「お帰りなさいませ」 「お帰りなさい、志姫さん」  志姫の帰りを、双子の少女のメイドが出迎える。  着物とエプロンドレスの格好の違いがある二人。   「ただいま、翡翠、琥珀さん」  家に帰ってきたと、ほっとして志姫は力を抜く。  特に異常はなかったが、ずっとビクビクと歩いていたから、やっと着いたと いう思いは強かった。 「何やらお疲れですね、志姫さん。ね、翡翠ちゃん」 「そうです、志姫さま」 「試験が終わって気が抜けたからじゃないかしら」  志姫はなるべくさりげなく答えた。  帰宅途中で、アルクとシエルの部屋で抱かれてふらふらだとは、使用人の二 人に言える訳がなかったから。  そして弟の秋葉には、絶対に知られたくなかった。 「そうですね。ところで、どこで髪を洗われたんです?」 「え?」 「何だか洗いたてみたいで、おまけに香りが、屋敷のお風呂にあるものと明ら かに違いますけど」 「……」  確かに。  遠野家にある高級な石鹸などと比べると、確かに香りが異なっている。  志姫が答えに窮していると、無邪気に琥珀は言葉を続ける 「それに、何だか志姫さんの欲情なされたあとの匂いも……。まさかとは思い ますけど。ね、翡翠ちゃん」 「甘い香りがします。でも志姫さまが外でそのような真似をなさる筈がありま せん。きっと私達の気のせいです」 「そうよね。アルクさんかシエルさんか、それともお二人と素敵な一時を過ご したなんて事ないよね。どこかから精液の匂いがするのも全部気のせい」 「姉さん。何て事を。志姫さまに失礼です」 「琥珀さん、翡翠……、その……」  二人のやり取りに顔面が蒼白になっている志姫。  それを見てくすっと笑う琥珀。  翡翠までがちょっぴり悪戯っぽい顔をしている。 「冗談です。実はシエルさまから連絡がありまして」 「え、なんで先輩が?」 「志姫さんが凄い姿でお帰りになるけど、誤解しないでくれと。それと、秋葉 さまにわかると大変だろうから、世話をしてやって欲しいと頼まれました」 「そうなんだ……」 「そう言う訳で、このままだと秋葉さまにもお外でお風呂に入るような真似を した事がわかってしまいますよ。ささ、急いで、綺麗に致しましょう」 「そうです、参りましょう、志姫さま」  頷き、浴室へと向う志姫。  付き従う琥珀と翡翠。  浴室。  洗い場だけをとって見ても、遠野の屋敷の浴室は相当な広さを誇っていた。  その贅沢な作りの浴室で、琥珀と翡翠に二人がかりで裸にされ、志姫は入浴 の一切の世話を受けていた。  タンポンとアヌス栓をくすくすと笑われながら外され、お湯で、とろとろと 流れるシエルの残滓を洗い流される。  湯と共に流れる白濁液から志姫は努めて眼を背けていた。  それから、自分も全て脱ぎ捨て裸になった琥珀と泡だらけになった翡翠は、 志姫への奉仕を始め、志姫は子供のように自分の体を翡翠と琥珀の手に委ねた。  文字通り、翡翠と琥珀の手で本格的に志姫は身を清められた。  タオルやスポンジは使わず、二人のメイドの細い指で体の隅々にシャボンが 広げられ、軽く優しく擦られる。 「こんな綺麗で滑らかな肌ですものね」 「布でも表面の細胞には強過ぎますから、手で洗うのが一番です」  そう言いつつ背中を、首を、お腹を、脚を、隈なく弄る二人の手。  小さく細い指が柔らかく、優しく動く。  体のあちこちへと飽く事無く。  当然ながら熱心なその手は、胸や、お尻、秘裂にまでも伸ばされる。  手だけが独立して動くわけでなく、二人の体のあちこちが志姫の体に触れる。  志姫に比べると小柄と言ってよい二人だった。  だからそんなにボリュームに富んだ身体つきではないのだが、十分に女らし い柔らかい曲線を描き、胸も小さいながらも形よく膨らんでいる。  女同士とはいえ、そんな体が絶えず自分に触れる感触は、決して志姫にとっ て不快ではなかった。  しかし……。 「志姫さんの体って本当に綺麗ね、翡翠ちゃん」 「胸も大きくて羨ましいです」  恥かしそうに志姫は腕で胸を隠す。  その羞恥の様を双子のメイドはうっとりと見つめる。 「そんな姿見ると、わたし我慢できなくなります」 「わたしも興奮してまいりました」  やっぱりと思いつつ、志姫は二人の体の変化を見つめる。  その興奮、高ぶりの様が目に見えて明らかになるのを。  双子の体には、志姫にはない特質が一つだけあった。  同じ女でありながら異なる、大きな外観上の違い。  背の高さ、胸の大きさやなどとは違う明らかな相違。  それが今、はっきりと誇示されていた。  志姫の眼前に女にはない筈の器官が見える。  男性器、陰茎、ペニス。  そう、琥珀と翡翠、二人は外観も意識も女性でありながら、同時に男性とし ての証も有していた。  半陰半陽、ふたなり、アンドロギュノス。女性体をベースとしつつも両性具 有たる姿、それが普段の姿からは窺い知れぬ双子の特質だった。  可憐な少女から生えたグロテスクな雄の器官。  それに体のバランスからすると異様なほど、彼女達のペニスは巨大だった。  しかし二人は志姫の前で、何らそれを隠す事無く見せ付けている。  志姫も決して奇異な目を向けてはいない。  既に慣れたものであり、それ自体には志姫は当惑はしないが、双子のペニス は志姫の裸を見つめて隆起していた。  そしてさらにその下には女性器が自然と開きかけているのが見える。  明らかなる欲情の印。  それには、志姫は困ったような表情を見せていた。 「頭を洗いますね、眼鏡をこちらに」  志姫は眼をつぶって、魔眼封じの眼鏡を外すと翡翠に手渡す。  ぎゅっと眼をつぶっている。  点を見ないように。  線を見ないように。  世界の綻びを見ないように。  翡翠の手と思しき手が、志姫の髪を洗っている。  丹念に流れに沿って梳きながら、頭皮を柔らかく指の頭でマッサージするよ うに掻き、擦る。  どこか官能を刺激するような刺激に、志姫は眼を閉じながらもうっとりとし た表情になる。  しばらく止まっていた、琥珀が体を洗う動きも再開される。  さくらんぼのような胸の小さな突起を摘み、太股の合わせに柔らかく手を差 し込み、桃のような稜線にそって指を這わせて後ろのすぼまりをやんわりと指 先で揉みほぐす。 「ん、んんんッッ」  そのあまりな甘美な刺激に志姫は、たまらず声を洩らす。  声だけでなく、体がぴくぴくと動く。  それを琥珀が叱責する。   「志姫さん、デリケートな処を洗っているのですから、動かないで下さい」  言いつつ、股間に差し入れた指を動かす。  ぬめぬめとした粘膜をなぞりつつ、硬くなっている肉芽を突付く。 「だって……」 「なんです。まさか感じている訳ではないですよね。単に体を洗っているだけ ですもの……」  意地悪い琥珀の声。  指の動きは止まらない。  酷ではあった。  眼が見えていれば、どこに何をされるのかがわかる。強い刺激を予期して堪 える事もできる。  しかし今の志姫には、いつ体の何処を攻められるのかわからない。  巧妙に琥珀は場所を変え、強弱を変え、動きを止めてはまた快楽を引き出し、 意図的に志姫を翻弄していた。  何より、視覚が奪われている今は、他の感覚が鋭敏になっており、さっきま でと同じ指とは思えぬほど強い刺激に、志姫はのたうっていた。 「さて、じゃあアルクさんとシエルさんに可愛がられたらしい志姫さんの可愛 らしいここと、後ろを奥まで洗浄しましょう」  膣口とお尻の穴に爪の先を潜らせながら、琥珀は宣言する。  これから弄りますよ、覚悟して下さい。  そういう声が志姫には言葉に拠らず聞こえた。 「まずは前ですね。指では短いですから、わたしか翡翠ちゃんの男の子で志姫 さんの女の子を綺麗にしますね」 「琥珀さん……」 「何です、お嫌ですか?」 「そうじゃないけど、眼鏡を返してよ」  もう髪は洗われお湯で流されているのに、依然眼鏡は取り上げられたままだ った。  だからわざわざ頼んだのだが、返ってこない。  不安に思って、もう一度志姫は言葉を口にした。  どいういう意図なのか、琥珀はなかなか返事すらしない。 「それではですね、ゲームに勝てたら返してあげます」 「ゲーム?」 「わたしと翡翠ちゃんのどちらかが志姫さんに挿入しますから、どちらか当て てください。チャンスは5回、どうです?」 「わかったわ。だったら早くして」 「はい。ではお犬さんになって下さい」  なんでこんな事に、と思いつつも、面白がっている響きの琥珀の声に、従わ ないと返ってこないだろうと諦める。  志姫はゆっくりと四つん這いになり、おそらくはじっと視線を向けているで あろう双子の姉妹に恥ずかしい処を晒した。  そうして同姓である二人に見られていると思う事は、異性に性器や排泄器官 を見られるのとはまた違った羞恥を志姫に感じさせた。 「可愛いね、翡翠ちゃん」 「志姫さまの綺麗。前も後ろも」 「もうあんなに光らせて、ふふふ、本当に可愛い……」  そんなヒソヒソ声も志姫の顔を紅潮させる。  ではやりますよ、という声に志姫は身を硬くした。  そして、新たな刺激がもたらされた。  固くて熱いものが、自分の恥ずかしい処を探っている。  志姫は翡翠なのか琥珀なのかを見極める為、神経を集中する。  それは当然、受ける刺激に対する快楽の量を増す事に繋がっていた。  じゅぷ。  ゆっくりと、志姫に感触を味あわせるように、挿入される。  志姫は、ペニスが自分を押し広げ、花弁が捲り上げるのをはっきりと感じて いた。  その量感と熱さと固さを強く意識していた。  強く官能が刺激される。 「どちらです、志姫さん?」 「……翡翠かな、これは」 「いいえ、残念。志姫さんに挿れたのはわたし、琥珀でした。では、次です」  抜かれ、少しの間の後、さっきとは違う動きでまたペニスが挿入される。  志姫には同じ動きとしか感じられない。 「さて、今度はどちら?」 「琥珀さんでしょう?」 「外れです、志姫さま」  次、はずれ。  その次、はずれ。  四回続けて、志姫は外した。  残りは一回。 「ダメですね志姫さん。今度外れたら罰ゲームです」 「罰ゲーム?」 「そのまま膣内に出してしまいます」 「え、だめ。それはやめて……」 「平気ですよ、わたし達の精子は普通にしていたら男性の機能はありませんか ら。とは言っても危険は0では無いですけどね。要は当てればいいんです」  ゆるゆると抽送を繰り返していたペニスが、じゅぷと水音をたてて膣内から 抜け出る。  抜かれて広がったままの穴から、志姫の愛液が薄白く濁ってこぼれ落ちる。 「では、最後です、志姫さま」 「どちらでしょうねえ」  今までで一番ゆっくりと、感触を殊更に強調して確認させるように、緩慢な 動きで怒張が志姫の中へ挿入される。  外に出ていた花弁を巻き込み、膣口驚くほど伸縮させながら。  ひきつった膣口が亀頭を呑み込み、筋の張った幹をずるずると啜り込む。 「どうですか、志姫さま」 「わたしですか、それとも翡翠ちゃんですか?」  並んで立っているのだろうと志姫は思う。  ほぼ同じ所から二人の声が聞こえる。  わからなかった。  手や脚が触れて、いつものように動いてくれるのならば、翡翠と琥珀の違い を感じたかもしれないが、ただまっすぐに挿入し、緩急も無くゆっくりと出入 りするだけでは、目立った差異はどれだけ集中してもわからない。  自分の感覚だけを頼りに必死になっている志姫には考えも及ばなかったろう。  たとえ志姫の答えが合っていたとしても、琥珀と翡翠が否定すれば誤りとな ってしまうという事実を。 「琥珀さん……?」 「残念ですねえ、翡翠ちゃんでした。はい、それでは翡翠ちゃん、そろそろ我 慢できないんでしょ、志姫さんのお腹にたっぷりと出してあげて」 「ダメ、お願い、翡翠。やめて……」  しかし忠実なメイドたる翡翠はそこにいなかった。  そこには主人の腰を掴み、激しく後ろから交わる情欲の虜がいるだけだった。  乱暴ではないが、激しく腰がぶつかる。   「うふふ、翡翠ちゃんの腰の辺りピクピクしてる。そろそろかな」 「んんん、志姫さま、ああ、志姫さまの中が締め付けて、わたし……」 「あああッッ、翡翠、激しい。んんんああ……」  ふっと力が抜けてつっぷす志姫。  柔らかい尻肉に指を食い込ませながら翡翠はさらにさらに深奥へとペニスを 埋めていたが、低く呻き声をあげながら、引き抜いた。 「志姫さま、あああぁぁぁッッッ」  抜きながらペニスを上へと跳ね上げる。  膣口、花弁、蟻の門渡りをペニスの先は擦りあげ、そして志姫のお尻の谷間 に挟み込まれながら、激しく精を放った。  びゅく、びゅく、びゅく……。  志姫の白いお尻、背中を幾分濁った白色の液体に染められる。  放心する志姫に重なるように翡翠が倒れる。  自らの放った精液に構わず、志姫の背に体を合わせて手を志姫の前に回す。  志姫の胸に手を触れながら、間に挟んだ自分の柔らかい胸を潰す。  しばらく二人は折り重なって息を整えた。  琥珀はどこか楽しそうに、絶頂を迎えた二人を眺めていた。  志姫が伏せた顔を後ろに向ける。  最後の瞬間に感じた感触を確かめる。 「ああ、出さないでくれたの、中に?」 「もちろんです、ただの脅かしですよ。そもそも志姫さんの中を洗って差し上 げようとしているんですから、中出しなど出来ません」 「よかったあ」 「志姫さま……」  翡翠が自分の精液が付着するのも構わず、志姫を後ろからさらにぎゅっと抱 き締める。  琥珀は眼鏡を志姫にはめた。 「翡翠……」  ちぅぅ。んふふんん。ちゅっ……。  志姫は上半身を捻り背後に顔を向けると、翡翠の唇に自分のそれを合わせた。 「いいなあ、翡翠ちゃん」  くすっと志姫は笑って、琥珀にも唇を突き出してみせる。  琥珀は嬉しそうに、妹と合わされたばかりの唇を味わう。  ちゅっ、じゅぷ、んふうう、ちううう……。  ふうっと満足そうに琥珀は屈めた腰を上げる。 「では、お遊びはこれくらいにしましょう。仕上げとして、志姫さんの膣内と 直腸を綺麗にしますね。二人がかりで、これで」  琥珀はそう言って石鹸の泡を丹念に己のペニスへ塗りたくっていく。  はや、回復した翡翠も、身を起こしてそれに倣う。 「翡翠ちゃん、どちらがいい? 一度出してしまって膣内でも長持ちするから、 大丈夫だよ」 「今、前でさせて貰ったから、今度は後ろでもいい?」 「うん、それじゃ、わたしから先に……」    琥珀は志姫の前に立ち、根本を持ちペニスをまっすぐ志姫に向ける。  志姫は今から自分の中に入るそれをじっと見つめる。 「はい、志姫さま、よろしいですよ」 「え、ええ……」  立ったまま琥珀のペニスを受け入れようと、志姫は少し足を広げ、自分の手 で花弁を開いて見せる。  琥珀はにこりと微笑む。 「よくできました」  ずぶり。  琥珀の熟練もあろうが、あっけないほど簡単に志姫の膣内に琥珀のペニスは はめられた。  まるで自ら琥珀を呑み込んだかのように。   「ふぅぅ、凄い締め付け。いいわよ、翡翠ちゃん」  琥珀の手が志姫の後ろの双丘を這う。  むにゅと左右に開き、指がさらに谷間を探る。 「やああ……」  志姫が甘い声を洩らす。 「ここね」  琥珀の指が眼に拠らず、志姫の後ろを探り当てる。  爪先を軽く食い込ませ、そこも広げてしまう。 「ふああんんん……」  琥珀のペニスに続き、翡翠も志姫の敏感な穴へと入り込む。  さっきシエルによって可愛がられ、腫れぼったい痕を残している後ろの穴へ。  双子ならではの息の合った動き。  交互に志姫の深奥を突き、志姫を休ませず絶えず高波に揺らせる。  片方が緩やかなリズムで志姫を高め、もう一方が不意打ちのように腰を激し く打ちつける。  同じリズムで、しかし志姫を必要以上に圧迫し苦痛を生み出さないようにし ながら、抽送を繰り返す。  時折、抜いては自分のペニスにお湯を掛けて清め、新たに石鹸の泡をつけて 穴へと挿入を行う。  あくまで、膣内と直腸の洗浄行為として。  膣壁を腸壁を、ペニスで擦りたて、抜く動きの時にはえらの張ったカリ首で こそげ落とすように刺激する。 「あん、あああッッ、やだ、や……」  何度も志姫は二人の動きに、絶頂を迎えていた。  その度にきゅっと膣内を収縮させ、アヌスを締め付ける。  それは当然、翡翠と琥珀をも高みへと誘う。 「そろそろ、よろしいですね」 「志姫さん、さあ天国へ行ってくださいな」  強く、同時に。  琥珀が子宮口へペニスを突き込み、翡翠が少しのあまりも無いほど奥深く挿 入する。  翡翠が志姫の張り裂けそうに膨らんだクリトリスを包皮ごとぎゅっと指で摘 み潰し、琥珀が尖ったピンク色の乳首に優しく歯を立てる。 「ああ、ああああぁぁぁッッッッッ……」  絶叫と、声とならないほどの高い音となる叫び。  背中を反らし、白い喉を伸ばし、志姫は絶頂を迎えた。  翡翠と琥珀は嬉しそうに、しかし何かを堪えるような顔で、放心する志姫の 姿を見つめていた。  ずりゅと粘性のある音を立てて、琥珀が秘裂からペニスを抜く。  同じく翡翠も後ろの穴からペニスを引き抜く。  どちらもまだ隆々としている。  当然と言えた。  二人はまだ射精に到っていなかったから。 「志姫さま」 「お情けを……」  二人で志姫の体を起こす。  力なくペタンと座り込む志姫。  二人は立ったまま左右から近づく。  放心した目に意思の光を見せず、しかし志姫はのろのろと両手を伸ばした。  今にも爆発しそうに隆起している翡翠のペニスに。  期待のあまりもびくびくと震える琥珀のペニスに。    志姫の手が優しく二人のペニスを握る。 「あっ」 「んんんッッ」  さっきまで志姫の二つの穴を塞ぎ、志姫を翻弄していた二人が、志姫の手の 感触だけで堪えきれず声を洩らす。  志姫はそのまま手を動かした。  己の秘裂に入りたっぷりと愛液をまとわりつかせた琥珀のペニスを擦る。  己の不浄の場所を荒し、石鹸の泡と腸液に塗れた翡翠のペニスをしごく。 「ちょうだい、二人の……」  顔を上げる。  ペニスへの動きを早める。  刺激もさる事ながら、その志姫の声に堰を切られたように……。 「志姫さま」 「志姫さん、いきます」  同時に、双子の少女は果てた。  琥珀と翡翠の男の子がびくびくと動き、志姫目掛けて白濁液を放出する。  ぴゅるぴゅると驚くほどの量の精液が、志姫の髪を顔を、体を白く染め上げ ていく。  最後の一滴まで搾り取るように、緩やかに志姫の手は動いていた。  志姫は、顔をどろどろにしながらも、まだ優しい動きで、二人のペニスをし ごいていた。  ちゅっ。  ちゅぅぅっ。  最後の飛滴が落ちたと見ると顔を近づけ、まだ衰えぬ二人の先端にキスして、 軽く吸上げる。  仕上げにと、志姫は翡翠のペニスの先を吸い、琥珀のペニスの鈴口に舌を入 れる。 「ああっ、志姫さん」 「志姫さまッッ」  感極まったような声をあげる二人。  志姫は双子にニコリと笑って見せた。  「さてと、もう一度志姫さんのお体を洗って差し上げないと」 「こんな綺麗な髪に、すみません志姫さま」    そんなこんなで秋葉の帰宅寸前まで入浴していた志姫達だった。              ◇   ◇   ◇ 「姉さん」 「秋葉、うんん……、おかしいよ、姉弟でこんな事……」  帰宅早々、秋葉は志姫を抱擁し、唇を合わせた。  そして、そのまま欲情に光る瞳で志姫を見つめ、体を求めたのだった。  志姫は流されつつも、弱々しい拒否を示す。  しかし秋葉は、面白がるような笑みで斟酌しない。 「お嫌なんですか? こんなにしていながら……、姉さんの体は正直ですよ」  じゅぷ、じゅぷと音が洩れる。  細く長い指が跳ねる度に、志姫の体は反応する。  秋葉は片手で志姫の秘裂を探りつつ、器用に空いた手で自分の纏った制服を 脱ぎ捨てた。  細すぎるほどの締まった体。  苛烈な色を時に見せる意志の強い瞳が無ければ、長い流れるような髪といい、 女性で通ったかもしれない。  さすがに、下半身は片手で困難と見て、志姫を弄る手を戻す。  ズボンを脱ぎ、膨らんだ股間を隠そうともせずに志姫の前でパンツも下ろし てしまう。  バネ仕掛けのように、既にいきり立ったペニスが飛び出す。  小柄で細身な体には不似合いなほど、それは大きく逞しかった。  手で握ると、しごく様に数回動かす。 「欲しくないんですか、姉さん?」 「……意地悪」 「言わないとあげませんよ」 「ちょうだい、私に秋葉の……」  さすがに口ごもり、許しを乞うように弟の顔を見る。  その表情に、締め付けられるような愛しさを感じつつも、秋葉は冷然とした 表情を崩さない。  半歩前に出て、ペニスの先で姉の下の唇を擦りあげる真似をする。  秘裂に触れるか触れないかの処で熱い先端が、行き来するのを志姫は息を呑 んで見つめる。  秋葉はおもむろに先を促す。 「何が欲しいの、姉さん?」 「秋葉のペニスを挿れて。いやらしい姉さんに、秋葉のペニスでいっぱいお仕 置きして」 「お仕置きなんてとんでもない。……可愛がってあげますよ、姉さん」  志姫は床に横たわった。  見下ろす弟の眼を意識しつつ、ゆっくりと腿を広げる。  志姫の手がおずおずと自分の恥ずかしい処へと伸びる。  薄紅色の花弁を指で掻き分け、そっと、深奥の濃い紅を露わにした。 「秋葉、お願い、挿れて」 「姉さん」  その痴態に、秋葉の理性の砦は陥落した。  秋葉は倒れこむような勢いで、志姫の体に覆い被さった。  ほとんど叩きつけるようにして、慣れ親しんだ姉の中へペニスをずぶりと埋 める。  必死にしがみ付くかのようにからみつく志姫の肉襞。  そのうねりを数瞬味わい、小さくうめいた後、秋葉は動き始めた。  リズムある律動。  体全体が前後に上下に波のように動き、それに従って志姫から間違えようが ない喘ぎ声が洩れる。  動きが、強い上下の抽送に変わっている。  ずん、ずん、と腰が当たり、秋葉のペニスが志姫の深奥を穿つ。 「もう、イクのね、秋葉?」 「ああ。姉さんの中、最高だよ。  このまま注いであげたいけど……。胸に出す? それともたっぷりと顔を汚 してあげようか?」 「どっちもいい。秋葉の精液、かけて貰うの……、でも……」 「でも?」 「本当は中で出したいんでしょ」 「それは……、うん、姉さんの中でそのままイキたいよ」 「なら、いいよ。抜かないでそのまま」 「いいの? 弟のペニスを呑み込んで、膣内に出してなんて……。  子供が出来てもいいの?」 「……」  さすがにその言葉に、志姫は表情をわずかに硬質なものに変える。  秋葉は動きをゆっくりとさせて、姉の言葉を待つ。  優しく、姉が望む事をなんでもしてあげようという表情をして。  志姫は弟の顔を見て、唇を開いた。 「いいよ。秋葉ならいいよ」 「え?」 「秋葉の子供なら、私……」 「姉さん」  恥ずかしそうな志姫の表情に、声に、ぽっと紅をさした頬に、秋葉は狂った。  体全体で志姫の体を揺り動かし、激しく抜き差しを繰り返す。 「いくよ、姉さん」 「うん……」 「全部、姉さんの中で……」  どくん! どく、どく……。  いっぱいに伸ばされた柔肉が、秋葉の膨張にさらに限界に近づく。  ごぽりと挿入されたままの膣口から、どろどろの白濁液が洩れ出てきた。   「ねえ、秋葉」 「なんです、姉さん」 「やっぱりおかしいよね、こんな姉弟で、その……」 「僕の事嫌いなの、姉さんは?」  普段の年下とは思えぬ落ち着いた顔が、いつも強気に光る瞳が、僅かに弱々 しくなっている。  それは遠き日の、姉の後ばかりをついて来た姿を志姫に思い出させた。  志姫は弟を抱き締めた。 「そんな事ある訳ないよ」 「なら、いいよね。姉さんの事もっと感じても……。顔を見る事すら出来なか った歳月の分まで?」 「うん……」  もう一度、二人は唇を合わせ、崩れるように体を交わらせた。  甘い声が、吐息が重なる。  ……。              ◇   ◇   ◇  夕食後の団欒。  紅茶の芳香を楽しむ遠野家の四人。  志姫は軽く溜息をついた。 「どうかなさいましたか、志姫さま?」 「いや、こういう落ち着いた時間もいいなあって思って」 「そうですね……」  翡翠も軽く微笑む。    しかし突如、ささやかな志姫の幸せは破られた。 「志姫〜」 「遠野クン」  アルクとシエルの姿に、志姫は思わず手にしたティーカップを取り落としそ うになる。 「なんで?」  驚愕の志姫に、コホンと秋葉が咳払いをして注意を引く。 「実は、先日この二人と口論になりまして」 「?」 「誰が姉さんを一番喜ばせられるのかって」 「え?」  意味がわからないと言うように志姫は首を傾げる。  秋葉は平然と言葉を続ける。 「姉さんの体と一番相性が良く、おかしくなるほどイカせる事が出来るのは誰 なのかという口論です。物分りが悪い事に、アルクさんとシエルさんは弟であ る僕こそが姉さんと一番肌が合うのだという明らかな事実を認めないんです。  それどころか身の程知らずにも、自分がそうだと蒙昧な主張をして」  志姫が絶望的な顔で、来客の顔を見た。  こういう流れの時は、大抵屋敷のあちこちが壊れる程の争いに発展する。  しかし、二人は僅かに秋葉の物言いに異論ありげな顔をするものの、概ね同 意という顔をしていた。 「だから、それは皆が納得できる形で決めようと思うんです」 「それが一番ですね。言い争いは不毛です」  秋葉の言葉にシエルも冷静に同意する。  三人の言い争いが人外の死闘へと発展するのを何度も眼にしていた志姫は、 僅かにほっとした顔をする。 「うん、喧嘩しないのはいいと思うよ」 「そうでしょ、志姫も賛成してくれるんだ、よかった」  アルクが背後から抱きつく。 「アルク、やめてよ。で、どうやって決めるの?」  ざわっと背後の毛が逆立った。  志姫が質問を口にした瞬間、秋葉とシエルが笑みを浮かべた。  危険だと、本能が感じる笑みを。 「アルクさん、捕まえていて下さいね」 「大丈夫」 「えっ?」  志姫は、アルクが単に抱きついたのではなく、体を拘束しているのだと気づ かされた。  身を捩るが、まったく動けない。 「三人で実践してみるんですよ。  兄さんを実際に相手にして、皆が納得できるまで、誰が兄さんを一番喜ばせ られるかをね。そう何度も何度も繰り返してね。あ、ちゃんとお薬は食事の時 に投与してありますから、大丈夫ですよ」  言いながら、秋葉とシエルも志姫の手足を掴んだ。 「嫌――――ッッッ!!!」    一時間後。 「やだ、もう。あんんん……」 「よし、ワタシが一つリード」 「姉さんたら、いいです。私がもっと可愛がってあげるから」 「でも志姫クン、可愛いなあ」  二時間後。 「あああッッッ……。もっと……、先輩、もっと」 「志姫クン、ああ、ほら……、どう?」 「ちょっとシエル、まだ……、もう、仕方ないなあ」 「なんていやらしい顔なんだろう、姉さんったら」  数時間後。 「凄い、志姫のここ、こんなになってもまだ吸い付いてくる」 「こっちも緩みきってしまって。ふふ、誰の精液かももうわからないね。  いいよ、二人の何て押し出して、僕ので姉さんのお腹をいっぱいにしてあげ るから……」 「んん、……、はぁ、ンッッ……」  じゅぷ、ちゅぷぷ、ずちゅーーッ。 「あーあ、自分ので汚れたのをこんなに熱心に……、本当に食べてしまいたい くらい可愛いですよ、志姫クン」  そして……。 「あー、気持ち良かった。最高、志姫の体って」 「本当に、してもしても足りませんね。絶品です」 「するほど、もっと欲しくなるな、姉さんの体は」  ひくひくと横たわって放心している志姫。  その姿は一見、壮絶な陵辱の後にしか見えない。  体のいたる処が白濁した液にまみれている。  舌を覗かせた半開きの口からも、無惨にも融けきった充血した膣口からも、 閉じきらぬ後ろの穴からも、志姫自身の分泌液と共に、濃厚にぬめる異性の体 液がこぼれ出ている。  体中にキスマークをつけられ、舌の這った痕が残っている。  しかし……。 「志姫クンはタフですね」 「そうよね、体は弱いのに」 「あんなに喜んで……」  放心した志姫の顔は、明らかに愉悦の色を浮かべていた。  息も絶え絶えといった様子でありながら、うっとりと淫靡な笑みすら浮かべ ているのが見て取れる。 「さすがに秋葉さんのお姉さま、淫乱で底なしですねえ」 「何だよ、それは。幾らなんでも姉さんには負けるよ」 「でもワタシ志姫相手なら、干からびてからからになってもかまわないな」 「それはわたしも同感です」 「姉さんが喜んでくれるなら何度だって、死ぬまで続けても悔いはないな」  うんうんと和やかに頷き合う三人。  しかし、アルクが嬉しそうに宣言する。 「とにかく、今夜はワタシが勝ったね」 「え、でも……」 「回数勝負で決める筈だったでしょう、アルク?」  アルクの輝く笑み。  シエルと秋葉は渋面を浮かべて反論するが、やや気勢が弱い。  おのずと勝者と敗者は明確になる。 「なら、シエル達は何回志姫をイカせてあげられた? ワタシは20回くらい までしか憶えてないけど……、どうせ二人とも同じくらいで後はわからなくな ってない?」 「う……、確かに」 「途中から三人掛かりで乱交になったのは、失敗だったですね」 「だとすると、最後に志姫におもらしまでさせたんだから、ワタシが今夜は一 番悦ばせたという事でいいよね?」 「……」 「……」 「いいよね?」  しぶしぶシエルと秋葉は同意して頷く。  本当に感じて感じまくった果てには放尿にまで至る志姫の反応は、二人とも 何度も体験済みだから。 「と言うことで、志姫とお風呂入る権利は、 ワタシが獲得」  三人分の体液にまみれた志姫をひょいと抱き上げるアルク。   「メイドさん借りるよ」 「はい、どうぞ」  仕方なしと秋葉は同意する。  アルクはありがとうと素直に礼を言うと、じっと佇んでいた双子にむかって 声をかける。 「二人とも、志姫洗うの手伝ってよ」 「かしこまりました」 「はい、お任せください」 「さっきから我慢してたでしょ? いいよ、みんなで一緒に志姫のこと、可愛 がってあげようよ」 「よろしいのですか?」 「うん。双子と一緒ってのは前に試して楽しかったし。翡翠は嫌?」 「私もお願いいたします、アルク様」 「よし、それじゃ行くよ」  意気揚揚と翡翠と琥珀を従え、アルクは浴場へと志姫を抱いたまま歩み去る。  残された二人の羨望の視線を受けながら。 「あー、悔しいなあ」 「そうですねえ」  そして、その場から去るに去れず、冷めきった紅茶を啜って待つ二人。                ◇   ◇   ◇  夜、志姫の部屋。  もぞもぞとベッドに入る志姫。 「あーあ、また、あんなに。  私、変なのかなあ。こんなに一日で何人も、それが嫌じゃなくて、嬉しくて 気持ち良くて……。  こんなの、変態だよね。普通の女の子なら、こんな事しないよね」  涙目でぶちぶちと自分を責める。  そして、また思いは別の方向へも向く。 「でも、何で私なんだろう。  アルクだって、シエル先輩だって、秋葉だって、こんな特に取り柄も無い女 の子じゃなくて、いくらでも素敵な女性を恋人にできるのに……。  琥珀さんと翡翠も、なんで私に対してだけは、男の子になるんだろう?」  しばらくそうしていて、握り拳で決然とした表情に変わる。 「明日からは、もうあんな真似しないんだから。絶対に見境無く抱かれたり、 おねだりしたりなんて……、しない、そう、絶対しないんだから。きっぱり断 って健全な女子高生に戻るんだから」  何度目か、いや何十、何百回目かわからない決意をして、目を閉じる。  恐らくは不毛な結果に終わる誓いで、束の間の心の平安を抱きつつ。  月が静かに照らしていた。  この不遇な少女を。  あるいは皆に愛されている、見方によってはこの上なく幸せな少女を。  《FIN》 ―――あとがき  えーと。  なんでしょう、これ?     ええとですね、志貴のハーレム状態の作品ってありますよね。たんに全員に 想いを寄せられるだけでなく、全員と関係も持っているようなもの。  そういう傾向のもので、志貴が皆から干からびるまで搾り取られてしまう展 開のコメディーがありますね。しゅらさんとか阿羅本さんとかが書かれる世界。  私はあーいう軽妙なのは自分では書けないけど、読むのは好きなんです。  あと、最近メインキャラの性別反転設定でSSをお書きになる人が結構いら っしゃって、そういうのも、好きなんです。  だからか、志貴を女にしたらどうだろう。男だから笑い話になるけど、女の 子だったとしたら相当酷い陵辱モノになるんじゃないかなあと、ある日妄想。    で、出来たのがこれ。好きな作品の登場人物を酷い目にあわせるのは抵抗あ るのですが、まあ志貴だし。  なんと言いますか、志貴なら何をしてもいいような気がしませんか?  キャラ設定とかは深く考えず、ほぼ性別反転させただけ。  翡翠・琥珀は男にすると変かなと思って、かえって酷い事に。  それと、志姫という名前は、『寄せ集めな世界』のしゅらさんがネタ日記で 設定なされているTS月姫(琥珀さんの少年時代の設定の淫靡さは素晴らしい ですよ、必見)の主人公より使用許可頂きました。感謝です。  お楽しみ頂けると嬉しいのですが……、というか最後まで読んで貰えるのか、 こんなの?    by しにを  (2002/7/14)


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