■寒い夜(旭の見る夢)
「おやすみ、あさひ」
「うん、おやすみ、スガ」
(中略)
手足を包むスガの体のあたたかさが気持ちいい。離して欲しくない。できれば。
(離すは本来は放す、かなと思うのですが、解放ではなく別離感を出したくてこちらの離すに)
しかしそんなことはできない。スガが眠りに落ちた頃を見計らって、離れよう、と、思う。
(中略)
大事な客を寝かせなかったばかりか、寝床を半分占領したりして。体温を、一方的に分けてもらったりして。
(いつかなにかの機会に、ちゃんと埋め合わせしないとな…)
(って書いとけばのちの話のネタがひとつできるなと思いました(´▽`)
(中略)
ぴたりと、スガの体に寄り添い、くっつく。旭は、静かに、目を閉じた。
………
『あさひ』
(夢と現実の境目ははっきりわからないとだめだよなあと、”…”を入れて、あとカギカッコを「」から、『』にして
みたのですが、わかっていただけましたでしょうか…?(´▽`;
そろり、スガの手足が伸びてくる。
(中略)
言い訳しながら慌てて振り返り見たスガの顔は、しかしまったく怒っているふうではなく。
静かに、両の目をはっきりと開け、じっと旭を、覗きこんでいる。
『スガ…?』
スガはかすかなため息をつき、する、と、脚をまた旭の上にのせた。
(する、で、すべすべなめらか感が出てればいいなあ(´▽`;
『あっ、スガ、あの、足はもう、あったまったから、大丈夫だよ』
スガはなにも言わずに、旭の裸の胸に柔らかい手のひらをするすると這わせてくる。
(柔らかい手のひら、で、女性的な感じをほのめかすことが出来ていたらいいなあ(´▽`;
(は!?ハダカ!?え、どうして?え、俺、スガに服ぬがされた!?え!?)
わけがわからない。スガが旭の肩をしっかと掴み、体を起こす。旭の裸の腹の上に馬乗りになる。
(いわゆる騎乗位的な)
(えっ)
目の前のスガはなにも着ていなくて。その上、胸が丸くて大きくて。
(えっ、スガ、女だったの?)
(書いてて、そんなわけあるか!と自分でも思ったのですが、けどなんか、一度はスガが女性だという可能性を
ちょっと考える旭、というのがしっくりきたので…(´▽`;
驚いて、ごくりと息を飲む。スガが小さく身じろぐ。ふたつの白くて丸くて大きなものが揺れる。
(いや、そんなこと、あるわけない)
(何度も着替えだって見てるし)
(風呂だって一緒に入ったことあるし)
そのときは、こんなの、くっついてなかった。これはいったい、どういうことなんだろう。
混乱する。混乱しているのに、けれどスガは待ってくれない。
『あさひ』
名を呼びながら頬に手をあて、ぐっと、体を寄せてくる。
(わー!!!!!!!!)
(むね!!!むねだめだろ!!!!!!!)
(これけっこう上手く書けたんじゃないかなと思ってる(´▽`)
『あの、ちょ、落ち着こう!落ち着こうスガ!』
『いきなりこんなのよくない!!!』
(いきなりじゃなければいいんだ…(´▽`;
スガが少し首を傾げた。なにか考えているふうだ。しかしすぐにまた体を、胸を、近づけてくる。
旭はそれを制止したいのだが。
(けど、触れるわけがないだろう!!!!!!!)
目の前にあるスガの体のパーツでいちばん大きく、いちばん近づいてきて欲しくない、ところ。
ここだけは絶対に、触ってしまうわけにはいかない。
(触れてるパターンも書いてましたが、話の全体的な雰囲気を考えたとき、いやらしさの許容範囲を超える感じ
だったので触らせないことに)
仕方がないここなら、ここを掴んで腹の上から引き摺りおろそう、と、両手を伸ばして掴んだ腰は。
(わー!!!!!)
もう、あと少しで、掴んだ旭の右の指先と左の指先が触れてしまうんじゃないかと思うくらい、細くて。
折れそうなくらい、細くて。
(うわー!!!!!!!!!!!)
(わーうわーしか言わない旭も旭らしく書けたかなと思ってる(´▽`)
びっくりして旭は、思わず手を離す。怖い。抵抗したら、ケガをさせてしまいそうで怖い。死んでしまうんじゃ
ないかと、怖い。動けない。
『だめ!!だめだってスガ!!こういうことはもっとよく話し合ってから!!!!!!!』
(話し合ったらいいんだ…(´▽`;
必死にわめくのに、ぜんぜん聞いてもらえない。せめてその裸の体をもうこれ以上見てしまわぬように、固く
目を、閉じるのに。
しかし裸の胸の上にたぷんとのしかかる柔らかであたたかな重さや、腿を割って入ってくる脚の滑らかさや、
するりと巻きついて頬や首に触れるすべすべした二の腕の感触が、もう。もうとても。
(足の間に入られちゃうとかホント…(´▽`;
あ、あと、旭は女性を知らないという設定で書いてます。
胸の描写が少々生々しい(本物を知ってるみたいな感じになってる)かなと思いましたが、過去、(それを
ひとりでやったか友達とやったかはちょっとまだ考えてないけど(苦笑))、風船とかビニール袋にぬるま湯を
入れて、こんなんかな…と、妄想したことはあって、それで…、みたいな感じでお願いしたく…(´▽`;
生々しくて。
(うわー!!!うわー!!!!!)
(もう離してえ、スガー!!!)
(いろいろ試行錯誤しましたが、このセリフが出てきた瞬間、(うちの旭を)掴んだ!と、思いましたね(笑))
(じゃないと、じゃないと、俺…!)
(イっちゃう、です)
と、泣きそうになったところで、旭は目を覚ました。
(泣くなよ(´▽`;
(旭の夢はほんといろいろ迷って、あれこれ書いたし、もっとこう、いかにも淫夢みたいな感じな方向にいったり
したりとかしてたんですけど、結局ヘタレになりました…(苦笑))
■寒い夜(スガの見る夢)
「おやすみ、あさひ」
「うん、おやすみ、スガ」
体のあちこちが旭に触れているのが嬉しい。自分の体温を旭が喜んでくれているのが嬉しい。
幸せだ。
眠ろう、このまま。眠りたい、このままで。
肌と肌とをあわせて毛足長めのタオルケットの中にいるんだからもう旭の手足はだいぶあたたかい。
けれど離したくない。
だから、そろそろもういいよ、と言われてしまう前に、さっさと意識を、失ってしまおう。
(眠いので旭編の旭と違ってすぐ寝るスガさん(笑))
………
目が覚めたので、布団からむっくりと体を起こした。
しかし旭の部屋ではない。
周囲はぼんやりと白く、なにもない。
隣りを見ると、旭が、はだかの腰に白い布を巻きつけただけの赤んぼになっている。
(ここは、団子にしたロン毛とヒゲが今の旭と同じだから旭が赤ちゃんになった、と判断したというよりも、自分の
隣りに寝ていたから、という理由で旭だとスガは判断してる感じで)
(あ、夢だ、これ)
(…)
(それにしても…)
隣りの旭をしげしげと眺める。夢の中の赤んぼ旭は、顔も体も赤んぼらしくぷくぷくころころと丸く小さくなって
いるものの、しかし団子状にまとめたロン毛とちょぼちょぼと生やした顎ヒゲはそのままで。
(気持ちわるいな!)
(ひどい!(;▽;)
笑ってしまう。この旭を作り出したのは自分で旭はなにも悪くないのだとわかっていても、止められない。
『あ、』
バカにしたことが伝わったのか、赤んぼ旭がひんひんとぐずりだした。
(ははは、ごめんごめん、俺が悪かったよ)
以前、親戚の子どもを抱かせてもらったことがある。そのときのことを思い出しながら、旭の首の後ろとお尻を
しっかりと手で支え、よいしょと抱きかかえた。
(抱かせてもらったことがある、という捏造設定。
赤ちゃんは生後数ヶ月のまだ寝返りうてないようなころの子どもを想定しています)
『よしよし』
『あさひ、泣かないで』
胸にもたれさせ、優しく背中をたたいてやりながら、立ちあがる。
自分の体を小刻みに上下に揺らして、あやす。旭は泣きやみ、おとなしくスガにしがみついた。
(もしかしたらしがみついたりはしないものなのかもしれないけど、(してるの見たことないし)、しがみついた
ほうがかわいいし、それにこれ夢だからいいだろと思って(苦笑))
(ふふ、かーわいい)
手の中の小さくてあたたかくて柔らかい体が愛しい。なんだかとても嬉しくなって、足どり軽く歩きまわる。
『あさひ』
『今どき、布のおむつしてるなんて珍しいねえ』
(かつておむつが布製だった時代もあるって今の若い人は知ってるかな…、不安…!!!(゜▽゜;
旭は、祖母からとても可愛がられていたのだと聞いたことがある。このレトロなおむつは、そこからの連想
だろうか。
『なんだろうね、これ。ガーゼ?』
腕にやんわり、さらさらとあたる、この感触。
『いや、それよりはもうちょっとしっかりしてるかな…?けどこれ、すごく気持ちいい』
(なんかとにかく、すごく肌触りの気持ちいい布、という設定だけで、とくにこれとは決めてないです)
むにゅむにゅと、旭がなにか言う。顔は見えないが、きっと笑ったんだろうとスガは思う。
『ふふ、旭も気持ちいいって、思ってるんだ』
まるでそれを肯定するように、旭が頭をスガの頬に寄せる。スガも、旭の頭に優しく頬ずりした。
(頭を寄せたりとかそこまで動けないかもしれないけど夢だからいいんだ(笑))
(中略)
旭のおむつがびちょびちょだ。
スガが着ているシャツも、ぺったりと胸に貼りつき、肌が透けて見えるほど濡れている。
(ああ、いっぱい出したねえ)
(だからといってスガさんが胸で旭のあそこを擦って旭がそれで出しちゃってスガさんのシャツが濡れてしまった
とかそういうわけではないです。これはたまたま(´▽`;
スガは苦笑して、旭の頬を撫でた。こんなに濡れてしまっては気持ち悪いだろうに、旭は目を閉じたまま
うんともすんとも言わない。
(いや、たぶん起きるんじゃないかなーと思うけど夢なので(苦笑))
抱いて、歩いているうちに、いつの間にかすっかり眠りこんでしまったのだろうか。時折、気持ちよさそうに
むにゅむにゅと口を動かすだけだ。
(中略)
足元に、目を落とす。
(そうだ、シーツ)
(これ、裂けないかな)
けれど使い古した布ならともかく、これはまだ、ほとんど、真新しいと言っていい。
(布を裂いてどうこうってフィクションてわりとあるけど、けどあれってそんなカンタンに出来ないよね?(´▽`;
(うー)
(けど、)
(やるか!夢だし、そこは都合よくどうにかなるかも!)
スガはてきぱきと濡れたおむつを外し、シャツを脱ぎ、シャツの濡れていないところで旭の体をぬぐった。
タオルケットをぱたぱたと四つ折りにしてその上に寝かせ、余った部分を折り曲げ旭の腹の上にかける。
(これでよし)
(待ってて、旭!)
と、鼻息荒く立ちあがったところで、スガは目を覚ました。
(スガさんのこの夢を書きたかったのは、ごくごく単純に、私の親戚に子どもが生まれて、抱いたら小さくて
あったかくてかわいくて、
けど私が抱くよりスガさんが抱くほうがぜったい絵になる萌える…!!!!!!(;▽;)
と思ったからなんですが、
しかし書いていて、スガさんて思いのほか(旭に対して)母親願望あるのかなと思いました。なんかすごい
うきうきしてるし、夢の中の赤んぼ旭が自分にすべてを委ねてくれてるのが嬉しくて仕方ないみたいだし。
書いてて、うちのスガさんの知らなかった一面を知ることができました。
それにしても、ああこのちっちゃい赤ちゃんをスガさんが抱いてたら…(´▽`) と思った赤ちゃんが今はもう
掴まり立ちをするという事実に愕然とするわ… 書き終わるまでずいぶん時間かかったなあ…(´▽`;
(旭の夢は旭のあわあわした慌てっぷりとか、襲われてラッキーどころかむしろ怖いよー!(;△;) 、な感じ
とかを。
スガさんの夢は、赤ちゃんかわいいかわいいするスガさんがむしろかわいいよ!(´▽`) 、な感じが出れば
いいなあと思って書きました。出てればいいなあ…(苦笑))
■寒い夜(目覚め)
旭の目蓋。ぎゅうと閉じられていたそれがバネ仕掛けの勢いでぱんと跳ねあがる。丸く大きく、目が開かれる。
天井、自分の部屋の。見える、もう明るい。
(とにかく、ぱっ!と目を開けた感じにしたかったんですけど、けど、バネ仕掛け、って万人がピンとくるような
言い回しかな〜??と迷いましたが使いました(苦笑)
とにかく出だしの一文が決まらなくて決まらなくてすごくたいへんだった思い出…(;▽;)
あと、自分の部屋の天井が見える、とかいうふうにしなかったのは、旭に見えたものや周囲の状況をどういう
順番で認識していったのか示しておきたかったからです)
(中略)
旭は、よいしょ、と、体の向きを横に変えた。着ているものが汗で湿って、少し気持ちが悪い。こめかみに貼り
ついた髪を、指でつまんで剥がした。
(そんなほいほい誰にでも聞けることじゃないので想像で書いてますけど、夢精したあとって実はすぐに気づく
くらいパンツがべっちょべちょになるんだったらどうしよう(゜▽゜; ここでは、ちょっとじめっとする程度、としてる
けど…(苦笑))
(……)
目の前に、スガの顔。目蓋はぴたりと閉じていて、僅かにひらいた口からは、すうすう寝息が漏れている。
昨夜、旭の手足を抱いていたときと同じ格好で、横たわっている。
(旭の手足を抱いてないんだから厳密には同じじゃないけどうまい言い回しが思い浮かばなかった…!(;▽;)
抱えてたときと同じ、旭のほう見て横向きで、腕は胸元に折り曲げて寝てるってことです(´▽`;
今ちょうど、ふたりは向かい合う形。
(…ご、ごめんなスガ)
(あんな夢、勝手に見ちゃって)
(旭菅SS、『外圧』で、スガ似の女性の裸を見てしまっているから、というのも一応設定としては私の中に
あるんですが、この続きもの単独で読んでもわかるようにしたかったのでそこらへんのことはあえて旭には
考えさせてません)
気まずい。とても気まずい。頬が火照る。どうしてあんな夢を見てしまったんだろう。たしかに、昨夜、互いの
手足と手足が触れあう感触は、しっとりとあたたかくて、とても気持ちがよかったけれども。
(けど、それはあのとき寒かったからで)
(だからあったかいの、気持ちよくて、だからくっつきたいと、思った、だけで)
おかしな下心なんて、絶対にない。
(あってもいいんだけど、私の中の旭がないって言い切っちゃったので…(´▽`;
(中略)
忘却を困難にする、夢とそっくり、同じ顔。
(スガ、ヒゲ生えないからなー)
(ひと晩経っても、つるんと、きれいなままで…)
(11巻33ページ、西谷に起こされてるスガさんがヒゲ生えてなかったのでそれに準じました)
どこかはっきり、決定的に、夢のあれとは違うのだと、感じられさえすれば。
たしかな現実で、夢の記憶を上書きして、しまえれば。
(……)
スガはじっと動かずに眠っていて、目を覚ます気配はない。
旭は、タオルケットの中、そっと手探りで、スガの腕に、触れた。
(わ、)
夢と寸分違わない、すべすべした感触。旭は動揺する。
(どうしよう、同じだ。どうしよう)
単純に、スガの肌がもともとすべすべだった、現実が夢と同じなのではなく、夢が現実と同じだったというだけ
なのだが、落ち着きを失った旭は気づかない。
(うーん、やっぱり、なんかここだけ突然、神視点入ってる感じがするなあ…
それはわかってたんですけど、他にうまい言い回しが思いつかなくて… 壊滅的な違和感というほどではないと
思うんですけど、もう少しがんばるべきだったかも…(;▽;)
(中略)
心の底から安堵して、伸ばしていた手をひっこめようとした、そのとき。
ぱち。
スガの目が、ひらいた。
(ひらいた、も、あいた、も、漢字だとどっちも、開いた、なんだよね(´▽`;
だから、ここはひらいたって読んで欲しいなってところはひらがなにしました(苦笑))
「あ、あさひ」
スガの丸い目に、晴れやかな笑顔の旭が映っている。その丸い目が、嬉しそうに細められる。
(安心しきってるところにふいうちで、という感じを出したくて、笑顔に、晴れやかな、を、プラスしてます。
これから盛大に曇るよと(笑))
「ふふ、大きくなった」
愛しそうに、楽しそうに、笑う。しかしふいに、スガの顔から、笑みが消えた。
(中略)
びくびくおどおど、上目遣いで様子を窺ってくる旭に、スガは小さく、苦笑して。
「大丈夫だよ、太ってないよ」
ほらね、と、旭の手の上に自分の手を重ね、
「わかった?」
と、優しく笑った。
(ここも、以前書いた旭菅SSの、『ストレッチ』と繋がってるというか、繋げようと思ってあっちを先に書いてアップ
したんですけど、結局そういう感じにはしなかったなあ…(´▽`;
(最初は、スガさんが、『もう、ちゃんとダイエットして痩せたの、旭も知ってるでしょ!?』とかなんとか、ちょっと
キレる予定だった(苦笑)))
「う、うん、わかった!」
「よかった」
こくこくと頷く旭の手を取り、脇腹の上から、そっとおろす。
「心配してくれたんだ、ありがと」
「あ、いや、」
「けど、こういうことは起きてるときにやれよなー。びっくりするじゃん」
(これこれこういう夢を見たから確認のために触らせて、と言ったら触らせてくれるスガさん)
(まあたぶん旭限定だけどね(苦笑))
「あ、うん、ごめん」
「はは、いいよ、怒ってないよ」
スガの顔に、すっかり笑顔が戻っている。明るいその表情に、旭は、うまく誤魔化せてよかった、と、心の中で
ほっと、胸を撫でおろした。
そういえば、と、旭は思い出す。スガが目を覚ましたとき、なにか言って、いたような。
「ね、スガ」
「ん?」
「さっき、なにか言ってたよね?大きくなった?だっけ?」
「ああ」
「俺もね、旭の夢を見て…」
と、くすくす、スガが思い出し笑い。旭は、いいなあ、きっと、楽しい夢だったんだ、と、羨ましくなる。
あんな、誰にも言えないような夢ではなかったのだろうな、と。
スガが言ったように、それこそ、大きくなって、困ってしまうような、夢ではなかったのだろうな、と。
(この次の回で出てくる、あれは怖い夢だった、という旭のモノローグとちょっと矛盾してるようですが、自分の
意思に反して大きくなって、そのうえしたくないのに合体までしちゃうのでは、という状況が恐怖なのだという
ことでよろしくお願いします…(´▽`;
「…!」
旭の顔から、すうっと血の気が引いた。
湿り気を帯びている。じめり、と。下着の、前が。
(あ!わからないといえば、ニオイな!ニオイはどうなんだろう?タオルケットかぶってるからもれないかな?
わからないかな?と思ってるんですが、あの液体って実はすごく臭ったりするのだろうか…(´▽`;
あと、朝だちとかも聞きますけど、それもよくわかんないので(もしかしたらスガさんもなんか前が窮屈だったり
してたのかもしれないけど(苦笑))、もう一切ふれてません…(;▽;)
「笑っちゃってごめん、あのね、夢の中で、旭は、」
「スガごめん、ちょっと」
「え、?」
じたばたともがくように後ずさり、旭がタオルケットから飛び出す。素早く立ちあがり、気持ち前かがみになって
部屋の外に走り出る。
「あ、あさ」
何事かと、スガも慌てて体を起こすが、なにも言えず、ただ見送ることしかできなかった。
「…?」
ひどく狼狽した様子を思い出し、しばし考え。
「…あっ!」
■寒い夜(上と下)
「あっ!」
スガも、旭と同じ健康な男子高校生。彼が部屋を飛び出して行った理由は、すぐに察しがついた。途端、つい
先ほどのやり取りを思い出し、真っ青になる。
(私、そのものずばりの言葉を使ってないですけど、旭がしたのは夢精だって、皆さまお察しくださってますよ
ね…?(´▽`;
もしわからないという方がいらしたら、『むせい』で辞書ひいてみてください。たぶん載ってます(苦笑))
(中略)
旭は、早朝の静かな家の中をなるべく音を立てないようにしながら急いで階段を駆けおり、昨晩、洗濯物を
干した部屋へまわって素早く乾いた下着を回収すると浴室に走りこみ、片足立ちの上半身を前後や左右に
ぐらぐらとふらつかせながら汚れて貼りつく下着から足を抜き水を出しざぶざぶ、洗い始めた。
(このシリーズ、私は一文を長く書いてしまいがちなので出来るだけ短く、と、意識して書いてますが、ここは
旭が一連の動きをだーっと一気にやった感じを出したくて、あえて長く続けて書いています)
(なんだよー!汗かいてるだけだと思ってたのにー!)
目を覚ましたとき、汗で着ているものはどこもかしこも湿っていたから気がつかなかった。それより、隣りの
スガの様子が気になったということもある。
なにより、あの夢は旭にとって、恐ろしい夢、だったのだ。
(怖い怖い、嫌だ、って思ってるのに、カラダはしっかり反応してるとか…)
(なんだよそれ…、恥ずかしい…)
しかもその相手は、自分の頭の中で女性の体にした、スガだ。旭の顔が、耳まで熱く、真っ赤になる。
(と、いうか)
(大きくなった、って、そういうこと!?)
(じゃ、スガはわかってたの?俺が、そういう状態になってたこと)
(スガは大きくなって困ったりするような夢は見てないんだろうなー、と、そこまで認識してはいたものの、
羞恥心でいったんそれはとんでしまって、股間のことかと思ってしまう旭(苦笑))
スガはタオルケットごとじっと膝を抱えながら自分の思わせぶりな言葉を後悔していた。
(うちのスガさんがこういう失敗しちゃうのは、たぶん私が、
誰にでも的確なアドバイスが出来るスガさんが、旭に対してだけは、あまりうまいことが言えない、(自分の
ヘタレさを気にしてる旭に、どうして凄い一年が入ってきたら旭はヘタレのままでもいいよ的なことをわざわざ
言ってしまうのか(泣笑))、ということに、すごく萌えを感じているから。
特定の誰かにだけうまく出来ないとかそれめっちゃその相手に対して特別感あるやん…!?(´▽`)
(中略)
旭は水でざっと汚れを落とした下着を固く絞り、汚れ物を入れておく籠に放りこむとまた浴室に戻り、今度は、
汚れた局部をシャワーでじゃあじゃあ、洗い流した。
(想像するとすごくマヌケなんですけど旭らしいなあと思って書いてる(´▽`)
(中略)
旭は、もしかしたらスガは自分が気づいていないことを見兼ねて遠まわしに指摘してくれていたのでは、という
可能性について考える。
あのとき、自分たちは、どういうやり取りを交わしたのか。それをきちんと、思い出すことができれば。
(もう少し、はっきりするんじゃ…)
スガの発言の、意図が。
(あ、)
(そういえば、夢がどうとか)
ぱっ、と、頭の中に明るい光がさした気がした。
(そうだ、俺の夢がどうとか言ってた!)
(思い出しました(笑))
話の途中で下着のことに気がついてしまい、最後まで全部、聞けてはいないが。
(中略)
洗面台の鏡にふと映った自分の顔。かなりみっともない状態になっているのに気づく。
髪は乱れ、顎には余分なヒゲが黒くポツポツと。お世辞にも、いい見た目とは言えない。
(これも、11巻33ページで、いつものヒゲの左右に黒くポツポツあったので、それに準じました)
(これはちょっと、まずいよな)
顔がぽっと熱をもって、目がじんわりと潤んでくる。スガは涙ぐみながら、またため息を落とした。
(旭に嫌われるかもと思うと泣いちゃうスガさん…)
(中略)
部屋に置いてきたスガのことは気になるが、この姿で頭をさげるのも失礼だろうと思う。
急いで洗顔と髭剃りをすませ、髪をまとめる。
(順番わかんなかったので調べたら、洗顔→髭剃り(その後ヒゲを剃るのに使ったフォーム等を水で洗い流す)
の順らしいです。理由は、ヒゲ剃ってうっかり皮膚にキズつけちゃったとき、それから洗顔料を使って洗顔すると
イタイ(苦笑)、とか、先に洗顔して顔をキレイにしておけば、髭剃りでキズをつけてもばい菌があんまり入らない
などで、すごく納得したので、ここでもその順番にしています)
(よし、)
顔を左右に振り、おかしなところがないか確めた。
(ちょっと女性的な感じにしたかったんだけど、そうでもないかな…?男性もやるかな…?)
(大丈夫)
旭は脱衣所を出て、階段に足をかけた。
(あ、歯磨きさせなかったけど(自分がうがい程度で歯磨きまではしないものでつい)、させたほうがよかった
かな(´▽`;
■寒い夜(ごめんね)
旭は一段、一段、階段を登る。スガは現実に起こった自分の体の変化をからかったのではない、あれは夢の
中のなにかについての発言なのだと、ほぼ、確信してはいるものの。
(ここから、前回のラストの一文を冒頭に持ってきてリピートすることをやめています。
なんかもたつきを感じたので。(夜は、眠くてまったり幸せ、という感じなので、リピートしてもいい感じにまったり
と時の流れが緩やかな感じ出せてたと思うんですけど、ここからはスピード感あったほうがいいかなと)
(中略)
怒っていたら、きっとそれで許してくれると思う。もし、バカにして笑っていたのなら、そのときは、こっちが怒って
そんなのひどいと、抗議すればいい。
(…けど、俺がスガにそんなこと、)
(できるかな…)
(できないだろうねえ…(´▽`)
もう階段は登りきってしまって、あとはもう、廊下を数歩歩いて、扉を開けるだけ。
(中略)
もしかしたら、旭は下着を汚したのではなく、急に用を足しに行きたくなったのかもしれない。その可能性は
この別の下着で完全に消えた。
(これ、ほんとだったら前の回のどこかに入れられたらよかったんですけど…(苦笑)
あとから思いついてしまい、ここに(´▽`;
はっと顔を硬くしたスガを見て、旭もぎょっと顔をひきつらせる。
(硬い、固いの表記については、力がぎゅっと入っているようなのは固い、で、強ばって静止してるようなのは、
硬い、という感じにしてます。たぶん(´▽`;
(中略)
スガは、顔全体を紅潮させ、伏せた目を右に左に泳がせると、頭をかきながら、とても、言いにくそうに。
「あ、あの、えーと、その、」
「大きくなった、ってのはさ、」
「その、その、あの、生理現象、を、か、からかったわけじゃないんだ、」
「けど紛らわしい言い方だったよねごめん!」
(カギカッコ分けちゃったらぱっと見、会話文みたいに見えますよね?(´▽`;
けどここは途切れ途切れ言った感じ出したくてこうしたかったのです、このあと、スガがつっかえつっかえ、と
入れているので、たぶんすぐスガが全部ひとりで言っているのはわかるのと思うので… スイマセン…(;▽;)
スガがつっかえつっかえ、しかし最後はひと息に。言った言葉に、旭は本当に心の底から、本当にほっとする。
「うん、」
旭は、大きく頷いた。
「わかってるよ。夢を見て、って、言ってたもんね」
聞いたスガの顔が、ぱっと輝く。よかった、旭はちゃんとわかってくれていた。感極まり、床についていた右の
手のひらを強く強く胸に押し当て、ほっと息をつく。
「うん、そう、そうなんだ、」
あれは夢の話で、と、嬉しそうに笑って続けるスガの目から、ぽろりと涙が零れ出た。
「えっ、スガ、どうしたの?」
だいじょうぶ?と、旭が駆け寄り、スガの前に膝をつく。スガは、だいじょうぶ、と、指で涙をぬぐいながら。
「よかった、旭、からかわれたと思って怒ってるんじゃないかと」
旭が、スガと、目の高さを合わせる。
「スガは、そんなことしないよ」
「、あさひ」
スガの濡れた瞳が、旭を見る。目尻がうっすら赤い。しっとりと水気を帯びた泣きぼくろが艶やかだ。そのとき
枕元の目覚まし時計がけたたましく鳴り響いた。
(色っぽい雰囲気になりかけてもならない(笑))
「わっ!」
びくりと体を震わせ、慌ててふたりが時計に手を伸ばす。アラームを止める手と手が重なる。
「あ、ご、ごめん」
「あ、ううん、こっちこそ」
どちらからともなく、ふふ、へへ、と、照れ笑いが零れ落ち、やがて、ははは、くすくす、と、楽しげに、しかし
隣室を気遣いひそやかに、笑いさざめく声に変わる。
「びっくりしたね」
「うん、びっくりした」
(中略)
優しいスガの声。勇気づけられて、旭は、思い切って尋ねた。
「けど、その、怒ってない?」
「なにに?」
「その、同じ布団で一緒に寝てるときにさ、隣りのヤツが、あんなふうになってたら」
スガは、ほんの僅かだけ考える素振りを見せ。
「いいよ、気にしてない、旭だし」
(これ、言わせたらあとがめんどうだなーとは思ったけど、私の中のスガさんが言いたそうだったので言って
もらいました)
と、笑った。
「うん、なら、いい。怒ってなくて、よかったよ」
「うん」
(ここで旭が微妙な反応したら、そのことを処理していい感じのラストまでもっていくのたいへんかなーと思った
けど、微妙な反応がいちばんしっくりきたので諦めました(苦笑))
怒って、ないから、と、スガが控えめに頷く。旭は立ちあがった。
(控えめに、というところで、なんかスガさんがちょっと気落ちしてる感をほのめかしたつもりなのですが、伝わり
ましたでしょうか…?(´▽`;
というか、ああそうだ思い出した!もし微妙な反応の処理がうまくいかなかったら、ここらへんはなかったことに
しようと思ってあえてあまりはっきり、微妙な反応したよ、みたいなことは書かなかったんだった!(゜▽゜;
そうそう、ここはどっちでもいけるようにしてたんだったわー(´▽`; (伝わりましたでしょうかじゃないよ(;▽;)
「じゃ、俺、下で朝ごはんの支度するから。スガはその間に、出かける用意、してて」
目覚めてから、夢や下着のことですっかり動転してあまり感じなかったが、落ち着くと、途端にまだ残る空気の
肌寒さに気がつく。旭は手早くジャージの上下を身につけた。
(そうそうまだ寒いんです…(´▽`; 書き忘れなくてよかった。
あ、旭、汗で湿ったシャツ着てるな!(゜▽゜; 涼しい朝の空気で乾いたってことにしておいてください…(´▽`;
「あ、待って、俺も手伝う」
部屋から出て行こうとする旭の背に声をかけ、スガも立ちあがる。
てきぱきとタオルケットや布団をたたむスガのむき出しの腿。旭は、少し頬が熱っぽくなる。
(ゆうべはなんにも気にしないでタオルケットかけてたのにね!)
「ありがとう、けど、その前に顔洗っておいでよ」
「あ、そうだね」
スガも壁のハンガーからジャージを取って、羽織った。
「じゃ、俺、先に下に、」
扉に手をかける旭を、スガが呼び止める。
「待って、今下もはくから。一緒におりよう」
(ハンガーに、まずジャージのズボンを折ってかけて、それからその上にジャージの上をかけていたので、だから
スガさんは手に取った順番に身に着けていったんだよ、
という設定は一応用意しつつけど上ジャージ下パンツなのは完全に私のシュミでやってるから!(゜▽゜)
「あ、うん」
急いでウエスト部分を引っぱりあげたスガが駆け寄る。旭は、扉を開けた。
(14/07/29)
(14/08/03 加筆) |