜けている!!
パンクか!?それともただの空気漏れ!?
いちおう様子を見るため、携帯していたフレームポンプでしこしこ空気を入れ、また走り始めた。

広島城・広島県庁を過ぎて、平和大通りにさしかかる。このあたりにくると、ああ広島だなーって、実感する。
俺の親は両親とも広島出身で、今まで幾度となく広島市内には来ていて、このあたりの景色はよく知っている。

信号待ちで、後輪を指でチェック。
またもや空気が抜けてる!!パンクにせよ空気漏れにせよ、このまま走り続けるのはあぶない。
大通りの真ん中でタイヤ交換を始める。うああこれは目立つ!!
リュックの最下部に入れていたスペアタイヤを取り出す。
はぁ〜やっぱり使うことになったか...なんて思いながら、取り出す。
道行く人は珍しそうな顔をしながら通り過ぎていく。う〜んやっぱり異様な光景。
まぁ雨の高速バイパスの脇や人気のない峠でタイヤ交換するよりうんとマシだな。
しかしなにも大通りの真ん中で...。これは絵になるかなぁ?
でもね、前日に山口広島の人の温かさに触れていた俺は、少しの安心感さえ覚えたわけで。

さすがに交差点の中腹では気まずくて、バイクを押して大通りを渡りきり、どこか落ち着けそうな場所を探す。
...でもこんなところで落ち着けそうなところなんて...あるわけないっしょ!!
腹をくくって、朝の通勤通学時間の人通りのものすごい多い歩道の片隅でタイヤ交換を始める!!
そう、これも独り旅の醍醐味よ!なんて開き直りながら。

ホイールに張り付いたタイヤを剥がそうとするけれど、リムセメントが強くてなかなか剥がれない!
そういえばこのタイヤ、体大御用達のメカニックの人につけてもらったんだった...これは手強い!!
部室から持ち出してきていた、タイヤはがしの棒を使って、なんとか剥がす。かなり時間かかった。
雨の影響で、ウェアは至る所真っ黒に...!あちゃあ。
リムセメントを塗って、乾かす。その間にスペアタイヤに空気を入れたり手で伸ばしたりして
取り付けやすくする。これ、街の真ん中でやるのって、けっこう勇気いります。
すっかり汚れた旧タイヤを見ていくと、小さな亀裂に穴を発見。これかぁ...。
10分くらいしてつけ始めるけど、新品のこのタイヤが、またなかなかはまらない!!
手や服にリムセメントがくっつきながら、なんとか装着完了☆
明らかに手の力が落ちている...これまでの疲れかな。何にしても、これでまた走り出せる!!

ふと時計を見ると、もう10時30分。
実は、道中の川尻町で、第2ステージを手伝ってくれた広大のつよ丸とランデブーするのだ。
今日も途中までまた手伝ってくれる予定になっている。
しかし、待ち合わせ時刻は11時...とても間に合わない...メールを入れる。

今日のスタートから気になっていたのだが、なんとなくブレーキの効きが甘い。
昨日の雨の影響で、まだ滑っているのかな、と思い、ブレーキを確認すると!!
ブレーキシューが、ないっ!!
限界近くまですり減っている。
雨の日は消しゴムのようにブレーキシューが減っていくと聞いていたけど、
まさか1日でこれほどとは...。仰天。
何にせよ、このままではあぶない。でも予備なんて持ってきてないし、ここでの交換はできない。
今日の宿泊先であるヤマタクに電話し、ブレーキシューを買ってきておいてもらうことにした。
今日はこのまま行くしかない。かなり不安ではあるけれど。

広島の街中を駆け抜ける。なんだか懐かしい...幼い頃に何度か来たところだ、憶えてなくても懐かしく思う。
やがて2号線へ出る。そのまま2号線を東へ行ったら、もうちょっとで呉方面国道31号線へ入る。
今回、広島から三原までは、2号線を離れて呉のほうを回ることにしているのだ。
2号線は西条のあたりが非常にアップダウンが厳しいのを知っていたので、
遠回りになっても回避したわけだ。

しっかし、体が痛い...とくに尻と膝。腰を立ててDHバーのパットを握らないと尻が痛い。
膝は、あまり負荷をかけなくても、伸展屈曲させるだけで痛みがくる。昨日のダメージか!?
でも基本的に追い風だし、回せないほどではない。前進あるのみ、Forword March!!

それにしても、後輪が気になる。空気を入れたポンプに力が入らず、空気圧がかなり低いのだ。
途中で空気入れなければ...でも普通の自転車屋さんにはバルブがないだろうし、
このあたりのバイクショップなんて知らない。
そういえば、このあたりから広大の医学部が近い。
広大トライアスロンクラブGULLSに、医学部の女の子のS田さんがいることを思い出した。
彼女の住まいも近いはず、親の実家の近くだったはずだし!
S田さん、フロアポンプ持ってないかな...と思って電話するも、つながらず。ちっ。
マキシに連絡しようかとも思ったけど、予定よりずいぶんと時間が遅れているし、
マキシの到着を待っている時間的余裕はなかった。
なら、同じくGULLSの、呉に住んでるH本さんだ!と思い電話するも...またしてもつながらず。ちっちっ。
でも呉市内までまだかなりある。希望を抱き、H本さんにメールを入れておく。

もうすぐ国道31号への分岐である向灘のはずだけど、なかなか着かない。
信号の多さに加えて、ときどき車を避けて歩道を走っていること、
さらに疲れと痛みでスピードが出ないことなどから、ことのほか遠く感じる。
...やがて国道31号に入る高架橋が見えた。よし、ここから南へ!がんばるぜ!!
右にマツダの会社が見える。ああ、ここが百式(プロローグ参照)の勤める会社だ!!
高架が終わり、普通に道路にはいると、風が一段と強く感じる。
今まで完全に追っていた風が、ここにきて向かいはじめた。
それも当然、進行方向が変わったからだ。
なんとか我慢しながら、JR呉線に沿って国道31号を進む。
海が見えたころから、風も追いはじめた。このままいけそう!

途中、ドライブインみたいなところで休憩。天気はすっかり良くなっている。
このあたりの風景は、なんとなく鹿児島の国道10号線の竜ヶ水あたりを彷彿とさせて、ちょっとした既視感に襲われる。
海があって、トラック中心の交通の広い道路、そして鉄道、崖。ほんとそっくりで、嬉しくなる。
先にトンネルが見えるので、テールランプをチェック。あれ、つかない。
そういえば、これは昨日雨をふいていなかった...漏電してしまった!?
取り出し中を開けて、よく拭き取る。泥もかなり入り込んでいた。
それもそうだろうな、あの雨の中を走ったんだから!
拭き取っても、スイッチでうまくつかない。ついたらつきっぱなしになってしまった。
まぁ、つかないよりはいいね、そのまま行くことにした。
ヘッドライトは前日に整備していたので、順調だ。
ついでにつよ丸にメールを入れる。
今バイクショップにいるらしい。もしかしたらここでメンテナンスできるかもしれない!
ちょっっと救われた気分。



やがて呉市に突入(地図上の赤点あたり)。

予想に反してずいぶん街だ。絶対鹿屋より街だ。
国道185号に入ると、アップダウンもなかなか多い。
でも2号線を通るよりマシだと思えた。
トンネルも結構あるなぁ...
ヘッドライトを点灯、スイッチオン。と、その瞬間。
ライトがブラケットから脱落
トンネル内にライトがバラバラになって散乱する!!
電池、ソケット、ダイオード発光部、すべてバラバラに
後ろから車が来ていないのを確認して、
暗いトンネル内であわてて拾い集める。
よかった、すべての部品が無事だ!
組み立てて、ブラケットに取り付けるけど、
うまくいかない。



完全に固定できないのだ。でももう落ちてほしくないし...
しばらく格闘していたけどあきらめて、不完全な固定のままリスタートした。段差や衝撃が怖いな...。
な〜んか今日はおかしい...トラブル続きだ。
ちょっと気をつけないと。何が起こるかわからない。

H本さんからメールが入っていた。今は西条なんだそうな。あうち!
しかたない、この低い空気圧と減ったブレーキシューのままつよ丸のところまで走るしかない。
予備のチューブもあと1本。ちょっと不安だ。

やがて仁方を通過。H本さんちって、この辺なのか〜。
けっこう坂とかトンネルとかあって、なかなかしんどい。
広を通過。つよ丸に連絡を入れる。バイクショップで整備が可能とのこと。やった!

13:40 川尻町のセブンイレブン・待ち合わせ場所に到着
予定を2時間半以上も遅れ、ようやく到着。つよ丸には待たせてしまった。申し訳ない!
メシをかき込み、バイクショップへ向けて14:00にスタート。国道185号線を東へ進む。



14:20 安浦町のバイクショップに到着
(地図上の赤点当たり)


つよ丸の計らいで、うまく整備を受けることができた。
俺のバイクをみんな褒めてくれる、うれしー!!
でも褒められているのはバイクであって、
決して自分自身が褒められているわけではないのは知っていた。
福岡から大阪まで行くっていうので、
驚かれは、したけれど。
ちょっとゆっくりしたあと、
すり減ったブレーキシューを交換してもらい、
空気圧の低かった後輪に空気を入れてもらい、
前輪の振れを直してもらう。
スペアタイヤも買った。テールランプも直った。
これでばっちり!!



とくに、はずされたブレーキシューを見ると、まるで消しゴムのように減っていた。
1日でこんなになるなんて、ちょっと信じられなかったけど、まぁ昨日俺ががんばったからということで!
がんばってください!と応援を受けて、出発。
道中はかなりの絶景。気持ちいい!!

16:25 安芸津町安芸津駅前
なんと、つよ丸の後輪がパンク!!つよ丸は申し訳なさそうにしてたけど、
こういうアクシデントも楽しさのひとつと感じてたから、全然よかった。
バイクショップで会って仲良くなった人が後ろから車で見つけてくれて、ポンプを貸してくれた。
なんとかなり新兵器な携帯ポンプ!
携帯用でもフロアポンプのようなかたちの空気入れがあるなんて!これはかなりよさそう。
8気圧くらい簡単に入ってしまった。すごい優れもの!!
16:40ごろ、出発。

17:00 つよ丸と別れる
ここからは再びひとり旅。ありがとう!
つよ丸がいなかったら、かなりバイクがやばかったねこれは。感謝!
けっこう日が傾いている。これは急がなければ!!







17:40 三原市街に到着、2号線に合流
(地図上の赤点当たり)

大型トラックで渋滞する横をすり抜けていく。
ここはもしやっ!?そうだ、
さぎしまに渡るフェリー乗り場だ!!
覚えてる...4年半前、
ここから俺は中四学連と関わり始めたんだ...
そして今ではたくさんの仲間ができた。
懐かしい思い出と記憶をともに、一気に走り抜ける。






18:30 尾道駅に到着
もうすっかり日が暮れた。サングラスをはずす。倉敷まであとどれくらい...。まだ福山を抜けないと...。
途中いろんなところで写真を撮りたかったけど、時間の都合上、そのまま通り過ぎる。今思うと残念。




20:30 福山西インターを通過

そういやカワケンたちは今夜は、
福山のベッタン(トラ部の4年生)の実家だったな...。
メール入れとくか。

ヤマタクにもメールを入れる。
ローソンで、燃料も補給する。
(写真:福山のローソンにて)

あと2時間くらいで着くかな...。
地図で見る限り、ここからけっこう山岳コース。
ビニールテープで固定したライトが頼りだ。
これなかったら、ほんとあぶなかった...。
2号線赤坂バイパスは回避して、県道54号を行く。





21:30 福山市街に到着
(地図上の赤点あたり)

備後赤坂駅付近から、ふたたび2号線に合流。
対向4車線の、かなり飛ばせる道路だ。

テールランプを点滅にしているから、
車も認識してくれる。
その中で1台、
やたら俺にむかって
クラクションを鳴らすトラック
が後ろから来る。
2号線に入る前から絶え間なくならしっぱなし。
なんだようるさいな...やかましいんだよ!!
なに考えてるんだよ!!
何も迷惑かけていないだろう!!
ちゃんと端に寄って走っているだろう!!


まてよ、パトカーか?いやパトカーなら外部スピーカーがあるはず...やはりただのいびりか!!
こんなところで事を起こすのもバカらしくてイヤだったので、左の路地に逃げ込む。
今まで素晴らしかった広島のイメージが、あのトラック1台のおかげで非常に不愉快なものになった。

バイパスなどは、疲れているいないに関わらず、どうしても高速で飛ばさざるを得ない。
飛ばせる道なので飛ばさないと損なのだが、というか飛ばさないと危険なのだ。
路側帯のないバイパスでのんびりしているとほんとあぶないし、車の邪魔。
大型トラックにとっては非常に気を遣う、いらいらな存在となろう。
それが夜なら尚更で、いくらこっちがライトをつけていようが、はねられる可能性はかなり高い。
しっかりハンドルを握って、いっぱいいっぱいで飛ばしていくことにしている。
うるさく鳴らされるのも、たしかに無理はない。逆に、ちゃんと認識してもらっていると思える。
しかし、あれは鳴らされすぎだった。今思い出しても頭に来る。

福山市を抜け、笠岡市へ。まだ行先表示の青看板に、「倉敷」の表示はない...あとどれくらいなんだ?

22:00 唐船交差点、倉敷市に到着
やっと目的地、倉敷市に到着。といってもまだ入口で、ここからどれくらいあるのかわからない。
道路が土手になっているのか、左側は暗くて見えない。
まだ2号線を行く。








22:20 新倉敷駅に到着
新倉敷駅横の2号線を通過。
もうかなり体ぼろぼろ。
疲れた、寒い、早く休みたい。
ひたすら2号線を進む。








倉敷市に入ってから、自転車歩行者進入禁止の陸橋を3つほど越えた。
俺のすぐ横を大型トラックが抜いていく。気が抜けない。ペースも落とせない。
こんな夜にこんな道をバイクで走るなんて...。
つらい。どこまで続くんだろう...早く開けたところに出ないかな...そろそろ限界だよ...。

やがて大きな橋にさしかかる。路側帯はないに等しい。
当たり前だ、もともと自転車は通れない道なのだから。
ああ...だめだ...ここはもう...これ以上越せない...。

途方に暮れた。
引き返そうにも後ろから切れ間なくトラックが通り過ぎていき、引き返せない...。
道路の右側を逆送することも、危険に思えた。
対向2車線なのだが、すごい交通量だ。
対向車線も同じで、横断することもなかなかできない。
15分ほどここで立ち往生してしまった。

やっとも思いで抜け出し、引き返すことに成功。
迂回したけど、大きな川に阻まれて土手の上で呆然とする。
周囲は真っ暗な川と土手、空には星。空気は冷たく、風も強い。
知らない土地で、このシチュエーションは、ほんとに怖く、心細い。
地図を取り出し、ヘッドライトに照らす。どこかで道を間違ったはず...。
ここはどこ!? まわりを見渡す。真っ暗で何も見えない。街灯もない。
見えるのは大きく黒い川、たくさんの星、工業地帯、さっきの橋。
ほとんど高速道路と化していたこの厳しい2号線で見た地名を思い出す...。
「ようこそ船穂町へ」

...凍えて震える手で地図をよく見て。ようやく現在地が判明。この川は高梁川。
どうやら玉島バイパスに乗ってきたらしい...。こんなところ、よくも越えてきたものだ。
予定のルートは、バイパスに乗る手前で国道429号線へ回ることになっている。

最短距離でリルートし、429号線の霞橋へ。
この道路も、玉島バイパスほどではないが、なかなか交通量が多い。
しかし霞橋に着いて愕然...。ここも自転車通行不可。
でも高梁川を越える橋は他に見当たらない、ええいここは強行突破だ!!
500mくらいの橋を、目いっぱい飛ばして抜ける。幸いなことに、車はあまり来ない。
強烈な横風が襲う! すぐ下の真っ暗な川が俺の精神を飲み込む!
限界まで疲労が来ていた体をさらに酷使し、なかば叫びながら、...無事対岸へと渡り着く。
しかし、夜だからこそ、抜けられたのかもしれない。
昼間は多分、かなりの交通量で、渡ることはできなかったろう。

429号線を進む。地図で見る限り、あとはずっとまっすぐ。
「倉敷へようこそ」の看板が見えた。ああ、ようやく倉敷の市街地か...ほんとに「ようこそ」だよ...長かった。

22:50 倉敷駅を通過
川崎まであと少し、あと少し...スピードはもう、30km/hも出せない。
気持ちだけで回し続ける。体の至る所に痛みを感じる。

23:20 川崎医療福祉大学に到着
やっと着いたー!!しかしすごいところだ...周りには医科大や医療短大もある。
さながら学園都市の様相だ。街自体がかなり新しい。ヘリコプターがある。
ちょっと行き過ぎて、サンクス到着。そこでヤマタクに連絡を入れよう。
でもつながらない...!メールを入れておく。かれこれ20分、つながらない。
寒い...どうなってるんだ〜!!ヤマタクぅ〜!!
川崎の誰かに連絡とってみようと思ったけど、7ちゃんも美樹ちゃんもたしか、いま倉敷にはいないはず...。
アリちゃんは番号知らないし...たみちゃんは坂出だし。
もはや俺の命は、ヤマタクが握っている!!
俺がこのまま生きるも死ぬも、ヤマタク次第!!

3分おきくらいに電話を入れて、30分くらいしてやっとヤマタクにつながった!!
「飲んでしまってるので、道教えるので来て下さい」とのこと。
おっけー、ここまで来たらあと5kmや10kmくらい乗り越えることなど何とも思わない。
トマト銀行の角を曲がって陸橋を越えて...目印の高速道路を目指す。ずっとまっすぐ行く。

トマト銀行かぁ...ナイスなネーミングだなぁ。
トマトを預けたり引き出したりするん...わけないですね、はい。
マスカットスタジアムを過ぎる。ああ、ここがマスカットスタジアムか...。
ときどきプロ野球やってるから、名前は知っていたわけで。
トマトの次は、マスカット。なんだか多いね、そういうのこの辺。
そういえば、トマトやマスカットって、野菜なのか果物なのか?? どっちだっけ??
なんて思いながら、なんだか峠になってきた。倉敷市を出てしまい、早島町へ。ほんとにこっちなのかな...。
ヤマタクの住所はたしかに倉敷市だったような...引っ越したのかな、それとも彼女のところ?

ずっとまっすぐ行く。
2号線を越える。あの、途方に暮れたバイパスを越えた先がここか...。
ずっとまっすぐ行く。
つきあたる。
...ここはどこ?
電話。

「最初の陸橋越えてすぐ右だったんです!!」
なんと〜!! ずいぶんときてしまったようだ...。峠も越えなければ。
速攻で引き返す。サンクスで買った弁当もだいぶん冷えてしまってるだろうな。
もう、なんでもいい、体の限界を超えて走ってやる!!
...すると、高速道路の高架橋につきあたる。あれ?たしか来た道を引き返してきたはずなのに...ここはどこ?
電話。
この場所を説明し、なんとか迎えに来てくれることにしてもらった。

00:20 ヤマタクと合流
やっと会えた〜!!後輩に車を出してもらったらしい。
あと少しだというので、気力を振り絞ってバイクを踏み出す。
陸橋を越えてすぐ...なんと、こんなに近くだったのか〜!?
8kmほど無駄に乗ってしまったらしい...。うれしい。うれしすぎて涙が...。




00:30 ヤマタク邸に到着
ようやく到着。つよ丸とマキシにメールを送る。
シャワーを借りて、冷え切った体を回復させる。
体は相当に疲れている...
メシを食べるか、このまま眠るかの選択を迫られる。
でも食べないと回復しないし...
ヤマタクと話をしながら、なんとか詰め込む。
ヤマタクはしきりに謝ってたけど、
こういうのもソロツールのおもしろさのひとつ、
俺はぜんぜんよかったわけで。
むしろ楽しかったと思えた。




今日はほんと、ハプニング続きだったなぁ...。
そのあと、すぐに熟睡状態へ...。
明日は神戸まで150km。


(第4ステージ成績)
走行距離:233.7km
平均速度:20.3km/h
走行時間:11時間31分
所要時間:15時間50分

(通算成績)
走行距離:544.5km
走行時間:26時間00分
所要時間:32時間37分

・第5ステージへ

・ツールド山陽・表紙へ

・疾風怒濤・表紙へ