サカタルージの「マレー半島の男」
第三話『迷わず歩く男』

  12月27日 歩行2日目

7:30に出発。やっぱり脚が筋肉痛で痛かったが、元気いっぱいである。
9:00に朝ご飯を食べに入った食堂のオネェさんが愛嬌があってとても感じのイイ人であった。
食べ終わり、トイレを借りて出発したボクの足取りはオネェさんの事と
ウンチをして気持ちよくなったっていう事で非常に軽くゴキゲンだった。
「コレが旅なんだなぁ!」
ずっと続く1本道だったから迷わず歩くことができたのだが、
昨日バンコク市内を抜けてから気になる事実がある。

この道路の舗装の悪さだ。

バンコクにはあったのだが、この辺りには歩道というものがない。
舗装っていっても、土の上にこんもりアスファルトが盛られたような感じの道路なのだ。
何をムキになってそんなコトを言い出すのか?と思う方もいるだろう。
つまり、こういうコトだ。
舗装されているアスファルトの上を歩けばスピードも出るし、歩きやすい。
しかし、2車線のメインロードっていっても
トラックやバスなどが交差するのにギリギリの道幅なのだ。
ってことは舗装されていないところを歩くのか?
いやいや、そこには砂利や小石、砂なんかがあって、滑って滑ってちゃんと歩けない。
仕方なく、右足はアスファルト、左足はこんもりアスファルトと砂利なんかがあるところを踏んで歩いてみる。
今のところこれがベストだろう。
試しに右側の車線で試してみたが、車は進行方向から歩いて来るボクに対し、
「見えるなら避けて歩いてみれば??」的なドライビングで
クラクションを鳴らしながらギリギリまで迫って来るから、危なくてすぐやめた。
タイの道路工事関係者がいたら、「ちゃんと作ろうよ!」といささか声を荒げて言いたい気分だ。



昼過ぎ15:30に本日の目的地「サムット・ソンカム」に到着。
メインロードから1.5km程東に入ったところに町があり、そこのメコンホテルに宿をとった。
東に入るってことは、メインロードから外れるということで、
シンガポールへ向おうとするボクには少々無駄な動きだ。
まぁ、仕方ない。ボクの都合だけで町を作っていたらタイも1本道だけの細い国になっちゃうもんね。
この町はタイでの観光コースによく入っている水上マーケットへの入口の町で実に活気がある。
小さい町なのに市場や商店がたくさん。
なにか他の町とは違うなぁ!と思っていたのだが、
実はこの町には可愛い女の子(この場合年頃の女性)がすごくたくさんいるのだ。
一日中道路を見ながら歩いていたからではない。明らかに年頃の女性が多いのだ。
夜はうまい具合に宿の前の空き地に屋台が集まっていたから、
チャーハン、ラーメンなんか食べながら、そこに通りかかる女性達を眺めていた。

「やっぱりこの町に来てよかった。旅行ってキモチいいなぁ。」

後になって分かった事だが、この町は俗に言う歓楽街だから年頃の女性が多いらしい。
「なぁんだ納得。納得。」

本日の行程
サムット・サコン〜サムット・ソンカム 距離37km
行程時間:8時間
バンコクからの総歩行距離:72km
マーライオンまであと:約1899km

(続く)




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