☆★ ☆★ ☆★ ☆★ ☆★ ☆★  天使の足跡 その3  ☆★ ☆★ ☆★ ☆★ ☆★ ☆★

〜〜 追悼 ひな 〜〜  



 

2009年夏 2回目の北海道旅行 ひな7歳 りく10歳

今回は静岡空港から千歳の往復便 よく分かっていないノー天気なひな
余り嬉しくない予感のするりくの表情の対照性が素敵なお写真

静岡空港〜千歳〜小樽(2泊)〜旭川〜美瑛〜富良野(泊)〜千歳〜静岡空港
今回は前回のローカル道ではなく、高速道路を駆使してのドライブでした


   

小樽港での3枚 後ろが宿泊のワンコOKのホテル(ちょっと驚きでしょ)

 

 

美瑛(せるぶの丘)にはなぜかスヌーピーの像があって写真スポットになっている
2匹をつなげていたら、他の観光客から受けていた


富良野のラベンダー畑 残念ながら花はすでに終わっていた


 
 

2009年8月 八ヶ岳
左は最近ではお気に入りのひなの1枚


 

2010年 春のパピオフ ひなまもなく8歳 りく11歳
富士 広見公園 オフ会の始まる前のひとこま

同じくパピオフ終了後に加藤家のパピちゃんと一緒に
犬嫌いのひなが珍しくつながれもしないでよそのワンコと並んで撮れた貴重の1枚

 

2011年1月 八ヶ岳ロッジ前広場
なんかこどもっぽい 寒いんだけど・・・って怒っている2匹
老犬になってくると雪見ても喜ばない 
ひなに至っては玄関で雪を見ると部屋に戻っていく始末(お散歩やめ)

 

 

2011年 春のパピオフ(富士・広見公園) ひなまもなく9歳 りく12歳
バラ園のなかへ強引につっこんで撮った
昼休みなので 結構暑かったとみえて ひなの舌がますます長い!
この頃からひなの耳毛が急激に白髪化してきました

オフ会でみんなと
乳腺腫瘍の手術をしたついでに卵巣摘出したあたりから
おでぶ傾向に拍車がかかって そのうえに豊富な毛があったので
マリのようにふっくらしてきました


 

2011年11月 娘の披露宴のプロフィール撮りのためにさせられたコスプレ
好きでないんだけど しつこく乗せられたので だんだん
「好きにしたら」的に あきらめモードの頃の写真
今となっては、野生派ひなにして唯一の貴重なコスプレ写真

 

   

2011年10月 2回目の八ヶ岳・美鈴池の岩の上 ひな9歳 りく12歳
逆光でしたが、逆にそれが毛並みにおもしろい風合いを出して、素敵な写 真になりました

 

 

2012年5月 3回目の八ヶ岳・美鈴池の岩の上 ひなほぼ10歳 りく13歳
この日は薄曇りでほどよく逆行気味の写 真になりました。


 

 

 

同じく2012年5月の八ヶ岳
こうやって写真を年代順に並べて見ると、
体重以上にこの1-2年太った体型になったことが分かります
今回の病気は デブとは関係ない病気だとは思いますが・・・

さようなら ひな ゆっくり お休みなさい
いつもべったり甘えん坊のひなが居ないと寂しいけれど

 

----- ひなを送る岸辺 -----

助けてあげることができると思った
それが親である自分が課せられた命題のように思えた
もう少し早くに診断がついていたならば 実際、助けられたかも知れない 
もう1w早くに診断をつけるチャンスはあった 見送ったのは自分のミス 
あの時なら ひなの乗った船は、まだ岸を離れていなかったかも知れない 
吐き気の強い治療薬は、まだ始めなかった方が良かったかも知れない
あの嘔吐が 結局最後まで吐血として残ってしまったようにも思える
でも もしかすると あの時はもうひなの乗った船は、
すでに 自分では気付かないほど沖に出ていたのかも知れない
それからどんどん引き潮に引かれていくように 神様の方に吸い寄せられていった
最後に会った時には 波間の中でかろうじて意識を取り戻したひなが
精いっぱいの愛情と笑顔を送ってお別れの挨拶をしようとしていたのかも知れない
 
治せなかった それが悔しかった
でも今思えば それは自分のおごりかも知れない 
最初から神様はひなを船に乗せて 
向こう岸に連れて行かれることを決めていたようにも思う 
人間の力ではどうにもならない大きな力で・・・ 
自分の努力や思いだけでは、とても太刀打ちできない大きな自然の渦の中にいて、
近くにいても どんどん遠ざかっていったひな そんな思いの毎日だった 
検査結果を見るのが怖く 状態の悪くなるひなを見るのが辛く 
毎日がアドレナリンの出っ放しだった 
明日はどうなるのか 良くなる期待ができないまま 
でもわずかな希望と 
結果的には大きな失望の繰り返し 
他の何も目に入らなくなった
 
ひながお星さまになった日・・・ 
毎日の緊張の糸がぷつんと断ち切れて 緊張がなくなって 
でも 逆にそれが安堵の世界を生むように 
亡くなった後の世界は何か平穏で・・・ 
家に連れてかえって一緒に寝ている時・・・いつもと何も違わない平穏がそこにあった 
毎日がいつものように流れているのに そこにひなの声だけがない 
いつも昼寝をするたびに必ず横にすっ飛んできて ベッドを半分占領する 
その存在がない いや無いわけではない 確かにまだここに居る 
寝ているだけではないか 目を覚ましてくれるんじゃないか? 
でも動いてはくれない ただそれだけなのに 
あまりにぽっかり空いた穴 
でもそれ以外のことは 全くひなの存在とは関係ないかのように時は流れていく 
いつもと同じに・・・ でもそこにひながいない
 
自分にとって 恋人でもあり、愛娘でもあった 
りくとは違って いつもいつも寄り添ってくれる存在 
いつも一番に暑苦しいほどに、べったりはり付いてくるひな 
自分にとってどれだけそれが大きな存在であったか 
どこに行きたい訳でもない 世界中の何を見に行きたい訳でもない 
ただこの子達と一緒に居る時間 それだけあれば何も要らない 
そう思って生きてきたこの頃 でも神様はひなをお召しになった
船が出る時に自分もその場に居たのに 
手を打つ時にはその船はもう流れの中だった 
その流れを戻すことができるものと思っていた 
だから亡くなった時には悔しくて仕方がなかった 
でもそれは自分のおごり 
神様がお召しになろうとするその瞬間に
気がついて抱き止めてあげなければ 
あとは引き潮のように自分から遠ざかって行くばかり 
何もできなかった

何かできると思った自分が間違っていた 
亡くなった時にはそれが受容できなかった 
悔しかった 無念だった 飼い主として 親として・・・
今はそれを受容するしかないと少しだけ思えるようになってきた 
流れを引き戻すなんてできる話じゃない 
神様と戦っても、勝ち目なんかありっこない 
ひなは神様がもう船に乗せると決めていたのだと思う 
そう思い始めたら無念さは少しだけ遠ざかっていった 
しょせん誰もが死から逃げ出すことはできない 
いくら医療が進んでも 少しだけ命を延ばすことはできるかもしれないけれど 
いつも結果は神様の勝ち 今その瞬間と対峙したにすぎない 
圧倒的な力の中で、全く太刀打ちできなかった自分が居るにすぎない 
いずれ来る時が来る、それが今だったのだ 
それがあまりに突然だったから 
まだ予期していないタイミングだったから 
受け入れられなかった それだけのこと 

相手が自分より寿命の短いワンコなのだから 
いつかこういう日が来るだろうと理屈では分かっていたのに 
ヒトの場合はそうじゃない 
先に死ぬのは本来親である自分たちであるべきなのだ 
けっしてその順序は逆転してはならない 
子どもを失った父母の気持ちを、今まで本当に分かってあげていたか 
今一度自分の胸に問いただす 
分かったふりをして 何も分かっちゃいなかったんじゃないか 
今の自分より もっともっと深い哀しみと寂しさを 
いったい自分はどれだけ理解できていたというのだろう
 
一人になるたびに 一人トイレに行くだけでも
突然に深い哀しみと寂しさに襲われる 
夢を見ているのではないか 
映画やゲームのようにリセットできるのではないか 
絵本の中のように、涙を一粒落とせば 
ひなは目を醒ましてくれるのではないか 
目が醒めれば、いつものように隣でひなが寝ているのではないか 
仕事をしている間はなんとかごまかせる 
でも忘れてはいない 一瞬の隙をついて寂しさが襲ってくる 
振り払い ごまかし こらえて1日が終わる 
だから一人になったら無理はしたくない 
思いきり考えてあげる 思いきり思い出してあげる 思いきり泣いてあげる 
我慢は仕事中だけで十分 寂しいけど今は寂しくっていい 
だから、一人の方がむしろ楽
 
失った妹の魂を 銀河の果てまで追いかけて行った
宮沢賢治の想いが 心の襞に沁みてくる 
喪失感は埋めようと思っても 埋まるものではない 
銀河の果てもでも追いかけていけばいい 今はそれしかできない 
それはこらえないほうがいいと思っている 
いつか自然に薄まっていく時まで 
時間をかけて ・・・

H24.9.30 記す