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1999年 2月 11日 (木)


 家を17:00前に出発し、東京駅へ。東京駅で、ビール・ジュースと煙草を買って、19:00発の寝台特急あさかぜで小郡に向かう。B寝台の車内で妻の手作りの弁当を食べて、さあ、食後の一服と思ったが、さっき買ったはずの煙草がない。どこで落としたのかわからないが、ないとわかると余計吸いたくなるのが愛煙家の性。沼津駅のたった3分の停車時間を使って自販機で煙草を買い直し、ひと安心。


 寝台列車での旅は、はじめてだが、なんとなくローカルな気分になって旅気分を盛り上げるには絶好のシュチエーション。途中から乗車してきた向かいの席のおばあちゃんと知り合いになり、色々と話しをした。親戚の結婚式で、実家のある岩国まで帰るらしい。「寝台列車が好きで、岩国に行くときはいつもこれを利用しているのよ」と楽しそうに話していた。旅先で知り合った人と、こうして仲良くなるのが、列車の旅の醍醐味でではないでしょうか。


 よく、列車の音が眠りを誘うなどというが、基本的に電車の中で寝るのが苦手な私は、なかなか寝付くことができず、寝台車両と喫煙車両を行ったり来たり。ようやく、うとうとし始めたのは、多分、午前3時を回っていた頃だったと思う。


      2月 12日 (金)


 昨晩、なかなか寝付けなかったにもかかわらず、朝、5時過ぎには目が覚めてしまった。寝覚めの一服に喫煙車両に行って戻ってくると、妻も起きていた。妻も列車の音に悩まされ、ほとんど一睡もできなかったようだ。これに対し、さすが、旅なれた向かいの席のおばあちゃんは、よく眠れたようで、7:16に岩国駅に到着すると、笑顔でお世話になりましたと言って先に降りていった。小郡駅には定刻通り、8:53着。お腹が空いたので、駅の外に出てみるが、朝が早いため、まだ、どの店も開いていない。しょうがないので、駅の自販機でハンバーガーを買う。


 JR山口線に乗り換え、津和野へ。車内でさっき買ったハンバーガーを食べ、朝食を済ませる。山口駅を過ぎた頃から雪がちらつきはじめ、三谷駅あたりでは大雪に。西日本なんだから雪の心配なんかないと、勝手に思い込んでいた私に妻は「日本海側なんだからあたり前じゃない。だから大丈夫なのって言ったのに」と追い討ちをかける。無知ほど怖いものはない。


 11:23に津和野駅に着くと、雪はかなり小降りになっていた。まず、殿町通りを散策。殿町通りっていうとTVなどで土塀沿いの堀割に錦鯉が泳ぐ風景がよく紹介されているが、実際歩くとほんの100m位で、正直、これだけって感じ。通り沿いの御茶屋で津和野銘菓の源氏巻きと抹茶を戴く。養老館をちょっとのぞいた後、”ふる里”って店で昼食にうずめめし(ダシ汁で戴く具の多いお茶漬けって感じ)を食べる。


 お腹もいっぱいになったし、雪もようやく止んだので、自転車をレンタルして本格的に津和野散策を開始。まず、この旅の動機ともなった太鼓谷稲成神社へ。赤い鳥居の連なる階段は、たしかにあったのだが、観光地化してしまっていてかなりイメージとは違ったのでちょっとショック。森鴎外記念館を見学した後、2年前に温泉掘削工事の際に湧き上がったという日本一(世界でも第2位)の間欠泉を見に行くが、なんだか工事中とのことで見学できなかった。(3月までは自由見学可と聞いていたのに・・・。)最後にキリスト教禁制時のキリシタンたちの拷問による殉教という不遇の歴史を残す乙女峠マリア聖堂を訪れる。


 自転車を返し、ホテルへの帰りに財間酒場で地酒を買う。山陰の小京都と聞いて、かなり期待してやってきたが、ちょっと期待外れ。ただ、古い城下町としての風景は、それなりに心に残り、楽しめた。

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