天抜き 其の二十





 九百五十一「1/1」作:がんさん

 琥珀 「槙久さまの遺産。槙久さまの遺言で、秋葉さまが全部独り占めし
     ちゃったんですよねー。親戚の方々には法定相続分も遺留分もない
     ので、問答無用ですよねー。独裁者ですよねー。」

 秋葉 「皆の物は私の物、私の物は私の物。うふふふふふ……」


 九百五十二「1/4 = 1/2 ÷ 2」作:がんさん

 琥珀 「でも養子である志貴さんには遺留分が有りますので、本来 1/4 は
     志貴さんのものです。例えば株式だと 1/4 って微妙ですよねー。
     圧倒できる量ではないですが、決して無視できない量です。」

 琥珀 「親戚の方々から見れば、

      志貴さんを味方に引き込こむ
     → 遠野本家の力を削ぐことができる
     → 同時に、その分自分の力になる
     → ウマー

     という考えが成り立つわけでして。」

 琥珀 「志貴さんに良い人だと思わせるとか……」
 斗波 「ほっほっほっほっ。」

 琥珀 「志貴さんに娘をあてがうとか……」
 啓子 「あらあらまあまあ。」

 琥珀 「自分で玉の輿に乗るとか……」
 朱鷺恵「うふふふふふふふ。」

 琥珀 「まあ、いろいろと手はありますよねー。」


 九百五十三「1/1 = (1 ÷ (3 - 2))×(1 ÷ n × n)」作:がんさん

 琥珀「ここで問題になるのが

      秋葉さまと志貴さんは、
      相続人である四季さまを、二人で殺っちゃった

    ってことです。発覚すれば、問答無用で相続欠格。槙久さまの遺言
    も意味が無くなり、法定相続分での分割になります。」

 琥珀「すると、相続人は四季さまお一人だけ。その四季さまも亡くなられて
    いるので、親戚の方々が山分けということになりますが……」

 琥珀「もし、四季さまの子を身籠もっている女がいるとなると、さあどうな
    るでしょう?」

   
  ※編注:志貴の遺産相続権はどうなっているのかという話題が出て、
   四季が回復したときに困るので「推定相続人の廃除」はしていないと推測.
   この場合,志貴は養子または実子として相続の権利を持ったままです.周りの
   身内は,親権を持っていない限り,口を出す権限自体がないかなと.
   といったがんさんのご意見に基づいて書かれたものです。



 九百五十四「こたつという密室」作:星詠師さん

 志貴「やっぱり冬はこたつですね」
 啓子「そうねえ」
 都古(こくこく)
 啓子「志貴、みかん取ってくれるかしら」
 志貴「はい、みかんですね……!?」
 啓子「?」
 志貴「み、都古ちゃん、マズいって」
 都古「?」
 文臣「おーい都古、ちょっと来てくれー」
 都古「はーい」(ぱたぱたぱた)
 志貴(……ってあれ? じゃこの手は……)
 啓子「どうかしたの、志貴?」(意味ありげな笑み)



 九百五十五「1<X<∞」

 志貴「誰か一人なんて選べないよ」
 一同「なら何人までなら選べるんです?」



 九百五十六「半眠」

 鮮花「あら、珍しい。お昼寝とはいいご身分ね、式。
    ……武芸の達人って、寝ていても攻撃されると反応するって言うけど」
 幹也「鮮花、変な真似するとまたケンカになるんだから、やめようよ。
    それにいくら式だって眠っている時に……、あれは攻撃でなかったか」
 鮮花「? 兄さん……?」



 九百五十七「ああ、あの子は赤い髪」作:がんさん

 志貴「彼女に告白できる勇気が、ボクにあればいいんだけど……」

 志貴「『梅は嫌いになった』って告白できればいいんだけど……」

 志貴「せめて、この『梅サンド』が体に良いといいんだけど……」

 志貴「だけど……」



 九百五十八ノ一「証明してください」作:がんさん

 志貴「琥珀さんたちの髪の赤色って、地なんだよね?」
 琥珀「そうですよ? 証明しましょうか?」
 翡翠「証明いたします。」

        :
        :
 
 志貴「なるほど、確かに地の色だ。」
 琥珀「あはー。」


 九百五十八ノニ「『かつら』って売っているんですよ?」作:がんさん

 志貴「アレなら確かに地の色だよな.うんうん……」
 志貴「って、ちょっと待った。」

 志貴「この前、剃ったばかりなんだけど、なんで?」



 九百五十九「夢見がちなお年頃ってことで」作:がんさん

 晶 「『晶ちゃんさまひきいる、ちょーおうてサークル“そっぴーずきゃめ
    る”は、ついにしょーぎょーデビューをはたしたのであった』っ
    と……」

 レン「!!!! !! !! !!!!!!!!」
 晶 「えーいいじゃないですか、ゆめのなかくらい、じゆうにさせてくれて
    も。せっかくシナリオどうりのゆめがみれるんだし。」

 レン「! !!!! !!!! !!」
 晶 「ひらがなばかりでよみにくい?」

 レン「!! !!!!! !」
 晶 「ごじ?」

 レン「!!!!! !!!」
 晶 「うう、べんきょーしなおしてきます。」

 レン「!!」


    ……以上の4点、世界一有名なビーグル犬マンガに関係している?



 食べ物に例えると……な連作

 九百六十ノ一「例えるなら」作:10=8 01(と〜や れいいち)さん

 志貴「先輩はカレー、アルクは白米」
 志貴「翡翠は栗で秋葉はウニ、決まりだな」
 志貴「琥珀さんは、ふぐとか」

   ・・・・・・・その理由は?

 志貴「ほ、ほら、フグには、アレが含んでいるし」
 琥珀「そうですかー、そんな目で見てたんですかー♪」
 志貴「―――!?」

   
   【注釈:01の食べ物例え】
   アルク=白米:何を食べても美味しいけど、最後にはここに落ち着く。
   シエル=カレー:いじればいじるほど美味しい。
   秋葉=ウニ:高級、外面のトゲ、内面の美味しさ。
   翡翠=栗:外は硬いが、中身は甘くて美味しい。
   琥珀=フグ:美味しいですが、毒を含んでいます。

 
 九百六十ノ二「これしかないでしょう」作:星詠師さん

 全員「闇鍋(ですね)」
 ネロ(何故だッ! 何故否定できんのだッ!?)


 九百六十ノ三「転生する食べ物かー。あ。」作:星詠師さん

 志貴「アイスの当たり棒」
 ロア「……せめて食べ物にしてくれ」


 九百六十ノ四「天高く 志貴肥ゆる秋」作:がんさん

 朱鷺恵「この前の血液検査の結果が出たんだけど…… うーん、志貴君、尿
     酸値が高すぎるわねぇ。遠野のお屋敷に戻ってからおいしいものば
     かり食べているでしょ。だめよ、食事に気を付けないと。」

 朱鷺恵「カレーと白米を一緒に食べる? それは普通でしょ?」
 朱鷺恵「栗? そうね旬だし、栗ご飯とかどう? 栗と白米の相性? 変な事
     を気にするわね。」
 朱鷺恵「フグ? やっぱり高いもの食べてる。フグの白子はダメよ。」
 朱鷺恵「え? フグと栗を一緒に食べる? 何それ?」
 朱鷺恵「ウニ? ウニはダメね。しばらくウニはやめておきなさい。ウニは。」

 朱鷺恵「ちょ、ちょっと志貴君、『ウニの小さい胸が……』ってどういうこ
     と? ねえ、志貴君? 志貴くーん。」


 九百六十ノ五「彼女を例えるなら」作:10=8 01(と〜や れいいち)さん

 志貴「……え、羽居さん?」
 志貴「うーん……そうだなぁー、肉まんかなぁ?」

    その心は?

 志貴「ふんわかして、あたたかくて、こう……ボリュームがあって」

    ボリューム?

 志貴「そうそう。こう、ふくらみが……とは違って。

    ……誰と、ですか? “兄さん”

   ―――合掌―――


 九百六十ノ六「お前がいうな」作:がんさん

 秋葉「……なんて事を言うのよ。全く、失礼にも程があるわ。」
 蒼香「ノーコメント。」

 秋葉「だいだい、羽居ならマシュマロでしょう。」
 蒼香「あ、なるほど。」

 秋葉「いつも、ふわふわして……」
 蒼香「何かと、甘くて……」
 羽居「軽くて、スカスカなのー。」


 九百六十ノ七「ハンサムな彼女?」作:がんさん

 羽居「でね、蒼ちゃんは『美少年』なの。」
 晶 「でへへへへ。」
 蒼香「こらアキラ、涎を垂らすな。」
 晶 「だって美少年…… でへへへへ。」

 秋葉(蒼香、アンタたちってそういう関係?)
 蒼香(バカいうな。きっと、酒の味を思い出してるだけだろ。)
 秋葉(ま、そういう事にしておきましょうか。)

 晶 「でへへへへ。」


 九百六十ノ八「甘くて苦い♪」作:がんさん

 羽居 「お兄さんは……」
 羽居・晶・つかさ「マーマレード!」

 羽居 「あまーくて。」
 晶  「男の渋さが格好良くて。」
 つかさ「少女漫画のヒーローって感じ。」

 羽居・晶・つかさ「ねー。」

 秋葉 「ちょっと誉めすぎ。でもまあ…… でへへへへ。」
 蒼香 「まあ、格好良いのは認めるけど…… でへへへへ。」


 九百六十ノ九「英国と仏国とで、輸入で揉めたとかどうとか」作:がんさん

 シエル「違うんです。マーマレードとジャムは違うんです。」
 シエル「あんな苦いものをジャムとは認めませんっ。」
 シエル「がーーーーーー!」

 志貴 「あれはなにごと?」
 アルク「なんか昔あったらしいよ?」


 九百六十ノ十「味を想像してみたの」作:がんさん

 アルク「ご飯の上に、マーマレード……」
 シエル「カレーの上に、マーマレード……」
 秋葉 「ウニとマーマレードを絡めて……」
 翡翠 「栗…… 栗……」
 琥珀 「フグの口にマーマレードを突っ込んで……」

 アルク「いいかも?」


 九百六十ノ十一「秋のこだわり」作:10=8 01(と〜や れいいち)さん

 秋葉「栗って……こう、剥くのが大変ですね、兄さん」
 志貴「ああ、でも。剥いた先には、あまーい身が♪」
 秋葉「そうですね、この程度の努力は対価に比べれば大したことないかも……」
 志貴「まあ、そのままでもいいけどね」
 秋葉「!? そのままって……剥かないでどうする気ですか
    口の中をケガしてしまいますよ」
 志貴「別に……着たままでも栗は食べられるって」

    ・・・・・・・・・・・・・・・・

 秋葉「着たまま!?」



 九百六十一「あねというひと」作:しゅらさん

 Q.乾一子をどう思いますか? 
 A1.「あの…、そ、傍に居たいです」(女性・20歳)
 A2.「かような方に御遣いできる事は何より喜ばしい事で……」(男性・35歳)
 A3.「言うな! ヤツの事は言うな!」(男性・42歳) 
 A4.「――次こそ、勝つ!」(女性・24歳)
 A5.「あやつこそざ・パンダさんの称号を持つに相応しい……」(不定形生命体・666歳)

  有彦「………判らん。外で一体何やってんだか判らん!」



 九百六十ニ「この世の中心で愛を叫びたいけだもの」作:しゅらさん

 一子「(すりすりすりすりすりすりすりすりすりすり)」 
 有彦「………あのよ、無言で人の親友を模した人形に頬擦りするのはやめてくれないか」
 一子「(上段回し蹴り)」
 有彦「(ガード)」



 九百六十三「ひとりじょうずとよばないで」作:しゅらさん
 
 一子 「……愛してる」
 一子 「……うん、俺も愛してる」←低い声 

 ななこ「有彦さぁん……胸に物凄く切なさと虚しさがくんずほぐれつ襲来してくるんですけどぉ」
  有彦 「忘 れ ろ」  



 九百六十四「髪」作:鰯丸さん

   髪を梳きましょう。

   一櫛、一櫛、丹念に。

   兄さんが、綺麗だと言ってくれた、この髪を。

   兄さんを待って、梳きましょう。

   一櫛、一櫛、丹念に。

   いつか訪れる、その日まで

   梳(くしけず)りながら、待ちましょう。
 
   おなかのこの子と、待ちましょう。

   緋(あか)、紅(あか)、朱(あか)い、あやにしき

   へやいちめんの、あかいうみ。

   それでもあなたを待ちましょう

   恋(いと)しいあなたを待ちましょう。        
   
   いつか訪れる、その日まで

   梳(くしけず)りながら、待ちましょう。 



 九百六十五「日本語」作:天戯京介さん

 外人さん「スミマセン、ココニハドウイタライイノデショウカ?」
 通行人 「え〜と次の角を曲がって……真っ直ぐ行けば行けると思いますよ」
 外人さん「オオ、アリガトウゴザイマス、サムライ、フジヤマ、ゲイシャ〜〜♪」

 アルク「…………。」

 アルク「でね、私も日本語習うことにしたの♪」
 志貴 「へ〜〜そいつはいいことだな」
 アルク「でしょ?あ、翡翠日本茶入れてね熱い奴♪」
 翡翠 「かしこまりました」
 秋葉 「アルクェイドさん!!いい加減兄さんにまとわりつくのは……」
 アルク「いいじゃない別に…志貴は嫌がってないんだし……」

 アルク「って………あれ?」



 九百六十六「偽り」

 秋葉「私は、兄さんがあの女と不埒な事をしようとしたから怒っているのでは
    ありません。
    嘘をついてまで……、そんな態度に怒りを覚えるんです」
 志貴「う、うん」
 秋葉「自分の体面を守る為の嘘なんてやめて下さい。
    そんな事をすると、結局兄さんがご自分を貶める事になります」
 志貴「そうだな、秋葉の言うとおりだ。
    気をつけるよ。ありがとう、秋葉」
 秋葉「ああ、兄さん」(感極まって抱きつく)
 志貴「おいおい、秋葉(……、この当たってるの胸のパット?)」



 お寿司屋な連作

 九百六十六ノ一「選択の自由」作:10=8 01(と〜や れいいち)さん

 志貴「な、なんかカウンターの寿司なんて、久しぶりだなぁ」
 秋葉「今日は貸切です。好きなだけ食べていいんですよ、兄さん」
 志貴「わ、悪いな……じゃあ、玉子」
 秋葉「………」
 志貴「赤身」「イカ」「かっぱ巻き」
 秋葉「………」
 志貴「サバ」「小肌」「アジ」「うーん、このフグお願いします」

 秋葉「兄さんっ!」
 志貴「ど、どしたの秋葉?」
 秋葉「ウニを食べないのですか!? 生ですよ。活きがいいですよ!
    美味しいですよ! ぷるぷるしてますよ! ほら、兄さん……」
 志貴「いや……秋葉………ウニ、の話だよね?」


 九百六十六ノ二「遠野家御一行様、回転寿司屋を貸し切る」作:がんさん

 秋葉「普通の寿司屋では、兄さんはウニを注文してくれませんでした。でも、
    ここなら遠慮なくウニを食べてくれるはずです。」
 琥珀「広いお店ですねぇ。」
 翡翠「全 120 席を独占なのです。」
 秋葉「さあ兄さん、さあっさあっさあっ。」

 志貴「普通の寿司屋を貸し切るより、お大尽な気がするよなぁ、これ。」


 九百六十六ノ三「特別注文」作:星詠師さん

 秋葉「兄さん、あのプレートの付いているお皿は何ですか?」
 志貴「ああ、このインターホンで直接注文したネタは解りやすいようにプレ
    ートを付けるんだ。
    ……って『遠野志貴様』? あー翡翠、ストップ」

 有彦「あー気付きやがったか。よし、今度はワサビが見えないように……」
 店員「こらバイト、仕事しろー」


 九百六十六ノ四「遠野家御一行様、超回転寿司屋を貸し切る」作:がんさん

 秋葉「しかも、ただの回転寿司ではありません。ちょー回転寿司ですっ。」
 翡翠「秋葉さま、ちょーさすがです。」
 琥珀「秋葉さま、ちょーあっぱれですー。」
 秋葉「さあ兄さん、さあっさあっさあっ。」

 志貴「ていっ、ていっ、ていっ。」
 秋葉「あいた。」
 翡翠「きゃ。」
 琥珀「でこぴんは酷いですよ、志貴さん。」

 志貴「『ちょー』とか言うんじゃありませんっ。」


 九百六十六ノ五「遠野家御一行様、席につく」作:がんさん

 志貴「カウンター席でいいよな?」

 秋葉「兄さんの上流側の隣は私です。」
 秋葉「兄さんにウニを取ってあげるんです。」

 翡翠「志貴さまの下流側の隣はわたしです。」
 翡翠「志貴さまの下のお世話をするのです。」

 琥珀「では、一番上流がわたしということで。」

    図解:
    ←ウニ←ウニ←ウニ←ウニ←ウニ←
       翡翠 志貴 秋葉 琥珀

 秋葉「テーブル席にしましょう。」


 九百六十六ノ六「遠野家御一行様、創作寿司を食べる」作:がんさん

 翡翠「志貴さま、これは何でしょう。」
 志貴「『月見』っていったかな。ヤマイモとうずらの軍艦モノだね。」
 翡翠「これは?」
 志貴「ナタデココかな、珍しいなぁ。」
 翡翠「この太巻きは?」
 志貴「ちょっと分からないなぁ。裏巻きになっているところから見て、米国
    の創作寿司の系統だと思う。『なんたらロール』って感じの名前だろ
    うね。」

 翡翠「さすが志貴さま。なんでもご存じなのですね。」
 志貴「いやぁ。」

 秋葉(なんだか……)
 琥珀(いい雰囲気ですね?)


 九百六十六ノ七「遠野家御一行様、らぶらぶする」作:がんさん

 翡翠「志貴さま、お口元にご飯粒が…… ちゅ!」
 秋葉「!」

 志貴「翡翠、服が汚れてるよ…… ふきふき。」
 琥珀「!」

 秋葉(…………)
 琥珀(いい雰囲気過ぎますね?)
 秋葉(逆転の策は?)
 琥珀(お任せを。)


 九百六十六ノ八「遠野家御一行様、寿司を注文する」作:がんさん

 琥珀「ん、ほら、志貴さん。秋葉さまの胸の所にご飯粒が付いていますよ。
    ったにないことなんですから、口で直接吸い取ってあげてください。
    う然、強力バキュームで、ちゅうちゅうと。少しは大きくなるかも
    れませんからね。もちろん無駄ですけどね。その後は、服が汚れち
    ってますから、しっかりと拭いてあげてください。叩くように、絞
    あげるように。でも、力を入れすぎてはいけませんよ、クッション
    少なくて、衝撃を吸収できないんですから。秋葉さまなら、前後を
    にして肩胛骨を見せた方がふくらんでいる程ですからね……」

 志貴「なあ秋葉、回転寿司屋ってのは、寿司を注文してもいいんだぞ?」
 秋葉「さすが兄さん、なんでもご存じなのですね。」
 秋葉「では……」

 秋葉「この割烹着に、梅しそ巻(翡翠仕様)を四十九皿。」
 大将「へい。」


 九百六十六ノ九「遠野家御一行様、寿司は素手で食べる」作:がんさん

 秋葉「シーチキンのお寿司なんて、初めて見ました。」
 志貴「このチープなうまさがいいんだよな。」
 志貴「ほら、食べてみろ。あーん。」
 秋葉「あーん。」

 秋葉 もぐもぐもぐ ちゅぱ


 九百六十六ノ十「遠野家御一行様、再び注文する」作:がんさん

 翡翠「…………」

 志貴(ばっばか、翡翠の目の前でちゅぱるヤツがあるか。)
 秋葉(だって、だって。兄さんの指にしょう油が。)

 翡翠「…………」

 志貴(怒ってる。怒ってるよ。)
 秋葉(だって、だって、だって。)

 翡翠「すみません。」
 翡翠「このエロ眼鏡とナイチチに、梅しそ巻(翡翠特注バージョン)を……」
 翡翠「作れるだけ!」
 大将「へい。」


 九百六十六ノ十一「遠野家御一行様、梅しそ巻の山を前にする」作:がんさん

 翡翠 もぐもぐもぐ
 志貴「…………」
 秋葉「…………」

 琥珀「…………六百六十六皿?」

    志貴の強い希望により、梅の山は即刻破棄されました。


 九百六十六ノ十二「遠野家御一行様、あら煮を食べる」作:がんさん

 志貴「…………」(無言で食べている)
 秋葉「…………」(実は、箸の使い方が下手)
 翡翠「…………」(魚の目玉七つとにらめっこ)

 琥珀「…………混沌?」

    志貴の強い要望により、あらの山も即刻破棄されました。


 九百六十六ノ十三「シンプルな方が乗ってて映えるけど」

 翡翠「……もぐ」
 志貴「……」
 翡翠「あの、志貴さま。どうかなさいましたか?」
 志貴「あ、ごめん。いやね、翡翠は何のネタが好きなのかなって思って」
 翡翠「よくわからないので、綺麗なお皿のものを取っておりました。
    もしかして、何か作法に外れておりましたか」
 志貴「そんな事無いよ。そうか、なるほどね」
   (言いつつ、自分も高値皿を取る。どうしても手を震わせながら)


 九百六十六ノ十四「半可通かっこわるい」

 志貴「いや、別にわざわざシャリとかムラサキとか、アガリなんて言葉
    使わなくてもいいから」


 九百六十六ノ十五「釣り合いが取れていません」

 翡翠「姉さん、あれは失敗したものなの?」(小声)
 琥珀「最初からあの形なのよ。わざと切ってないの」

   志貴が穴子まるごとを使った寿司を食べているのを見て。


 九百六十六ノ十六「内外」

 翡翠「……?」
   「……!」
   「もぐ」

 琥珀「翡翠ちゃん、可愛いなあ」
 志貴「うん、玉子がどうかしたの?」
 琥珀「ここのってご飯を玉子焼きの中に詰めてるでしょう。それで……」


 九百六十六ノ十七「遠野家御一行様、定番のデザートを食べる」作:がんさん

 志貴「そろそろみんなデザートかな。」
 秋葉「え? 寿司屋にデザートがあるのですか?」
 志貴「うん、回転寿司屋の定番だからね。じゃあ……」

 志貴「大将!

    定番の、回りすぎてくたびれているメロン
    定番の、安っぽいチョコスプレーの乗ったプリンアラモードもどき
    定番の、乾き始めているヨーグルト、ブルーベリーソースかけ

    一皿ずつよろしくっ。」

 大将「へい。」


 九百六十六ノ十八「遠野家御一行様、あの虹を見上げる」作:がんさん

 志貴「喰った、喰った。」
 秋葉「もう、言葉がお下品ですよ、兄さん。」
 志貴「おあいそー…… は、今日はいらないんだったな。」

 琥珀「そういえば、志貴さんの目の前のお皿って、青系が多いですねぇ。」
 志貴「うーん、青は俺のイメージカラーだしなぁ。」
 翡翠(紫が一皿 70 円、藍 100 円、青 120 円、緑 150 円。)

 琥珀「なるほど。それで秋葉さまは、赤と。」
 翡翠(黄 200 円、橙 250 円、赤 300 円。)

 志貴「翡翠、どうかした?」
 翡翠「いえ…… 何も。」


 九百六十六ノ十九「遠野家御一行様、あの虹を越えて」作:がんさん

 志貴「琥珀さんの前は、きらびやかだなぁ。」
 琥珀「金と銀の合金を、琥珀金っていうそうですよ?」
 翡翠(銀が一皿 400 円、金が 500 円。)

 志貴「じゃあ、帰ろうか。」
 秋葉・琥珀「はい。」

 翡翠(柿右衛門様式 魚偏漢字列之透彫文様 翡翠小皿。一皿 5000 円。)

 志貴「翡翠、どうかした?」
 翡翠「いえ…… 何も。」



 九百六十七「華麗なるウンチク」作:10=8 01(と〜や れいいち)さん

 シエル「海軍では金曜がカレーと決まっているのです。
     それは海の上で曜日感覚をなくし、体内の代謝を悪くしないために
     毎週金曜はカレーの日って決まっているんですよ」
 有彦 「ほえー、凄いッスね先輩。そんなん知ってるなんて」
 志貴 「さすがというか、何というか………」

 シエル「ところで今日って何曜日でしたっけ?」

 二人 「………………」



 九百六十八「超配管工兄弟監修」作:権兵衛党さん

 模様替えされた地下王国。

 志貴「……なんか、やたらと太い下水管が……」
 琥珀「さる有名な配管工を呼んだんですよー」
 志貴「やけに動きにくい、しかし、考え抜かれた様な配置……」
 琥珀「地下でのアクション経験が豊富な方々ですからねー」

 志貴「……あ、コインめっけ」



 九百六十九「忍者・ウエポン」作:権兵衛党さん

 メルブラ某ルート、志貴に対し旗色の悪いG秋葉。

 G秋葉「ああ、もうっ! 琥珀! 他になんか武器ないの!?」
 琥珀 「手裏剣とかでしたら……」
 G秋葉「小さすぎるわよっ」
 琥珀 「そのサイズですと……ええと、巨大クサリガマなら……」
 G秋葉「それ! それ頂戴!」
 琥珀 「じゃあ、いきますよー。カモーン、ガマちゃん!」
 G秋葉「え? それって、ちょ、ちょっと、キャァァッ!?」

   ……ひゅううううう、ドゴメシャッ。

 琥珀 「面白半分な遺伝子操作の結果、巨大化しちゃいました。ちょっと腐って
     ますが」
 G秋葉「…………」
 琥珀 「秋葉さまー? ガマは乗る物で、乗られる物じゃ……」
 G秋葉「やかましいっ! さっさと除けなさい!」


 九百七十「ロボ・ウエポン」作:権兵衛党さん

 メルブラ某ルート、志貴に対しやっぱり旗色の悪いG秋葉。

 G秋葉「ああ、もうっ! 琥珀! 他になんか武器ないの!?」
 琥珀 「ゴーゴーボールとかでしたら……」
 G秋葉「小さすぎるわよっ」
 琥珀 「そのサイズですと……ええと、ガンダム・ハンマーなら……」
 G秋葉「それ! それ頂戴!」
 琥珀 「では偶然、タマタマ、都合よく真上を飛んでいた遠野家輸送機から……投下!」
 G秋葉「え? それって、ちょ、ちょっと、キャァァッ!?」

   ……ひゅううううう、ドゴメシャッ。ズズーン……

 琥珀 「え? 納品ミス? ……ええ、ええ、はいはい」
 G秋葉「…………」
 琥珀 「秋葉さまー? なんでもガンダムハンマーでなくてダイターンハンマーだったと」
 G秋葉「…………」
 琥珀 「返品しますか?」
 G秋葉「さ、さっさと除け……ぐふ……」


   注)ゴーゴーボール  :ゴーゴー夕張(人間)が使用。
     ガンダムハンマー :ガンダム(18m)が使用。
     ダイターンハンマー:ダイターン3(120m)が使用。もちろん巨大。
       


 九百七十一「時重ね」作:Jinroさん

   「一日一日を確かに刻んでいくことが、俺が生きてきた証だと思えるから・・・」

 

 九百七十二「サヨナラ」作:Jinroさん

   「これでお別れね」

   「ああ、そうだな青子・・・」

   二人デ酒ヲ酌ミ交ワシ   ―――コノ盃ヲ受ケテクレ
   夢カ現カ宵ノ口      ―――ドウゾナミナミ濯ガセテオクレ
   魔法使イト男トノ     ―――花ニ嵐ノタトエモアルゾ
   束ノ間ダケノ酔イノ口  ―――「サヨナラ」ダケガジンセイダ

                  井伏鱒二『勧酒』より



 九百七十三「塵は塵に/灰は灰に」作:Jinroさん


   ぶち込め引き裂け踏み躙れ
   我らは神の猟犬ぞ

   あらゆる異端を密やかに
   更なる闇へと屠り去れ

   慈悲も躊躇もなにもかも
   一切合切振り捨てろ

   数多の死体を積み上げろ
   化け物共を消し潰せ

   怨嗟と血とを身に受けた
   我らは狂信の墓堀りだ


   ―――神罰の味・・・試してみるか?



 九百七十四「最後の晩餐」作:潜戸さん

 志貴「……ごちそうさま。
    ……やっぱり、最後まで不味いままだったな。
    ありがとう、翡翠。
    今は、この味が最高だ」



 九百七十五「魅せられて」作:潜戸さん

 志貴 「――ただ、欲しいだけなんだ!」
 アルク「どうかしてる!どうかしてるよ、志貴!」

     翡翠人形を手に入れた!

 アルク「琥珀にばれたら殺されるわよ!」
 志貴 「大丈夫だって。こんなに沢山あるんだから」



 九百七十六「思い出と、現実」作:潜戸さん

 一子「久しぶりに会った妹の事で、あたしに相談したいって?」
 志貴「はい……。嫌われているのか、事あるごとに睨まれるんです」
 一子「連絡一つしなかったお前が悪い」
 志貴「暴力もふるうんです」
 一子「いいじゃないか。元気があって」
 志貴「でも!……酒まで飲むようになってたなんて!」

 一子「そういう年頃なんだろ?都古ちゃんも」



 九百七十七「『月姫』CM」作:かがみゆうさん
 
 (「第四回人気投票」をイメージしています)

 ナイフ一本ズンバラリ、あらゆるモノ(含む異性)を殺す鈍感童顔絶倫眼鏡、遠野志貴!

 ある時はカレー好きの女子高生、ある時は秘密機関のエージェント!
 第七聖典が鈍い音立て風を切る!眼鏡の先輩、シエル!

 嫉妬の視線は熱を奪い、その微笑みは世の男どもの心を奪う!
 黒髪勝気吸血お嬢様、遠野秋葉!

 ニッコリ笑って毒注射!ただの箒で空を飛び地を駆ける!!そして止めは怪しいチャイナ技!
 割烹着の悪魔にして箒の魔女、琥珀!

 今日も健気にご奉仕ご奉仕!掃除道具で敵を倒し怪しい拳法で世紀末の覇者となれるか!?
 洗脳メイド、翡翠!

 真打登場!見た目は猫だが侮るな!空気の如く敵に近づき、嵐の如く攻め立てる!
 奥義ニャンプシーロールの前に敵は無し!猫型不思議生物、猫アルク!

 壮絶伝奇ビジュアルノベル『月姫』、絶賛発売中!!彼らの活躍を刮目して見よ!

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 アルク「……あれ? わたしは?」



 九百七十八「『月姫』CM<静>」作:かがみゆうさん

 あらゆるモノを殺す殺人貴――
 吸血鬼の頂点、真祖の姫君――
 全ての熱を奪うお嬢様――
 邪を祓う黒衣の代行者――
 寡黙にして清楚なメイド――
 智謀を尽くし全てを影から操る使用人――

 天に真円の月が輝く夜、何かが起こる……
 伝奇ビジュアルノベル『月姫』絶賛発売中

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 アルク「〜〜〜!」
 シエル「〜〜〜!」
 秋葉 「〜〜〜!」
 翡翠 「………」
 琥珀 「〜〜〜♪」

 志貴 「いや、別に満月関係ないし」



 九百七十九「負けを認めない人達」作:星詠師さん

 鮮花「世間では義妹どころか実妹ブームも起こってるし」
 藤乃「強引に部屋に連れ込まれた既成事実がありますし」
 橙子「男というのはえてして年上に憧れるものだよ」
 霧絵「死してなお想い人の傍にいる、というのもアリですね」
 式 「…………」
 里緒「まあ今更何を言おうと、キスシーンまであった俺と幹也の仲には割り
    込めな ぎゃー!!」


 九百八十「勝ちを誇れない人」作:星詠師さん

  (燃えて凶って喰われて落ちて殺された物体を蹴り除けつつ)

 鮮花 「大体、式。貴方幹也に『付き合って』と言っても言われてもないで
     しょう」
 式  「!?」
 橙子 「くだらない事だとは思うが、いくら黒桐が『好き』だの『許(はな)
     さない』だの言おうと、交際する事そのものを確認していない以上は
     黒桐はフリー、という事になるな」
 藤&霧「おー」(ぱちぱち)


 九百八十一「勝ち負けの関係ない人達」作:星詠師さん

 式 「何を言ってようがいまいが関係無い!(ばん)
    幹也は「ただいま戻りました」私のだ!!……あ」
 幹也「どうしたの、式」
 式 「……幹也……今の、聞いて……」
 幹也「(わずかに照れつつ)あ、えっと、うん。でもそれがどうかしたの?」
 式 「〜〜〜〜っ」(赤)
 一同「…………」

 幹也「……で、何で追い出されるんだろ。……っと、式?」
 式 「別にいいでしょ、腕くらい。それより折角なんだから美味いものでも
    食べに行きましょう」
 幹也「…………」
 式 「どうしたの?」
 幹也「いや、何でもないよ。じゃあ鍋物でも食べに行こうか。ちょっと遠い
    けど、良いお店教えてもらったんだ」



 九百八十二「ネロ・カオス、最大の危機」作:かがみゆうさん

 ネロ「私の名は「混沌」。この身体を構成する命、その全てが『私』なのだ」
 ネロ「……」
 ネロ「……」
 ネロ「よーち、掌握完了でち」


 九百八十三「志貴、最大の危機」作:かがみゆうさん

 琥珀「ウフフ〜♪ 私の策から逃れられますか? 志貴さん」
 志貴「くッッ!」
 琥珀「そんな目つきで睨んでも駄目ですよ〜 選ぶのは志貴さんです」
 琥珀「逃げるか、戦うか。どちらかを選んでくださいね〜」
 志貴「く、くそッ!」

   目の前に置かれた怪しい形状の夕食を前に、空腹と戦いながら



 九百八十四「一歩」作:鰯丸さん


 鮮花「『兄と妹』が『オトコとオンナ』になるなんて、簡単なことなんですよ……」

   ねぇ、兄さん?



  九百八十五「女のたたかい」作:鰯丸さん

    昼下がりの遠野家

 秋葉「……貴女たちにも良い縁組を世話しないとね(私と兄さんが結婚したら、ね)」
 翡翠「…………え、そんな(……もう勝ったつもりですか)」
 琥珀「そうですねぇ…、わたしと翡翠ちゃんは志貴さんの御妾さんにでも……」
 秋葉「ま、いやねぇ……(……本気ね)」
 翡翠「……姉さんたら(本気ですね)」
 琥珀「あはー(……負けませんよー)」

    漂う緊張感。

 志貴「……………?」
 有彦「どした?」
 志貴「いや、なんか寒気が……」
 有彦「ソバでも喰うか?」



 九百八十六「火急要件」

 シエル「遠野くん、考え事ですか」
 志貴 「あ、やだなあ。間抜け顔見てたんだ。
     考えていたと言えば考えていたかな。ちょっとぼんやりとだけど」
 シエル「ふうん、何をです?」
 志貴 「うん。カレー味のお菓子ってあるじゃない」
 シエル「ほほう」(非常に食いついて)
 志貴 「たいていカレーの味がしてスパイシーだけどさ、そんなに辛くないよね」
 シエル「……」(固唾を飲んで)
 志貴 「カレー煎餅って言われるのは、どこのメーカーのもそれなりに辛いんだ。
     どうしてかなあって」
 シエル「さあ、早く調査です。さすがは遠野くん。
     なんて素晴らしい着眼点」(陶酔しつつ疾走with首根っこ掴まれた志貴)



 九百八十七「失敬な」

 志貴「よし、いい子だね、レン。
    じっとしてて偉いぞ」
 レン「……」(気持ち良さそうに目を細めている)
 志貴「こっちはもういいや。引っくり返して、お腹と。すべすべの感触だな。
    ちょっとレン、動かないで」
 レン「……」(志貴の手に少しじたばた)
 志貴「大丈夫だな。
    蚤には食われていないみたい。
    ちょっとレン。なんだよ。痛い、痛いってば。爪はやめてーーー」



 九百八十八「既知」

 橙子「古来より言われている事だけどね、人間は未知の物が怖いんだよ。
    あやかしであれ、先の見えぬ未来であれ、初めて会う人間であれ。
    事象もそうだよ。
    金に困った事の無い人間は、同時に貧窮を恐れている人間だ。
    財布が空になったらくらいで怯え、凛とした己を失う。
    我々からすると少々滑稽にすら映るな」
 幹也「僕は貧乏怖いですけど。知りすぎたから特に」
 橙子「ああ、そういうパターンもあるか」



 九百八十九「紅茶の美味しい喫茶店」

 志貴 「ほら、隣のテーブルに運ばれてきたやつ」
 シエル「え、どうしました?
     わあ、あれっていったい何なんですか?」
 志貴 「ジュースなんだけどね。どろっとした感じの果汁を下に混ざらない
     ように順々に注いでいって、ああいう何層にもなってるんだってさ」
 シエル「綺麗ですねえ。ちょっとびっくりしました」
 志貴 「意外と飲み辛そうな気もするけどね」
 シエル「……」
 志貴 「先輩?
     ……。ああ、何考えているかわかったよ」



 九百九十「クッキーをどうぞ」

 晶 「ああ、こっちのラズペリーパイも絶品」
 志貴「ずいぶん気に入ったみたいだね。
    こっちまで嬉しくなる」
 晶 「だって、こんな、こんな…………」(虚空を見つめフォークを落す)
 志貴「アキラちゃん? これって、もしかして予…」
 晶 「フォアグラーーーー!!!」(突如目を見開き転がるように逃走)
 志貴「な、なんだ、なんなんだ一体?」



 九百九十一「影に在る者」作:かがみゆうさん

 七夜「極彩と散るがいいッ!」
    閃くナイフ、倒れる死徒

 七夜「……ぐっ!くそ!邪魔をするな志貴!俺を自由にさせろ!」
 七夜「俺もまたお前だと言うのに、まだ俺を否定するのか!」

 七夜「……『殺人鬼にはなりたくない』とお前は言う」
 七夜「だが、何故、俺が散り逝く命を美しいと感じ、それを見て悦ぶのか、お前に分かるか?」
 七夜「『お前がそういう存在だからだ』、お前はきっとそう言うだろう」
 七夜「だが、それは間違いだ」
 七夜「俺は……死(それ)しか知らんのだ」

    お前が『人を殺す』ことを決めた、その瞬間にしか存在を許されない『俺』には――
    『生』の傍で生きたことの無い『俺』には――

 七夜「それだけしか、ないんだ」
 七夜「忘れるなよ志貴、お前は、俺を踏みつけて陽の下を歩いているんだ」

    そして『七夜』は再び志貴の中で眠りにつく
    次に彼が目覚めるのは何時のことか――



 九百九十二「有効成分は独占欲」作:かがみゆうさん

 琥珀「志貴さん、酷い熱ですねー」
 琥珀「でも、ご安心ください」
 琥珀「こんなこともあろうかと、特製の風邪薬を作っておきました」
 琥珀「これさえ飲めば一晩で平熱に戻り、さらに“悪い所”も完治するというスグレ物です」
 琥珀「端的に言えば、他の女に目移りしなくなります」



 九百九十三「交差」作:かがみゆうさん

 七夜「今夜は満月か、美しいな」
 七夜「飛び散る血飛沫も良いが、こういうのもたまには良い」
 七夜「あいつも今、月を見上げているのだろうか……」
 七夜黄理「志貴(むすこ)よ」



 九百九十四「夜明け前」作:天戯京介さん

    ベットの上でシーツにくるまり身を寄せ合う二人
 幹也「……式にばれたら殺されるな…きっと」
 橙子「安心しろ…ばれたらばれたで…私が守ってやる」
 幹也「……でも、橙子さん僕は……」
 橙子「言わなかったか?私は“尽くすタイプ”だと……」

    そう言って貴女はまた僕を押し倒す……。
    これから毎日繰り返されるであろう…夜明け前のそんな光景――。

 橙子「お前はただ私を見ていればいい…他の女のことなど見るな、忘れてしまえ」



 九百九十五「なんで貴女がそんなもの持っているのか?」作:天戯京介さん

 橙子「フフン……♪」
 式 「むすっ……」
 鮮花「何故…師がそんなものを持っているのですか……私だって持って
    いないのに……!!」
 橙子「好きな奴のものならどんなものでも手に入れる主義でな……ほら、
    コクトーの中学時代の二学期の期末の結果表だってあるぞ」
    幹也の写真(当時五歳)を二人に見せびらかしながら微笑む橙子
 幹也「なんで貴女がそんなもの持っているんですか……」



 九百九十六「母親は誰?」作:天戯京介さん

 志貴Jr「ねぇ、お父さん、なんで僕にはお母さんがいないの?」
 志貴 「…………(汗)」
 琥珀 「あはぁ♪こんなこともあろうかとお母さんを連れてきましたよ♪」
 志貴jr「え、本当!?」
 琥珀 「ええ、ほらあの人達の中から好きなの選びなさい♪」

 母  『はい、お母さんですよ〜〜♪』(月姫女性キャラ(琥珀除く)全員の声)

 志貴jr「わ〜〜いっぱいいてボク困っちゃうなぁ♪どれにしよう〜〜?」

     志貴jrの母親は一体だれなのか?!真相は闇の中!!
 


 九百九十七「心の色」

 志貴「うん、やっぱり秋葉のヴァイオリンって上手いなあ」
 琥珀「そうですね、特に志貴さん相手で気が漲っていますし」
 志貴「そうなの?」
 琥珀「ええ、少なくとも一人でお弾きの時とはまるで違いますよ。
    楽器の中でも特にヴァイオリンの音色って、演奏者の心情が表に出るって
    言いますから」
 志貴「なるほどねえ。で、今の状態は? だんだん音が大きく」
 琥珀「あなた達、無駄話をしていないでちゃんとお聴きなさい……でしょうね」
 志貴「意外と単純なんだな」



 九百九十八「無人島に持って行くものみたいな」

 志貴 「もしもさ、一週間朝昼晩とまったく同じものを食べなくちゃいけないと
     したら、何を選ぶ?」
 シエル「わた…」
 志貴 「先輩には訊くまでも無いから」(ぴしゃりと手で押しとどめ)



 九百九十九「志貴、有間家に帰る」

 志貴「いや、帰るじゃないよな。
    戻る、も少し違うし。
    でも、有間家に行くというのも、なんだか凄く他人行儀だし」



 千「if」

 志貴「やり直せるとしたら、何処まで戻りたいか?
    そうだなあ……、あそこで、いやいや。そもそもが……。
    先生が……」(あれこれ思い巡らすうちにどんよりと)
   「考えてみたら、別にやり直す必要も無いな。
    うん、今がいちばんいいよ。
    こんなになるとは考えもしなかったけど……」(ふっきれたように)

   その答えを聞いて、顔を綻ばせる彼女。


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