稲穂の国々へ


1.プロローグ
 「甲子園」の最後でも書いたが、2002年8月20日時点で青春18きっぷ(以下18きっぷ)が3日分余っている。
いくら甲子園に行ったときに元を取っている(11500円)とはいえ、まだ3日間乗り放題のチャンスが残っている。

 それならばと時刻表を開き、まだあまり”開拓”していない北日本方面のルートを検討し始めた。そしてある定番
ルートの変形を思いついた。しかしこれには、ある夜行列車の指定席券を取るという条件が付く。当然18きっぷの
有効期間内であり、それ故にこの列車の指定席券を取るというのは至難の業である。(ちなみに”最難関”は、この
サイトでも再三登場した「ムーンライトながら」)ダメ元でみどりの窓口に申し込み用紙を差し出した。するとあっさり
指定席券が印字されて、私の手の中に納まった。その勢いでもう1つの夜行列車の指定席券もゲットした。

 これで準備は整った。今回は行く場所もそうだが、いろいろ初の経験が多いと思われるので、期待と不安が半々
に入り混じっていた。そしてその日はやってきた。


2.関東脱出
2002年8月30日(金)
 22時、リュックサックにボストンバッグという出で立ちで、自宅を後にした。まず向かった先は新宿駅、ここから先程
書いた”ある夜行列車”が発車する。その名も「ムーンライトえちご」。(もともと「ムーンライト」だったが、「〜ながら」の
登場により現名称に)名前からわかるように、新潟方面に向かってサケで有名な村上まで走る。(2002年12月改正で新潟
止まりに変更)この列車は、青春18きっぷユーザー(以下、18キッパーと記す)が東北方面への足として利用する。
つまり18キッパーにしてみれば、「ながら」と「えちご」はもう基本中の基本(=知っていて当たり前)である。

入線直後の「ムーンライトえちご」、かつての急行型電車が旅情を誘う。
クモハ165-100 新宿駅にて

 指定された座席に荷物を置き、しばらくホームに立ち尽くしていた。普段何気なく利用する新宿駅でも、やはり
旅立ちの地となると雰囲気が違う。10分ほど”堪能”したところで座席に戻り、荷物を整理して時刻表を開いた。
23時09分、発車メロディもあまり聞こえないまま新宿駅を発車した。途中池袋と赤羽で多くの客を乗せ、夜更けの
関東平野を北に向かって進む。大宮を過ぎてしばらくしたところで、日付が変わった。

これより2002年8月31日(
 やがて車掌が検札にやってきた。この場合18きっぷは日付が変わって初めて有効となるので、0時を過ぎて最初
に停まる高崎までの乗車券が必要となる。つまり18きっぷ3日目は高崎からスタートするのだ。指定席券と合わせて
3枚の切符を車掌に渡して、スタンプを押してもらった。これでようやく寝ることができる。夜行高速バス並みの角度
で倒れるリクライニングシートに身を沈めて、前の網ポケットからタバコを取り出して一息ついた。(もちろん喫煙車)
2本吸い終わると、アイマスクを掛けて翌日に備えて眠りに就いた。

(左写真)上から指定席券・高崎までの乗車券・18きっぷ(既に2つスタンプが押されている)
(右写真)左側の背もたれが普通の状態。いかに深い角度かがわかる。



国境のトンネルを抜け、越後の国へ