7.シーソーゲーム
 第2試合は、県大会では決勝で横浜高校に3度辛酸をなめさせられ、4度目の決勝でようやく甲子園初出場を
果たした桐光学園(神奈川)と、好投手鎌倉投手を擁して勝ち上がってきた川之江(愛媛)の対戦となった。
桐光学園はエース清原投手ではなく、2年生の吉田投手を先発に起用してきた。これはこの日から決勝まで
4連投となるので、少しでも清原投手を休ませようとした、桐光学園ベンチとしての当然の起用だった。しかし
川之江ナインからすれば、(少し言い方は悪いが)「ナメられた」と思ったのかもしれない。序盤から川之江打線が
吉田投手に襲い掛かり、3回途中で清原投手を引っ張り出すことになった。桐光学園も清原投手が3回以降
1失点に抑え、9回2死から2点を入れ、なおも2塁に同点のランナーを置いて食い下がったが、9番清原が
センターフライでゲームセット。桐光学園はあと1歩及ばなかったが、1回甲子園を経験したことによって、
より大きく成長したに違いない。来年以降の活躍に期待しよう。

桐光学園−川之江戦試合終了直後、スコアボードが熱戦を物語る。

 第3試合はここ数年甲子園で見なかったことはない明徳義塾(高知)と、”老将”木内監督(71歳!)率いる
常総学院(茨城)の対戦となった。常総学院はこれまたエース飯島投手を温存する作戦を取った。試合は両校
とも長短打で着実に得点を重ね、8回表で6対4と常総学院のリード。その裏2死からランナーを1人置いて、
2番沖田がライトスタンドへ同点本塁打。次打者森岡がこれもライトスタンドへ逆転の連続本塁打。常総学院も
9回表二塁までランナーを進めたが、キャッチャーがボールを弾く間に果敢に三塁を狙い惜しくもタッチアウト
(下写真)。そこで熱戦に終止符を打った。この試合、1時間43分という高校野球でも異例の短時間試合と
なった。しかしそんな短時間で済んだとは思えないほど、内容の濃い試合だった。

明徳義塾−常総学院戦、9回表二死同点を狙って三塁を狙うも、寸前でタッチアウト。

 最後第4試合は2年連続出場で勢いに乗る玉野光南(岡山)と、今年(2002年)の選抜大会準優勝校鳴門工業
(徳島)の対戦。この試合も一進一退のシーソーゲームとなった。この頃になるとようやく観客が減り始めた。
上の方に空いた席を見つけ、”見切り席”から解放された。試合は8回が終わった時点で7対7の同点と、試合の
行方が全くわからなくなった。9回表鳴門工業が打者一巡の猛攻で4点を取って、玉野光南の追撃を振り切り、
史上初の四国4校ベスト8入りを決めた。

玉野光南−鳴門工業戦試合終了後。
挨拶に始まり、挨拶に終わる。スポーツの原点を見る光景である。


筆者注:試合中の写真がほとんどありませんが、試合に集中してそれどころではなかったためです。
なお、試合の詳細についてはこちら(公式サイト)をご覧下さい。



ようやく”お勤め”終了