最初に断っておくが、これは霧絵さんを始末した直後の話ではない、





 「幹也、今日は泊まれ。」

 「は?なんでさ。」

 大通りのデパート郡を抜ければ駅はすぐそこだというところで、

式はピタリと立ち止まった。

いいから、と式は手を引っ張る。そりゃあ式のアパートは近いから楽ではある

けれど、やっぱり体力的に泊まるのは気が引ける。

 「いいよ、式の部屋って何もないじゃないか、行ってもつまんないし、

それとも何か用事でもあるの?」

 そんなものはないのは判っている

わかっていて言ったんだから式に反撃のチャンスはない・・・・と、思うが、

式はこっちに非があるような、非難がましい目をして反論してきた。

 「ストロベリー。」

 「は?」

 「ハー○ンダッツのストロベリー、二つ。

お前がこの間かって来てそのままだ、始末してけ。」

 「・・・・・・・・・・そういえば、そんなこともあったっけ。」

 あったあった。

式のアパートに向かう途中、あんまりにも暑いんで買っていったお土産だ

けど、なんだって自分はそんなものを買っていったんだろう。

もう暦は九月になろうとしているのに。

 まあ、そんな些細なことはどうでもいい。

どうやらここは式に従うしかなさそうだ。

 でもそれはなんとなく癪に障るので少しだけ反撃することにしよう。




 「・・・・・・・よし、わかった。」




 少々の逡巡を繕った後にそう潔く返す応答は、

並んで歩く、今にも何かしら言い返しそうだった式を拍子抜けさせた。

きっと何かしらの反論がくると思って、迎撃体制を整えていたのだろう、

だが、この無血開城はけっして敗北を認めてのこではない、

 「迂直の計」

明日の大勝利を掴むために、今日の屈辱は甘んじて受けるのだ。

 この瞬間電撃的に頭脳に降り立った閃きを実現に導くことができたなら、

今夜僕は、今までで一番可愛い式の姿を拝むことができるだろう、

僕はその未来像に内心ウキウキしながらも、一応確認のために質問する

ことにした。

 ま、もう二人の中なら聞くまでのこともないんだけど、

 「しょうがない今日は泊まるよ、でもね、式。」

うん?と視線を向ける式に、僕は真顔で提案した。

 「泊まるってことは、今夜は心ゆくまで式を味わっていいってことだよね?」

そうはっきり言い切ると、式はぼうっと顔を紅くして、

なにも言わずに俯いてしまった。

結局のところ僕と式はもうとっくにそんな関係だったりする。

 だが、これで駒は揃った、

あとはこの天才的頭脳に閃いたアイデアを、式というケースで実験していくある

のみ、問題は今夜の疲労が明日に響いて、橙子さんに勘繰られないようにし

ないといけないことだけだ。









「ICE式」

作:40%の60L








 さて、日本語とは難しいものである。

同じ単語でも、その場の雰囲気、前後の文脈、話し手の心情や

イントネーションによって、その意味するところは状況の数だけ変化する。

 そんな言葉の擦れ違いによってこの日本の歴史上、

どれだけの人が法律家、保険屋、漫画家、エロゲメーカーに

泣かされてきたことだろう、


 彼女は『始末していけ』と言ったのだ。


 『始末していけ』というのは名詞『始末』に接尾するサ変動詞で、

連用形『シテ』+“こちらから向こうに移動する”という意味の『いく』、

 行く、

いわゆるGO!の命令形を纏めて

『始末していけ』という文節を形作る。

 「始末していけ、はないだろ。その言葉遣いだけでもなんとかしてくれ、

君は、女の子なんだから。」

 などという喜色満面浮かべる幹也に噛み付くように、

 「うるさい黙れ、この期に及んで強引に原作に引き戻そうとするな

この変態。」

 と自室のベットに磔状態になった式は、言い返すのだった。

サラシのようなもので、両手をベットの端に縛り付けられた式は、

幹也によって、ショーツまで剥ぎ取られ全裸、

 隠すものはなにもない、

視界を妨げるものも、蛍光灯のクリーンな白光によってなにもない、

ただ唯一、股間のもっとも恥ずかしい部分を隠し通す三角の茂みからは、

風呂上りであるせいか、かすかに湯気が立っているて、

露わになった肌にも心なしか朱が差していた。

 閨の上で踊る裸身は黄金率と見紛うように均整の取れていてとても美しい、

鍛えて引き締まっているせいかくっきりと浮き出て、

なんでかそれが、どうにも艶っぽい鎖骨、

 余計な贅肉を取りさって小さく整うお尻は、

こじんまりして色気がないと彼女は気にしているけれど、

その気遣いが返って可愛くて、

幹也は日常茶飯事に衣服の上から愛でている。

 そして仰向けに寝転がりながらも、

妥協なく鍛え続けた大胸筋が支えるのか、天を仰ぎながら崩れることの

ない、まん丸とした双丘。

その筋力を下地にした弾力が立証する揉み応えの剛勇さは、

幹也その人の手によって何度も立証済み、

 そして式と同じく、自らも衣服といた幹也は

その閨で踊る裸身にはやる気持ちを抑えきれず、顔に浮き出たニヤニヤを

消すことはできなかった。

 その手にはアイスクリーム、式が『始末していけ』と言った

件のアイスクリームである。

彼はそれを、一匙カップから掬いだして、

自由を奪われた彼女の胸にそっと落とした。

湯浴みで全体がぼうと紅潮した、あたたかくて柔らかい、

本当なら今にもむしゃぶりつきたくなる、式の乳房に、

 「きゃう!?」

 点のように発生した冷気におののいて、

思わず年頃の女子めいた小さな悲鳴を洩らす式、

 ストロベリーのアイスは、ゴムマリのような膨らみの頂上で

たらりたらり見る見る溶けて、乳房の表面に何本もの筋を流していく、

 それはまるでトーストの上に乗せたバターのようだ、

冷たいアイスは自分とは対照的な、あつく火照った肌の熱を視覚でも

捉えられるように、その身を滾った液体に変えていった。

 「・・・・・・な、なにがしたいんだよ幹也ぁ・・・・?」

 「なにって、式がやれっていったんじゃない、だから従事しています、

ハー○ダッツの始末。」

 「実名を挙げるな、本社に怒られる!」

 「式って腰砕けになっても、その辺見逃さないねー。」

幹也はさらにスプーンをとって、アイスの塊をさっき落とした方とは

反対のおっぱいにポトリ、

 ひゃん!と背筋が硬直して、タプンと揺れる豊かさの上でも

執拗に張り付く乳脂肪分の根性は、

なるほど高級品の由縁たるところを見せつけられた気分である。

 しかし、この場合張り付くのもさることながら、

張り付かれる方もまた非の打ち所のない高級品であることは疑いない。

 「式に始末しろーって言われた時にピーンと来たんだよねー、

『氷の微笑』だっけ?

あの映画で女の人の体に氷を一欠片這わせてさ、

その後に出来る水に筋にゾクゾク来ちゃって一回やってみたいと思ってた

んだよ。」

 「だけど俺だって!こんなコトしろって頼んだ覚えなんかないぞ!!

俺が『始末しろ』っていったのは、食べろっていうことなんだから、

こんな風に食べ物をおもちゃにして遊べなんて言ってない。」

 「でも、こうすればどっちみち消えて無くなるじゃん?

そうすれば、腹に収めようと洗い流そうと、消えるのは同じ。」

 「だーかーらー!!」

 急に冷たいものを乗せられてビックリした心臓をバクバク早打たせながら、

式は裏返った猫なで声で、今日も変わらず奇行を行なう幹也にせめてもの

抗議を唱えた。

 幹也のベットの上での奇行は、今に始まったことじゃない、

一度行為を結んでから、誰に吹き込まれたのか加速度的にエスカレートする

彼の趣味には、式自身もほとほと振り回されながら、開発されてきた。

 だが今日はそれでも取り分けぶっ飛んでいたのか、

初弾でここまで喉が蕩けたのは、振り返っても初めてのことといえる。

 幹也が今度はアイスの一塊をその手に抓んで、

彼女のおへその下辺りから触れるか触れないかの距離を保って、

下から這っていく王道プレイにトライする。

ナメクジの通った跡のようにテカテカする、ストロベリーなだけに薄桃色の道が

ヘソの窪み、肋骨の盛り上がり、

胸の頂きはさっき責めたので今度は双丘の挟まれた谷間をなぞり、

鎖骨をまたいで、首筋に行き着く、

 「はぁっ!!・・・・・・・んっ・・・くう・・・!」

 式の弱い部分を的確に結んだ軌道、磁器の肌に一面浮き出つ鳥肌が、

その艶やかさに、より一層の色合いを深めた。

 「た・・・・・・・食べ物で遊ぶのはよくないって・・・・・・。」

 「ふむ、式ってば快感にやられてあまり捻ったことも言えなくなった

みたいだね、でも大丈夫、別に全部体の上で溶かしちゃうわけじゃないから。」

 そう言う幹也は、おもむろにまた一杯掬い出すと、今度はそれを自分の口に

放り込み、そのままの状態で式と唇を重ねる。

 口移し、

唇を割って入ってくる逞しい舌と、それに混じって流れ込んでくる苺の味が、

甘いキスを、いつも以上に甘露で濃厚なキスの味に返る、

ひとしきり、愛する人の中で暴れまわった後、ぷはっと唇を離した勢いで式から

こぼれたアイスの汁は、

口内で受け止めきれずに喉から溢れ出した精液のよう。

 その雫が頬を伝いシーツに落ちていくのを自覚しながら、

式はくてっとして、唇に溢れたものを拭うこともできなかった。

 それほどまでに、幹也は式の奥深くまでを陥落したと言ってもよく、

半ば放心状態と言ってもいい、目の焦点をあわせない式を見て、

たったこれだけの責めでこんなになってしまった式に、

 「・・・・・・・・・うわぁ、ちょっとやりすぎたかなあ?」

と少し及び腰になってしまう幹也あった。

 もともと強情で人を寄せ付けないはずの、式のそんな意外な純朴さも、

肌を重ねて始めて垣間見られた一面だった。

 実際、その味を覚えた式は今までの無欲が反動を起こしたと思えるほど、

積極的で貪欲だった。

 だから彼女は、彼の望むことには大抵拒まず、

彼に思うまま自分を蹂躙させながら、その相手を自分の体に引き摺りこんで

いった。

その結果、式に残ったのは『武器』として鍛え上げられながら、

『情婦』としてこの上ない艶色に磨き上げられた肢体であった。

 式は抱かれるたびに、その身に纏った隔絶の殻を脱ぎ捨てて、

よりありのまま、より深く快楽を受け入れるようになり、

驚くことに、慣れれば慣れるほどに、快感に対して敏感になっていったのだ。

 ひょいと首を捻って、式の股の間を覗く幹也、

視線はすらりと美しい太腿を伝ってその付け根へと注がれる。

 そこはもう淫水で溢れかえって、シーツに垂れたアイスの汁など幾らのもの

かと言うほど、ぐしょぐしょに滲ませていた。

 温度も、その部分に顔を近づけただけで陽炎を生みそうなほど熱い、

まるでアイスクリームが奪った体温が、すべてこの秘部に

避難しているかと思うほどに、

 「冷たいのって、ここまでアソコを刺激するもんなのかなぁ・・・?」

自分でそうなる状況を作っておいて、よく言う幹也だった。

 式はもう一番恥ずかしい部分を、

好きな人に晒したくないと太腿を堅く閉めたりしてもしない、

 この人にはもう隠す必要などないと文字通り体を打ち開けたのか、

それとももう体を快楽が打ち抜きすぎて、足一本動かすのもおっくうなのか、

 とにかく、幹也によってすっかり出来上がった式は、

擦り寄るような猫なで声で、哀願するのだった。

 「幹也・・・・・・・・・・・・・・・・・・して。」

 目じりに涙が溜まっているようにも見えた、

この世界で最強の部類に位置しているはずの狩人は、

いまやただの一匹の牝になって、

牡の情けを懇願するしか手立てを持ってない。

 最近の式は、ベットの上とそれ以外で著しく人格が違った。

何かまた新しい人格でも生まれたのかと思うほどだが、

それはこの際いいとして、その願いに対してどうしようか幹也は迷った。

素直に挿入してあげてもいい、

だが最初がちょっち変わったプレイだったのだから、

後半を普通に済ますというのは、盛り上がりに欠けるというもの。

 さて、どうしようか?

などと考えていたら、また再び電撃的ひらめきがピキーン、

幹也は天啓の示すままに冷蔵庫に駆け寄ると、冷凍室の蓋を開け、

件のアイスクリーム・二つ目を持参して股を広げる式の御前に帰還、

 トロンとしながらも訝る式が見守る元、上蓋をとり、中蓋をペリペリ剥がし、

そして出てきたアイスクリームにブスッ!とスプーンを突き刺して、

上手に、容器からハー○ダッツのアイスを丸々取り出す。

 いや、ここまで来たらアイスの本体から容器の紙をひっぺがした、

と言い表しても過言ではないだろう、

 それほどまでに、今幹也の握ったスプーンの先には、ハンマーの如き

アイスクリームの塊が自らの重みにグラグラ揺れていた。

大きさにも形状にも、どんなバイブにも負けないぐらいの大きさで、 

 「・・・・・・・・・・・・・幹也、それ、どうするの?」

 彼の思惑をおぼろげながら察し、式が顔を青くしつつ尋ねた。

 「うーんとね・・・・・・・・・・・・・・。」

 「・・・・・・・・・・・・・・。」

 「・・・・・・・・・・・・・・・・・。」

 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・まさか。」

 「御開帳〜♪」

 「やめてぇーーーーーーーー!!?」

 世の中やな予感ばかりよく当ると言うが、この場合もそうらしい、

必死の抵抗を試みる式ではあったが、

事前にこましにこまされて、関節のふにゃふにゃになった肢体には

抗う力など残っているはずがなかった。

 「だっ・・・だめっ!そんなの入らないっ!

そんな溶けちゃうものっ!大きさ的にも無理だよッツ!!」

 「大丈夫〜、

溶けるものであるからこそ大きさはこっちで調節してくれるって。」

 空いてるほうの手でヒダを押し広げ、現れた秘口にアイスの頭をあてがう、

 「冷やっ・・・・・・・!!」

 ドライアイスの煙すら漂う氷点下をじかに押し付けられた式の花弁は、

今まで見たことのないようなひくつき方で震えた、

というか硬直しているのでは?とも思うべきだが

幹也は黙殺して愛液垂れ流れる秘裂にモノを捻じ込もうとする。

 乱暴に、肉ヒダがヒクついて、悴むように震えても一向に構わずに、

やはり確かにちょっと大きすぎるのか、

人肌に押し当てようとも、ゴリゴリと捻っても、

俄かに形を崩す様子もなく、虚しく入り口に留まるばかりであった。

 「痛・・・・・・・無理だ、から・・・・・もう・・・・早く離して・・・・。」

 敏感な部分はやはり苦しいのか、声を噛み殺しつつ式が哀願する。

むう、確かにちょっと無理があったかなと一旦アイスを離して、

愛液がこびり付いた頂上部分を鉛筆を削る気分で齧ってみる、

 大事な女の愛情たっぷりシロップがかかったストロベリーアイスは、

いつも食べている物より心なしか甘露な味で、

少なくともまずいというコトはない。

 「・・・・・・・・・・よし、コレで入るかな?」

やや円錐型に近づいたアイスの塊を、再びイン、



 ズッ・・・ズブズブズブズズズズズズ・・・・・・・・・・・・・・・・!!



 「きゃっ・・・・・・・・・!あ・・・ああ・・・・・・あ!」

冷気によって肌に生じる痛みか、

巨大なものを膣を抉じ開けることへの苦しさか、それともそれら両方か、

 それでも式は、悟られまいとシーツを握り締めて耐えた、

歯を食いしばり、整った胸を仰け反らせ、美しい顔を右へ左へのたうち回し

ながらも必死に耐えた。

しかし、その気丈な様が式の美しい裸身にさらに艶をつけさせて、

見る者の怒張をさらに大きく膨らませる。

 「式・・・・・・・・じゃあ、動くね?」

 「う・・・・?ちょっと、ま・・・・・・・。」

 返事が返ってくる前に、手にギュッと握ったスプーンを、掻き回すように前後

に動かす。

 途端、擦れ声が絶叫に変わる、

膣内をメキメキと突き進む低温の張り子が、

彼女の内側から、鈍い痛みと鋭い痛みを同時に与えているのだろう、

 スプーンを持つ幹也の手にすら、山間からこんこんと湧き出す冷水に手を

突っ込んだときのような、じんわりとした痛みが拡がっているのに、

それを体の内側から叩き込まれている式の混乱はいかばかりのものだろう、

 それでも、彼女の蜜壺は主の意思とは正反対だった、

式は自覚しているのか定かではないが、冷気を無理矢理飲み込まされた

秘口は、それに負けるものかと体温を上げて、燃えているのがわかる。

 それは、竈のようだった、

その灼けるような高熱に、その内部に押し込まれたアイスは見る見る溶けて、

汁になって飲水とともに流れ出ていく淫靡な過程が、

幹也の肉眼にははっきりと見て取れた。

 ・・・・・・・こんなに、アソコを熱くして、

何を想像したら、そこまで紅潮することができるんだ?

幹也は自分の行為の的確さを確信しながら、ピストンを繰り返す手を速めた。

いつからか式の嗚咽には、幾らかの嬌声が混じり始めている。

 「あっ・・・・・ああっ・・・・・・・・あん、・・・・・・・あん!」

 「あ。」

 「・・・・・・・・・・・・・・・あ・・・・?」

ポツンと飛び出す幹也の声に、式は夢見心地ながらも、

息を乱したまま彼を見る。

 「・・・・・・・・スプーンが抜けちゃった。」
 
 「・・・・・・・・・・は・・・!?」

それで一気に頭が冷えた、アソコも一緒にクールダウン、

そしたら今自分の膣の中には、手付かずのままになってる

一塊のアイスクリームが?

どうすればいいのか、ひょっとしてこのまま自然に任せて溶けるまで

なにもできないというのか?

ジワジワと局部に広がっていく冷たさと、

蜜と一緒に足れてくる糖分の気持ち悪さ、との二つを取り除くのに

自然に任せるしかないと思うと、

式はちょっとしたパニックに陥りそうになってきた。

 「ダイジョーブ、僕に任せてよ式、」

 自分でここまでの災禍を招いておいて、その根拠のない自信はどこから

出てくるのか?

そんな揺るぎない幹也は、くびれて掴みやすい式の腰をムンズして、

乱暴に自分の元に式の陰部を引き寄せた、

さながら、蜜酒に満たされたグラスを口に運ぶように、

 「やっ、なにを・・・!?んはっ、やあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!?」

 ズズズズズゥッとすする音が、

股間からじかに体を伝導し、耳小骨を激震させる。

貪るために浮き上がったお尻が逃れようと危うげに揺れて、

その動きが返って男を誘うように淫らだった。

 だが、男の口吻は既に、女のもっとも奥深い部分を舐り尽くそうとしている。

竈のように熱くなった膣から止め処なく流れ出る、

乳脂肪分の混ざった愛液、それを貪欲に一滴残さず自分の中に移し変えよう

とする幹也、

その肉壁の中で蠢く舌は膣に入ったアイスを舐め溶かしているのか、

それとも内側から自分自身を舐め溶かそうとしているのか、

式には判らなかった。

 ただ今は、女のもっとも弱い、そこを抑えられたらもう相手に従うしかない

敏感な奥で暴れ回る、

凍結の塊と、高熱の蠢きに、途切れかける意識を繋ぎとめるので

精一杯だった。

 「んー、舐めとって口の中で溶かしてしまおうと思ったけど難しいな、

舐めれば舐めるほど、奥に入っていくや、」

 そして自分の舌も更にそれを追おうと、より深く、よりこちらへ

式を引き寄せる幹也、

彼女のお尻は小さく引き締まっていて、持ち上げて扱うにはとても適していた。

なかば宙吊りになったように虚空を漂う下半身では

愛淫を満たした器からこぼれる蜜が蟻の門渡りを伝い、

お尻の線を沿って流れ、

肛門の窪みに溜まって、薄桃色の小さな小さな水溜りを作った。

貪る者はそこすらも、蕩けるような甘味とともに渇きを満たす水場である、

泉を飲み干そうと突き刺さる舌は、

申し訳程度に溜まった美酒をすぐさま払い飛ばして、泉の底まで突き破って

式のまた違う、別の内部を漁ろうとしていた。


 「あ!・・・・・はぅん!!!」


 上空から新たな刺激が降ってくるたびに、地に付いた、乳分でベトベトに

なって、甘ったるい匂いを発する胸はたわわに躍った。

排便の穴に侵入してくる火鉄のように紅い蛭、

ヌルヌルと、ぬちゃぬちゃと本当の肉の壁をこそぐように這っていく、

 触覚だけが頼りの式にはわからなかった、

その異常なまでの粘着感がけして愛液がもたらす潤滑性だけでなく、

溶けたアイスの糖分と乳脂肪分が

一緒に菊門に流れ込むことで生み出していたことなど、

 にちゃにちゃと、必要以上に音をたてて肛門を犯される感覚、

その必要以上に熱せられた反対側では、

依然として凍てつく冷気を抱えた塊が、子宮を塞いで居座っていた。

だから余計何がなんだかわからなかった。

 前では南極のような極寒の世界が、

後では赤道直下のジャングルのような――粘り着く液体の感覚が一層密林を

連想させる――熱帯の世界が、

肉の壁一枚を隔てて劇的に繰り広げられている。

 熱さと冷たさの鬩ぎ合いは判断力や思考といった、

理性にまつわる何から何までを根こそぎ奪い去っていった。

 肉壺の奥深くまで押し込まれ、子宮の中にまで侵入してくるアイスクリーム、

それが収斂する膣に押し上げられては、重力によって下がり、

緩やかなピストン運動を繰り返して式の中をやさしく撫で回す。

 幹也の肉棒より冷ややかに、

 幹也の肉棒より蕩けて、

それは彼以外の味を知らない式の秘口にとって、想像を絶する味だった。

 「ふぁあ、ふぅぅああ、・・・はひっ、はぐる・・・・。」

 声までが、自分の奥で溶けていくアイスと一緒に形をなくす。

もはや、彼女は表情まで蕩けていた、

お尻の穴はぐにゃぐにゃに歪み、

前の穴はヒクヒクと痙攣して薄桃混じりの露を噴出している、

 式は与えられる快感の歓喜を表情で表す余裕もなく、下半身の脈動によって

幹也に示していた。

 『気持ちいいです、もっとしてください』と

ふしだらにわめく下の口、

 もはや彼女の膣とアナルは、低温と淫蕩によって触角以外の総ての感覚が

取り払われ、何かが肉を押し分ける感覚が

中で痺れるように暴れ廻るだけとなっていた。

 だがだからこそ、式の中の『女』は戸惑いなく淫靡と快楽を求める、

彼女が今受け入れられるのは、男が与える淫らな感情だけなのだから、

 『もっと、もっと下さい、気が狂うまで』

 と、だらしなく開いた肉ヒダがヒクヒクと哀願する、

そうもう式は、舌と溶けかけたアイスの感覚だけでは足りなかった。

 もっと熱いもの、

 もっとしっかりした形を持った、

 硬くて太い物を膣の中に満たしたい。

 何を入れても足りなくなった、底なしの蜜壺を完全に満たしてくれる、

 私のオマ○コ引き裂くぐらい大きな、

 幹也のオチ○チンが欲しい!!




そう思った瞬間、式は幹也を逆に押し倒していた、

本来、運動能力は文系の彼より式の方が幾らも上なのだ、

物理的には何の意味もない形だけの拘束などいつでも振り解くことが

できたのに、ここであえてそれを敢行するというコトは・・・・?

 「・・・・・・・・・・・・・なに?」

 恐る恐る、幹也が自分の上に圧し掛かる志貴を見上げる、

マウントポジションの状態でまたがる全裸の式は、

均整の取れたプロポーションに、テラテラと乳液の艶が照りかえってきて

とても美しい、だがしかし、その上に位置した双眸が讃える光には、

妖しい、淫らな喜色がうっとりと浮かんでいた。

 「・・・・・・・・・・・・式?」

 つつ、

彼女の表情ばかりに気をとられていたら、下の方で突如走る冷たい感覚、

式の細く冷たい指が、いきり立つペニスを固定したのだ、

そしてその真上には、いまだ薄桃色の愛液を垂れ流す式のクレヴァスが、

ピタリピタリ、陰毛を伝って滴る液で、彼の亀甲に水滴をつける、

さながら赤外線スコープが、目標に赤い点を刻むように、


 「・・・・・・・・・ふふふふ、」


 妖しい式の表情が、いっそう怪しい笑みを浮かべる、

それはもう『我慢できないから頂きます』といっているような、

淫夢にうかされた、夢遊病者の顔、




 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・式が切れた。」



それが合図になったのか、とばぐちに彼のものを当てた式は一気に腰を沈め

自分のもっとも欲する物を貪った、

 あっ、ちめ、先の方が凄い冷たい、あ!!

などと自分もその感覚に溺れていく幹也、二人は今同じ感覚を共有し、

お互いの体で、快楽を求め合うのだった。

                        END


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