天抜き 其の二十一





 「剃る」掲示板不定期シリーズ
 千一ノ一「有間にいたときから毎日していました」作:がんさん

    しょりしょりしょり

 琥珀「毎日剃るんですねぇ。」
 志貴「まあね。」
 翡翠「…………」

    しょりしょりしょり

 琥珀「すごい切れ味ですねぇ。」 
 志貴「まあね。」
 翡翠「…………」

    しょりしょりしょり

 琥珀「剃刀より切れる小刀なんて初めて見ました。」
 志貴「まあね。」
 翡翠「…………」

    しょりしょりしょり

 琥珀「志貴さんが、研いでいるんですか?」
 志貴「まあね。」
 翡翠「…………」

    しょりしょりしょり

 琥珀「わたしのもお願いできますか?」


 千一ノ二「その真相」作:がんさん

 志貴「自分のひげを剃っていただけだけど?」
 翡翠「脇で控えていただけですが?」
 琥珀「研ぎをお願いしただけですよ?」

 琥珀「『仕込みほうき』の。」


 千一ノ三「理容師と美容師」作:がんさん

 琥珀「男の方だと、理容師になるほうが普通でしょうか。」
 志貴「そうかもね。客も、理容院だと男が多いしね。」

 琥珀「『剃る』ことができる免許が理容師ですよね。」
 志貴「うん。美容師には剃る資格がないね。」

 琥珀「男の方のほうが『剃りたい』欲求って強いのでしょうかねー。」
 志貴「うーん、つるつるに剃ると気持ちいいしねぇ。」

 琥珀「女の方で理容院を使う人もいるんです?」
 志貴「『剃ってもらう』ために行く人もいるみたいだよ?」

 琥珀「翡翠ちゃんと行ってみたいのですけど。」
 志貴「見ず知らずの男に顔を触られるってのは、翡翠には無理じゃない?」
 琥珀「ですねぇ。」

 琥珀「うーん、いつもは翡翠ちゃんと剃りっこしているんですけど、
    たまにはプロの人に……」

 琥珀「あ! じゃあ、志貴さんがわたしたちを剃ってくれます?」
 志貴「ああいいよ。つるつるにしてあげるね。」
 琥珀「お願いしますねー。」


 千一ノ四「まどのーしたにはー かんだがーわー」作:がんさん

 琥珀「というわけで、志貴さんにお顔を剃ってもらいましょー。」
 翡翠「だだだだだだだめです。
    おおおおおおお手入れのできていない顔をお見せするだなんて。
    そそそそそそそんなことできませんっ。」
 琥珀「あらあら、そこがいいんじゃないの。」

 琥珀「他の人には絶対見せない汚い自分までも見せてしまう。それが夫婦っ
    てものよ? 『ただの恋人』止まりの他の方々に差を付けるのよ?」

 琥珀「四畳半なのよ? 石鹸がかたかた鳴るのよ?
    『いつも待たされた』のは『銭湯の鯉を見ていたから』らしいわよ?
    あなたの優しさ以外怖くなんてないのよー!」

 琥珀「いいわよね?」
 翡翠 こくり


 千一ノ五「では、翡翠ちゃんからお願いしますね」作:がんさん

 志貴「いくつか聞きたいことがあるんだけど。」
 琥珀「なんです?」
 翡翠「んー…… んー……」

 志貴「なんで、翡翠は縛られて、猿ぐつわまでされているの?」
 琥珀「暴れたら危ないじゃないですか。」
 翡翠 じたばた じたばた

 志貴「なんで、この『椅子』なわけ?」
 琥珀「理容室の雰囲気を出すには、やっぱりこの『椅子』が必要でしょう。」
 翡翠「んー! んー!」
 琥珀「それと、自分の様子がよく分かる鏡も必須ですよねー。」
 翡翠 ふるふる ふるふる

 志貴「じゃあ、最後の質問。」
 琥珀「はい。」
 志貴「この『椅子』、どこから借りてきたの?」
 琥珀「もちろん、産婦人科ですよ?」
 翡翠「んーー!」


 千一ノ六「人質は無事救出。犯人は現行犯で逮捕されました。」作:がんさん

    「志貴さーん、翡翠ちゃーん。」
    「『椅子』に縛り付けたまま、放置プレイはなしですよー。」

    「志貴さーん、翡翠ちゃーん。」
    「このお部屋、ちょっと防音がいいんですよねー。」
    「叫んでも、誰にも聞こえないんですよねー。」

    「志貴さーん、翡翠ちゃーん。」
    「帰ってきてくださいよー。」

    「志貴さーん、翡翠ちゃーん。」
    「剃ってくれるって約束じゃないですかー。」

    「志貴さーん、翡翠ちゃーん。」


 千一ノ七「猫の手貸します」作:がんさん

 レン つんつん
 琥珀「あ、レンちゃん! よかったぁ。」
 琥珀「このロープ、ほどいて、ほどいて。」

 レン ふるふる
 琥珀「え? なんで?」

 レン ぷにぷに
 琥珀「えっと…… レンちゃんが、わたしの顔を剃ってくれるの?」

 レン こくこく
 琥珀「わーい、うれしーなー。」
 琥珀「でも、ほどいてくれると、もっとうれしーんだけどなー。」

 レン ぷるぷる
 琥珀「せめて、人の姿に戻ってくれると、うれしーんだけどなー。」
 琥珀「にくきぅで剃刀を使うのは、無理だと思うんだけどなー。」

 レン(いきます。)
 琥珀「し! 志貴さーん! 翡翠ちゃーん!」


 千一ノ八 「ひとりでできるもん」作:がんさん

 レン(おてつだい、したいの。)
 琥珀「だめだめだめだめ。猫の手じゃ、剃刀は無理です。
    『毛』を剃らずに『顔』を剃っちゃいます。
    志貴さんを呼んでください。レンちゃんには無理です。
    駄目です。無理です。ストップ、ストップ、ストップー。」

 レン(アンダルシアの犬?)
 琥珀「いーーーーやーーーーーー!」


  ※ 豆知識
   映画『アンダルシアの犬』の,「女の眼球に剃刀を入れる」シーンは,
   脱毛した仔牛を使っての撮影だそうです.


 千一ノ九 「みみたぶ剃りも、床屋さんの定番」作:がんさん

    いつの間にやら形勢逆転

 琥珀「剃りましょうねー。」
 レン(だめだめだめだめ。猫の耳は、剃っちゃ駄目。
    毛を剃ったら、ハゲになっちゃう。
    志貴たすけて、レンがぴんち。
    駄目。無理。やめて、やめて、やめてー。)

 琥珀「十円ハゲ?」
 レン(いーーーーやーーーーーー!)


 千一ノ十「躰の奥が蠢く様子が、手に取るように」作:がんさん

 志貴「いくつか聞きたいことがあるんだけど。」
 琥珀「なんです?」
 レン(んー…… んー……)

 志貴「なんで、レンは縛られて、猿ぐつわまでされているの?」
 琥珀「暴れたら危ないじゃないですか。保定っていうんですよ。」
 レン じたばた じたばた

 志貴「なんで、剃らなきゃいけないわけ?」
 琥珀「女体の奥深くまで覗くためには、邪魔ですから。」
 レン(んー! んー!)
 琥珀「それと、自分の様子がよく分かるモニターも必須ですよねー。」
 レン ふるふる ふるふる

 志貴「じゃあ、最後の質問。」
 琥珀「はい。」
 志貴「この超音波エコー装置、どこから借りてきたの?」
 琥珀「もちろん、動物病院ですよ?」
 レン(んーー!)



 千二「コネコモネコモネコノウチ」作:かがみゆうさん

      ブンッ!

   「にゃ」(スカッ!)

      ブンッ!ブンッ!

   「にゃにゃ」(スカッ!スカッ!)

   「フフ、このマタタビはやらんにゃ」



 千三「危険物注意!」作:かがみゆうさん

 志貴 「―――教えてやる。これが、モノを殺すっていうことだ」
 シオン「ブラックバレル(レプリカ)!」
 秋葉 「喰らえ!」
 シエル「セブン!」
 アルク「肉片も、残さないから!」

 晶  「たかがゴキブリにここまで!?」



 千四「危険物注意!’(ダッシュ)」作:かがみゆうさん

 涅呂叔父様「楽しみにしていたプリン・ア・ラモードを返せぇぇぇ!」
 不法侵入者「いつも、いつも邪魔なんだオマエ!かってにオレの頭を覗くんじゃねェ!」
 新入り監督「カット!カットカットカットカットカットカットカット!カットォォォォ!」

 志貴   「この屋敷にいるのは変態ばっかりかぁぁぁ〜!?」(逃走)



 千五「退魔の家系で間違いではないですけれど」作:須啓さん

 橙子「両儀に、浅上に、巫条……か」
 幹也「? いきなり、なんなんです? それ」
 橙子「考えてみれば、あと、七夜があれば完璧なんだと思ってね」
 幹也「だから、何なんですか。それ」
 橙子「君は、なんだと思う?」
 幹也「何って……」
 鮮花「退魔、四家系ですよね」
 幹也「退魔?」
 式 「おかしなモノを狩る、オカシナ奴らの果てだよ」
 鮮花「まさにあんたのことよね。式」
 式 「喧嘩売ってるのか?」
 鮮花「勿論」
 幹也「ああ、もう二人とも止めなさい。
    ……って、じゃあ、式も退魔って奴の家系なんだね」
 式 「そうだよ、知らなかったのか。お前」
 幹也「だから、僕はそういうのは専門外なの」
 鮮花「そうです。そんなこと知ってる必要はありません」
 式 「で、なんでお前は知ってるんだよ」
 鮮花「私だって、知りたくて知った訳じゃありません!」
 幹也「なんでいきなり怒るんだ、お前は」
 式 「欲求不満なんじゃなか」
 鮮花「……っ、この……ッ!」

   (以下、いつもの喧噪に包まれながら)

 橙子「正解は黒桐に惚れた女の子。なんだが……」
 橙子「ま、どうせ気付いていないのは本人だけ、か。やれやれ」


 千六「コンプリート目指して」作:須啓さん

 橙子「で、一応訊いておきたいんだが、そっち方面に興味はあるのか? 君は」
 志貴「帰って下さい」


 千七「コンプリート。してしまったりしました」作:須啓さん

 志貴「本気なんです!」
 幹也「いや、本気ってなにが?!」

 橙子「本当に退魔の家系に好かれやすいんだな、黒桐。
    いやはや、大したもんだ」
 鮮花「感心してる場合ですか!」


 千八「興味は興味としてあるんです」作:須啓さん

 式 「……で、なんで止めないんだ}
 鮮花「…………しッ」
 式 「…………ッむ」

 鮮花「ぇ……うわぁ……」
 式 「………………」

 橙子「とりあえず、撮影しておいたが……需要はありそうだね」



 千九「女三人集まれば……」

 橙子「……」(別に喋らないとなればずっとでも平気)
 式 「……」(元々無用な事を口にする事は無い)
 鮮花「……」(自分から口を開くも忌々しいと思っている)



 千十「白牛乳が王道」

 羽居「広々してて気持ち良かったねえ」
 蒼香「まったくだ。でも久々だな、一緒に風呂入るのも」
 秋葉「そうね、前はたいてい同じ時間だったものね。
    それにしても……、ちょっと見ないうちに、また。不公平な」

 琥珀「タオルはこちらにありますから、お使いくださいね。
    後は、よろしいですか、秋葉さま?」
 秋葉「大丈夫よ。何か冷たいものでも用意してくれるかしら」
 琥珀「はい。失礼しますね」(一礼して脱衣所から立ち去る)
   「でも……、お風呂の中であんな会話するとは思わなかったなあ」(頬赤)



 千十一「つい癖で」作:かがみゆうさん

   「志貴、先程から不思議だったのですが
    何故アイマスクの上から眼鏡をかけているのですか?」



 千十二ノ一「一心同体、そして探究心」作:かがみゆうさん

 ネロ「666の命、その全てが『私』なのだ」
 ネロ「この全てを破壊しない限り『私』という存在は消えん」
 ネロ「……ん?」
 ネロ「ぐほぁぁぁぁ!(吐血)」


 千十二ノ二「探究心、そして一心同体」作:かがみゆうさん

 琥珀「クーちゃん、エサですよ〜」
 クー「!(ガツガツガ…)ギャン!」

 琥珀「あらあら、死徒でもダメですか〜 これじゃ使えませんね〜」



 千十三「お洗濯」作:星詠師さん

 志貴 「そういやお前、洗濯はどうしてるんだ?」
 アルク「えっとね、代わりにやってくれるお店に頼んでる」
 志貴 「クリーニングか。……このべたべたのシーツとかも?」
 アルク「うん。この間なんか『お盛んですねー』って褒められちゃった。
     ……どしたの志貴、頭痛いの?」


 千十四「亜鉛が豊富」作:星詠師さん

 琥珀「志貴さん、牡蠣お好きなんですねー。
    いえ、深い意味はありませんよ。ただ、成る程、と思っただけで」



 千十五ノ一「先の場合」作:10=8 01(と〜や れいいち)さん

 琥珀「ご入浴の準備が出来ましたー」
 志貴「秋葉。お風呂だって」
 秋葉「あ、はい……先に入るらせていただきます」
 志貴「おう、俺は秋葉の後にするから」
 琥珀「……そういえば、志貴さん
    秋葉様の入浴のあと―――」
 志貴「はぁ……」
 琥珀「―――残り湯とか飲んでらっしゃるのですか?」

    どんがらがっしゃーんっ!!(兄妹、吉本並にコケる)


 千十五ノ二「後の場合」作:10=8 01(と〜や れいいち)さん

 志貴「そ、そんなワケないでしょっ!」
 琥珀「そうですかー(にこにこ)」
 秋葉「そ、そうですっ! そ、それなら兄さんが先に入ってください!!」
 志貴「お、おうっ」
 琥珀「成る程ー。秋葉さまが残り湯を飲みたいんですかー」

    どんがらがっしゃーん!!(兄妹、吉本以下略)


 千十五ノ三「屋敷に来る前の場合」作:10=8 01(と〜や れいいち)さん

 秋葉「だ、大体っ。兄さんと私は別々のお風呂ですっ」
 琥珀「そういえばそうでしたねー」
 志貴「別々なんだから、ここじゃあそんなことするわけないでしょーに」
 琥珀「成る程ー」
 秋葉「そうそう。
   ………………ここじゃあ?」


 千十五ノ四「オチはやっぱり」作:10=8 01(と〜や れいいち)さん

 秋葉「兄さん、ここじゃあって、どういうことですか!?」
 志貴「だから語弊だって、言ってるだろう!」
 秋葉「都古みたいな年端も行かない子供の残り湯でいろいろしちゃったんですか!?
   もしや一緒にお風呂とかも!? 嗚呼っ、兄さんが屋敷に居た頃には絶対に
   そんなことしてくれなかったのに、どうして、どうしてっ!?」
 琥珀「で、結局は飲んじゃったんですか? 啓子さんのも?」
 志貴「いや、その、えーっと……あぅ……あ、あ……」
 秋葉「兄さんっ! 弁明は何かありますか?」
 志貴「え、えーっと」
 琥珀「弁解はご自由にどうぞー」
 秋葉「で、どうなんです?」

 志貴「ふっ、今日はこのくらいにしておいてやるよ」

   どんがらがっしゃーん!(やっぱり吉本オチ)



 千十六ノ一「一緒の場合」作:鰯丸さん

 琥珀「なら、ご一緒に入られたらいかがですか?」
 志貴「……………………」
 秋葉「……………………」

 志貴「そ、そうだな。妹が妙な真似をしないよう、見張っていないと」
 秋葉「……そ、そうですね。兄さんを監視するのも妹の義務です」

    肩を並べて浴室へ。

 翡翠「姉さん、お二人で遊ぶのは大概にしたほうが……」
 琥珀「ん、もう翡翠ちゃんたら遊び心がないんだからぁ♪」


 千十六ノ二「一緒の場合・その後」作:鰯丸さん


 琥珀「そりゃぁね、わたしが御二人をけしかけましたよ。ええ確かに」

 志貴「…………………」
 秋葉「…………………」

 琥珀「でも、湯あたりするまで入ってることはないでしょうに……」
 翡翠「姉さん、だから『大概にしたほうが』と、あれほど………」

   湯あたりで倒れた二人に、団扇で風を送る姉妹。
   それでも志貴と秋葉の手はしっかりとつながれておりました。

  (ちゃんちゃん♪)


 琥珀「で、どなたが御飲みになったんですか?」



 千十七「アレ」作:MCさん

 志貴「え、えーと秋葉サン、つかぬ事をお聞きしますが……」
 秋葉「なんですか兄さん?」(半眼で)

 志貴「シオンからもらったアレはいったい今どこに……」
 秋葉「ああエーテライトですか? もちろん大事にしまってあります」

 秋葉「……兄さんがお望みなら使って差し上げますが?」



 千十八「探偵さんとお呼び下さい」

 翡翠「今日は一日、謎の多い姉さんが何をしているのか探るのです」

    午前〜昼〜夕刻

 琥珀「ごめん、翡翠ちゃん。もう、許して。
    何も悪い事はしないって約束するから」(疲労困憊)


 千十九「メイドさんは見た」

 翡翠「秋葉さまも謎が多いのです。
    今日は何処にもお出掛けにならないご様子。チャンスなのです」

   午前〜昼

 秋葉「ちょっと、琥珀、あれを何とかなさい」
 琥珀「何とかと言われましても……、はいはい、翡翠ちゃんは何とかします。
    ところで、秋葉さま?」
 秋葉「うん? 他には特に用はないわよ」
 琥珀「翡翠ちゃんの目が気になると言う事は、何か後ろ暗いこ…。
    ひゃん、すぐに行って参りますからー」(首をすくめて逃げる)
    

 千二十「主人の事には関与しません」

 秋葉「そう言えば、なんで兄さんの事は放っておくのかしら。
    いちばん翡翠には気になる存在でしょうに。
    ……私もちょっと兄さんの秘密には興味あるし」
 琥珀「怖いんだそうですよ、志貴さんの事を知ってしまうのが」
 秋葉「……なるほど」
 琥珀「確かめなければ、本当の事にはなりませんからね」
 秋葉「そうよね。……ちょっと、その言い方だと、まるで。
    ううん、いいわ、今は聞きたくない」



 千二十一ノ一「いま、そこにいる志貴」作:かがみゆうさん

 志貴「ど、どうすればッ!?」

    目が覚めたら、秋葉のベッドに荒縄で縛り付けられていた志貴


 千二十一ノ二「いま、そこにくる秋葉」作:かがみゆうさん

 秋葉「次はどんな方法で兄さんを困らせようかしら、ウフフ」

    今まさに自室の扉を開けようとしている秋葉


 千二十一ノ三「いま、そこにいた琥珀」作:かがみゆうさん

 琥珀「〜〜♪」

    余った荒縄をしまっています


 千二十一ノ四「番外:いま、どこかにいるレン」作:かがみゆうさん

 レン(…………)

    陽だまりで丸くなっています


 千二十一ノ五「いま、そこにきたシオン」作:かがみゆうさん

 シオン「あぁ、秋葉。少し相談があるのですが」
 
    秋葉が自室に入ろうとした、まさにその瞬間に声をかけるシオン


 千二十一ノ六「いま、あそこにいる翡翠」作:かがみゆうさん
 
 翡翠「…………(ぐっ)」

    曲がり角に隠れ、次の瞬間起こることを期待して拳を固める翡翠


 千二十一ノ七「いま、そこにいくアルク」作:かがみゆうさん

 アルク「志貴〜〜♪」

     動物的勘で、今まさに秋葉の部屋の窓をぶち破ろうとしているアルクェイド


 千二十一ノ八「いま、そこにいないシエル」作:かがみゆうさん

 シエル「……ハッ!」

     何かに気付くが、『メシアンの新作カレー』のチラシに気を取られるシエル


 千二十一ノ九「いま、そこにでくわした都古」作:かがみゆうさん

 都古「お兄ちゃんは渡さないんだからーッ!」

    アルクェイドを空中で撃墜せんとする都古


 千二十一ノ十「いま、それをみる晶」作:かがみゆうさん

 晶 「だ、駄目ぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!」

    志貴の未来視をする晶



 千二十二「知る権利」作:かがみゆうさん

   「風邪薬ですか?もちろん持っていますよ。これでも錬金術師ですから化学は
    一通り修めています。そうですね、今の志貴の容態だと<15分くらい説明が
    続くので略>の方が良いでしょう。次に<20分ぐらい略>を混ぜ合わせます。
    そして最後に<30分くらい略>ということで、これが志貴にぴったりの風邪
    薬です」

   「ごめん。頭痛薬が欲しくなったんだけど琥珀さんにもらうよ」



 千二十三「嵐」作:かがみゆうさん

 レン (さん)
 志貴 「?」

 レン (にー)
 志貴 「どうしたの?」

 レン (いち)
 志貴 「??」

 レン (ゼロ)

 アルク「志貴〜遊びに来たよ〜!!」
 シエル「遠野君の邪魔をするんじゃありませんこの吸血鬼!」
 秋葉 「貴女たちここをどこだと思ってるんですか!?」
 翡翠 「……」
 琥珀 「あらあら、皆さんおそろいですね〜♪」
 都古 「お兄ちゃーん!遊びに来たよー!!」
 シオン「あ〜もう騒々しい! 研究の邪魔をしないで下さい!」
 レン (みんな来た)

 志貴 「あーもうアルクェイドいいかげん窓から入ってくるな先輩もどこから
     入ってくるんですか秋葉も落ち着け翡翠いつからベッドの下にいた琥珀
     さんまた隠し扉作りましたね都古もこんなタイミングで来るんじゃない
     シオンごめんレンもっと早く教えてくれぇぇッッ!!!」



 千二十四「ゾク・嵐」作:かがみゆうさん

 レン (さん)
 志貴 「?」

 レン (にー)
 志貴 「ま、まさか……」

 レン (いち)
 志貴 「に、逃げなきゃ!ってどこから逃げたらッ!?」

 レン (どかーん)

 四季 「よー飲みに来たぜー!」
 弓塚 「と、志貴君遊びに来たよ!」
 ネロ 「また会ったな人間」
 黄理 「親子で月見酒と洒落込もうか」
 槙久 「ちゃんと宿題をやっているか?」
 さっちんの首なし吸血鬼「………」

 志貴 「シキ壁から入ってくるな弓塚さんも床から首だけ出さないでネロさっ
     さと成仏しやがれあんた誰だ義父さん顔だけ嘲笑しながら普通に喋るの
     怖いから止めてくれさっさと死んでろッッ!!」

  ・
  ・
  ・

 志貴 「う〜んう〜ん」
 レン (うふふ)



 千二十五ノ一「趣味人」作:Jinroさん                   

 式 「なんて綺麗・・・」
 志貴「そう?でもこっちもすごいよ、こんなのみたことない」         
 式 「わかるか?」      
 志貴「当然さ」        
 式 「ああ、この反りぐあいがたまんないんだよな」
 志貴「やっぱ刃物はいいよねー、和む」


 千二十五ノ二「と、その周り」作:Jinroさん
                 
   「やきもきしますよね、あんなにたのしそうだと」
   「ええ、兄さんもまるで子供みたい」
    二人して、どこか嬉しげな嘆息



 千二十六「志貴が車を買いました。」作:天戯京介さん

 志貴 「………で、これはどういうことなのかな?(怒)」

 秋葉・琥珀・翡翠・アルク・シエル「シュン……」

 志貴 「みんなの気持ちは十分すぎるほどよく分かってる……けど!」
 秋葉 「ごめんなさい(×100)兄さん……」
 翡翠 「申し訳ありません志貴さま……」
 琥珀 「あ、あはぁ…(汗)」
 シエル「と、遠野君もいけないんですよ…2シーターの車なんて買うから……」
 アルク「助手席に座りたかっただけなのに……」

 志貴 「あぁ……ローンもまだ払い終わってないのにぃ……(泣)」
     見る影もないほど黒こげになったMR2(SW20)を見ながら……。



 千二十七「ごたくをならべる」作:のちさん

 志貴「いや、可愛いからとか美人だとか頭がいいとか頼りになるからとかじゃなく
    て、つまり俺の言いたいのは……」
 アルク・シエル・秋葉・翡翠・琥珀「で? 誰を選ぶんですか?」 
 志貴「え、えーと……」


 千二十八「ごたくをならべる」

 蒼香「いやまあ、お前さんの文句言いたいのはよくわかる。
    けど、とりあえずこの後始末しような。寝る事もできないから」
 秋葉「まったく……」
 羽居「みんなを喜ばせようとしただけなんだけどなー」



 千二十九「勇者を見る村人の目」

 有彦「お、秋葉ちゃんの後輩の、えーと、アキラちゃんだったよな」
 晶 「こんにちは」
 有彦「こんな処でって事は、遠野んちに行った帰り?」
 晶 「はい、そうですよ。遠野先輩に会いに。志貴さんとはほとんど入れ違いでした」
 有彦「すまねえな、遠野は俺とつるんでたから。
    秋葉ちゃんか、遠野もあんな可愛い妹いて羨ましいよなあ」
 晶 「乾さんて、凄いですね」
 有彦「へ、何が?」
 晶 「いえいえ、こちらの事で。でも、浅上の生徒ならみんな同じ事思うだろうなあ」



 千三十「胸の中の一番大切なものだから」

 鮮花「前から訊きたかったんだけど、式は兄さんのどこがよかったの?」
 式 「え、俺か。えーと…………、お前こそどうなんだよ」
 鮮花「私? 私は……」
 式 「言えないだろ? 俺も言えない」
 鮮花「そうね、質問は撤回するわ」
 式 「……」(幸せそうな、けれどやるせない表情)
 鮮花「……」(同じく)



 千三十一「トンデモ! シオンさん」作:かがみゆうさん

 シオン「志貴」
 志貴 「ん?」
 シオン「お前をお義兄さんと呼んでやる!」

  ・
  ・
  ・

 志貴 「……今度は有彦の記憶(じんかく)を拾ったわけか」

 シオン「秋葉ちゃんは俺が貰ったぜ!」



 千三十二「仮面ライダーっぽい志貴」作:天戯京介さん

 志貴「出たな、遠野家の当主!!」
 秋葉「それは誰のことを指していっているのですか兄さん?」
 志貴「ナイムネのくせにこの兄にバイトをさせない悪魔のような遠野家当主……絶対に許さんっ!!」
 秋葉「知りませんでしたわ…兄さんにそんな自殺願望があったなんて……」

   ゾクゾク

 志貴「し、勝負は預けたぞ、吸血コウモリナイチチ女!!」(脱兎の如く去る志貴)



 千三十三「続・仮面ライダーな志貴」作:天戯京介さん

 シエル「カレ〜〜♪ななこぉ、今日の晩ご飯はカレーですかれ〜♪」
 ななこ「うわ〜〜〜ん、マスターが壊れたぁ!!(泣)」
 シエル「フフフ……さぁ、大人しくこのカレーを食うかれ〜♪」
 志貴 「(キュピン!)そうはさせんぞ、シエル先輩!!」
 シエル「ぬ、貴方は遠野君……私の晩ご飯を邪魔する気ですか?!」
 志貴 「いや……食べさせてくれ……家に帰ると何故か翡翠の手料理が待ってるんだ……」
 シエル「紛らわしい言い方をしないでください」



 千三十四ノ一「許されぬ恋」作:天戯京介さん

 つかさ「……今晩だけでいいんです…今晩だけ……私を“貴方の女”にして“愛して”ください……」


 千三十四ノ二「それだけは…ゆずれない」作:天戯京介さん

 つかさ「わ、私…本気だから…本気で志貴さんのこと好きだから……私、絶対に負けないんだから!!」


 千三十四ノ三「W●ITE ●LBUM?」作:天戯京介さん

 つかさ「秋葉さん聞いて……私……志貴さんと寝たの……」

     バチコ〜〜ン★

 秋葉 「どうして……どうしてそんなこと言うの?……あ、ごめんなさい…力入れすぎたわ」
 つかさ「……………。(ピクピク……)」



 千三十五「女教師知得留、2X歳」作:かがみゆうさん

 黒板に、

 『今日“”自習』



 千三十六ノ一「徹底解剖! 猫アルクの秘密!!」作:かがみゆうさん

 猫アルク「いやにゃー! メスはいやにゃー!!」


 注:「メス」は「牝」ではなく医者の使うアレです


 千三十六ノ二「大脱出!猫アルクの挑戦!!」作:かがみゆうさん

 メカ翡翠「……………………(ズィーム)」
 猫アルク「……………………」

      失敗


 千三十六ノ三「緊急指令!猫アルクを救出せよ!!」作:かがみゆうさん

 長官  「というわけで皆に集まってもらったわけだけど」
 工作員A「と、言われましてもアイツには茶道室での苦い思い出がありまして」
 工作員B「一体何度他人の屋敷に侵入すれば気が済むんでしょう!」
 工作員C「…………(否定的な視線)」
 工作員D「あの人がいなければ計画も大分狂わなくなりますねー」

 長官  「まぁ、確かに問題の半分以上は片付く気がするな」

      見殺し



 千三十七「初めてのデート」作:かがみゆうさん

 志貴「ど、どうしたんだその格好!?」
 翡翠「何かおかしいですか?」

    本人の2倍近くある荷を背負う翡翠


 千三十八「初めてのデート 〜山登り〜」作:かがみゆうさん

 志貴「あ、猪だ」
 翡翠「志貴さまお下がりください(ドカン)」

 ・
 ・
 ・

 志貴「……なんでライフルなんて持ってるんだ?」
 翡翠「山登りの標準装備です」
 志貴「…………」
 翡翠「何か問題が?」

    チラリと覗く割烹着の影
 

 千三十九「初めてのデート 〜遊園地〜」作:かがみゆうさん

 翡翠「…………」
 志貴「…………」
 翡翠「…………」
 志貴「…………」

 洗脳探偵「あなた達を、後ろです」
 志貴  「列が長いだけでそこまでするなッ!」


 千四十「初めてのデート 〜恋愛映画〜」作:かがみゆうさん

 翡翠「(あぁ、こんなに暗くてムーディな場所に志貴さまと2人っきりで……)
 志貴「…………」
 翡翠「(こういう時って大抵観ている恋人同士もいい雰囲気になるのよね)」
 志貴「…………」
 翡翠「!(あ!志貴さまが私の肩に頭を凭せ掛けてる……)
 志貴「……翡翠、」
 翡翠「(志貴さま、志貴さま、志貴さま……ッ!)」

 志貴「寝ていい?」(←アクション映画が好き)


 千四十一「初めてのデート 〜またあした〜」作:かがみゆうさん

 志貴 「お休み、今日は楽しかった。愛してるよ翡翠」
 翡翠 「…………私もです」

     パタン

 翡翠 「…………」
 翡翠?「いつもあんな楽しいデートしてたんだ、翡翠ちゃんいいなぁ」



 千四十二「告白」作:鰯丸さん

 志貴「……こんなときに、なんだけどね」
 秋葉「はい」
 志貴「俺は秋葉のことを愛していたよ」
 秋葉「私もです、兄さん」

 志貴「どこで間違えたんだろうね」
 秋葉「……ええ、本当に」



 千四十三「日記」作:鰯丸さん

  X00年 ○月×日
  「今日、産院から帰ってきた。誰にも祝福されることのない出産だった。
   正直言って、わたし自身この子を愛せるかどうか不安だ。
   遠野の血が流れる、この子を。」

  X00年□日×日
  「娘を公園へ散歩に連れていった。
  『お母さん似ね』とか『真っ赤な瞳がきれいね』と言われた。
   確かに、だんだんと、わたしや翡翠ちゃんに似た顔立ちになってきたように思う。 」

  X01年△月□日
  「今日、初めて娘が『ママ』って呼んでくれた。
   嬉しい。本当に嬉しい。誰が何と言おうとこの子はわたしの娘だ。
   わたしだけの宝物(たからもの)だ。」

  X08年×月×日
  「小学校で三階の窓から落ちたと聞いたときは心臓が停まるかと思った。
   運良くかすり傷ひとつなく済んだけれど、あまり母親を心配させないで欲しい」

  X10年○月△日
  「今日、娘にお赤飯を炊いた。この子にも、わたしと同じ力があるのだとしたら
   いつか愛した男性のためにだけ使って欲しい。母親としての切なる願いだ。」

  X13年△月○日
  「今日、娘が学校に行っているときに秋葉さまと志貴さんが突然現れた。
   お会いするのは何年振りだろう。
   あの子を遠野家の養女にしたいと言う。遠野家を継がせたいと言う。
   冗談ではない。あの家を逃れて、やっと手に入れたささやかな幸せなのだ、
   奪われてなるものか。」


         ※編註:琥珀さんにシキの子供が出来ていたらといった掲示板話題より



 千四十四「カマキリのように愛して」作:がんさん

 琥珀「カマキリのオスは、交尾の後、メスに食べられてしまうと思われてい
    る方も多いようですが、実際には多くのオスは逃げ延びるのだそうで
    す。」
 翡翠「ゆきずり・なりゆき・やりにげ君……」
 志貴「いや…… その…… ねぇ……」

 琥珀「それから、オスを食べてしまうのは交尾の後ではなくて、最中が基本
    で、目の前で動くオスをエサと間違えて食べてしまうだけのことだそ
    うです。」
 翡翠「愛よりも食欲なのですね。」
 秋葉「えと…… その…… ねぇ……」



 千四十五「猫跨ぎ」

 琥珀「猫のレンちゃんはすっかり綺麗に食べるんだけど。
    こっちのレンちゃんはうまくお魚食べられないのね」



 千四十六「いつもそうだ、失ってみて初めて」

 志貴「どうしてこんな事に。
    誰が悪かったんだろう。こんな、こんな……」
 秋葉「過去形にしてしまおうとしてもダメですよ、兄さん」



 クリスマスものです

 千四十七「あなたに贈る歌」作:倦怠感さん

 レン 「……」
 志貴 「え? クリスマスには歌を披露するって?(……どうやってだ?)」

 レン 「……」(指揮棒ふりふり)
 猫軍団「にゃーにゃっにゃにゃにゃにゃにゃーにゃっ♪」
 琥珀 「これは可愛らしいですねー」
 志貴 「よくここまで仕込んだものだなあ」
 翡翠 「……」(ぱちぱち)



 千四十八「ミサやったりはしませんが」

 シエル「…健やかにして平和なる日々への感謝を。
     それでは、主の誕生を祝い……」

 アルク「やっぱりシエルは、演技が上手いね」
 秋葉 「本物っぽいですね」
 シオン「何故に信じぬものをあれだけ感情込めるのか不可解です」
 琥珀 「表情まで慈愛を見せていますよ、凄いですねえ」

 翡翠 「あの、シエルさまの額が……」
 志貴 「我慢してるんだなあ。さすがに今日は怒れないらしいから」
 


 千四十九「白くて甘い大きいの」

 志貴「それはもう凄く大きくて美味しいケーキだよ、きっと」
 レン「……」
 志貴「普段よりももっとだとも。
    そうだね何段にもなっていて外側は……。
    そうだよ、レンの大好きな生クリームがこぼれるほど飾られてて」
 レン「!! ……」
 志貴「早く見たい?
    わかったよ、急いで帰ろうね」

 琥珀「あらあら、お二人でどうしたんですか。
    ちょうど良かった。どうですか、出来上がりましたよ。
    今回は気分を変えて、チョコレートケーキを……。
    あれれ、レンちゃん、どうしたんです。レンちゃーーーん」
 志貴「そんなにショックだったのか。気絶しちゃった」
    


 千五十「宴の始まり」

 志貴「それでは、乾杯」
 一同「乾杯!」
 志貴「さてと、始まったか。いよいよだ。
    何時間だろうが、気力と体力が持つ限り」
    殉教者の目で早くも始まった喧騒を見つめ。


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