16. 躯体検査

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■2002年2月23日(土曜日)

躯体検査が行われました。
10時少し前に旭化成ホームズの工事監督Aさんが到着。早速検査開始です。

まず屋上から目地鉄筋の取り付けを確認します。
台風などの際には窓から吹き込んだ風によって強い吹き上げ力が働きます。(実際台風による建物破壊には割れた窓から吹き込んだ風で屋根がとばされてしまうケースが多い)
この吹き上げ力に対抗するために屋上と2階の床には「目地鉄筋」と呼ばれる、ヘーベル板を押さえるための鉄筋が取り付けられています。

鉄骨をとめるボルトに緩みによる浮きがないかどうか目視を中心にチェックします。
ボルトには事前に工務店さんの方でねじを締めたときと、もう一度別の人がチェックをしたことを示すマークがつけられています。
こうしたダブルチェックはすべての工務店が実施しているわけではなく、このような施工品質をクリアしている工務店を選ぶのがヘーベルの方針なのだそうです。

陰になって見えない部分のボルトはガスの検針の時のような柄のついた鏡を使って確認します。
すべてのボルトをチェックするのは骨の折れる作業です。ボルトの本数について監督さんは「全部で千本くらいあるのではないか」と言っていました。

柱の垂直を「下げ振り」を使ってチェックします。
2.4mについてぶれは0.5mm(約1000分の0.2)と優秀な値でした。ちなみに建築基準法では管理許容値が1000分の1(ただし10mm以内)、限界許容値は700分の1(15mm以内)となっています。
「ヘーベルの場合1000分の1ということはまずありません」ということでした。

ちなみにこのとき使った「下げ振り」は監督さんが肩に担いで持参したものです。

検査はこのほかに、外壁や金物類の取り付けやヘーベル板の欠け、鉄骨の塗装のキズなどをチェックし、ちょっとした不具合が見つかると、その場で職人さんに補修を指示し、直ちに補修されていました。検査はおよそ1時間半くらいで終了し、数カ所の補修箇所がありました。

■現在の建物の様子

監督さんが検査されている間、あちこちうろうろしながら写真を撮りましたので、紹介させていただきます。

これは玄関横の外壁を下から見上げた写真です。
目地がきっちりと揃っているのがわかります。

設計図通りの場所に換気口用の穴が開けられていました。

壁ヘーベル板の間には一定の隙間が開いています。これは地震などによって建物に力が加わったときに起きる「ゆがみ」を吸収するための隙間で、ヘーベルの基準によって決められています。
写真で見るように、上から下まで正確に平行なラインが走り、精度の高さをうかがうことができます。

屋上ベランダの手すりを取り付けるための金具と思われます。ねじ式になっていて鉄骨に固定したパイプにねじ込むようになっています。

アンテナ固定用のポールを立てるベースも取り付けられていました。
我が家は一般放送はCATVなので、ここにはBS/CS用のパラボラがつきます。

■屋根下地材について

トップハットの屋根部分には厚さ20mmの「高圧木毛セメント板」(一般には「耐火野地板」と総称される)が使われています。なぜヘーベル板でないのかについてはいろいろな理由があるらしいのですが、一つには斜め部分への施工上の問題があると聞いたことがあります。

建築基準法では、鉄骨造建築物の屋根耐火は30分と定められています。もちろん今回使われている素材もこの基準をクリアしたことを示す建設省の認定を受けたものです。
全国木毛セメント板工業組合」(あるんですね、やっぱり^_^)のホームページの説明によると、木毛セメント板とは

「繊維方向の長さが20cm以上の木材をできるだけ切断しないように細長く削り出した木毛の表面全体をセメントペーストで均一に被覆し、圧縮成型した建築用ボード」

だそうで、高耐火性に加え、遮音・吸音など音響特性に優れていることが一般的特長としてあげられています。

 

(左)断面をクローズアップしたもの。多孔質で遮音性はよさそうです。(右)内側です。

 

■左官工事

検査が終了し、躯体の細かな補修が完了すると、工務店さんと入れ替わりに朝から準備していた左官屋さんが作業を開始しました。作業は各階の床ヘーベル板の間の溝をモルタルセメントで埋めていく作業です。

まずは屋上から開始します。
あらかじめ金物やガムテープで隙間をふさぎ、モルタル接着剤(旭化成のモルタック)を塗り、そこにセメントを詰め込んでいきます。
なかなか根気のいる作業だと思いました。
隙間を塞いだとはいえ、どうしてもモルタックやセメントが下の階に落ちるので、人がいるときはできないそうです。

午後3時半頃の状況です。屋上の半分弱まで進みました。今日は屋上部分をやり、明日、明後日と全階の床を塗るそうです。

 

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