天抜き 其の十五





 七百一「萌妹」

 志貴「もう少し秋葉、変わらないものかなあ」
 琥珀「と言いますと?」
 志貴「何と言うか、もっと妹らしい妹って感じの……。
    うーん、どう言ったら伝わるかな」
 琥珀「ああ、何となくわかりますよ。
    もっとわかりやすくお兄ちゃんLoveになればいいのですね?」
 志貴「わかりやすく……?
    まあ、そうかな」
 琥珀「うーん、無理では無いと思いますよ。
    そうですね、志貴さんさえいろいろ努力されたり意識改革なされ
    る意志がおありなら、何とかなるかしら」
 志貴「そうかな。
    ……随分と親身になってくれるんだね、琥珀さん」
 琥珀「ええ、まあ(先の事考えると他人事ではないですもの)」



 七百二「ふとした疑問」作:のちさん

 志貴「……つまり、どちらもあり得るのか」
 ネロ「無論だ。雄雌も含み、混沌である」
 志貴「……」
 ネロ「……」
 志貴「……じゃあ、さ」
 ネロ「む?」
 志貴「お前は?」
 ネロ「……」



 七百三「十人十色」作:のちさん

    ち、ち、ちろ、ろ、ちち、ち

 琥珀「あー、これは翡翠ちゃんですねー、今日も健康っと」

    じょぼぼぼ、ぼ、ぼ

 琥珀「ふふ、相変わらず、志貴さんはお元気ですねー。ここだけ」

    ちろろろろろろろろろろろろろろろ

 琥珀「もう、秋葉様は血の吸い過ぎなんです。だから、こんなにたくさん出る
    んですよ」

 シオン「……琥珀、普通、こう言うものは本人の了解が必要なのでは?」
 琥珀 「あらシオンさん。こう言うのもあるんですよー?」

    ちろちろちちちち、ちち

 シオン「……わたしは何も見ませんでした」
 琥珀 「はい、そういうことで」



 七百四「正しく映っているとは……」

 秋葉「うーん」(鏡の前で百面相して)
   「……兄さん。これも硬いわね、もっと優しそうに。
    にいさん、おはようございます。
    ……。
    やっぱり可愛くないなあ、私」

 琥珀「充分すぎると思いますけど、ね」(ドアの隙間から)



 七百五「最大効果」

 シエル「美味しいです、遠野くん。ふふふ……」
 志貴 「そう? よかった」
 シエル「こんな処にもお店があったなんて、遠野くん凄いです。
     あ、でも、デートの度にカレー屋さん。
     気を使わせちゃってますね、わたし……」
 志貴 「ううん、そんな事無いよ」
 シエル「そうですか?」
 志貴 「それで先輩のこんな嬉しそうな顔見られるんだもの。
     幾らだって連れて行くし、新しい店も探すよ」



 七百六「本当に怖い話」作:のちさん

 志貴 「……ということがあるんだって」
 シエル「もっと怖い話もありますよ。……あれは、私が……」

 志貴 「……実体験は、いいですから」


 七百七「本当に怖いお話し」作:のちさん

 志貴「……ということだったんだって」
 秋葉「……へえ、いい度胸してますね、瀬尾……」

 志貴「……あのさ、そういうふうに聞いただけだって」


 七百八「本当にあった怖い話」作:のちさん

 志貴 「……ということがあったんだって」
 シオン「それは論理的におかしいです」

 志貴 「……お話しなんだからさぁ……」


 七百九「本当に怖い昔話」作:のちさん

 志貴「……ということがあったとさ」
 翡翠「……志貴さま、今のどこが怖かったんでしょう?」

 志貴「いや、そんな真顔で突っ込まれても」


 七百十「本当にある怖い話」作:のちさん

 志貴「……なんて事が起きるかもね」
 レン「……」(涙目)

 志貴「……ああ、ごめん、その、今日は一緒に寝るからさ、ね?」


 七百十一「本当の怖い話」作:のちさん

 志貴「……」
 琥珀「……」

 志貴「……俺は何も見なかった」


 七百十二「本当にこれからある怖い話」作:のちさん

 志貴「……」
 晶 「だから! 志貴さん! カメラをーーー!!!」

 志貴「……」


 七百十三「本当に怖いおとぎばなし」作:のちさん

 志貴 「……と、なりましたとさ」
 アルク「あー、あれ、私ー」

 志貴 「はい?」



 七百十四「根本的解決」

 秋葉「私を怒らせて、悲しませて、切なくさせて、泣かせて、夜も
    眠れなくさせて、悩ませて、嘆かせて、絶望させて……。
    みんな、みんな兄さんのせい。
    兄さんが、私を振り回しているのよ、いつも。
    だったら…」
   「志貴さんがいなくなればいいんですね」
 秋葉「そうよ、兄さんなんていなくなっちゃえば……あれ?」



 七百十五「マルチシナリオ&マルチエンディング」

 志貴「これしか……、そうだ、他に方法はなかったんだ。
    仕方なかった……、でも、もっと……。
    ごめん、ごめんよ……」(血塗れの刃を見つめて低く嗚咽)



 七百十六「きっぱりすっぱりと」作:大崎瑞香さん

 翡翠「志貴様、先ほどは姉さんが失礼いたしました」
 志貴「いや、かまわないよ」
 翡翠「すみません、志貴様
    姉さんは腹が黒いですけど、これからも、どうぞよろしくお願いいたします」
 志貴「……」 



 七百十七「本音」作:アラヤ式さん

 黒騎士シュトラウト「フィナ!!貴様、一体何をした!?」

    ブライミッツ・マーダーの前で、泣き崩れるアルトルージュ。

 白騎士ヴラド「何って、バウリンガルを姫様に差し上げただけだけど。」



 七百十八「可能性を超えて」

 琥珀「火も調味料も使わず味付けもしない、そんな料理ならどうか?
    それでも……、いったいどうやってるんでしょうね」(溜息)



 七百十九「大いなる眠り」

 志貴 「眠ったまま死んじゃうんじゃないか、目を覚まさないんじゃないか。
     そう思いながら眠った事もあるよ」
 シエル「そうですか……」(痛ましいものを見る目で)
    「(でも、わたし、何度も夢に見ましたよ、同じ事を……)」



 七百二十「好きな人の快美な姿」

 秋葉「どうですか、兄さん。お口に合いますか?」
 志貴「ああ。どれも美味しい。このウニなんて口でとろけて……」
 秋葉「気に入って頂いて嬉しいです。
    いちどお連れしたいと思っていたんです」
 志貴「そうか。ええと、次は……、穴子」
 秋葉「どんどん召し上がってくださいね。私は……、何か白身を」
 志貴「これがまた絶品だなあ。ふぅ……」
 秋葉「あんなに喜んでる兄さんの顔……、ふふふ。
   (……私だけお勘定を済ませて帰ったら、どんな困り顔を、ああ)」



 七百二十一「贖罪」作:鰯丸さん

 琥珀「…秋葉さまも志貴さんも、どこまでもわたしに世話を焼かせるんですね」
   
    喪服の胸には眠る幼子を抱いて。
    ほんの少し泣きはらした目で、腕のなかの乳飲み子へそっと囁きかける。

 琥珀「健やかに育って下さいね、……四季さま」



 七百二十二ノー「発狂以前の実生活に於ける点と線の支障」作:無双さん

 赤い月「・・・どうしかしたか? 人間。」
 殺人貴「久し振りに読書でもしようと思ったんだが・・・
    眼鏡がないと読めん。」


 七百二十ニノニ「最近は若者にも増えているらしい」作:無双さん

 赤い月「・・・老眼か。」
 殺人貴「違う。」



 七百二十三「愛の貧乏脱出大作戦」作:ASHさん

   貧乏脱出のため、天才的頭脳で商売を考えたシオン

 シオン「コレで完璧です。やはり天才ですね、私は」
 志貴 「シオン、ネズミ講は違法だ」
 シオン「なんですとーっ!?」



 七百二十四「策謀家としては」

 琥珀「そうですね、勝ち負けなんてまったくどうでもいい……。
    そんな人を相手にすると困り物ですね、ええ」



 七百二十五「ありふれたものだけど」

 
 幹也「……橙子さん」
 橙子「なんだ、黒桐。愕然とした顔して?」
 幹也「だって……、その格好」
 橙子「うん? おたまに鍋つかみのエプロン姿……何がおかしい?」
 幹也「うーん、何て言いますか、その……」
 橙子「ふむ」(何の気なしにおたまを置いて包丁を手にする)
 幹也「あッ。それなら馴染む。うんうん」
 橙子「……」



 七百二十六「誓い」

 志貴「病める時も、健やかなる時も……、
    死が二人を別つまで……。
    永遠の誓いなんて言っても、俺とアルクェイドじゃ無理。
    俺の生命が先に終わって……、そう思ってたよ。
    それでもいいっておまえ言ってたよな?
    それが……」
   
   優しく指に指輪を嵌めてやる。冷たくなった左手の指に。



 七百二十七「どんな変化が?」

 都古「お兄ちゃん、前はそんなに優しくなかった」(ぽつりと)
 志貴「う……」



 七百二十八「近寄ればそれで」
 
 琥珀「ふぅ……、頑張りは認めるんだけど。
    翡翠ちゃんを何とかするより、志貴さんの味覚をどうにかする。
    うん、そっちの方がまだ簡単そうね。
    それに……。
    ずっと、楽しそうだし」



 七百二十九「語呂合わせ」作:のちさん

 有彦「なあ、ルート2って、なんだったけ?」
 志貴「ひとしひとしにひとみごろ」
 有彦「は?」
 志貴「人死人死に人見殺」
 有彦「……やっぱ、お前変だわ」



 七百三十「π」作:のちさん

 琥珀「なるほど、最近はそんな風になっているんですねー」
 志貴「うん、いいのかな、とも思うけど」
 琥珀「そうですか? 大切なことだと思いますけど?」
 志貴「そう?」
 琥珀「ええ、『薬惨』だなんて」
 志貴「……えーと」
 琥珀「使い方ひとつで、大変なことになりますからねー」



 七百三十一「八丁目の……」作:のちさん

 羽居「え〜っと、なんだったけ?」
 蒼香「てぇへんだかけるたかさわるにぃ」
 羽居「はぇ?」
 蒼香「てぇへんだ、駆ける貴さん悪兄ぃ」
 羽居「蒼香ちゃん……」



 七百三十二「電話番」作:40%の60Lさん

 トゥルルルルルルル・・・・・・

 アルク「もしもし遠野だよー」
 志貴 「さも当然と出てくんな」



 七百三十三「虻蜂取らず」作:40%の60Lさん

 志貴「毒の調合をしている琥珀さんと台所へ入っていった翡翠、
    さあどっちを止めるべきか?」



 七百三十四「鳥人間コンテスト」作:40%の60Lさん

 志貴「・・・・・・やる気?」

 アルク&シエル&秋葉「(コクリ)」



 七百三十五「雨上がり」

 志貴「けっこうあるものだね」
 翡翠「久々に晴れましたから。
    あ、志貴さま、洗濯物などわたしが……」
 志貴「こんなにあるんだから手伝わせてよ。
    それじゃ、雨が降らない方がいいんだね」
 翡翠「そんな事はありません」
 志貴「あれ、そうなの?」
 翡翠「雨の日は志貴さまがお家にいてくれますから」(小声)
 志貴「え?」
 翡翠「なんでもありません」



 七百三十六「対抗意識」作:40%の60Lさん

 志貴「そういやさー、レンってどうして黒猫なのかな?」
 アルク「ああ、それはアルトの奴が飼ってる犬が白いから・・・ 
     ――塗り替えた!!」

 志貴「は?」
    ・・・・・・・・・・・・・・・・(ゴシゴシ)
 志貴「三毛猫!!!?」



 七百三十七「好きもの似たもの」作:40%の60Lさん

 志貴「アーメンとラーメンて似てません?」
 シエル「あはは、遠野君はバカですねー」

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・、

 シエル「カレーとイエス様って」
 志貴「似てません。」



 七百三十八「京都名物」作:40%の60Lさん

 アルク「志貴〜私免許取ったよ〜。」
 志貴 「・・・・・・・いや、それ人力車。」
 シエル「時速600km超えますよ?」
 志貴 「普通道路走れねェー!!?」



 七百三十九ノ一「あたりまえだったのに」

 都古「……」
 啓子「やっぱり、寂しいわね」
 都古「……」
 
   テーブルの一角。誰も座っていない椅子。



 七百三十九ノニ「意識しない程に」

 翡翠「あの、志貴さま……。
    お醤油などお使いになると左手に回されるのは、何か理由が?」
 志貴「え、ああ……。
    身についているんだろうなあ」
 翡翠「……?」
 志貴「うん、そうだな」(何も無い一角を眺めて、思い出すように呟く)



 七百四十「呪」作:鰯丸さん
 
 蒼い瞳の男の身体の下で、真紅の髪の少女が不思議そうに問う。
 …ゾッとするほどのオンナの笑みで。

「どうして泣くんですの?父さま。私は父さまとこんなふうになれて、
  ……幸せで幸せで、死んでしまいそうなのに」

 その声も、その面差しも愛したヒトのそのままに。



 七百四十一「本物は?」

 志貴「ええと……、琥珀さん」
 琥珀「あたりです」
 志貴「ほら、見分けつくだろう?」(ほっとした声で)
 琥珀「そうですね。
    でも、わたしと判断したんじゃなくて、翡翠ちゃんじゃないって
    お思いになられたんですよね?
    ……あの、志貴さん、深読みして罪悪感のある顔なんかなさらな
    いで……、単なるお遊びですってば、志貴さんってば、もう」



 七百四十ニ「男の甲斐性とは言わないまでも」
 
 琥珀「浮気されるって事は、自分が本命であるって事ですよね?
    と言われてジレンマ感じる方は、やはり……」



 七百四十三「違い?」

 志貴「おはよう、翡翠」
 翡翠「おはようございます、志貴さま。
    すみません、遅くなりまして」
 志貴「ちょうど目を覚ましたところだから。
    どうしたの?」
 翡翠「着替えに手間をとりました。
    今日はどれを着ようか考えていたら、思わぬ時間が……」
 志貴「どれを着ようか?」(翡翠の全身を眺め首を傾げる)



 七百四十四「たったふたりきりの」作:風原 誠さん
 
   「ずっと机の引出しに仕舞ったままにして置くなんて。
    兄さんの妻と成るのであれば、たった1日でも良かったのですよ」

    蝉時雨の中、ひとつを墓前に、ひとつを左手の薬指へ



 七百四十五「翡翠、深夜の猛勉強」作:がんさん

 翡翠「ず… ずず……」

 琥珀(必勝はちまき、瓶底眼鏡。)
 志貴(炬燵、どてらに、カップ麺。)
 琥珀(見事なまでの、『徹夜勉強』スタイルですが……)
 志貴(翡翠は、料理の勉強するんじゃなかったっけ?)
 琥珀(ねぇ?)



 七百四十六「似た者同士」作:アラヤ式さん

 琥珀 「翡翠ちゃん萌え〜!!」
 ヴラド「リィゾ萌え〜!!」

 翡翠    「……。組み合わせを、最悪です。」
 シュトラウト「……。右に同じく。」


 七百四十七「似た者同士2」作:アラヤ式さん

 琥珀 「あはー。(朝顔のような笑顔)」
 メレム「ははは。(天使のような笑顔)」

 志貴 「なんか、うすら寒いな……。」
 シエル「2人とも奸者ですからね……。」



 七百四十八ノ一「ドライバー」

 志貴 「先輩は、運転免許書とか持っているの?」
 シエル「わたしの年齢だと……、なんです、その顔は?
     まあ持っていますけどね」
 志貴 「俺も欲しいなと思っているんだけど」
 シエル「まあ、あって困る資格ではないですよね」
 秋葉 「兄さんが車の運転ですか?
     兄さん……、私の運転手に……。
     私の命じるままに、命令に従って……、兄さんが……」
 志貴 「おーい」
 シエル「いい感じで妄想スイッチ入ったみたいですねえ」


 七百四十八ノ二「ライダー」

 秋葉 「……兄さんに馬乗りになって、ああ、ふしだらな……」
 シエル「……」
 志貴 「どこまで行くんだ、秋葉……」



 七百四十九「アンケート」

 志貴「自己嫌悪した事はありますかでNOが二人か。
    一人はあいつとして、もう一人……、うーん?」



 七百五十「弱者としての本能」

 秋葉「あの、兄さん……。
    私が現れる度にびくりとするのは止めて下さいませんか?」


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