札幌から帯広方面の特急がすべて石勝線経由になったこともあり、ここを起点とする列車自体が少なくなってしまった。 そして旭川方面は、ここ滝川を境に普通列車の本数が極端に減ってしまう。特急は30分に1本走っているが、18きっぷ なので、そうおいそれと乗るわけにはいかない。つまり先の2方面は、普通列車の発車時刻が数時間後となってしまう。 そうなると必然的に札幌へ戻る選択肢しか残らない。滝川駅は自動改札化されているが、それ以外は古いタイプの いかにも「国鉄の駅」という感じがする。 跨線橋を渡りホームで電車待ちしていると、これから乗車する岩見沢行きの普通列車が入線してきた。そこへやって きたのはまさしく711系!1967(昭和42)年北海道初の国鉄電車、そして国鉄初の交流電車として登場した。今でこそ 交流電車は東北・九州でよく見られるが、20年ほど前までは711系とこれを元に登場した781系(特急形)しかなかった。 小学生の頃「国鉄電車大百科」なる本を見て、以来鉄道少年の憧れの存在となっていた。それが20数年経ってようやく 実物にお目にかかったわけだ。 プレハブ造りの仮駅舎ながら立派に自動改札が鎮座している。札幌近郊は思ったより自動改札化が進んでいる ようだ。ここからの普通列車の接続は少し悪い。もともと滝川〜岩見沢間の普通列車が少ないうえ、特急との接続を 第一にしているようだ。しかしそれ以上に鉄道の利用者が少ないのだろう。25分待って、ようやく札幌行きの普通列車 に乗り込んだ。さらに40分かかって札幌に戻ってきた。時計は12時になろうとしていた。 などの最混雑期でなければ、当日でもビジネスホテルなら必ず取れることがわかっている。こういうときに必ず世話に なっている(昔でいう)旅行センター、JR北海道の場合「ツインクルプラザ」に入って宿泊を申し込んでみた。すると 札幌駅前のワシントンホテルが空いているという。朝食は付かないが、7000円台なら妥当なところか。しかし何よりも 横になって寝られればどこでも、という気持ちが強い。そう、この時点で54時間あまり横になっていないのだ。早々に 手続きを済まして駅前に出た。 さてこんどこそ腹ごしらえといきたい。せっかくの北海道だからおいしいものをたらふく食べてみたい。しかしあまり 胃が大きいほうではないので、昼からビールとジンギスカンというわけにはいかない。そうなると札幌ということで ラーメンに結びつく。正直なところどこの店でもいいのだが、何せ初めての場所なので、ガイドブックを頼りに探すしか ない。札幌駅から南へ10分ほど歩いたところにその店はあった。「味の時計台駅前店」有名人が来店した写真が店の 外に貼られている、いかにも有名店というのがわかる。そういう店は正直言ってあまり好きではないのだが、とにかく 腹が減っていたので、混雑を覚悟で入ってみる。中に入るとカウンター席があって一人でも入りやすい。こういうのが 一人旅には不可欠である。「ねぎチャーシュー」を注文し、混雑しているせいか20分ほどかかって目の前に運ばれて きた。味はなかなかいい。こういっては難だが、さすがただの有名店ではなさそうだ。 店を出て散歩がてら時計台の前に行ってみる。日曜日かつ夏休み最後の日(北海道ではとっくに終わっているが) ということもあるのか、少し人が多い。道路を挟んだビルの前では小学生が時計台の写生をしている。 いる。色とりどりの花が公園の中心を示すかのように咲き誇っている。大通公園といえば雪祭りで有名だが、短い夏の 大通公園もなかなかオツなものだ。 東西線に乗ってみることにした。長い間営団東西線の沿線住民だったので、「東西線」という名前に小さい頃から 親しみを感じていた。東西線はゴムタイヤで走る案内軌条鉄道である。今でこそ珍しくもないが、20年ほど前までは ゴムタイヤで走ることが非常に珍しかった。やはりこれも鉄道少年の憧れの存在だった。動き出してみると、細かい 揺れが目立つものの、乗り心地はなかなかのものである。15分ほどで西側の終点宮の沢に到着した。ここから手稲山 や小樽方面のバスに乗り換えられるが、せっかくだからこの東西線を乗りつぶしておこうと、同じ道をまた引き返す。 先ほど乗車してきた大通駅を通り過ぎて、宮の沢から34分で東側の終点新さっぽろに着いた。ここは千歳線新札幌駅 との乗換駅であるが、JRと市営地下鉄では駅名の表記が違う。ここから再び18きっぷの旅に戻った。 |