……風邪を引いた。熱が出て頭痛や何かで死にかける程ではないが、
身体がだるくて力も上手く入らない。身体が震えているのだ。
「不摂生が祟ったかな……」
そう思いながら身体を起こし、枕もとに置いた箱からタバコを取り出し
火を点ける。
(言ってるそばからタバコ……)
若干自嘲気味になりながら紫煙を吐き出す。
「しかし遅いな……」
時計を見ると午後四時半を少しまわった所だった。有彦には学校の帰りに
薬を買って来いと命じておいたのだが。すっかり忘れて遊びにでも行ってしまったの
だろうか……?
(だとしたら、どうしてやろうか……)
ふと想像し始めた時に、玄関の扉が開く音がする。
(帰ってきたか……)
そう思い、また紫煙を吐き出す。どんな顔で迎えてやろうか。しかしその前に……
「遅いぞ」
一言だけそう聞こえるように声に出す。
「あ、イチゴさん。有彦なら今日は帰ってこないって言ってましたよ」
「……何だ、有間か……」
一瞬の驚愕とそれによる動揺を悟られないように、いつも通りの口調で応える。
「はい。お邪魔します、イチゴさん」
そう言って有間は部屋に入って来た。



風邪に見舞えば



「有彦は遊びに繰り出したのか?」
タバコを咥えながらそう訊ねる。
「はい。それで代わりにコレを」
そう言って有間は市販の風邪薬をコチラに見せる。
「ふん、まあ、アイツらしいか」
そう言いながら手を伸ばすとツイ、と有間が手を引っ込める。
「どうしたんだ、有間。ジャレてるのか?」
こちらは今日はそんな余裕ないんだ。と続けようとして、ふと、有間の顔、というか
目つきがいつもと違う事に気付く。
「有彦にはムリを言って代わって貰ったんですよ。イチゴさん」
そんなコトを言ってくる。
「……どういうつもりだ、有間」
「風邪って人にウツすと治りが早いんですよ、イチゴさん」
怪訝な私の詰問にそう応じる有間。私は一つ溜め息をついた。
「今日はダルくて難しいコトを言われても考えられないんだ。クスリを飲んで
ゆっくり寝るよ、さあ」
そう言って再度手を伸ばすが、やはり有間は薬を渡す気はないらしい。
「……」
無言で見据える私を見ながら有間はベッドに片膝を付けた。



「どういうつもりだ?」
再度怪訝そうに聴く一子を横目に志貴は一子の寝巻きに手を掛ける。
プチブチブチッ
ボタンのはぜるそんな音がして一子の着衣の胸元が露になり、二つのふくらみが
零れ落ちてくる。
「あー……」
何が起きたのか一瞬理解できなかったのか、タバコを咥えたまま、呆然と志貴を
見る一子がいる。
「有間ぁ……冗談も度を越すと……」
しばらくして事態を解した一子が、キツい口調でそう言うが……
「ほら、風邪なのにタバコなんか吹かしてちゃダメですよ、イチゴさん」
そう言う志貴にタバコを取り上げられ、肩口からベッドに押し付けられてしまう。
「有間!! いい加減にしろ!!」
若干顔を紅潮させながらそう言い、志貴を突き飛ばそうとする一子。しかし……
「ホントに力、入んないんだね、カゼのせいで」
押さえ付けて馬乗りになった志貴に軽くあしらわれてしまう。
「ね、イチゴさん?」
そう言いながら志貴はそっと膨らみの先に舌を伸ばし、紅い先端を弄び始める。
「う? んっ……!? 馬鹿、有間……ヤメロ!!」
そんな一子の言などお構いなしに、志貴は一子の二の腕を両手で掴み、馬乗りに
なりながら膨らみを吸いたくる。
「イチゴさん、結構大きいんですね、胸」
「有間!! おまえ……憶えておけ。こんな事をして……」
「こんな事ですか?」
途端に紅い先端に志貴の白い歯が覗く。
「痛っ」
一瞬、一子が身体をビクンと仰け反らせる。
「イチゴさん……病気の時くらい大人しくしなきゃ」
志貴が優しくそう囁く。
「あり……ま……」
今までの経緯で息が上がり始め、朦朧としだした一子がそう口に出す。
「はい、病人は寝ていて。スグによくなりますから」
「バカか……この状況で……んむっ」
そう言いかけた一子の口を、志貴は唇で塞ぎ、そのまま乳房を揉みしだく。
「ん!? んぅ!! んんんっ!! んーっ!!」
肌を紅潮させて抵抗する一子から、志貴はそっと唇を離す。
「タバコの匂いがしますね、イチコさん……」
そう言いながら今度は首筋に舌を這わす。
「ヤメロ。やめろって言ってるだろ、有間!! あっ、く……んっ」
「でも、気持良くないですか? イチゴさんは」
身体を脈打たせて抗う一子の耳元でそう囁いて、志貴は右腕を一子の股間に伸ばす。
「有間っ、よせ……あ、あ……ヤメロッ!!」
一層慌しく一子が身をよじる。が……
「うーん、イチゴさん、もう濡れちゃったんだ。早いなあ……」
アッサリ手を差し込まれた志貴にそう告げられる。
「あ……や、やめ……」
「ほら、もう暴れないで下さい。病気なんですから」
そう言ってゆっくりと右手を動かし始める志貴。
「有間、オマエの方が身体は弱……あんっ」
「イチゴさん。すごい……どんどん溢れてきてるや……」
手を休む事無く動かしながら、そう、そっと耳もとで囁く。
「ばか……あっ……はぁっ、ん、くぅ……」
クチュクチュという音と衣擦れの音が、次第に部屋を支配し始め、一子の息遣いが
荒くなる。
「あ…り、まぁ……」
朦朧としたようになりながら、一子はそう上ずった声を出す。
「どうしたの? イチゴさん」
よく見ると、すっかり下着は濡れて透けていた。先ほどまでの抵抗もやや影を潜めている。
「イチゴさん、下、脱がして良いかな?」
「…………」
一子は沈黙したままだった。志貴はそれを了承と受け取る。
志貴はゆっくりとした動作で寝巻きの下とショーツとに手を掛け、少しずつ
下にずらして行く。
「あ……ん」
草むらまでずらすと一瞬、オンナの匂いが立ち込め、一子が軽く声を出す。
「イチゴさん、すぐ済むからね」
そう言いながら、今までより若干脱がすペースを上げる。
「……」
すると、一子が軽く膝を曲げ、足を上げる。本人にその自覚が有るのかは
解らないが、志貴には関係無いようだ。つま先まで抜き取ると、改めて志貴は一子の
肢体に目をやる。
「綺麗ですね、イチゴさんは」
思わず志貴はそう感嘆の声を上げる。白くて細い二本の足に見とれたのだ。
「ば、か……あり、ま」
そう声を上ずらせながら一子が顔を背ける。
「うん、本当に綺麗だ」
そう囁くと志貴は一子の秘所へと顔を埋め、舌を這わす。
「ばか……汚いだろ、そんな……」
両手で志貴の頭を掴むようにしながら、一子がそう声を上げる。
「いいえ、綺麗ですよ、イチゴさんのココは」
力の入りきらぬ一子の両手など意に介する事も無く、そう言いながら志貴は一子の秘所を
ピチャピチャと舐め回す。
「あ、はぁっ……」
志貴の舌の動きにピクリと一子は反応してしまう。
「やっぱり気持ち良いんでしょ? イチゴさんは」
少し意地悪な声で志貴がそう言う。
「ばか、そんなんじゃ……な……あっ?」
一子に否定させる間を与えず、志貴はより激しく舌を動かして行く。
「あ、ばか、やめ……あ、あぁっ!!」
引き剥がそうと志貴の頭を両手で掴んだまま、秘所を蹂躙されて一子が悶える。
ピチャ……クチュ、クチャ……
「あ、りま……もう……」
より息遣いを荒くし、一子は尚も身をよじるが、志貴の両腕はしっかりと一子の華奢な
太股に巻きつくように固定されていた。
「く……うぅ」
志貴の舌の動きに合わせて襲ってくる波に、一子は辛うじて自由になる腰から上を捻り
ながらやり過ごすが、いくら身悶え身体を捻ろうと、下腹部を固定している志貴によって
すぐに仰向けの体勢に戻され、動きを止めない異物はすぐに新たな波を一子に寄越す。
「く、うぅっ……はぁ、はぁっ」
上体を始終仰け反らせ、一子がそう息を弾ませる。
「ありまぁ……やめ、ろ……この……ばか……ば、かぁっ……」
消え入りそうな声でそう抵抗する一子。それを見た志貴は少し笑いながら
「そう……じゃあ、ここは?」
そう言って、小さな膨らみを軽く爪で摘む。
「あぁぅ!?」
一子は一際ビクンと身体を仰け反らせる。志貴は摘んだ膨らみをさらに舌で弄びながら
ゆっくりと中指を秘所に挿しこみ、一子の胎内を掻き回す。
クチュクチュ、ピチャ、クチャクチャ……
「あ、あぁあ……!! や……ありま、ありまぁ……」
いつの間にかベッドの上端に頭を擦り付けるような格好になり、肩で息をしながら
一子が呻く。ポニーテールにした赤い髪が、今までの動きと汗で顔にへばりついていた。
「それ以上……は……もう……はぁっ」
「もう、なに……?」
意地悪にそう言いながら、蜜壷から際限なく溢れ出してくる淫液に高揚し、志貴は
さらに激しく胎内を掻き回してゆく。
「や、めろっ! く、うぅ……あぁっ!!」
また一子の身体が跳ね、少しグッタリとなる。どうやら軽く達したようだった。
「イチゴさん、まだだよ」
そんな様子を見取って顔を綻ばせた志貴は、より激しく指の抽挿を続けていた。
「ん、う……」
もとから病人である事も手伝ってか、一子はグッタリしたままだ。
「や、ありまぁ……もう……うんっ」
そう声を出して一子が軽く身じろぎするが、先程までのように抗う、という様子は
なくなっているようだった。
「あ……? うん、あっ、はぁあ……」
一子はいつの間にか目を閉じ、唇を噛んでいた。志貴の髪の毛を掴んでいた両手は頭に
乗せられただけになり、志貴の前でだらしなく広げられた一子の両足もすっかり
力が抜けきっている。声にも喘ぎのようなものが混じりだしていた。
「ん……ふ……」
そんな悩ましげなさまを見て、志貴は目を細めたようだった。
「イチゴさん、どう、続けて欲しい?」
耳もとで囁くようにそう志貴が一子に聴く。
一子は気だるそうに志貴を一瞥する。
「ふーん……」
くれられた一瞥に志貴は軽く頷いた様な反応を見せ、不意に指を動かすのを
止める。
「あ……?」
一子が意外そうな表情で志貴を見上げる。
「うん、何か疲れちゃったな」
指を秘所に埋没させたまま、志貴が笑ってそう言う。
「ありま、なに、を……?」
一言づつ言葉を出す一子に、志貴は笑ったままで答える。
「だってイチゴさん、気持良い、って言ってくれないしさ。こんなに濡れてるのに」
そう言って志貴は少し指を動かす。
「あ……」
一子の身体が一瞬ゾクリとしたように震える。
「どうなんです、イチゴさん? 続けて欲しいのならそう言ってくれなきゃ」
そう言われた瞬間に、一子が虚ろな視線を志貴へと向ける。
「ばか……ありま」
そして、そう言った後に、また視線を逸らす。
「……ばか、だけじゃ解らないですよ、イチゴさん」
そう返してきた志貴に、一子は顔を赤くしたままでポツリと呟いた。
「……るな、ありま……」
志貴は少し逡巡したような素振りを見せ、やがて口を開く。
「イチゴさん、ゴメン、よく聞こえなかったから、もう一回言ってくれないかな……」
志貴のその言葉を聞いて、一子がツイと志貴の方を向く。
「……やめるな……ありま……」
そう言った後で、また視線を逸らす。
「あ、そう言ったんだ。でもなあ……」
志貴は少し困惑したような表情を笑顔に混ぜて答える。
「……うん、じゃあ……」
そう言って自身のパンツを下ろし、志貴は「自身」を取り出し、一子に持たせる。
「はい、イチゴさん……解ります?」
「…………」
一子は少し志貴を見ていたようだったが、やがて身体を起こし、ゆっくりと志貴を咥える。
「嫌だったらスグに言って下さいね? 終わりにしますから」
「……いじわる……」
「何ですか?」
「…………」
一子はまた少し志貴を見たあと、ソレを再び口に含む。
「そう、上手ですね。イチゴさんは」
「う、ふ……ん」
返事のような、息が漏れたような声を出しながら、一子は志貴の肉茎を指で包み、全体を
しごくようにする。そうして、先端を口に含んで舌で包み込む。
「ふ、ん……」
時々そんな声を出して口から先端を外し、ゆっくりと肉茎全体を舌でなぞり唾液をまぶす。
「気持良いですよ。イチゴさん。その調子です」
そんな志貴の言など耳に入らないかのように、一子は小刻みに頭を動かす。
「う……うぅん……」
たまに息が詰まるのか、一子からそんな鼻声が聞こえてくる。その度に志貴は悦に
入るような視線を、一子の様態に投げかける。
「ふぅ、ん」
一子は唾液をまんべんなくまぶし、志貴が動き易いように気を使っているようだった。
「ん、ふぅ……ふぅん、ふ……」
どうやら志貴の肉茎を咥える事に熱中しているようだった。志貴のソレは一子の唾液で
ヌラヌラと光り、それに絡みつき、しごいている一子の細い指が、やけに艶かしく見えた。
「指、キレイですね……」
不意にそんな事を志貴は口にするが、一子は全く構っていないようだった。
「でも、本当に上手ですね? 一体、どこで覚えられたんです?」
どうやら自身の声が届いていないと悟った志貴がそう、一子に質問する。
「……」
その質問に一子は軽く目を伏せたようだった。
「今まで何人のオトコにこんなコト、してきたんです? イチゴさん」
目を伏せたのを見逃さずに、志貴がそう追い討ちをかける。
「しょうがないよなぁ。イチゴさんはとてもHが好きそうだし」
そんな志貴の独りごとにふと、一子が口を外す。
「あれ、どうし……」
「……早く射精せ……有間」
尚も聴いてくる志貴に一言だけそう言って、また口に含む。その一言を聞いた志貴は、
「ふーん……」
そう言って一子の頭に両手を乗せる。
「もうスグ出そうですから」
そう言って自分自身を口内に抽挿するように腰を動かし始め、一子の頭を動かないように
乗せた両手で抱える。
「う……? うぐっ!!」
突然限界近くまで挿入されて一子がそう呻く。
「大丈夫ですか? ああ、歯だけは立てないで下さいね」
志貴はそんな様子を見て軽くそう言った後、また抽挿を繰り返す。
「むぐ……うんっ、むぅっ」
志貴のモノが入る度に一子が眉を寄せ、そんな様子を見て志貴はさらにペースを
上げる。
「ホラ、我慢してればもうスグですよ」
そう言ってまた根元まで一子の口内に差し込む。肉茎に添えられていた両手は、今は
志貴の両腕を握っているようだった。
「うん。出しますよ、イチゴさん」
志貴がそんな事を言って腰を震わせる。一子は若干眉をしかめながら唇にキュッと
力を込め、志貴を締め上げるようにしたようだった。
ビュク、ドクッ
志貴が腰を震わせたのに合わせて一子の頭が微かに動く。やがて志貴が震えるのを
止めると一子がゆっくりと頭を動かす。
「……」
唇の端から志貴が今出したモノが零れ落ちて、シーツの上にポタポタと沁みを作る。
「……どうでした? イチゴさん」
志貴は昂揚したように嬉しそうな声を出して一子の顔を覗き込む。
「別に……苦いだけだ、精液なんて……」
そう言って軽く志貴を見たアトで一子は横を向く。しかし、志貴はさらに
顔を詰め寄らせると
「別にそんなコトは聴いてないですよ? 俺が聴きたいのはコッチです」
そう言って、再び一子の秘所へと手を伸ばす。
「……あ……」
「ホラ、やっぱり……」
志貴はそう言って指を滑り込ませる。
「普通、冷めちゃうモノなんですけどね……何でこんなに溢れちゃってるんです……?」
そう言って指を軽く動かす。
「…………」
一子は横を向いたきりだ。
「本当にヤらしいんですね、イチゴさんは。いつ挿れてもらえるかしか考えて
いなかったのかな……?」
そう言って、志貴は空いている手で一子の顔を正面に向き直らせる。
「……どうなんです、ヤらしいイチゴさん?」
ニヤニヤ笑いながらそう聴いて、志貴は一子に軽くキスする。
「…………ちがう……ありま」
「何がちがうんですか、イチゴさん」
そう言って志貴は、また秘所を弄る。
「違いませんよ、ホラ。聞こえるでしょ?」
クチュクチュとわざと音を出すようにかき混ぜながら志貴はそう言って、じっと一子を
覗き込む。
「…………だからだ……」
一子は目を伏せながら、そう呟く。
「何ですって、イチゴさん?」
よく聞き取れなかったのか、そう志貴は聴き返す。
「……ありま……だからだ、こんなに……濡れるのは」
それだけ言うと、一子はまた黙りこくる。志貴は少し肩をすくめるような素振りを
見せた後、もう一度、一子にキスをする。
「ん……ふぅ……」
今度は志貴が口腔に舌を入れてきて、一子はそう声を漏らし、やがて志貴の誘いに
乗るように、ゆっくりと舌を絡め出す。両手はいつの間にか志貴の背中へと回されていた。
「うーん……確かに苦いですね。よくこんなモノを口内に入れられるものだなぁ……」
自身の出したモノに軽く感心しながら、志貴はそう軽口を叩く。
「……それも……ありまだからだ……」
一子は心なしか少し赤くなりながら、そう呟く。
「そっか……じゃあ、お礼と言っては何ですけど、イチゴさん? 今からする事、
解りますよね?」
そう言って一子を両肩から抱くようにして、志貴はゆっくり一子を横にする。
「……私は病人だぞ……やさしく扱え……」
志貴になされるがままに横になって、触れられた手に従うように軽く足を広げながら
一子はそう告げる。
「はい、大丈夫ですよ、イチゴさん」
志貴はそう言って、ゆっくりと再び硬くなった自分自身を一子の秘唇へとあてがう。
「ありま……」
そう志貴の顔を見て呟く一子に軽く笑いかけながら、志貴は両手を一子の両肩の上へと
置き、ゆっくりと自身を突き入れる。
「……はぁ……」
志貴のソレは一子へとズブズブとさしたる抵抗もなく呑み込まれ、やがて根元まで
入りきると一子が、そう息を漏らした。
「熱いですね、イチゴさん」
明らかに今までとは違う、興奮した息遣いで志貴が言う。
「動け……ありま……」
そんな志貴に一子がそう甘えたような声で急かす。志貴はそれを聞いて慌てたように
腰を動かし始めた。志貴が腰を動かす度に一子の割れ目から志貴の肉茎がその半ばまで
外界に吐き出され、また一子へと挿し込まれてゆき、その度に割れ目はグチュグチュと
淫らな音を立てる。それが志貴を欲情させ、一子に声を漏らさせる。
「はぁ……いいよ……ありま」
そう一子が愉悦する。その声を聞いて志貴はさらに抽挿という行為に躍起になり、
執心して憑かれたように単純動作を繰り返す。
「いいの……? ね、イチゴさん?」
そう聴きながらひたすらに腰を動かす。
「俺も気持良いですよ。イチゴさんの中は」
冷静になったのか、リズムをつけて規則正しく動かし始めた志貴がそう口にする。
「はっ、あっ、んっ、ふ……あぁ……はぁあっ」
リズム正しく抽挿される志貴のモノが入ってゆく度に、一子はそう喘いでいる。
「もっと……ほしい……ありまぁ」
少し虚ろになった目で志貴を見ながらそう言って、一子は志貴の顔を両手で撫で、
肩を抱く。そんな行為に昂ぶったのか志貴は急速にピッチを上げる。
「あっ、ああっあああー!!」
上がったピッチに一子はどこか虚空を見つめるようにして口を半端に開き、そんな声を
上げる。そんな一子の嬌態を見て志貴は一子に被さり、抱きつく。
「イチゴさん……可愛いですよ」
自身の耳元で一子の荒くなった吐息を感じながら志貴はそう耳打ちする。
「ありま、おまえも……ん」
何か言いかけた一子の口に、志貴は自身の唇を重ね、そのまま動く。
「ん、んぅ!! んんん!! んぅ、んー!!」
急に口を塞がれ、息が続かなくなったのか一子が顔を赤くして激しく悶える。
「ふはっ、はっ、はっ……」
少しして志貴が口を離すと、一子がそう激しく息をつく。志貴はその姿を見て微笑む。
「だってイチゴさん、可愛いから」
今の行為に対して抗議の目線を刺してくる一子に志貴はそう釈明し、まだ息の
整いきらない一子をよそにまた抽挿行為へと没頭する。息を止めていたせいか一子の肌は
汗ばみ、抱きついて密着した箇所はじっとりとした淫靡な感触を志貴に与えていた。
「イチゴさん……」
志貴がそう口ずさみながら一子を貪りだす。より激しく、より深く、肉壁に擦りつけ、
一子の体温を、返ってくる抵抗を感じる度に、その快感に志貴はより昂ぶっていた。
ベッドがガタガタと揺れるような音がする。ギシギシと軋むような音がする。
そんな中で、志貴が身体を打ち付ける度に一子の身体は大きく上下に動き、乳房もまた
志貴に押し付けられたまま大きく揺れている。一子はその激しい動きの中で、志貴の
背中に両腕を回し、志貴に爪を立ててしがみついていた。
「ありま……ありまぁ……もっと……」
一子は呪文のように志貴にしがみつきながらそう繰り返す。
「ん……あ……」
志貴は一子を抱き締めながら、自身の絶頂を間近に感じているようだった。
「あ、ぅんっはぁ、あああっ」
「イチゴさん。出しますよ」
うっすら目を開けたまま自分を呑み込み声を上げる一子に志貴は告げる。
「いいよ……んんっ、ありまっ……」
少し志貴の方を向き、そうとだけ言って一子は志貴に絶頂を促す。志貴のペースが徐々に
一子を無視したものに代わり、一子はガクガクと震え出していた。
「くっ……うぅ!!」
志貴がそんな声を出し、同時に一子が脱力したようにグッタリとなる。
「あっ、ふっ、ああぁ……」
志貴がビクンと2,3度大きく震え、その度に一子は身体を仰け反らしたようだった。
「はぁっ、はぁっ、はぁっ……」
志貴がそう荒く息をつき、志貴の肌から急に汗が吹き出てくる。志貴が下を向くと、
同じく汗を噴出し、荒い呼吸を整える一子がいた。赤い髪がすっかり顔にへばりつき、
白い肌は上気してすっかり桜色に変わっていた。志貴はゆっくりと一子のポニーテールへ
手を伸ばし、顔についた赤い髪を剥がしていく。
「ん、なんだ……ありま」
まだ消耗してグッタリしたままの一子がそう牽制する。
「いや、まあ、綺麗な顔が見えなくなるのも惜しいなあ、と」
「そうか……まあいい、好きにしろ……」
そう言って一子はまた目線を外す。志貴はゆっくり一子から自身を抜いた後、一子の
傍らで横になった。
「……風邪が伝染るぞ、有間」
すぐ横で身体が密着している志貴に、一子はそう声をかける。
「いいですよ、イチゴさんの風邪なら」
そう志貴が軽口を返した。それを聞いて少しだけ一子が笑った。
「じゃあ、まあゆっくり横になっていけ、明日の朝に後悔させてやる」
そう言いながら志貴の背中へゆっくりと腕を伸ばす。
「はい、おやすみなさい、イチゴさん。起きたらつづきをやりましょう」
志貴はまた笑いながらそう言った。
その言に一子は特に何も応えず、志貴は一子とともに寝に入った。


                                         完















あとがき

しにを様、百万hitおめでとうございます。利一です。
本当はもっとしっかりしたSSを書く予定であったのですが、多分に筆者の力量に問題があり
こんなSSになってしましました。(汗)
これからも益々の御活躍をお祈り致します。


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