天抜き 其の二十四





 千百五十一「花の生涯」

 琥珀「日陰にひっそりと咲いても、花は花ですから。
    下手に目立って摘まれるのと、どちらがいいのかは、さあ?」



 千百五十二「三姉妹」

 秋葉「別段、琥珀や翡翠と姉妹に見られようと構いませんけど。
    だけど、なんで私が長女なんです」
 志貴「だってさあ」
 琥珀「そうですよ、お姉さま」(微笑)
 翡翠「……」(複雑な心中を表す表情)



 千百五十三「天と地と」

 シエル「人が知っていても、自分だけが知らない事はあるんですよ。
     例えば……、知りたいですか、遠野くん?」



 千百五十四「樅の木は残った」

 琥珀「楽しいクリスマスパーティでしたね、皆さん。
    って、もう皆倒れちゃってますねー
    志貴さんは……、起きているのかな、あれは。
    疲労困憊で目が虚ろで、ああ、ぶつぶつ何か言ってる。
    まあ、あれだけ……、栄養剤でもお持ちししましょうね、特別製の」



 千百五十五「春の坂道」

 志貴「秋と冬は目にしているけど、他の季節はまだ知らないから。
    眺めも違うんだろうなあ」(登校中にふと足を止め)



 千百五十六「国盗り物語」

 秋葉「兄さんがお望みなら、こんな国の一つや二つ」



 千百五十七「風と雲と虹と」

 志貴 「うーん、わからない」
 シオン「小学生レベルの理科の問題ですよ。
     風が雲を呼び、雲が雨を降らせ、雨によって虹が出来る」
 志貴 「なるほど、雨か。じゃあ、次は」
 シオン「……」(物言いたげ)
 志貴 「うん? もしかしてシオンもやりたい、クロスワードパズル?」
 シオン「い、いえ、興味ありません」
 志貴 「そうか。ええと、これは……、うーーーん」
 シオン「リュウグウノツカイです」
 志貴 「おお、そうすると、こっちが……、ってシオン?」
 シオン「……」(照れ)



 千百五十八「花神」

 シオン「……」
 志貴 「難しい顔で読書か。シオンらしいけど。
     何を読んで……、日本昔話?」
 シオン「ええ、伝承には時に興味深い事実が隠されています。
     特に子供の頃からそれを当たり前と思っていない異国人には、
     かなり異質な概念を感じる場合がありますね。
     この「花咲爺さん」というお話など、死と再生をダイナミズか
     つ(中略)、タナトス的思考が日本の古代(中略)、黄金とい
     う存在がメタファーとなって(中略)……」
 志貴 「知ってる、花咲爺さんって中国では花神と言って……ダメか、
     全然止まらない」
 シオン「…火葬というものが(中略)灰、即ち…」
 志貴 「ふぅ」
   


 千百五十九「黄金の日日」

 アルク「後で振り返れば、きっと宝物のような思い出でしょうね。
     でも、今は考えられない。少しでも思い出したら、それだけで。
     ずっとずっと眠りつづけて、そうしてから。
     だから志貴、それまで……、おやすみなさい」



 千百六十「草燃える」

 琥珀「いいんですよ、志貴さん。
    これはあってはならないものなんです。
    全て焼き払って煙に、そう、何も無くしてしまうんです。
    私の罪と共に……」
 志貴「琥珀さん」
    感極まった様子で、琥珀を抱擁する。
 琥珀「(まあ、証拠隠滅なんですけどね)」



 千百六十一「獅子の時代」

 ネロ「よし、勝負あり。
    今日より、ネロ・カオス組筆頭はライオンのレオだ」
 レオ「がぁおおおおおッッッ!!!」



 千百六十二「峠の群像」

 幹也「あ、あ、あれって何なんです」
 橙子「なんだ、わからんのか、私だな」
 幹也「それは見ればわかります。
    何であんなに……、百人は群がっていますよ」
 橙子「ううむ、あんなに作った記憶はないのだが。
    あの中の誰かが作ったのかな」
 幹也「で、一斉に山に向かって、何をやろうとしているんです」
 橙子「さあなあ。どうやら私だけ集団から外れているし。
    仮説だが、あまりに多くなりすぎて、少し数減らしを……、ほら」
 幹也「あっ、崖から……」



 千百六十三「山河燃ゆ」

 青子「うん、一度くらい出してみてもいいかな、本気ってやつ」



 千百六十四「春の波濤」

 シエル「さすがに、波は強いけどこの季節は穏やかですね。
     お日様も暖かいし、うららかな感じで」
 ななこ「……」
 シエル「夏には泳いだりするのもいいでしょうね」
 ななこ「……」
 シエル「わたし一人喋っていると馬鹿みたいじゃないですか、セブン?」
 ななこ「……」
 シエル「まだ、怒っているんですか、心が狭い精霊だこと。
     だって、滑って海に落ちたあなたが悪いんですよ。
     それは、何ヶ月も拾いにこなかったのは悪かったですけど、冬の
     凍りつきそうな海に潜れとは言わないでしょ?」
 ななこ「……」



 千百六十五「いのち」

 秋葉「私は兄さんと繋がっていますよね。
    離れていても兄さんを感じまるんです。
    もしも、兄さんが私に黙って姿を消したとしても、どんなに遠くへ
    行ったとしても、最後の瞬間は絶対にわかります。
    その時には、お傍に参りますから。
    死が二人を分かつまでと誓いましたけど、それで終わりにする気は
    ないですから。
    だから、ここにいて下さい。
    最後の最後まで私にお世話をさせて下さい。
    はい……、兄さん」



 千百六十六「翔ぶが如く」

 志貴「な……。
    さすがに、あれ喰らったら、大丈夫な自信ないよ……、都古ちゃん」



 千百六十七「炎立つ」

 翡翠「いえ……」(ゆっくりと首を振る)
 琥珀「とても、とても」
 志貴「そうか、まだ、そんなに……。
    仕方ない、また二、三日姿をくらますよ。
    二人とも、秋葉の世話頼むよ。じゃっ!」

 琥珀「志貴さんがいないのが、お怒りの一番の原因なんですけどね」
 翡翠「志貴さま、悪循環です」



 千百六十八「花の乱」

 琥珀「それは、もはや戦争と言っても大袈裟ではなかった。
    巨大化、凶暴化、促進化。
    志貴さんは早々に倒され、秋葉さまの大奮戦はあったとは言え、
    アルクェイドさんとシエルさんが現れなかったらどうなってい
    たか。この傷痕は深い。
    せめて、この自然現象の恐ろしさを記録に留め、警鐘と…」
 秋葉「……そもそもの原因が、何を優雅に書いているのかしら?」
        


 千百六十九「こんなこともあろうかと 翡翠の場合」作:かがみゆうさん

 翡翠「避妊具は常に所持しています」
 琥珀「使ったことは?」
 翡翠「………………」


 千百七十「こんなこともあろうかと 秋葉の場合」作:かがみゆうさん

 秋葉 「『罵倒台詞集』を愛読しています」
 みんな『なるほどー』
 秋葉 「なにか…不快ですね…」


 千百七十一「こんなこともあろうかと 志貴の場合」作:かがみゆうさん

 志貴「いいわけは200通り考えてあるよ」
 志貴「通用するかどうかは、また別のお話」


 千百七十二「こんなこともあろうかと 琥珀の場合」作:かがみゆうさん

 琥珀「隠蔽工作は万全です」
 琥珀「具体的には、屋敷の重要地点にTNTをこのくらい…って
    嘘!嘘です止めてください!髪を赤くしないで眼鏡を外さ
    ないでその携帯用万能スイッチを持ち出さないで!! …
    …あ、よりによってそのスイッチはど(断線)」


 千百七十三「こんなこともあろうかと シエルの場合」作:かがみゆうさん

 シエル「マイ・福神漬けを常備しています」
 アルク「ボストンバッグの中身が、まるごと福神漬けっていうのも壮絶ね」


 千百七十四「こんなこともあろうかと レンの場合」作:かがみゆうさん

 レン(どんなことも“無かったこと”にできるよ)
 志貴「レン、俺は昨日一人で寝たことにしてくれ!」
 レン(イヤ)
 志貴「!!」


 千百七十五「こんなこともあろうかと シオンの場合」作:かがみゆうさん

 シオン「脳のリソースは常に確保しています。
     志貴のあんな映像やこんな映像は逃しません」
 秋葉 「後で私にも頂けないかしら。
     その代わり、兄さんの子供の頃の記憶を分けてあげるわ」
 シオン「……………」
 秋葉 「……………」

     ガシッ



 千百七十六「外でお食事」

 志貴「たまには皆で外食……とか思うんだけど。
    食べている気がしない高級料亭行ったり店貸切にしようとする秋葉。
    メイド服はなんとか勘弁して貰っても、戸惑って神経使う翡翠。
    わたしのお料理はお気に召さないのですねとか泣き真似する琥珀さん。
    やっぱり、我が家で…」

 翡翠「あ、志貴さま。お食事の時間です」
 志貴「うん、今行くよ」



 千百七十七「まあ、普通は女性が言う台詞だし」

 シエル「今夜は家に帰りたくないって、遠野くん……。
    (ああ、誘われているのか、それほどの事をしてきちゃったのか。
     泊めるのはOKだし、その先も……ですけど、どっちなんだろう)」



 千百七十八「ずるずる」

 幹也「鍋焼きうどんって、特別豪華って訳ではないけど、美味しいですね」
 橙子「冬は熱さがまず、ポイント高いかな」
 幹也「ところで橙子さん」
 橙子「うん? 黒桐は海老が嫌いだったか。よし、かまぼこと交換…」
 幹也「自分で食べます。
    結界張ったままで、どうやって出前が届いたのかなって思って」
 橙子「なんだ、そんな事か。
    説明しても良いが、終わる頃には冷め切ったうどんが残る事になる」
 幹也「……あまり気にならなくなりました」
 橙子「ふむ。どうだ、黒桐、もちと交換ならば良かろう?」
 幹也「だから、自分で食べますって」



 千百七十九「悪の夜」作:かがみゆうさん

 七夜「……」
 ネロ「くっくっく、生命種を束ねる我に挑むとは、愚か」
 ロア「ふっ、死を超越した私が負けるはずなかろう」
 四季「へっ、俺の方が強いぜ」

    輪になってババ抜きをしている(出番が無い)面々



 千百八十「遺伝子」作:かがみゆうさん

 三番 「志貴の手……志貴の顔……志貴の声……」
 七番 「あ、秋葉と志貴が……」
 五番 「真祖の姫と志貴が……」

 シオン「!」
 シオン(駄目だ、思考が止まらない。停めなきゃ、停止)

 シオン「…ト、カットカットカットォォォ!」


 千百八十ノ二「兄のごとく」作:かがみゆうさん

 ワラキア「ふ、見事だ」



 千百八十一「裏か表か」

 シエル「もしもし、ああ、遠野くん。
     え、家庭崩壊? ちょっとどういう事ですか、遠野…は?
     オムライス、オムライスと言いましたか?
     大事な話なんだって言われても……、はい、ええとですね。
     オムレツを載せて真ん中から開くものもありますが、オムレツの
     具としてご飯を包む形の方が一般的ではないかと。
     泣き声でそらみろって、誰に言っているんです。
     もしもし、もしもー……切れちゃった」



 千百八十二「料理人の腕」

 士郎「体中くまなく叩きのめされたけど、右手だけは庇われていたのって、
    気のせいかなあ」



 千百八十三「摂取への熱意」

 凛  「ここにいると、確実に……太る」
 藤ねえ「うーん、わたしは平気だけど」
 セイバ「……」(まったく関係ない様子で黙々と食べている)
 士郎 「え、俺が悪いの?」



 千百八十四ノ一「訓練 翡翠の場合」作:かがみゆうさん

 翡翠「もう大分料理も慣れましたね」
 翡翠「志貴さまも美味しいと言ってくれるようになりましたし」
 翡翠「さて」

 翡翠(ここに姉さんがくれた惚れ薬を…)


 千百八十四ノ二「訓練 志貴の場合」作:かがみゆうさん

 志貴「(もう大分マシになったと思うね)」
 秋葉「(そうですね、最初はアレでしたけど)」
 琥珀「(「慣れ」って最高の自己防衛機能ですねー)」

 翡翠 にこやか〜(翡翠的に)


 千百八十四ノ三「訓練 琥珀の場合」作:かがみゆうさん

 琥珀「さて、今日もバレませんでしたねー」
 琥珀「あの『惚れ薬』がただのメリケン粉だってこと」

 琥珀「明日からは青汁で行きますか」


 千百八十五「訓練 シオンの場合」作:かがみゆうさん

 シオン 「カットカットカットカットカットカット…」
 ワラキア「カットカットカットカットカットカット…」

 二人  『カットォォォォォォォォォォ!!!』


 千百八十六「訓練 シエルの場合」作:かがみゆうさん

    ヒュン! ドシュ

 シエル「ふう、今日の仕上げといきましょうか」
 シエル「セブン」
 ななこ「ま、マスター……きょ、今日もするんですか!?」
 シエル「もちろんです。さ、その木の下に立ちなさい」
 ななこ「ひぃぃぃぃ!!」

    『カットォォォォォォォォォォ!!!』
 
    ヒュン! ザクッ



 千百八十七「月9で拓哉が言っていた」作:10=8 01(と〜や れいいち)さん

 志貴 「古きよき時代の女かぁ」
 アルク「志貴ー、遊びに来たよー」
 秋葉 「この人外猫っ! 兄さんから、離れなさいっ!」
 シエル「そうですよ、さ、遠野くん今のうちに」
 秋葉 「あなたもですっ!! 翡翠っ! 琥珀っ!」
 翡翠 「はい。暗黒翡翠流――――」
 琥珀 「変身っ、まじかる☆あんばぁー♪」

   ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 志貴「古きよき時代の女かぁ(涙)」


    ※編注「月曜日9時に放映していたドラマ「プライド」より



 千百八十八ノ一「でっかくなっちゃった!」作:ペースケさん

 琥珀「やりました秋葉さま!まききゅーXの改良版が完成しました!」
 秋葉「またしょうもないものを作って━━━━」
 琥珀「ふふふ・・・それがですね、今回のものは前回と違って、体の
    一部のみ大きくすることができるのですよ」
 秋葉「・・・・・・そ、それは・・ど、どこのことなのかしら?」
 琥珀「ずばり━━━━━耳です!」
 秋葉「なぜ?」


 千百八十八ノ二「主役に」作:ペースケさん

 秋葉「・・・耳なんか大きくしてどうするっていうのよ?」
 琥珀「何言ってるんですか秋葉さま。今の世の中、耳を大きくすれば
    老いも若きも男も女も秋葉さまにくぎづ・・・ちょ、秋葉さま?
    いえいえ、わたしはいいんで━━━━あ、秋葉さま?秋葉さま
    ってば!!」



 千百八十九「給仕しつつ」

 琥珀「美味しいですか?」
 志貴「うん、美味しい。焦げ具合が絶妙で脂乗ってて。
    ご飯、おかわり貰おうかな」
 琥珀「はい、…どうぞ」
 志貴「ありがとう」
 琥珀「あれ、そう言えば」
 志貴「うん?」
 琥珀「今まで、お料理の出来を誉められた事はありますけど、
    自分から訊ねた事なんて、なかったかなって思ったんです」



 千百九十ノ一「虚像と実像」
 
 セイバ「……」(食い入るようにテレビの画面を見ている)
 士郎 「気持ちは分からなくも無いけど」
 凛  「ある種、悪趣味よね」
 セイバ「これは、酷い」
 士郎 「映画とかだけでなくて、本もいろいろ読んでいるみたい」
 凛  「まあ、脚色された自分達の姿、そうは満足いかないわよね」


 千百九十ノ二「事実ではなくとも真実です、とか」
 
 セイバ「そう、これです。これこそが……、うん、懐かしい」
 士郎 「あれ、お眼鏡に適ったみたいだな」
 凛  「本場のドキュメンリーか何かかしら。
     これね。えーと……」
 士郎 「え、『モンティ・パイソン ホーリー・グレイル』?」



 バレンタインもの
 千百九十三「彼女らしいといえばらしい」作:10=8 01(と〜や れいいち)さん

 秋葉「あら、兄さん。瀬尾からチョコを貰ったんですって?」
 志貴「いや睨むな。確かに貰ったけど……何も入ってないんだ」
 秋葉「へ?」
 志貴「いや、中身はこのカード一枚だけで……」

   <バレンタインチョコレート落しました 瀬尾晶>


 千百九十四「これも彼女らしい……のか?」作:10=8 01(と〜や れいいち)さん


 セイバ「凛。あなたはチョコを士郎に?」
 凛  「ま、まあ一応ね……そう言うセイバーは?」
 セイバ「ま、まあ一応………」
 藤ねえ「ダメーーー! 士郎にはわたしが手造りであげるのーーー!」

      ・・・・・・・・・・・

 士郎 「で、料理してキッチンを爆破させた、と」
 藤ねえ「………面目ないです」



 千百九十五「PingPong」作:10=8 01(と〜や れいいち)さん

 シオン「反応! 反射! 音速! 光速!」

     かっこっ、っかん、こんっ!

 志貴 「くうっ、どうだっ!」

     かんっ!

 シオン「カット!」
 志貴 「これならっ!」
 シオン「カットカットカットカットカットカットカットォォォッ!」
 志貴 (やっぱ、カット主戦型だったか)



 千百九十六ノ一「七夜の最期」作:かがみゆうさん

 黄理「七夜は退魔の暗殺者」
 黄理「常に“殺し”を研鑽し・極めよ、志貴」
 槙久「それは無理だな、見ろ」

 志貴「でへへ〜 今日は先輩とモニャモニャしようかな〜♪」


 千百九十六ノ二「七夜の最期・血の絆篇」作:かがみゆうさん

 志貴 「でへへ〜 先輩モニャモニャしましょ〜♪」
 シエル「いやん♪」

  ・
  ・
  ・

 黄理 「…………」
 黄理 「でへへ〜♪」



 千百九十七「降雪/豪雪」作:かがみゆうさん

 クールトー ウォンウォン!

   犬は庭駆け回り〜♪

 レン(ガタガタ)

   猫はコタツで丸くなり〜♪

    子供は――

 都古「当たったら、死ぬかも〜!!」

   あうっ!



 千百九十八「眠り姫」作:Jinroさん

   「この眠りが不幸などと誰が決めた?
    彼女の束の間の夢を冒涜するならば,この『宝石』けして貴様を許さぬ!!」



 千百九十九「僕はそうではないと信じてます」作:星詠師さん

 イリヤ「なんでかしら……。
     非攻略キャラってすっごく屈辱的な響きだわ……」



 千二百ノ一「雪が降りそう」

 琥珀「雲行きが怪しいので、確認したのですが、雪になるみたいですよ」
 秋葉「そう……。早めに帰らないと。では、行って来ます」
 志貴「俺も、用があるから、そろそろ学校に行って来るよ」
 翡翠「志貴さまも、お気をつけてお帰り下さい」
 志貴「うん? ああ、わかったよ」

 琥珀「志貴さん、変な顔していたけど、翡翠ちゃん、ちゃんと言ったの?
    ここの坂、夜なんかはけっこう洒落にならないって」
 翡翠「あ……」
 琥珀「もう、遅いわよ、翡翠ちゃん。
    平気よ、早く帰ればいいだけですもの。ね?」(楽しそうに)


 千二百ノ二「友人の見解」

 志貴「昼休み辺りから凄かったけど、とうとう降りだしたか」
 有彦「当然だろ。帰ったら雪見酒と洒落こもうと思ってるぞ、俺は」
 志貴「へえ、有彦、そういうの好きだからな」
 有彦「おうよ。どうだ、付き合うか?」
 志貴「ううん、今日はやめとく」
 有彦「そうか、じゃあ、またな。
    さてと、露天風呂、露天風呂」(弾む足取り)
 志貴「……なんだって?」


 千二百ノ三「先輩の見解」

 志貴 「あ、シエル先輩」
 シエル「遠野くん。早めに帰った方がいいですよ」
 志貴 「もう、帰るよ。
     先輩はどうしたの。何だか物思いに耽っていたみたいだけど」
 シエル「ええ。少し昔を思い出して……」
 志貴 「そうなんだ。どんな思い出?」
 シエル「雪崩に巻き込まれて、三日三晩……」
 志貴 「(壮絶な体験なんだろうけど、笑いがこみ上げてくる、まずい……)」


 千二百ノ四「姫様の見解」

 志貴 「どうした、アルクェイド?」
 アルク「寒いの嫌」
 志貴 「ふうん。
     ……そうしていると、なんだか猫っぽいな、おまえ」


 千二百ノ五「隔離された空間で」

 志貴「こんなに降り積もるとはなあ」
 翡翠「秋葉さまも、お帰りになるのは諦めたそうです」
 志貴「それが賢明だよな。事故でもあったら大変だし」
 琥珀「今日は、さすがにお客様もいないでしょうね」
 志貴「そうだね、今夜は屋敷に俺達三人だけか」
 翡翠「……」
 琥珀「……」
 志貴「あれ、え、何、この空気は?」


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