闇の中に燃える焔 焼け焦げていく強烈な臭い 赤々と燃え盛る炎の中。消えて逝った父親の姿。 人一人喪う事は、とても簡単な事なのだと、 幼心に強烈に焼き付いて離れない炎の光景。 何故? どうして? 繰り返しても、得られぬ答え。 何故、どうして、父親が失わなければならなかったのか? 父親がどう生きてきたのか? どう生き、何を思い、願い、祈り 最期のその瞬間 その最涯には、何が視えたのか? 何を視たのか? 怪盗と言う道筋を選んだのか? どう生きて死んだのか? 怪盗と言う路に、何を求めていたのか? 今も判らない。 覚えている事は、とてもマジックが巧かった事と、嘘を付く 事が巧かった事。 そして自分はとても愛されていた事。 判っている事と言えば、 それだけだ。 死んだ理由 生きてきた意味 父親がどう生きてきたのか? 生きてきた涯に辿った道筋を知らなければ、 きっと何一つ自分は始まらないし、終わりにできない。 終わらせる為に。 そして始まる為に。 解体と再生と構築の過程を辿るように 血に濡れた白い翼を身に纏う。
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