俺の竜、見てくれる?
育成日記コーナー


 

  すべてのものに精霊宿っていた。
  彼らはに大いなるみをもたらした。
  人は精霊をうやまい感謝していた。
  かつてそんな安らかな時代があった。

  あるときから、さまざまな害悪が世界をうようになった。
  精霊暴走したのだ。

  人々は絶望した。
  だが運命にあらがうもいた。
  若き竜使いたちである。
  人は彼らを
ドラゴンピースと呼んだ。


竜使い・初日

  東京ゲームショウで入手した体験版を起動すると、
 そんなオープニングムービーが原始的なリズムと共に始まった。
 桝田さん本人から手渡しされた、このソフト。
 その高揚感をたもったままの「PUSHSTART」だ。

  竜使いっていうほどなんだから、まずは竜選び。
 広場にちっちゃな幼竜たちが「わ〜う〜」なんてかわいい声で呻きながら
 跳ねたり、走ったり、ごろんごろん転がったりしている。

 ・・・このやろう、愛くるしいじゃないかっ。
 雑誌などの前情報で見知っていて、
 妙にやわらかそうな竜だというのが不満だったのだが、
 ひと目見て、オールオッケー!になってしまった自分がいた。

 やつらのカワイイ光線を浴びて、ふにゃふにゃしているところに、
 「ね、かわいいでしょ?」
 と、やさしい声をかけられ我に返る。
 おそらく、この遊んでいる幼竜たちの中から
 相棒となる竜を選べということだろうな。
 うんうん、わかってるわかってる、みなまで言うな。
 「一頭一頭しっかり見てあげてくださいね」
 わかってるってば!

 ・・・ええと、ええと・・・どれがいいかなぁ。
 こうやって選んでいると、気分はまるで、
 ペットショップでパパに「どの犬がいい?」と聞かれ
 小一時間は迷っている子供のようだ。
 20匹はいるであろう中から選びかねていると、
 「あら。なかなかハンサムな子」
 「そうかぁ?俺にはガンコなツラに見えるがな」
 「はやくしろよ。チビ竜のうちはどれも変わらねぇよ」
 「男だったら、バシッと決めろ」
 と、野次が飛ぶ。
 ちょっとまって、ちょっとまって、自分のペースってヤツがありますからっ。
 などと急かされつつも選んでいると、ついには、
 「あの・・・このあと用事があるので早く決めていただけませんか?」
 的なことを、やさしい声のお姉さんにまで言われてしまう。
 アンタが慎重に選べって言ったんじゃないかー!

  プチハッスルしつつも、最初のフィーリングでピピッときた
 やや黄色味がかった活きのいい竜をチョイス。
 (まったく選ぶだけで、どんだけ時間くってんだか)
 続いて、命名。
 1分以内で「グリングリン」に決定。
 これは意外とあっさり決まった。
 しかし、あとから考えると全然強そうでない。

  そして名前シンゴ、出身地GUNMAとして
 新人竜使いの登録は終了。
 「ようこそ聖なる島へ」
 と、やさしい声のお姉さんに(名前はミユナだそうだ)
 あらためて歓迎される。
 ぷひー。
 なんだか出身地入力で変にテンションがあがってしまったではないか。

  すべての入力が終わり、
 いよいよ「我が竜を見よ」の世界が目の前に広がる。
 僕は、この瞬間がたまらなく好きだ。
 名を名乗り、別世界に入り込む。
 そして、そこで生きる。
 待ちに待った「我が竜」生活が、今始まるのだ。






                      

 

 

小ネタ : ゲーム内で使用されている竜の名前や出身地を
登録することはできません。
特に出身地は、
『事前に提出された資料と くいちがっています。
本当の出身地を登録してください』
と言われてしまいます。

まず書類審査があるだなんて、
やっぱり竜使いも職業なんですねぇ。