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寒い冬の午後 音もなく降る雨 過去の懐かしい記憶が ストンと胸へと落ちてくる
act1:倖せ色
「工藤、お茶淹れたで」 二人揃って家に居れば、大抵午後のティータイムを楽しむ習慣が、二人には出来上がっていた。 余裕を忘れがちな社会だからこそ、一時のお茶の時間は心に余裕を生む魔法のようなものだと、新一は言っていた。だから服部が工藤邸で同居生活に突入してからは、そんな時間が二人の間では築かれていた。 その新一が、お茶の時間になってもリビングに現れず、服部は訝しみ、トレイにマグカップと瀟洒な白い皿に、新一の好きなレモンパイを乗せ、新一の部屋へと足を踏み入れた。 「なんやコレ〜〜」 扉を開いた室内の中。いつもは神経質なくらいキッチリと整理されている床には、バラバラと写真が舞っていた。 「ア〜〜踏むなよ、今整理中なんだ」 床に並べられている写真をアルバムに整理する手を休める事なく、呆れた声を出している服部に、新一は振り返る事なく声を掛ける。 「どないしたんや、コレ?」 「ん〜〜、ホラ、この前歩美達に、コナンからの手紙って、写真加工したろ?そん時色々引っ張りだしたの、整理しようと思ってたんだけどな」 床の上に広がられた幾重もの写真を一枚手にとると、新一は穏やかに笑った。 「整理してたって言うより、見返してたんやないんか?」 適当に場所を確保して、服部は新一の隣に腰を落とす。 床に広がる写真は、確かに新一の過去を綺麗に写していたから、服部は知らず胸が痛んだ。 何も知らずに笑っている、愛しい子供の顔。コナンではなく、其処に写し出されているのは、愛しい人の、無防備な笑顔。工藤新一の過去。紛れのない、偽りのない、愛される子供の姿。 本当なら、こうして写真と向き合う事しかできない筈だった。知らない筈だったその貌を、自分は知っている。違う事なく。けれど、写真の中のような屈託のない笑顔を、彼は、していただろうか? 新一は、半瞬覗かせた服部の貌を見逃す事はなく、言葉もなく、肩を竦めた。 「工藤がお茶の時間忘れるくらい夢中になるのなんて、読書か推理だけかと思うとったで。雨降り出して寒いのに、そないな薄着で風邪ひくやろ、熱中するんやったら、少しは気ぃ配り」 何かに熱中すると、新一は外部と意識が遮断してしまう事がある。これが推理中なら、意識の片隅でも外部との接触点を持っている事はあるが、推理以外となると、新一は決まって意識が内界へと落ち込んでしまう事は珍しくはない。 「ソレ、ココアか?」 自分と服部の間に置かれたトレイ。カップから立ち上ぼる甘い匂いに、新一はその時初めて服部に視線を移した。 「せや、手間かけたんやで」 ホレッと、服部は、新一気に入りのフォンテネーのマグを、差し出してやる。 「買ってきたのか?」 確かココアの買い置きはなかった筈だと、新一は差し出されたカップを受け取り、半瞬思考を巡らせる。 元々新一は珈琲党で、紅茶も自ら淹れて飲む事は滅多にない。ココアなど、最近飲んだ記憶はなかったから、今ココアが淹れられていると言う事は、服部がわざわざ買ってきたのだろう。 「この前な。バンホーテンやで」 「アレ旨いけど、手間掛かるんだよな。正式な淹れ方すると」 一口口に含むと、甘い匂いに、懐かしいナニかが胸を過ぎる感触がする。 「ココアって、懐かしい感触してな」 つい買うてきてしまったんや、服部はそう笑う。 「そうだな、俺もガキの頃、母さんが良く淹れてたな。まぁ俺より母さんが好きで、良く付き合わされたんだけどな」 懐かしい原因はこの甘い香りかと、新一は再び口を付ける。 新一に、お茶の時間は心に必要な薬のようなものだと語ったのは、母の有希子だった。 少女のような面差しをして、今でも無邪気に淡い笑みを見せる母親は、自分が子供の頃、よくココアを淹れては膝の上に乗せ、色々な事を話してくれた。御伽話しや、女優時代の話しや、知り得る様々な優しい話し。時には諭すように、時には甘く。ココアは、子供だった当時を色鮮やかに思い出させる。 偽りの姿ではなく、本当に子供だった過去。懐かしい思い出が、ストンと胸に落ちてくる。母の声。父の言葉。いつだって、偽りなく語られた言の葉達。 子供だからと、誤魔化された事など一度もない。子供に判る言葉で、話してくれた両親。それがどれだけ難しい事なのか、今なら判る。誤魔化す事の方が、楽なのだから。そうして大人は誤魔化す言葉を持っている。そう思えば、両親の強さと、コナンになってしまった自分に、傷付き痛みを孕んだのは自分ではなく優しい父と母なのだろうと、新一は思う。そうして今では、優しい恋人を傷つけ痛ませている。それでも手放す事などできない。狡い事は、百も承知している。 「こんな寒い日は、ココアが暖まる思うたんや、正解やな」 躯だけではなく、不思議と心まで暖かくしてくれるその飲み物を、服部は案外と気に入っているのは、彼自身が母親に淹れて貰った記憶が鮮やかだからなのかもしれない。 「湯気って、なんか倖せ色って感じしねぇ?」 カップを両手で挟んで持つ仕草が、妙に幼い姿を、服部に印象付ける。そのくせに、クスリと漏らす淡い笑みは、深く静かで、大人のものを垣間見せている。 冬は寒い季節なのに、心は暖かいばかりのものを思い出す。温もりが一番暖かく感じられる季節だからこそ、冬は何処か優しい季節に感じられる。誰もが温もりを求めて優しくなるのは、実際寒い季節なのかもしれない。 誰だって、理屈など必要とはせず、知っているのだ。忘れてしまうだけで。 優しい記憶。幼い過去日の温もりが、人との些細な触れ合いが、ひどく優しいものなのだと。温もりは体感ではなく、心の温度、なのだと新一は思う。 「工藤でも、そんな情緒的な事、言うんやな」 そう軽口を叩きながら、服部は静かに笑う。笑いながら、そうやなと、また笑った。 独語に告げられる言葉に、新一の感性や感受性の鋭さに、国語は苦手な筈やのになと、服部は内心コッソリと嘆息を付いた。 「お前ぇ、俺をなんだと思ってんだよ」 懐かしいと思える程度に、服部にもソレは、優しい色彩なのだろうと新一は思う。 どんな子供だったのだろうか?知り得る術はないけれど、知りたいと思う。 「お前は?よく飲んだのかよ」 「アア、お袋によぉ淹れてもらったわ。ホラ俺剣道してるやろ?爺さんに付き合わされて、冬でも朝から素振りさせられて、躯動かすから寒さなんぞ忘れてまうんやけど、そんな俺に、よぉ淹れてくれたな」 母親も、祖父に幼い頃から剣道を叩き込まれてきた人間だ。朝から素振りをすれば、躯は内側から暖められる事など知っている筈だ。それでも、寒いねぇと笑っては、ココアを淹れてくれた。 「こんな写真も、あったんやな」 眼に付いた一枚の写真を眼に止め、服部はソレを手にとった。 「アア、あいつら写真好きでさ、まぁよく撮ったな」 服部の手元を覗き込めば、其処に写っているのは、歩美達との写真。其処には哀も写っている。 てっきり新一は、コナンだった当時の写真など、撮ってはいなかったと思っていた。 写真に撮れば、形が残ってしまう。形に残す危険性を、誰より新一は心得ていた筈だ。 それだけではない。辛いばかりの思い出が、偽りなく真実を突き付けて残ってしまうから、新一は写真など撮らないと思っていたのだ、服部は。けれど実際は違う。床に散らかっている写真は無造作に、過去と現在が混在していた。 「母さんが写真好きでさ、小さい頃はよく撮られたし、つい最近までは、歩美や光彦に付き合わされて、灰原と一緒によく撮られた」 「嬢ちゃんもって言うんが、以外やな」 新一同様、否、それ以上に、哀は写真など嫌いだと思っていた。それさえ勝手な思い込みだったのかもしれないと、服部は写真を眺めた。 写真の中の哀は、確かに彼女特有の、何処か淡々としたものを滲ませてはいるけれど、決して嫌がってはいない事が判る。判る程度には、服部も哀の事を心得ている。そう言う事なのかしれない。 「写真嫌いだと思ったか?」 コトンと、甘える仕草をして、新一が服部の肩に凭れた。眼差しは、服部の手元の写真に伸びている。 「堪忍な…」 勝手な思い込みで、感傷的になっていた。知らず新一の疵ばかりに焦点を絞っていたのかもしれない。 彼の本当の痛みさえ、理解できはしないのに。今だって、こうして慰められてしまうのに。 「お前やっぱ、癖になっちまったんじゃねぇ?」 穏やかな声が、心地好く服部の耳を打って行く。 「アルバム、整理しようと思ったんだよ」 「一枚くれへん?」 「やらねぇ」 「工藤〜〜」 「何に使うんだよ」 「……あんなぁ〜〜遠距離恋愛中やないんやで。何に使うもないやろ」 「……サイテーだなお前ぇ〜〜それって裏返せば、遠距離ん時は、疚しい事に使うって事かよ」 軽口を叩き、それでも新一の声音は穏やかなものばかりを滲ませている。 「健全な証拠やん」 肩にかかる重さと温もりが心地好い。 実際今更気付いたのだ。恋人の写真一枚も持ってはいないのだと。 本当に、今更だった。持っているものと言えば、出会う以前の完璧を望まれ、完璧を演じていた、名探偵の表情をしている新一のスクラップ写真。コナンだった当時の彼より、偽りを写した写真。そんなものばかりだ。だから今はソレは実家に置いてきた。それが確かに新一のもう一つの姿だとしても、服部にはもう必要のないものだ。 「お前のは?実家か?」 「アア、欲しいん?」 「見てみたいな、悪ガキだったお前」 子供だった頃の服部。きっと悪ガキの顔をして、泥だらけの顔で、満面の笑みをしているのだろう写真。 なんとなく、想像できてしまう処が可笑しいと思う。 「コレもらうわ」 悪ガキはないやろ、そう笑うと、服部は一枚の写真を手にとった。 「…なんでだ?」 「忘れたないんや」 「服部……」 「俺は、忘れたないんや」 「お前、バカだな…本当……」 新一は、泣き笑いの表情を見せる。 「ソレ、工藤の口癖やん?」 サラリと、首筋に触れる柔らかい髪を梳く。そうすれば、擽ったそうに新一は肩を竦めた。けれど、咎める言葉は口を付かない。 「工藤は確かにコナンで、コナンだった工藤を笑顔にさせられる子供達の事も、忘れたないんや…」 偽りのない笑顔だと判る。誰かに撮ってもらったのだろう、夏の日差しの中、全員集合しているチビッコ探偵団の子供達。中央に在る新一と、哀と、幼い子供達の姿。 「感謝してるなんて言うんは、傲慢やけどな…」 けれど、それは服部の吐露でもあった。 強い子供達。優しく魂の綺麗な子供達なのだと。だから新一は、笑顔を忘れずにいてくれたのかもしれない。下らない感傷だとは、百も承知している。けれど、服部は、そう思えた。でなければ、新一は笑顔をしてはいないだろう、彼等と共に。 「お前、バカが付くくらい、優しい奴だな」 自分を取り巻く環境全部を、きっと服部は大切にしてくれているのだろうと痛感する。 自分は此処まで、服部を大切にしているだろうか?考えると、とてもイエスとは応えられない。 「俺、特してるやん。工藤には、辛いばっかやけど」 「お前なんて、何一つ特してないだろ。俺気遣って、心配して」 言葉が詰まる。大切にされている。そんな言葉では補いきれない放射される想いの深さは、決して言葉には出来ない。できないからこそ、痛感してしまう。 「それは俺の勝手やろ?大切にしたいからするんやから。蘭ちゃんや両親しか知らない工藤の幼い時の顔、見る事できたやん?」 「バカだな、お前…」 「バカ言わんといてや」 言い過ぎやでお前、そう笑う服部に、新一は未だ手にしていたカップをトレイに戻すと、それをどけ、長く細い腕を差し出し、瀟洒な指で、精悍な造作を包んだ。 ジィッと凝視してくる眼差しの深さに、服部は言葉が継げなくなる。 「お前が一番辛いよ。俺じゃない。お前が在たから、江戸川コナンは崩れなかった。前に言ったろ、記憶しとけ。お前は気付いて、言ってくれた。俺の名前」 見つけ出してほしかった、ダレかに。自分は此処に在るのだと。仮初の姿をして、叫んでいた。ダレかの背に真実を語りながら、自分の真実一つ語れない血を吐く想いを。 「工藤は工藤でしかないやろ」 「それが何より一番難しい真実だって、お前判ってるか?」 事も無げに告げる服部は、けれどその意味を判っているたろうか? 「俺に判っとる真実なんて、一個だけや。工藤は工藤でしかない。そんだけや。難しくもなんもないんや」 触れてくる温もりに、抱き締めたい衝動が胸を突き上げてくる。激情ではない、優しい感情が、自分でも不思議だった。 思い返せば、それで視野を狭くされた事はなかったように思う。 会いたかったのだ。自分の前で鮮やかな推理をし、忽然と姿を消してしまった稀代の名探偵に。 心底会いたくて、探し出したくて。何故あんなに会いたかったのか、今なら判る。 そうして探し出した人物は幼い子供の姿になっていて、けれど自分は間違う事もなく、工藤新一を探し出した。 今なら、不思議なのかもしれない。この稀代の名探偵と出会う事などなかったら、大人が子供に還る事など思いも付かないし、話されても信用などしなかった。工藤新一でなければ、到底信用などできなかった事実。 「江戸川コナンは工藤新一で、工藤新一は江戸川コナンだった、そんだけや。せやからな、コナンだった工藤の写真、ほしいんや」 もう居ない子供。確かに、幼い姿をした彼しか知らない人間にとっては、それさえ真実。たとえどれだけ新一にとっては仮初の姿だとしても。それでも、与えられた環境は、優しいばかりのものだった筈だ。例え死と隣会わせにあったとしても。だからこそ、コナンだった新一は、優しい人達を傷つけないように、更に苦悩を深め、胸を傷ませてきたのだから。 きっと自分は、倖せなのだろうと服部は痛感している。 幼い子供に無償の愛情を惜しげなく注いできたこの恋人の幼馴染みや、チビッコ探偵の子供達のように、自分はそのどちらも失う事がなかったのだから。工藤新一と言う存在と、その仮初の姿と、どちらも失う事なはなかったのだから。祈る相手を失った彼等より、自分は幸運に恵まれている。その幸運を、誰に感謝したらいいだろうか?時折そんな感傷が胸を過ぎる事を、新一は知っているだろうか?神の存在など、信じてはいないのに、時折祈りたくなる。 ナニかに対して、ダレかに対して。 「欲のねぇ奴」 スルリと、ねだる仕草が服部を凝視する。反面、軽口を叩く声と眼差しは相反し、深い眼差しは服部の眼球の中心を射ぬいて行く。 逸らす事を許さない眼差しの深さは、推理時の双眸と同じものを宿している。一瞬の痛感すら、眼球を射る双瞳の怜悧さ。覗き込めば、色素の薄い眼差しは、蒼を浮かせて瞬いている。 「もっといいもの、やるよ」 「コレは、くれへんの?」 「んなに欲しいならやるよ」 仕方ない奴、そう言うと、新一はスルリと身を離す。まるでネコ科の小動物の仕草だと、服部は思う。 「なぁ服部、今夜の夕飯な」 もう随分冷めてしまったココアを一口口に含み、新一は思い付いたように口を開いた。細い指は、小さいフォークを握り、レモンパイを切り分けている。 「鍋にしよか?黒羽も嬢ちゃんも呼んで」 「……お前、案外根ぇ深いな…」 「魚料理のフルコース、食わしたらんと」 シレッと言う服部に、新一は肩を竦め、呆れて見せる。 服部と快斗は、悪友とでもいうような形で、存在している。それが新一には不思議だった。 「ダレかの所為で、あいつに魚料理の刑、しそこねたんやからな」 「仕方ないだろ、あいつ本気で魚ダメなんだから」 「やっぱ懐かれたのは、工藤やな」 甘すぎると、服部は言う。 新一のリクエストで魚料理を作りつつ、新一の助け舟によって、服部は快斗にのみ、別料理さえ作る羽目に陥ったのは、つい先日の事だ。 「拾ってきたのはお前ぇだ」 最初、傷を負った怪盗キッドの快斗を拾ってきたのは服部だった。以来、何かと二人に関わって、今ではぬきさしならない関係にまで陥っている気がした。 「だから拾い主の責任で、世話しろよ」 「……魚抜きの鍋ってどないんや…」 鍋なら多少なりとも魚は入る。魚が全般ダメな快斗には、カニさえ禁物だった。 「食い道楽の大阪人の、そこが腕の見せ所だろ」 「ほかのにせぇへん?鍋とりやめて」 「嫌だね、寒いし、こんな夜は鍋だろ、当然」 「……湯気が倖せ色って、湯気全般かい」 甘いココアだけではなく、確かにソレは、魔法のように、心を暖かくはするけれど。 「アアそういやぁ、灰原は、カニ好きだぜ」 「……鍋二つ用意しろって事か?そりゃ……」 それ以前に、鍋が存在していただろうかと、服部はキッチンの収納棚の中身を思い出す。 「…鍋、買いに行こか」 「パス」 「工藤〜〜お前理不尽やで」 「寒いし、風邪ひきたくねぇし」 「そのクソ寒い中、深夜の散歩に出たんは誰やった?」 まして空中散歩を敢行した無鉄砲さ。 「俺だよ、そういう気分だったんだから、いいじゃねぇかよ」 まったく悪びれた様子のない新一に、服部は大仰に溜め息を吐いて見せる。 「ほんま、俺も大概人のええ恋人やで」 「誠実なのが、売りなんだろ」 「天性の人タラシやな、工藤は」 「釣り合い取れて、いいんじゃねぇ?ナンパで悪党のお前と」 「……」 随分な台詞だと、服部はガクリと肩を落とす。 いつから新一は、こんな台詞をサラリと言えるようになってしまったのかと思えば、愛されている証拠なのだと言う想いが湧くから、服部は所詮新一には適わないのだ。 「帰ってきたら、今度は俺がココア淹れてやるよ」 そうしてタチの悪さを発揮するのかと思えば、それが新一の無意識からの言動だから、尚始末に悪いと、服部は思う。無自覚だからこそタチが悪いし、始末に終えない。 「なんや一生工藤には適わな気ぃしてくるわ」 笑うと、服部は冷めてしまってココアを飲み干した。 「今夜は、鍋パーティーやな」 魚のたっぷり入った鍋と、稀代の名探偵が大切にしている、稀代の怪盗の為に、魚の入らない鍋を二つを用意して。 寒い夜。大切な人達と語らう事は、きっと心を満たしてくれるだろうから。 |