5.函館線を西へ
 新札幌から快速電車に乗って、小樽を目指すことにした。快速エアポートが札幌〜新千歳空港間で20分毎に走って
いる。そのうち3本に2本は小樽行きとなっている。ちなみにもう1本は札幌から向きを変えて、特急スーパーホワイト
アローとして旭川まで走っている。入線してきた快速電車はかなり混雑している。空港からの連絡列車だけに当然
だが、札幌で大半が下車することは間違いないだけに、車内の中ほどに入って座席を確保する体制を整えた。

 札幌に到着すると予想通り大半の乗客が降りていった。進行方向右側に日本海を望めそうなので、目の前に空いた
右側の座席に腰を据える。札幌からも結構乗車が多い。しばらくは札幌の市街地の中を走りぬける。手稲で先行した
普通列車を追い抜き、銭函を通過すると、石狩湾(日本海)を望む車窓を楽しめる。

銭函〜小樽築港間は、このように雄大な日本海を車窓に楽しめる。
つくづく天気の悪さが悔やまれる。

 札幌から30分ほどで小樽に到着した。ここから先は非電化区間となり、札幌の通勤圏から外れる格好となる。かなり
歴史のある駅(1934年築)であるが、ご多分に漏れず自動改札化されている。


6.倉庫街と手宮線
 小樽駅前に出てみると、バスターミナルを中心にかなりにぎわっている。まずは小樽運河の倉庫街を目指して、駅前
からまっすぐ海に向かって北へ歩く。駅が高台にあるのか、緩い坂を少しずつ下っていく。5分ほど歩いて駅が大分
遠くに見えてきたころ、ある看板が道路上に架かっていた。「ここは一時停止の必要ありません」はて何のことだろう
と辺りを見回すと、黄色と黒の棒の上に×状のものが立っている。そうここは踏切だったのだ。道路にはレールが
残してあるが、タイルで整備されている。踏切から西側(旧手宮駅側)は草が生い茂るまさに廃線跡といった感じだ。

 この廃線跡は1880年(明治13年)に北海道で最初に開通した鉄道手宮線の跡である。その時開業した南小樽〜
札幌間は現在も函館線として残るが、南小樽〜手宮間は貨物線として残ったものの、1985年に廃止されている。
長らくそのまま放置されてきたが、2001年11月に部分整備された。

部分的に整備された手宮線跡。左写真の右奥(手宮側)は、ほとんど手付かずの廃線跡である。

 踏切からさらに5分ほど歩くと、水路が見えてきた。有名な小樽運河である。橋から下に降りて運河のほとりを散歩
してみる。向かいにレンガ造りの倉庫が建っている。明治時代の遺功だろうか、かなり年季が入っている。運河から
離れても、旧日本銀行や旧三井物産など歴史的価値のある建物が点在している。本来なら寿司屋通りで満腹に
なりたいところだが、まだ16時前だったのでお腹は空いていない。寿司はまた次回ということで小樽駅に戻った。

観光スポットとしても有名な小樽運河の倉庫街。


旧日本銀行小樽支店と旧三井物産小樽支店。

 小樽からは快速で札幌へ戻るところだが、その前に普通列車が入線してきた。本来快速に使う車両(721系)だった
ので、これに乗ってゆっくりしようと思ったが、それよりも早く札幌に戻ってホテルで横になりたいという気持ちが勝った。
普通列車到着からさらに10分ほど経って快速が到着した。今度は進行方向左側、つまりまた海側に座席を陣取って、
車窓を楽しみつつ札幌へと戻った。


ようやく横になれる!そしてススキノへ